こんにちは。花うさぎです。
花組公演の『あかねさす紫の花』で二人の違うタイプの皇子に愛される額田女王。
羨ましいですね❤︎
美人の誉れ高い額田女王ですが、いったいどんな女性だったのでしょうか。
あまりにも遠すぎてわからない万葉の世界が宝塚の舞台で再現されます。
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中大兄皇子と大海人皇子、額田女王の関係については諸説あるようですけど、宝塚では額田女王を巡る二人の皇子の愛憎劇を美しく切ない作品として描かれています。
大海人と額田は夫婦ですが、大海人の兄である中大兄が額田に恋してしまうところから、三人の関係が壊れていきます。
三人の関係を紐解く手がかりとなるのが、有名な万葉集の中の歌です。
(仮名づかいは宝塚の歌詞からの表記)
あかねさす紫野ゆき標野ゆき 野守は見ずや君が袖振る
宝塚では劇中で大海人皇子が歌う歌詞の中に出てきますが、これは額田女王が元夫の大海人に対して詠んだものですね。
ここで詠まれている紫野ってどんなところでしょう。
紫野=紫草の生えた野
これが紫草です。
可愛い花ですね♡
名前に紫がつくけど、実際は白い花です。
根っこ(紫根)の色素が紫染めの原料になるんで、紫草という名に。
実はこの野生の紫草、今では絶滅危惧種になっているんですが、通販では買えるので、数年前に庭で育てようと思ったんですが、花を咲かせるのはかなり難しいようで断念 ^^;
因みに花言葉は『弱さを受け入れる勇気』です。
話を戻して額田女王の歌。
紫草の生えた野を大海人皇子が野の番人にも構わずに自分に袖を振ってくることに戸惑う気持ちを詠ったものです。
袖を振る=愛情表現、当時はこういうことのようです。
それは戸惑うでしょう。
人目がありますしね。
心の中はどうなのかな。
まだ自分を思ってくれていて嬉しいんじゃないのかな。
そんな想像をしてしまいます。
そして、この歌を受けた大海人皇子が返した歌
紫の匂える妹を憎くあらば 人妻ゆえにわれ恋いめやも
妹(いも)=妻のこと
紫草のように美しい額田女王を憎むどころか、(今は)人妻であっても恋しく思うという気持ちをストレートに歌にしています。
大海人皇子の切ない気持ちが伝わってきますね。
高校の古典の授業で初めてこの歌を知った時、何て美しい歌だろうと思いました。
二首ともその時の情景が鮮やかに目に浮かぶし、二人の心情も良く伝わってきます。
大海人皇子はもちろんのこと、額田女王も大海人皇子をまだ慕っているようです。
だけど。
どうでしょう。
そこに強く逞しいもうひとりの魅力的な男性からも想われるのです。
優しい大海人皇子も忘れられない人でしょうが、強引な中大兄皇子にも惹かれますね、たぶん。 私なら〜(//∇//)
明日海りおさんが役がわりで、相反する中大兄皇子と大海人皇子の大役を演じられることには驚いています。
膨大な台詞の量でしょうし大変だと思います。
これはどちらの役も観たいところですね♡
劇中には、他にも大和三山の歌など万葉集からの歌が散りばめられていて、万葉の世界観を楽しめます。
額田女王は時代の屈指の歌人です。
色彩豊かな歌を詠む彼女は、おそらく才気溢れる魅力的な女性だったのでしょう。
額田女王の心の中に誰がいたのか知る由もありませんが、舞台を観ながら想像してみるのも面白いかもしれません。
ありがとうございました ♪