風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

雪組『凱旋門』感想 ②〜望海風斗の新たな魅力

こんにちは。雪うさぎです。


『凱旋門』2回目レポは「ボリス特集」です。


と宣言したものの、ボリスを語るのは結構難しいのです。


なぜならボリスは
過去がいまいちわからない
特定の恋人もいない
生活感がない


ボリスさん、結構ミステリアスなのです。

ここは、だいもんの力を借りて一気に書いていきたいと思います。
以下、内容に触れます。


。o♡o。+。o♡o。


プロローグのだいもん登場シーン
歌だけではなく、シャープな動きのダンスもかっこいいです。
ラヴィックの友人としてストーリーテラーの役割も担うボリス、初演と比べると出番はかなり多いです。

ですが、ラヴィックと違って生活感が見えてこないボリスを、だいもんはどのように作り上げていくのでしょうか。

 

もちろんボリスを知る材料もいくつかあります。

 

 。o♡o。+。o♡o。

 

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ボリス・モロゾフ
ロシアからの亡命者
パリのナイトクラブでドアマンをしています。
ドアマンという職業は、何より店の顔として誠実でなければなりません。
日本では馴染みが薄いけど、向こうではポピュラーな職業らしく。

注意深く人当たりの良い男性なのではと思います。


。o♡o。+。o♡o。


また亡命者であると言うこともあり、ボリスは特定の恋人を作りません。
ある時ジョアンに惹かれていくラヴィックにさらりと言ってのけます。
「俺は女性は行きずりに限っている」←きゃ、ボリスかっこいい〜(//∇//)
このセリフからも分かるように、ボリスは冷静な大人の男なのです。


。o♡o。+。o♡o。


大人の男と言えば。
制作発表の時、原作ではボリスの年齢は60歳くらいだと、だいもんが言ってましたね。
宝塚凱旋門では年齢を下げてますが、ラヴィックと同年か、上の年齢設定になっているように感じます。


普段に轟さんとだいもんが並ぶと、当然轟さんがお兄さんキャラで、だいもんが弟な感じなので、舞台ではどうなるかと思われましたが、不思議不思議。
対等か、むしろラヴィックを見守る兄貴的なボリスに不自然さは全くなかったです。


ここは強調したいですが、そこを含めてのだいもんの演技は素晴らしいと思いました。
そして終始ラヴィックに光を当てることに徹した抑える演技。
こんなに渋い演技ができるなんて、だいもんの新たな魅力発見!


。o♡o。+。o♡o。


さて、ボリスはラヴィックや他の亡命者たちと一緒に同じホテルに住んでいますが、他の亡命者達とは少し事情が違います。
彼だけビザを持っているのです。
そういう事情もあって彼は落ち着いていて、不安を抱える仲間たちを大きく包み込むような存在になっています。


好きなシーンの一つ
ボリスが他の亡命者たちと一緒にお酒を飲みながら陽気に歌い踊ります。

  ♪ 必要なのは酒だけ

ボリスは大らかで豪快な面があるのです。
この場面のだいもんもおススメです。

どこがおススメなのか。

全てです☆


。o♡o。+。o♡o。


ストーリーテラーとしてのだいもんは、今回主演でなくてもとても忙しいです。
出入りが多くて切り替えが大変でしょうが、私たちはとても嬉しい。
明瞭な台詞回しと素晴らしい歌声でテンポよくストーリーが進んでいくので、とても分かりやすくて聴き心地が良いのです。


ホンマ絶品ですわ! (ここは何故か関西のおっちゃん風に言いたい❤︎)


。o♡o。+。o♡o


ラストシーン
収容所送りとなるラヴィック達を見送るシーンです。
ここは多分初演のままかと。
ボリスが去りゆくラヴィックをハグする場面は感動的です。


そしてだいもんの歌「いのち」


      ♪  光  求め  密かな望み
             自由を信じて  信じて 人は生きる


やり切れない思いを抱えながらも、生きていかなければならない者たち、明日を信じて。
そんな思いを綴った名曲ですね。

最後にだいもんが素晴らしい歌を聞かせてくれます。
泣かずにはいられないラストシーンです。


。o♡o。+。o♡o


ボリスはこの『凱旋門』において、出番は多いものの決してラヴィックのようにドラマティックな描かれ方はしていません。
敵役でもないし、恋愛的な要素もない。
なので、だいもんファンとしてやや物足りないと感じるかもしれません。
かく言う私も、再演を聞いた時には少なからずそのように感じました。
ボリスはいい役ということはわかっていましたが、だいもんが?という感じです。


ですが、深みのあるボリスを演じるのは難しい挑戦だというだいもんの言葉を聞いて、なるほどと思いました。
描かれていないだけで、ボリスの過去にも彼のドラマがあるはず。
少ない情報からボリスという人格を作り上げなければならない。
今まで色濃いはっきりした役柄が多かっただいもんにとって、ボリスは新鮮であり、意外にも難役であったのかもしれません。


そのような視点で凱旋門のボリスを観ると、いつもと違う新しいだいもんの魅力に出会えると思います ^ - ^


。o♡o。+。o♡o


結構長文になってきました。
まさかの展開です。


最後に。

少し離れた位置からラヴィックとジョアンの恋を見守っていたボリス。


ラヴィックとジョアンが恋をして生きる意味を見つけたことで、ボリスもきっと何か希望を見出したと思いたい。

『愛』が、絶望を希望に、無力を生きる力に変えてくれる。

 

ボリス役に新しい命を吹き込み、大いにストーリーを盛り上げてくれました。

一つ一つのセリフも温かく優しさに溢れています。

やっぱりだいもんですね〜❤︎(*゚∀゚*)❤︎ だいもんに拍手!!

 

続きます。
次はアンリ、ヴェーベル、亡命者たちです。

 

ありがとうございました ♪