風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

ミュージカル『エリザベート』宝塚版と東宝版の違い 1.

 

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宝塚版と東宝版の『エリザベート』、比べてみるといろいろと面白い発見があります。
覚えている範囲で、うさぎ流に書いてみたいと思います。

(内容に触れることになります)  

 

いきなりですが、私はマックス(シシィのパパ)が好きです。  自由で束縛を嫌う開放的なパパ  実際に彼は詩人であり、活動的で躍動感溢れる人であったようです。
シシィはこのパパの気質を多く受け継いでいて、皮肉なことにその奔放さと感受性の強さが、後に堅苦しい宮廷生活を送る彼女にとって災いの種となるのです。  

 

宝塚版では、シシィの少女時代の物語がこのパパとシシィのデュエットから始まります。
  ♪ パパみたいに

 

外国へ旅に行こうとしているパパに、シシィが連れて行って欲しいと歌いかけるのです。
ここは二人の仲の良い関係が現れているとてもいいシーンです。  

 

さて東宝版では、シシィが現れる前に、お庭でパパとフランス語家庭教師の密会場面があります。
東宝版パパはちょいワルのようですね(´-`) パパのファンなのに・・ショック~

宝塚版にはそのような場面はありません。  
パパと家庭教師の場面はほんの一瞬だけですが、ストーリー全体を通して、東宝版はリアル人間的、現実的なシーンが多くなります。  

 

あと東宝版には、後半でエリザベートが果てしない旅をしている時、

マックスのことを思いながら、少女の頃に歌った『パパみたいに』を歌う場面があります。 もう自分はパパのようにはなれない、自由には生きられない、
切ないシーンです。 

 

*ここでストーリーから離れての比較を少し*

東宝版はフィナーレのショーもありませんし、お芝居の時間が長くなるので、宝塚版にはないシーンがいくつかあります。

あとトートとエリザベートの位置付けや解釈、フランツとルキーニの描かれ方も少し違います。

その辺りのことは、キャラクターを通して紹介していければと思ってます。  

ただ東宝版は2度観ましたが、手直しされている部分があったので、また変わってくる可能性はあるかも知れませんね。

東宝版は当然の如く、性別、年代が役柄に合うような役者さんが演じるので(子ルドは子供さんが)、リアリティがありますし迫力もあります。

宝塚版は、現実と非現実が交錯するストーリーの中に浮かび上がるトートに、エリザベートに、いつも不思議な魅力と美しいリアリティを感じます。

 

さて、ストーリーに戻って。

自由人のマックスと対象的な人物と言えば、厳格なゾフィー(フランツのママ)です。
ゾフィーの亡くなる場面、宝塚版で私たちはゾフィーの最期を、ルキーニによって知らされますが、 東宝版では最期にゾフィーの独唱があります。

ゾフィーはフランツから決別を宣言されて絶望し、その悲しみを歌い上げて亡くなります。
歌は、フランツの為を思ったからこそ厳しくしてきたのだというような内容でしたが、皇太后という立場と母親としての愛情との狭間で、どれほど葛藤してきたのか。

厳しかったゾフィーの胸の内を知る場面でした。  

 

ここまで書いて気づきましたが、『エリザベート』~宝塚版と東宝版の違い 1.
マックスとゾフィーという、何ともマニアックなコンビからスタートしてしまいました。
大丈夫でしょうか(^^;;

とは言え、フランツとエリザベートにとっては大きな影響力を持たらした二人と言えます。
この二人の宝塚版と東宝版の違いを感じ取っていただければと思います。

次はフランツとルキーニについてです。

うさぎ

 

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