風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

星組『龍の宮物語』感想ー瀬央ゆりあ代表作に!

 

星組バウホール公演『龍の宮(たつのみや)物語』観劇感想です。
主演は瀬央ゆりあさん。

 

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夢か現か美しく切ない物語です。
『星逢一夜』の観劇後に感じたような心が締め付けられる感覚になりました。

また、龍の宮でのシーンでは衣装の豪華さやメイクの面白さなどもあり目でも楽しめます。

秀逸な作品有沙瞳という最高の相手役にも恵まれ、この作品は瀬央ゆりあ代表作となると思います。

 

音楽奇譚『龍の宮物語』
作・演出/指田 珠子

ネタバレ、少々あるかもしれません。

 

浦島太郎と夜叉ヶ池伝説


このストーリーはこの2つがベースになっています。

浦島太郎からは、龍宮、玉手箱、乙姫、時間の流れなど

夜叉ヶ池伝説からは、龍神、雨乞い、生贄など

これらのキーワードから、独自のストーリーと世界観を作り上げて宝塚らしく美しい作品に仕上がっています。


浦島太郎は日本のお伽話。
私たちにとっても馴染みがありますね。
子供の頃、玉手箱を開けてお爺さんになった浦島太郎には驚きでしたが、今思うと色々と考えさせられる話です。


夜叉ヶ池伝説のルーツは美濃国(岐阜県)安八群に伝わる伝説。
泉鏡花が戯曲にしていて、坂東玉三郎さん主演の舞台や映画、オペラなど何度も上演されている名作です。


この2つを融合させるとこうなるのかと知らしめてくれたのは、今回がデビュー作となる演出家・指田珠子先生。

この公演を観る限り今後もオリジナリティ溢れる作品が期待できそうで楽しみに思います。

 

瀬央ゆりあ / 清彦

 

5月の星組公演『鎌足』は作品自体はとても良かったですが、せおっちにはもう少し見せ場が欲しいと思ってました。
ですが今思うと、あの時の中大兄皇子役の経験が、今回、真っ直ぐで熱い心を持った清彦の好演へと繋がったようにも思えます。

清彦に命を吹き込み清彦として生きぬいた堂々たる演技が素晴らしく、せおっちの魅力が十二分に発揮された舞台でした。


物語の流れは、
誠実な書生・清彦の下宿先の百合子へのほのかな恋

幼い頃に出会った玉姫に再会し導かれ行き着いた龍の宮での日々

美しく妖艶美な玉姫へに惹かれていく

平凡に生きていた(と思う)清彦に様々な出来事が起こるのは偶然なのか必然なのか。


前半、せおっちの書生仲間との賑やかな場面や百合子とのやり取りまでは、少し気が弱そうで爽やかな青年役がよく似合ってました。
目元がキリッとしたイケメンで、丁寧な演技と歌、少し高めの声がよく響きます。

中盤から最後までは、数奇な運命に悩める青年を演じますが、こちらがまた良かった。←苦悩する人が好み

最後の玉姫とのシーンには涙腺崩壊しました。
これはせおっちとくらっちの演技力によるところが大きいと思います。

また主題歌も素敵で2人の歌に聴き入りました。

せおっちは軽めの明るい役より苦労を背負い込むタイプの役に魅力を感じます。
渋い大人の男の役も似合いそうで、今後の期待値がぐんぐん上昇中!

礼真琴さんが新しいタイプのスターなら、愛月ひかるさんは宝塚の伝統的なタイプのスター、
せおっちはどちらの要素も持ち合わせているので、今回のような正統派の役もとても素敵です。

琴ちゃんと愛ちゃんの色は、はっきりしているので、せおっちには2人とは違った独自の魅力でバリバリと活躍してほしいです。

 

有沙瞳 / 玉姫


玉姫はただの美しいお姫様ではありません。
積年の人間への恨みから復讐の時を待つという複雑で難しい役どころです。

くらっちは玉姫として、演技、歌、ビジュアル、どれもほぼ完璧と言っても良いと思います。

今まで数々ヒロインを演じ、どれも結果を残している実力派ですが、清彦を惑わす妖しい美しさを纏う役はくらっちにぴったりでしょう。
文句なしのはまり役です。

とにかく綺麗。
可愛い系というより美人系なので大人顔のせおっちによく合っていて、美しいコンビに溜息がでました。

美しさだけではなく、玉姫の物悲しさや儚さ、ミステリアスな雰囲気などを声の抑揚のつけ方や表現力で見事に演じ切りました。

また結構凄みもあって、気弱そうな清彦ならちょっときつめの美女に惹かれるだろうな(笑)と説得力がありました。

くらっちを見ていると、宝塚全体のトップ娘役の学年やタイプの枠をもっと広げても良いのになぁと思えます。

 

その他のキャスト

 

天寿光希 / 龍神
巧みな芝居でいつも組を支えます。
振り幅広いですが、この舞台では龍神。
玉姫をめぐってせおっち清彦と対峙シーンは見応えあり、さすが。 

天華えま / 山彦
清彦の仲の良い書生仲間で重要な役割を持つ役。
ぴーすけの飄々とした自然体の演技が良かったです。
フィナーレのダンス、かっこよかったですよ!

天飛華音 / 火遠理
龍神の弟役で兄の心の乱れを冷静に観察、存在感抜群で個性が光ります。
フィナーレも大活躍。

水乃ゆり / 百合子・雪子
1幕では育ちの良い清楚なお嬢さん、2幕では活発な娘と、二役を微妙に演じ分けていて好演でした。

 

フィナーレ

 

フィナーレは男役の群舞(ぴーすけセンター)から始まりました。

そしてせおっちが赤いスーツで登場、真ん中オーラが半端なくありました。
かっこいい!

そして赤いドレスのくらっちとのデュエットダンス
2人とても素敵ですね、こんなにお似合いなんて。
回転リフトもあり見応えたっぷり。

切ないお話の後のフィナーレですが特に違和感もなく、物語の余韻はしっかり続いてました。

 
瀬央ゆりあ、有沙瞳、二人が作り上げる世界観があまりに儚く美しく、記憶に根付く舞台になると思います。
感動しました。

せおっちの時代が来たのかもしれない・・と、
本気で思っています。

 

星・うさぎ

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星組『ロックオペラ モーツァルト』感想② 凪七瑠海 / 星蘭ひとみ専科異動

 

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星組『ロックオペラ モーツァルト』感想の続きです。

 凪七瑠海のサリエリ役


モーツァルトに敵対するサリエリ役のかちゃさん(凪七瑠海)は舞台に大きな足跡を残したと思います。
1幕はプロローグだけの登場ですが、2幕からがグイグイと存在が増してきます。

モーツァルトへの嫉妬、確執など演技も絶妙
またダンスや歌の表現力も上手くて、ジェラシーダンサーを従えて歌うシーンなど見応えたっぷりでした。

曲も素敵で、歌いこなすかちゃさんもかっこいい。←クールビューティ

ことちゃんとかちゃさん、そのままモーツァルトとサリエリとして対照的な2人をお互いの持ち味を崩さず演じきったことが、ラストへの緊迫感へと繋がっていったように思います。

去年から、蘭陵王、松本良順、サリエリとどの役もきっちり演じられているところに役の振り幅の大きさを感じました。

それでもこうして3役を並べると、かちゃさんはやはり蘭陵王やサリエリなどスタイリッシュで美しくキラキラした役が似合う人のように思えます。

 

その他の配役の皆さん


悠真倫 / レオポルト
才能がありながら破天荒な生き方をする息子モーツァルトを遠くから見守る父親。
愛ある厳しさが伝わるような奥行きのある演技でした。

音波みのり / セシリア
4姉妹のたくましい母親をはるこちゃん熱演!恐妻ぶりが面白くてかっこよかった。
いつもの上品なイメージを覆すような迫力満点の演技に注目です。素晴らしい。

紫藤りゅう / ローゼンベルグ
イケメンりゅうくん、笑いを取る役をコミカルに演じていました。
これからは宙組での活躍楽しみにしています。

小桜ほのか / アロイジア
コンスタンチェ(舞空瞳) の姉役ですが、美声を生かせる大きな役です。
4姉妹の姉としてちょっとプライドの高いところなどの演技も良かったです。

極美慎 / フランツ
ビジュアル良くて華があるのでどこにいても目立ちますね。

 

そして、4姉妹の4女ゾフィー役の星蘭ひとみさん
お人形のようとよく表現されてますが、私もずっとそのように思ってました。

 

星蘭ひとみさん専科異動について


宝塚が誇る美女・星蘭ひとみちゃんの専科への異動が発表されました。
今後は映像を中心に出演する予定で、異動後に最初に出演する公演は未定とのことです。

専科は元々ダンス専科や演劇専科、声楽専科などに細分化されてました。
例えば松本悠里さんは舞踊専科でした。
舞踊に秀でてらしたからです。

 

けれどいつしかその制度はなくなり、2000年には新専科制度(正式名ではない)と形が変わったり、それもまたなくなり…と、変化があり、明確な専科の意味合いが分からないところもあります。

 専科が細分化されていた時代には映画(映像?)専科なるものがあったようですね。
これは私は覚えがないのでもっと昔の話になります。
八千草薫さんなど。
なので今回の専科移動はむしろひと昔前に戻ったかのような、そんな印象を受けました。

 

映像専科もなくなりその後在団中に外部出演された、遥くららさん、黒木瞳さん、純名里沙さんなど、
この3人は戻ってからトップ娘役になられて大活躍でした。
遥くららさんと黒木瞳さんはビジュアル特化型(←若い抜擢の為)、純名里沙さんはビジュアルも実力もあったと記憶しています。

ひとみちゃんの場合どのような展開になるかはまだわかりませんが、また舞台に戻られると思うので、この挑戦が彼女にとってプラスになるように期待したいです。

  

最後に

 

新生星組トップコンビの礼真琴さんと舞空瞳さんは実力はもちろん、フレッシュで爽やかな素敵なコンビです。

ここに愛月ひかるさん、天寿光希さん、瀬央ゆりあさん、有沙瞳さんなどバラエティに富んだメンバーが加わり新しい星組の歴史を作っていくのですね。

『ロックオペラ モーツァルト』礼真琴さんの持つ躍動感エネルギーをぶつけられる新しい感覚の舞台で、とても楽しめました。

東京千秋楽まで駆け抜けてください。


星・うさぎ 

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星組『ロックオペラ モーツァルト』感想① 〜礼真琴 / 舞空瞳

 

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天才音楽家の名を欲しいままにした、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

人生においても数多のエピソードを残して、彼についての映画やミュージカルなどが世界中を駆け巡っています。

快活で破天荒な天才モーツァルト役に礼真琴、その妻コンスタンツェ役に舞空瞳

ことちゃん、ひっとんプレお披露目公演おめでとうございます。

新生星組トップコンビについて、モーツァルトを絡めながらの感想です。

 

ロックオペラ

 

モーツァルトはクラシック界の巨匠だけど、生き方はロック(に思える)。
なので彼の人生を辿るミュージカルがロックオペラというのは凄くすんなりきました。

ドーヴ・アチア氏のナンバーも印象的でかっこいい。

以前男性が演じるモーツァルトとを観ました。
どの作品にも言えることですが男性が演じるものとは別物として捉えます。

この公演、宝塚のモーツァルト大熱演

トップとして初のステージです。
おそらく緊張の中、95期生の先陣を切って若いトップ礼真琴が、持ち味の歌とダンスを遺憾無く発揮しました。

特に恋に破れて母を失った1幕のラストのことちゃんの歌とひっとんのダンスが素晴らしく、心に残りました。

また、音波みのりさんや小桜ほのかちゃんなど娘役さんの歌や活躍の場も多く、衣装も綺麗で華やかな舞台になりました。

 

モーツァルトと礼真琴

 

舞台は21歳のモーツァルトから始まりますが、
簡単に彼の神童ぶりを。

幼少時に彼の才能を見出した宮廷音楽家の父親が息子に英才教育を施します。

・3歳でチェンバロを弾き、5歳の時に最初の作曲をする。

・6歳時シェーンブルン宮殿でマリア・テレジアの為に御前演奏を行う。

・7歳の時、フランクフルトでモーツァルトの演奏を聴いたゲーテの言葉
「絵画でいえばラファエロ、文学でいえばシェイクスピアに並ぶ」

彼は頭の中に振って来た音符をただ五線譜に書き写しただけだそうです。
35年の生涯で626曲の楽曲を作曲しました。
凄いですね!

 

舞台でのモーツァルトの描き方は、印象としてはやんちゃ坊主がそのまま大人になった…みたいな?
結構女好きで(笑)モーツァルトの自由奔放さが強調された演出でした。

30歳の時に『フィガロの結婚』で一躍有名人になった天才モーツァルト、意外や努力の人でもあったようです。

ことちゃんも才能のある人ですが、光り輝く道を歩んでいる人ならではの苦労もあり、早い抜擢の期待に応える為かなりの努力をされてきたのでしょうね。

実際このレベルまで踊れて歌える人はそうそういないと思うし、この先は経験値が加わることで男役としての深みや味わいや色気も増していくのだと思います。

  

 礼真琴と舞空瞳

 

食聖の時はことちゃんとひっとんの並びが合うのかどうかまだ良くわかりませんでしたが、今回2人の歌やダンスがとても自然で、合っているように感じました。
見慣れたのかもしれません。

ひっとんはクラシカルな雰囲気もありつつ、ことちゃんと風のように軽く、またのびやかに舞うところがとてもキュートで動きも美しい。

 

ですがストーリーの中で(史実ですが)モーツァルトが恋したのはアロイジア(小桜ほのか)、
コンスタンツェ(舞空瞳)のお姉さん。

モーツァルトが姉に惹かれていく様子を、そっと見つめるコンスタンツェのひっとんが切なくていじらしい

姉のことは2人にとってもほろ苦い思い出となりますが、出会いから結婚まで恋人というより友達のように明るく(ちょい軽い感じで)上手く演じていて、初々しい2人でした。

 

フィナーレ

ことちゃん率いる男役の郡舞はかっこいいです。

トップコンビのデュエットダンスはとても迫力がありました。
圧巻の高速クルクルリフトに何か凄いものを観たような、、やるなぁ♡
やはり、2人のダンスはこれからの大きな楽しみになりそうです。

 

レクイエム

 

モーツァルトが最後に作曲したレクイエム ニ短調k 626
彼の死により未完のまま。
後に弟子のフランツ・ジュースマイヤ(極美慎)によって補完されました。

「レクイエム」の意味は訳すのが微妙に難しくて、ラテン語では「安息を」
カトリック教会の死者の為のミサの際に用いる聖歌ということで「鎮魂曲」とも訳されます。

正確には、死者の魂を鎮めるというより、死者の永遠の安息を神に祈る為の楽曲のことです。

 

モーツァルトの楽曲は明るく美しいメロディが多くて彼自身も自由人でしたが、父親との手紙のやりとりから彼なりの死生観を持っていたと言われています。

5人の兄弟たちや母の死を通して、生きることや死ぬことの意味を考えていたようですね。

生きている時間を惜しむかのように、晩年、作曲の依頼が減ってきていても素晴らしいシンフォニーを作り続けます。

 そして最後の「レクイエム」
自分自身の死と対峙しながらの作曲。

ことちゃんが自由奔放さから一転、死に取り憑かれたかのようなモーツァルトを演じストーリーの最後を締めくくりました。

 

因みにモーツァルトのミドルネーム、「アマデウス」の意味は「神に愛される」
まさに、音楽の神に愛された人です。

 

夢を見るから人生は輝く

 

私がブランクを経て宝塚へ戻って来てことちゃんを観た時、既存の宝塚男役に留まらない新しいタイプのスターの活躍を観て、衝撃を受けました。
もちろん良い意味で。

スター揃いの95期の中で首席ということも納得させる力と魅力もあり、その舞台センスに宝塚に新しい風が吹いていることを感じました。

これからの星組を引っ張っていくことちゃんとひっとんの活躍に期待しています。

 

そしてモーツァルトの名言である「夢を見るから人生は輝く」 
この言葉をモーツァルト役の礼真琴さんに贈りたいと思います。

 

またこの公演では主要人物のサリエリ役の凪七瑠海さん(かっこよかった!)始め、音波みのりさんなど素晴らしい活躍をされた方が多かったので、いずれまたその感動を書きたいと思います。

 

星・うさぎ 

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明日海りおラストデイ〜東京宝塚千秋楽ライビュ感想

 

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『A Fairy Tale / シャルム!』千秋楽

 

花組トップスター明日海りおさんの宝塚ラストデイ。
ライブビューイングにて最後のお別れをしました。

私の街の映画館にも薔薇の精は来てくれました。
私はこの日を忘れません。

この公演は2度舞台で観劇する機会がありましたが、観る度に泣ける場面が増えていきます。

私にとって『青い薔薇の精 』はストーリーの細かいことはさておき、物語の中で美しく咲くみりおさんの青い薔薇の精が好きでした。

この世の人ではないものを「明日海りお」ほど上手く(違和感なく) 演じることのできる人はいないと思う。
なので最後の舞台が薔薇の精のエリュ役であったことは本当に良かったです。

そして『シャルム!』で美しい宝塚の男役・明日海りおを堪能することができたので、満足度の高いラストステージとなりました。

 

以前観劇した時に書いた感想です。↓

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公演終了後に明日海りおさんのサヨナラ ショーがありました。

 

サヨナラ ショー

 

エリザベート 

宝塚幻想曲

カリスタの海に抱かれて

新源氏物語

金色の砂漠

メサイア

EXITER!!ー客席おりー

Melodia(柚香)

CASANOVA

ポーの一族
 時の輪
 水車の曲(明日海・華デュエダン)

Sante‼︎ (芽吹 白姫 乙羽 城妃)

BEAUTIFUL GARDEN

Happiness

Delight Holiday


 今となればどの歌も懐かしく、全ての曲に明日海りお魂の息吹が感じられます。

そしてどの役もみりおさんが愛しファンが愛した役でした。

また本日みりおさんと共に卒業される芽吹幸奈さん、白姫あかりさん、乙羽映見さん、城妃美伶さんら4人で歌うSante!! 

最後まで皆さんとても素敵な娘役さんでした。

 

4人のトップ娘役

 

長期トップといえど4人も相手役が変わり、相手役さんが固定することはなかったけれど、それぞれとの舞台に心に残る作品があったと思います。

蘭乃はなさんとの『エリザベート』華優希さんとの『青い薔薇の精』はそれぞれ1作のみになりましたが、お披露目とサヨナラという大きな舞台を演じあげ印象付けました。

花乃まりあさんとの『金色の砂漠』仙名彩世さんとの『CASANOVA』はコンビ作品としてとても素晴らしかったです。

また、サヨナラショーにはありませんでしたが、再演に心躍らせた『あかねさす紫の花』みりゆきも秀逸でした。

 

舞台挨拶は紋付袴で

 

みりおさんは最後の大階段を紋付袴で降りてこられました。

お花渡しは、組からは柚香光さん、同期生からは宝塚では望海風斗さんでしたが東京では羽桜しずくさん。

舞台挨拶で「宝塚にすべてを捧げてきました。男役として生きることに自分をかけてきました。」と心からの言葉を聞いた時は言葉の重みに思わず胸がきゅんとしました。

また「身も心もふくよかになった」という言葉にみりおさんの満たされた心と男役としての達成感を感じました。

 

明日からも清く正しく美しく

 

みりおさん、たくさんの夢の舞台をありがとうございました。

私たちの胸の中にいつまでも生き続け、お言葉どおりに夢の続きはまた次の世代へと受け継がれていくのですね。

また「宝塚に残る方たちが恥ずかしくないように明日からも清く正しく美しく生きてまいります」とOGとしてあるべき姿を語られていたのも印象的でした。

そして男役としてファンに最後の投げキス「受け取れよ‼︎」

最後までかっこよく楽しく素敵なみりおさんでした。

第27代 花組トップスター 明日海りお本日にて任務を終了します。」(ニュアンス)と言われましたが、17年間本当にお疲れ様でした。

 永遠に輝ける美しいスター明日海りおさんに寄せて。

 

花・うさぎ

 

宙組『アクアヴィーテ!!』感想〜琥珀色の誘惑

 

 ウィスキーの美しい琥珀色の輝きは熟成の証だとか

 

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宙組公演のショーがとても素敵でした。
雑感になりますがお付き合いいただければ嬉しいです。

 

ウィスキーに合う宙組生


カクテル、ワインに続く藤井大介先生の今回のテーマはウィスキー

苦さと甘さに酔い痴れることができるでしょうか。


プロローグではスツールに腰掛けて真風さんセリ上がり。
グラス片手に物憂げにブルースを歌う。

「真風涼帆」の魅せ方としては最上級のプロデュース、
ゆりかさん大好きな親友の悲鳴が聞こえてきそう。

思いっきりキザってる真風さんが見事に決まっていて絵になり、これからの展開にドキドキする、
そんな素敵な始まりです。

8章、男役の美学を熟知されているANJU先生の酒場でのタンゴの振付もとても素敵です。

星空の下で真風さんがひとり踊って終わるという幻想的なストーリーとこのシーンでのチェロが美しい。

チェロは人の声に1番近い低めの音色と言われているので耳に心地良く、響きに哀愁を感じることもあってこのシーンには効果的だと思いました。


キキちゃん(芹香斗亜)も色気があって芳醇なウィスキーのよう。
2人の異なるトップの元で2番手を経験し熟成された「芹香斗亜」、何とも言い難い眩い光を放ちます。

みりおさんの宝塚男役の正統派の美しさと、真風さんの男役のダンディズム、かっこよさが、
キキちゃんの持ち味のしなやかさやスタイリッシュなところにブレンドされて、唯一無二の魅力的なスターなったように思えます。

アフリカの野獣のシーンは燃え上がるウィスキーのように熱いイメージ だそう。

ワイルドなキキちゃんの歌、そらくんともえこちゃんのダンスなど、とても見ごたえのあるシーンでした。


今が花盛りのキキちゃん、真風さんとのコンビは最高潮…
…なだけに、気になるのは2番手時代があまりに長過ぎること。

矛盾するかもしれませんが、真風さんのトップ継続を望んでいないということではありません。
素敵な方ですから。

ほんとに人事とはままならないもので何が正解なのか我々が知る由もないことです。


ずんちゃん(桜木みなと)は、真風さんとキキちゃんの大人の色気の中で、爽やかな色気を醸し出します。

堂々とした歌にダンス、あの可愛かったずんちゃんはどこ行ったー?と思うほどかっこよくて大人っぽくて素敵になっていきますね。
ベネディクト役で大きな飛躍をして一回り大きくなったような。


真風さんとキキちゃんとずんちゃん、3人の見せ場、ウィスキーはお好きでしょ♪

観劇前に聞いた時は、まさか?と思いました。
たまにカラオケで歌いますし。(私声が低めなので竹内まりやver. 母は石川さゆりver.)←無駄な情報

実際に3人が銀橋で歌い始めた時は浮いた感じもなく流れに馴染んでました。
最近ショーでは宝塚の枠を超えた歌が歌われてるので慣れっこになったのかもしれません。
宝塚の歌にも演歌っぽいのもありますし。

そして3人が客席へ降りてそれぞれ順番に客席のターゲットへ甘い囁き…なんですが、口説き文句が半端ではなかったな。

お楽しみに。

 

星風まどかさんは歌もダンスも卒なくこなす優秀な娘役さんですが、このショーでも大活躍でした。
前から薄々感じてはいましたが、まどかちゃんはキキちゃんやずんちゃんとも合うんですね。

和希そらさんは歌もダンスも演技も全てにパンチが効いているところが好きで、宙組で1番注目している生徒さんなので活躍の場が凄く増えてきてとても嬉しいです。

 

その他印象に残ったこと

 

・錬金術師に扮する英真なおきさん、面白い役柄でしたね。
ウィスキーはある錬金術師が編み出したという説から要所要所に登場。

・女装?が多くてびっくり。
実羚淳さん、春瀬央季さん、七生眞希さん、和希そらさん、秋音光さん、皆さんとても綺麗ですが、ベテラン英真なおきさんの女装も美しく負けてらっしゃいませんでした。

・夢白あやさんのポジションがかなり高かったですが華がありますね。

・アクアヴィーテの意味である「命の水」
これが1番伝わってきたのは太鼓や笛の和楽器で表現された大地のエネルギーが溢れるシーン、素敵でした。
 

全体的な印象としては、真風さんとまどかちゃん、キキちゃんは盤石のトリデンテとして、桜木みなとさん、和希そらさん、瑠風輝さんら中堅スターも実力者揃いでショーのクオリティを上げているように思えました。

今年の宝塚のショーはどこも組らしさが生かされていて楽しい!

 

各組に因んだお酒


各組の作品に因んだお酒を見つけました。


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左上から時計回りに。

(花)シャルム→ (月)武蔵→ (星)モーツァルト→ (宙)白鷺の城→ 最後の雪が凄い→
(雪)フランチャコルタ リゼルヴァ ヴィットリオ モレッティ テアトロ アッラ スカラ フィデリオ 

ヴィットリオ(はばたけ黄金の翼よ)という文字を見つけられましたか。

 

最後に


かっこいいBARで、
あるいはお洒落で洗練された部屋で、
憂いを帯びた素敵な人がお酒を飲んでいると、それだけでドラマになり色々と妄想しますよね。(私だけ?)

プロローグに戻ると真風さんはそんな感じ。
そこから始まり最後まで酔いが醒めなかった。

トップの持ち味が存分に生かされて、宙組生の魅力を十二分に発揮。
疲れた日常からふっと離れて時間を忘れて楽しませていただきました。

 

宙・うさぎ 

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雪組『はばたけ黄金の翼よ』感想 ② “朝美絢と永久輝せあ”の可能性

 

11/2ひこね市文化プラザでの『はばたけ黄金の翼よ』レポの続きです。


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今回は朝美絢さんと永久輝せあさんについての感想です。
ネタバレ含みます。

  

朝美絢


ファルコ・ルッカ役
ヴィットリオの腹心の部下

 

クールなファルコ

 

冷たい視線、色気、浮世離れした美貌、伸びのある歌声

ビジュアルも雰囲気も全てがハマると思っていたけれど、期待どおり。
クールビューティーなファルコクール美のあーさが演じます。

 

同じクール美系のヴィットリオ(望海風斗) はクラリーチェに関することになると笑ったり怒鳴ったり、感情を露わにする。

が、ファルコは笑わない。

ファルコにも密かに想いを寄せる女性がいるようだ。
ジャンヌ( 星南のぞみ)

だけど、ファルコは恋愛に関しても政治に関しても一貫してクールな男なのだ。
胸の内は誰よりも熱く情熱を秘めているのに!

つまり、ものすごく複雑な人物です

 

あーさのファルコは、前半は歌とビジュアルでグイグイ押して、後半からはお芝居で魅せてくれて、ヴィットリオへの敬愛が痛いほど伝わってきました。

目が物を言うと言いますが、あーさは目でお芝居ができる人かと。
とても魅力を感じます。
望海さんも目で演じることが出来る人だと思っています。

 

あーさへの期待


ファルコを観て今後のあーさに期待が湧いてきました。

何度か書いてますが、あーさは白い役も黒い役も女役もフェアリー系も出来る稀有なタイプかなと思っています。


例えばドンジュアンの様な色気ダダ漏れ系、エドガーの様なミステリアス系、ロミオの様な王子様系、あるいは美貌のスカーレットなど、どれもイメージがつきやすく、それってかなり凄いことじゃないかなと思うのです。
また、フォトブックの大海人皇子も素敵ですね、こちらは和製王子(皇子)様。

今後大きな舞台で経験を積むことで、更にスケールの大きさを身につけていけばこれらの役も決して夢ではないはず。

 

次の大劇場公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』女役キャロルを演じることは、あーさにとってまた一つ貴重な経験を積むことになります。

早霧せいなさんが2番手時代に演じた爽やか美の女役とは全く違うタイプの妖艶美のあーさ。
斎藤一、ファルコと続いたかっこいいあーさからの転身に大注目です。

 

永久輝せあ 

 

ジュリオ・デル・カンポ役
ボルツァーノの新領主
クラリーチェ(真彩希帆) の腹違いの兄

 

バージョンアップ


初演よりバージョンアップしたジュリオ役。
初演の杜けあきさんがジュリオ役を演じたのは研5くらいだったので、現在研9のひとこちゃんのお餞別に相応しいように役柄が膨らんだのでしょう。

歌も増えて鞭打ちもファルコからジュリオに変わり、ファルコと並ぶ程の大きな役になりました。
ジュリオが活躍することでストーリーが分かりやすくなったと思うので、これは良かったと思います。
例えば鞭打ちですが、話の流れとしてはジュリオの方が納得できました。
←そしてひとこちゃんの鞭打ち上手かった、のぞ様痛そうだったけど(T . T)

剣さばきも上手いです。
ドンジュアンを思い出すのぞ様ヴィットリオとの闘いは見応えありました。

そしてもう一つ、ひとこちゃんは台詞回しはサラッとしているのに、決して芝居が軽く(浅く)ならない

ジュリオも色々なことを背負っていて苦しい立場にある人ですが、
サラリと言う台詞に苦悩や悲しさを込めることができるのは、ひとこちゃんに芝居心があるからかな、と思うのですがどうでしょう。

 

ひとこちゃんへの期待

 

先程あーさは白黒女妖精何でもござれ的な発言をしました。

違った角度で言うと、ひとこちゃんの場合は今の雪組に多いリアリティ溢れる役柄も2.5次元ビジュアル系も、どちらも違和感なく演じられるタイプだと思います。

それはこれからのひとこちゃんの強みかな。

ビジュアルが良く華があってスターの条件をほぼ持ってますが、同時にまだまだ学ぶべきことの多い学年です。

 

花組異動後、まずは『DANCE OLYMPIA』で光ちゃんやマイティたちと思いっきり得意のダンスを魅せてほしいし、2人から学べることも多いと思います。

そして『はいからさんが通る』
配役は今の時点でまだ決まってませんが、大きな役がつきそうな予感。


明日海さんからVISAイメージキャラクターを受け継ぐことも決まり何もかもが一新され、周りはあれこれと賑やかになり大変でしょうが、選ばれし者の運命(さだめ)ですよね、頑張ってほしいと思います。
ずっと応援しています

 

最後に


今回はあーさとひとこちゃんについての感想になりました。
他のキャストの方の感想も書きたかったけれど時間が押してきました。

特にひらめちゃん(朝月希和)、雪組最後となる舞台で大きな足跡を残してくれました
次はいよいよ花組『マスカレード・ホテル』のヒロイン役ですね。
大きな花を咲かせてください、楽しみにしています。


この公演では欲しかったツアーバッグも買えず、彦根市観光も出来ずでひこにゃんにも会えず(涙)舞台一本に命をかけました!←大げさ

お土産にお菓子や兎の手拭いをいただいてとても嬉しいです!
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お芝居もショーも少ない人数で見応えのある舞台を魅せてくれた雪組の皆さんに拍手を送ります。

今年の宝塚歌劇のテーマ「温故知新」の流れの中で選ばれた作品『はばたけ黄金の翼 / Music Revolution!』、
そしてオリジナル作品の『ハリウッド・ゴシップ』

タイプの異なるハッピーエンドの雪組2作品を観劇できて、私もハッピーになり満たされました。

雪組さんとは来年の大劇場公演でお会いすることを楽しみにしています。


ありがとうございました。

 

雪・うさぎ 

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雪組『はばたけ黄金の翼よ』感想 ① 望海風斗の凛々しさと真彩希帆の可愛さと


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11/2ひこね市文化プラザでの『はばたけ黄金の翼よ』レポです。
ネタバレあります。

原作は粕谷紀子氏の劇画『風のゆくえ』
ドラマティックなストーリーに反して静かで柔らかなタイトルです。

 


初演より原作に近づき10分尺が伸ばされたことで、ストーリーの流れなどは分かりやすくなったように感じました。

古き良き少女漫画の世界が蘇ってきて懐かしさもあり、現実から離れて愛と戦いの物語に浸ることができました。

のぞ様のヴィットリオ、やっとです!

楽しみ!!!

 

望海風斗 / ヴィットリオ

 

まず顔がとてもいいです。
ヴィットリオの強さや男らしさが望海さんのキリッとした美しい顔によく合っていて、とーっても凛々しく素敵でした。

話題のチリチリヘアーも難なくクリアどころか、凄く似合ってました。

豪華だけど仰々しい衣装も全てすっきりとした着こなし、マント捌きも完璧!

この作品は麻実れいさんの印象がとても強かったですが、望海さんとヴィットリオは予想以上に見事にマッチして、勇猛果敢な男っぷりが最高でした♡♡♡

 

クラリーチェへの愛


ヴィットリオはクールで俺様で終始かっこいいんですけど、クラリーチェにメロメロなところがとても可愛くて、そのことがファルコや皆んなにもバレバレなところも可愛いのです。

政治面において冷血なヴィットリオとは全く別の顔のギャップに、クラリーチェも(私たちも)翻弄されっぱなしです。

冷血さの中に垣間見る優しさや可愛さ、同時に存在する二つの微妙なラインの演技が上手いんです、望海さん!

 

 愛の人、ヴィットリオ


巷では、望海さんの役柄は致死率が高いというところが注目されがちで確かにそうですが、私はむしろ「愛の人」というイメージの方が大きいです。

どの役も(ボリス以外)ヒロインへの愛に満ちていて、
どの歌にも愛が溢れていて、
どの作品も泣けました。

「死」というのは、その先にがあるかないか、という括り。


クラリーチェへに対してもそう、
霧の中で感じた心のときめき、拉致され毒を飲まされた時のうろたえ、裏切られたと知っていても剣を捨て自分を差し出す、そして最後の抱擁まで、どれ一つとっても「愛の人」です。

 

真彩希帆 / クラリーチェ


大人っぽい謎めいた女性や個性の強い役が多く何でもこなしちゃう真彩ちゃんですが、今回はとっても可愛いプリンセス⭐︎

ドレスはもちろん、途中髪をショートにして少年の格好もどちらも似合っていて、チャーミングという言葉がぴったりな可愛い人だなぁと思います。

そんな可愛いクラリーチェですが、剣の練習をする気丈なところや、
いざとなれば自ら髪をバッサリ、少年になり切る潔さはかっこいい。


真彩ちゃんのお芝居が好きです。

クールな役よりむしろ今回のように、泣いたり怒ったり笑ったりと表情がくるくると変わる役の真彩ちゃんが面白くて、表情豊かなので目が離せなくなります。
最近、右目で望海さん、左目で真彩ちゃんを同時に観られる術を習得しました。
嘘です(^人^)

 

ハッピーエンドへと羽ばたく


私たちの心を捉えて離さないふたり。

傷つき眼帯をしている王子様(若き領主)と、自由に羽ばたきたいお姫様


『エリザベート』のフランツとシシィは嵐を乗り越えることが出来なかったけど、
ヴィットリオとクラリーチェは嵐を恐れず立ち向かいハッピーエンドへと羽ばたいて行く。


ラストシーンで歌うヴィットリオの声の優しい響きが会場を包み込みます。

ああ 君を想い
ああ 君を愛す

その甘い歌声に包まれて幸せを隠せないクラリーチェ。
もう羽ばたく先はヴィットリオの胸の中!

はぁ…

いつものことながらこの作品で望海さんが歌う3曲全て歌い方がまるで違います。

「はばたけ黄金の翼よ」は力強く雄々しく
「ああ君を愛す」は甘く優しく

 

そして2人で歌う新曲「風のゆくえ」のだいきほのデュエットの素晴らしさ。
2人の歌声に音楽の天使がついていると確信する瞬間。 

風はどこからやって来て、どこへ行くのか誰もわかりません。
ですが2人はこれからも風に乗って翼を広げて大空を飛んで行くのだろうと思わせてくれる素敵な歌です。

ヴィットリオとクラリーチェが運命に翻弄されながらも、力強く生きていくところは観ていて気持ち良かったし、
今まであまりなかっただいきほの新しいタイプの舞台に魅了された至福の時間でした。

 

ひこにゃんに癒されたのぞ様

 

この公演には彩風咲奈さんを筆頭にハリゴシメンバーが多数観劇されてました。

MR、ショーでの望海さん客席降り。
咲ちゃんをギュッとハグして場内は大喝采!

その後ペンギンさんみたいな歩きののぞ様、
ひこにゃんの物真似だ!
可愛いんですよ〜ホントに


最後のご挨拶
奏乃はるとさんに、望海さんが昨日ホテルに荷物を置いて猛ダッシュでひこにゃんに会いに行っていたと紹介される望海さん。

望海さん、
ひこにゃんには凄く癒されて、今日舞台に立つことができました、と。


✽:.。..。.:+・゚・


ひこにゃん、確かに癒されますね。
動きはあのようにヨチヨチ歩きなんですね、知りませんでした。

 

湖の国で観劇

 

彦根へは今まであまり来る機会がなかったのですが、彦根城や城下町は情緒があって雰囲気のある素敵な街ですね。
「夢京橋キャッスルロード」や「四番町スクエア」などもたくさんお店が立ち並び楽しそう。
是非また訪れてみたい街です。


私にとって昨日の『はばたけ黄金の翼よ/Music Revolution!』は初日にして楽日でしたが、その大切な公演を湖国で観劇することができました。

全てのチケットの神様に見放された私と妹を救ってくださったA様に感謝します。

開幕前にはブロ友さんと、終演後にはTwitterフォロワーさんと、ホントに短い時間ですがお会いすることができました。
(歳は食ってても)人見知りで、なかなか自分からお話しがけできないので交流していただけてとても嬉しいです。


感想の続きはまた後日書きたいと思います。


雪・うさぎ 

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雪組『ハリウッド・ゴシップ』感想(後編) 彩凪翔 ー 熱演が光る

『ハリウッド・ゴシップ』感想(後編)、彩凪翔さんが中心の感想です。
ネタバレ含みます。

 

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彩凪翔の輝き

 

この公演を観て、彩凪翔主演の舞台を観たいなーという願望が芽生えています。

ジェリー役は熱演でした。大変魅力的でした。

咲ちゃんがぐいぐいお芝居を引っ張り、翔ちゃんがスパイスとなり絡んでいきますが、
彩彩2人のバランス彩潤彩トリデンテ、とても良かったのではないでしょうか。


数年の翔ちゃんの役の振り幅の広さー王子様から大人のクールな役、色の濃い役までーは演技ビジュアルともに秀逸で素晴らしい活躍です。

若い頃はビジュアルの良さが注目されがちでしたけど(私もそうだった)、誠の群像辺りから私の中で役者としての翔ちゃんの存在も大きくなってきました。

 

ジェリーの輝き


ジェリーは押しも押されぬハリウッドスター⭐︎

登場からスターオーラ全開でかっこいい。
翔ちゃんは華やかな容姿なのでキラキラ系の役が似合います。
しかしキラキラしているだけではありません。

傲慢で野心メラメラ、モテモテ。
監督もご機嫌を取りまくるほどの売れっ子スター。

ジョニー・デップ、キアヌ・リーブス、トム・クルーズのような凄いスターなのかな…彼らよりずっと若いだろうけど。

過去には大女優アマンダの愛を利用して栄光の座に就いたという華麗なる遍歴もあり。
悪そうな匂いがするなぁ。←大変良い

そんなスター然としたジェリーの振る舞いが板についていてジェリーの個性がしっかりと伝わってくる演技でした。凄い!凪さま。

 

彩×彩


ハリウッドでの栄光はいつまで続くのか・・
追うものより追われるものの方が怖い。

彗星の如く現れた新進スター、コンラッド(彩風)の影に怯える日々。

コンラッドとジェリー、トップ俳優の座をかけての対決です。

咲ちゃんと翔ちゃん、2人の対決にドキドキ。

壊れていくジェリー
薬に溺れてしまう。
転落するのはあっという間。

ここからの翔ちゃん特に大熱演です。

サロメの彩凪翔


劇中劇の「サロメ」

悪役の翔ジェリー。
お髭がよく似合うも、薬のせいで精神が蝕まれてボロボロになりながら演じる。
役柄なのかジェリーなのか最早わからないほどの錯乱ぶり。

思いっきり暴れて崩れて堕ちていく翔ちゃんの演技がとっても良い、震える。

『サロメ』は聖書の中に出てくるお話。
首を取られるヨカナーンは洗礼者ヨハネで、イエス・キリストとはハトコになります。
母親同士(マリアとエリザベツ)が従姉妹です。

劇中劇ですが『サロメ』のような古典的な戯曲に現代的な翔ちゃんがピタッとはまるとは意外でした。

「彩凪翔」の可能性まだまだ広がりそう・・。

 

ジェリーと監督、プロデューサー


映画監督ロバート役の真那春人くん。
カフェのおじいさんもどちらの役もいい。
皆んなに振り回されて、仕事できるのかなと心配になりそうな監督です。

助監督役の諏訪さきくんは表情豊かで細かい演技ができる人ですね。

ゴシップ紙コラムニストの愛すみれさんはストーリーの語り部として安定した歌唱力。


プロデューサーのハワード役の夏美ようさん。
はっちさん、声に圧がありアクの強いプロデューサーもさすがの演技です。
先日、大劇場公演で英真なおきさんと一緒に観劇されているところに遭遇しましたが、ふとお2人の星組時代を思い出しました。
何の公演だったか中堅スターの頃、ぴちぴちの革ジャンで2人で歌いながらの銀橋のシーン…。

そのお二人が今も専科で活躍されていることはとても嬉しいです。


作品の話に戻りますと、ジェリーやコンラッドと、監督やプロデューサーとの関係がシビアに分かりやすく描かれていたので、ストーリーに入りやすい印象がありました。

 

最後に


ダンスも翔ちゃんの大きな魅力

フィナーレの彩風ー潤のデュエットダンスはとても美しいものでした。
そして何ですか!彩凪ー縣コンビのかっこいいタンゴ!圧巻でした!
2組のデュエダンに感動で萌え転がりました。コロコロコロ➿

『ハリウッド・ゴシップ』は咲ちゃんの主演としての安定感と翔ちゃんの熱演、ヒロインその他の皆さんの好演もあり、見どころが多くて楽しい舞台になりました。

翔ちゃん素敵でした!⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


雪・うさぎ

 

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雪組『ハリウッド・ゴシップ』感想(前編) 彩風咲奈 ーダウンタウンで見つけたもの

 

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『ハリウッド・ゴシップ』感想①です。

今回は主演の彩風咲奈(コンラッド)さんの感想を中心に話を広げていきたいと思います。
ネタバレありますのでお気をつけください。

 

 

1920年代「狂乱」のアメリカ

 
「狂乱」「狂騒」と表現される1920年代のアメリカ
力強い社会、芸術、文化が花開いた時代。 

ジャズエイジ、フラッパー、アール・デコといったフィッツジェラルドの「華麗なるギャツビー」の世界はまさにその時代の象徴。

煌びやかで派手派手の時代!

 

そして映画界ではサイレント(無声)からトーキー(有声)へと移行する時期であり、試練の時期を迎えてました。

そんな時代を駆け抜けた1人の青年コンラッドに、彩風咲奈

咲ちゃん、この日を待ってました!

 

コンラッド /  彩風咲奈

 

「ハリウッド・ゴシップは、人生の忘れ物だったり、当たり前にある大事な物だったり、何かを見つけられる作品」

咲ちゃんからの作品についてのメッセージです。(NOW ON) より。

人生の忘れ物、見つけることができるだろうか。

 

夢を追う青年 コンラッド

ストーリーは、1人の青年が夢に向かって歩む過程で挫折したり、様々な人に出会うことで成長し、ついに栄光を手にするところで立ち止まり、自分にとって本当に大事なものは何なのかに気づく…

というコンラッドの人生のひとこまの物語です。

このひとこまは彼にとって愛する女性と出会い、これからの人生を力強く生きていく決意をするかけがえのない時間なのです。

2幕の後半はストーリー展開がやや急ぎ足。
だけどコンラッドとして生きる咲ちゃんが、最初から最後まで舞台の舵をしっかり取ることでラストシーンまでストーリーに引き込まれ、そのあとのショーへと綺麗に流れていった感じです。

 

キラキラ彩風咲奈 

咲ちゃん、この作品は久しぶりのキラキラのかっこいい青年役

キャリエールや大野次郎右衛門は静かで平穏な顔の裏に苦しみ、葛藤を心の内に秘めたストーリーの要ともなる難しい役でした。

咲ちゃんが望海さんにとって、雪組にとって本当に大きな存在になったことは、数々の雪組公演の素晴らしさに表われています。


今回のコンラッド役は今まで難役で培ってきた力が発揮されて、いい意味で余裕を持って演じているように見えました。

ハリウッドで成功することを夢見て大都会の片隅で必死にもがき苦しんでいる。

コンラッドは今までの耐える役柄とは違い、若者らしく感情的で、思ったことを口に出す等身大の人間。

途中、おごりからちょっと嫌な男になったりもする。

特に出会う人、一人一人との関わりでコンラッドの人生が大きく変わっていくところは、咲ちゃんにとっても大きな見せ所となったと思います。

 

さびれたカフェの女主人(早花まこ)

ダウンタウンの とある寂れた(失礼!) 小さなカフェ「ダイナー」

ぶっきらぼうで目つきの鋭い(笑)個性的な女主人
笑顔で健気に働くウェイトレスのエステラ(潤花)と。

このカフェで出会うコンラッドとエステラ

この時はコンラッドは気づいてませんが、このカフェで彼にとって一番大切なものを見つけることになります。

 二人を出会いからずーーっと見ている(見守っている?)女主人のきゃびぃさん、最高に面白かった

一言で笑いを取る→行動で笑いを取る→睨みだけで笑いを取る→最後は登場するだけで笑いを取るという素晴らしさ!

 

この店にはユニークな常連さんがいます。

一人はおばあさん(羽織夕夏
亡くなったおじいさんと一緒に過ごしたカフェ、今はひとりで過ごす時間、向かいの席には誰もいない。

一人はおじいさん(真那春人)
いつもカウンターでまどろんで夢の中。

エステナは女優に抜擢されても発表ギリギリまでウェイトレスとしてここで働きます。ここに集う人たちから学べることが多くあると。

馴染みのカフェで人と触れ合ったり観察する。
今はそんな光景を見ることは少なくなりました。

街に溢れるカフェ。
今は誰も人の顔など見ない。
窓の景色も見ない。
ややもするとコーヒーの香りすら意識にないかも・・。

 

ダイナーにいる時のコンラッドはいつもくつろいでいて、咲ちゃんの顔もここでのシーンは緩んでいるのがよくわかり、私も緩みました。


張り詰めた世界で勝負するコンラッドにとって、素の自分でいられる場としてこのカフェのシーンはとても大きな役割を果たしているように感じました。

存在感を出したきゃぴぃさんと、可愛いまなはるおじいちゃん、はおりんおばあちゃん、ダイナーメンバー最高に良かったです。 

 

エステラ(潤花)とコンラッド

エステラはウェイトレスの時も女優となっても、周りに決して流されず、自分をしっかり持っている強い女性です。
かのちゃんのお芝居は自然で、芯の強さがしっかり伝わってきます。

夢を追うあまり自分を見失いそうになる人間的なコンラッドに対して、エステラは地に足がついている出来すぎた女性、という構図です。

あの公演ポスターの意味がよくわかりました。
実際にコンラッドをぶったりはしません。

かのちゃんのヒロイン力、存在感は古き良き宝塚娘役の風情を残しつつ現代的、懐かしさと新しさを同時に感じます。
この役にとても合っていたように思います。

 

大女優アマンダ(梨花ますみ)の教育

アマンダの教育を受けて、コンラッドがみるみる垢抜けたスターへと変わっていく様子は見ていて楽しく、これほどみとさんがアマンダ役にハマるとは驚きでした。

だって壬生義士伝では咲ちゃんのお母様役だったから…(ごめんなさい)

貫禄があって本当に大女優でした、さすがです!

アマンダ邸の執事(真地佑果)、まちくんのダンスのレッスンシーンは迫力あり笑いありでユニークな存在が光りました。


勝利をつかんだ夜、まだジェリーを愛しているアマンダがあまりに切なく、咲コンラッドがそっと彼女を抱きしめるシーンが素敵。

本当に大切なものに気づく男と女。

男(コンラッド)はすぐに大切な人(エステラ)の元へ飛んで行く。
女(アマンダ)の愛する人(ジェリー)は恐らくもう帰って来ない。

 

激しい雷雨の音とアマンダの泣き声が悲しく響いて、とても印象深いシーンです。

アマンダがコンラッドに言います。

舞台は「美しい嘘」だと。
現実は醜いと。

みとさん、素晴らしい演技でした。

 

エキストラはキレッキレダンサー

煌羽レオ / 眞 ノ宮るい / 縣千

コンラッドの仲間で、エキストラで頑張る3人。
彼らだってハリウッドでの成功を夢見てるんです。
それは奇跡のようなことだけど。

栄光を手にして変わっていくコンラッドとは溝ができてしまいます。
それ故に起きてしまう悲劇は止めることができなかったのか。

このことはコンラッドの人生に暗い影を落とすことになるでしょうけど、それも人生。

友情が壊れていく時のそれぞれの切ない表情が忘れられません。

この3人のダンスは凄い!
かりちゃんの色気と渋さ、はいちゃんの爽やかさ。
特に縣くんはフィナーレでの翔ちゃん(彩凪翔)とのタンゴが一際かっこいい。
大勢の中にいてもパッと目立ちますね。

 

ハッピーエンドはダウンタウンで

お芝居の最後のシーン、とても素敵な終わり方。

ハッピーエンドの場所は、二人が夢見た華やかなハリウッドの舞台でも豪華なレストランでもありません。

あの寂れた(ほんと失礼!) ダウンタウンのカフェ「ダイナー」でした。

新たな道を力強く踏み出そうと二人が誓う場所がダイナーというのがとてもいい。

楽しそうに踊る二人と一緒に、女主人や常連さん(おじいさん&おばあさん)もいつの間にかペアで踊っていて、とても可愛くて温かいラストシーンです。

 

フィナーレでは一転、ショースター彩風咲奈

長い手足を自由自在、伸びやかに、かっこよく。
誰のダンスとも違う咲ちゃんのダンス、しなやかに。

かのちゃん(潤花)とのデュエットダンスはため息が出るほど美しくて眼福です。

 

 

大切なもの

 

コンラッドとエステラはあの後どうなったでしょう。

この狂乱の時代は1929年ウォール街の暴落で終止符、ハリウッドも巻き込まれて世界恐慌の時代へ入ります。

 
冒頭で伝えた咲ちゃんからのメッセージの人生の忘れ物や大切なもの。
それは案外身近にあるものかもしれません。

私が観劇したのは梅田シアター・ドラマシティでの初日でした。
挨拶でハリウッド映画より吉本新喜劇を見て育ったと言う咲ちゃんの言葉に親近感を覚えて、土曜の午後に大笑いしていた可愛い咲ちゃんを想像して微笑ましい気持ちになりました。

 

来年雪組公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』の世界は1920年代のニューヨーク、咲ちゃんはまたもや難しい役に挑むことになります。
何もかもがとても楽しみな舞台です。

アマンダの言葉どおり私たちは「醜い現実」に生きているかもしれません。
だからこそひとときの「美しい嘘」を夢見たいのです。

続きます。


雪・うさぎ

 

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月組『I AM FROM AUSTRIA』感想③〜鳳月杏と海乃美月〜2人の調べ

 

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鳳月杏と海乃美月

この舞台は2人の好演が大きく舞台に深みが増して楽しいミュージカルになったと思います。

 

『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』感想③です。
ネタバレご注意ください。

 

鳳月杏/ ヴォルフガング・エードラー


まずちなつさん。
すんなりと月組に溶け込まれています。
古巣とはそんなものでしょうか。


ヴォルフガングは絵に描いたような理想のパパ
ジョージ(珠城りょう)のパパと言っても老け役ではなく、色気ムンムンのイケオジです。
演じるのはちなつさんですからね。
しっかり者のママ(海乃美月)と、冒険心のある息子を大きな愛で包み込みこむ素敵な人です。


家族を決して自分の枠にはめようとしない。

ここ重要ですね。
自分の息子も1人の人間として尊重する。

息子ジョージの包容力や優しさ、明るさはヴォルフガングから受け継いだのでしょう。
ユーモアたっぷり、かっこよくて可愛いパパの遺伝子です。
それは父息子の空気感から自然に受けとることが出来ます。


終盤、パパとママが傷ついた息子ジョージを励まし、3人で語り合うシーンがあります。

ファミリーとして互いを思いやる温かい空間がしっかり存在しているところが凄い!
ホロリとなりました。

珠城さんとの親子愛、海ちゃんとの夫婦愛、3人との家族愛を自然に観客に伝えられるのは、やはりちなつさんの演技力かと。


カサノヴァ での女役、OTTでのイケメン青年から今回のイケオジまで、全て期待を裏切らないのですから、明日海さんや珠城さんからの信頼が厚いというのも頷けます。


月組への大劇場復帰1作目にして素敵なちなつさんを観ることができてバンザイヽ(´▽`)/

 

海乃美月/ ロミー・エードラー

 

ウィーンの老舗ホテル・エードラーの社長。(ちなつパパは養子さん)
社長、妻、母親の3つの顔をどれもピシッと持っている女性。

パパとは何だかんだありつつ安定した関係だし、息子はもう自分の道を歩き始めてる。

3つの顔の中ではホテルの社長としての顔が強くなってきた。

 

私の同級生に老舗旅館の女将Yさんがいます。
数年前には登録有形文化財にも登録された歴史ある旅館です。

以前彼女が言っていたのは、「私の24時間どこを切り取っても女将。いろいろと犠牲にしなければらないこともあるけれど、天職と思い感謝している。」

国も経営の形態も違いますが、老舗ホテルの社長ロミーと、老舗旅館の女将Yと根底に共通のものを感じます。

ロミーが「私の人生はホテル」と言うシーンがあります。
彼女は家族を愛してますが、常にホテルの経営を考えてしまうのでしょう。


その言葉を受けてのパパの言葉が素敵でしたけど。
「君の人生は私ではなかったのか」
ちなパパが言うから決まるんですね!


うみちゃんはセリフも明瞭で、テンポも良くて歌えて踊れて、どんな役も気持ちいいほど決まります。

パパとママが生み出す温かい愛がジョージとエマの愛を育む…
それはそのまま、鳳月と海乃、珠城と美園に当てはまる様で、ちなつさんとうみちゃんの存在の大きさが感じられました。

 

フィナーレとこれからの月組と


⭐︎フィナーレの始まりはれいこさん。
今回は悪役でハッピーエンドのシーンには不在でしたからね。

⭐︎たまさくのデュエットダンスは華やかでリフトはダイナミック!

⭐︎フィナーレの衣装もスタイル抜群のちなつさんは素敵でしたね。

⭐︎エトワールの晴音アキさん、よく通る綺麗な声。

⭐︎れいこさんは真っ赤な2番手羽、おめでとう、まだまだ躍進は続くと思っています。

✽+†+✽――✽+†+✽

れいこさんのフォトブックを買いました。

昔は雑誌やスチールなど揃えていたけれど、いつしか何も買わなくなっていました。

最近はまたポツポツ買ってます。
素敵なグッズもたくさんありますからね。


写真集の中身は…ふふふ…。
あまりに美しくて言葉で伝える自信がありません。
望海さんとれいこさんの写真集を並べて飾っていると、お部屋がオシャレに見えます。 

✽+†+✽――✽+†+✽

2020年のたまさく主演公演は名古屋御園座でのスタンダール『赤と黒』
ジョージと真逆の野心家ジュリアンの珠城りょう、想像つかない!
それほど、現在はジョージ役がハマってますから。
180度違う色の役は楽しみでしょう。
レナール夫人は美園さくら
フーケ/コラゾフ公爵の2役の月城かなと
遠征はできないので皆さんのレポが楽しみです。

ちなつさんは来年東上公演『出島小宇宙戦争』これは絶対に行きたいです。

✽+†+✽――✽+†+✽

そういや、たまさくのオーストリア旅行を見て、面白くて家族で大笑い。
さくらちゃんの可愛い絡みに珠城さんツンツン、さくらちゃんションボリ。
それでも絡んでいく頑張るさくらちゃん。

そんなさくらちゃんを見る珠城さんの眼差しが優しくて楽しそう♪

なのでさくらちゃんもめげずに頑張る!

どの組のトップコンビも紡いできた2人にしか分からない時間があるでしょう。
愛の形が色々あるように、コンビの形も千差万別
たまさくコンビはかなりユニークで微笑ましく楽しませてもらいました。

 ✽+†+✽――✽+†+✽

来年の月組大劇場公演のラインアップも発表されました。

『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』

『ピガール狂騒曲』

和物ショーの演出が植田紳爾先生ということに驚きです、かなりご高齢なのでは… (なんて、ごめんなさい‼︎)

そして坂東 玉三郎さんが監修を手掛けられるということで二重の驚き、これは楽しみです。

今のところ来年の月組の布陣も大きく変わらなさそうですね。

 

宝塚も故郷

 

私が初めて宝塚を観たのは3歳の時ですが、熱い時期があったり離れたり。
これからもそんな感じなのかもしれません。

心の赴くままに。

でも必ず戻る場所。

宝塚歌劇を愛する人にとってはここも一つの故郷なのかもしれませんね。

 

月組さん、素敵な舞台を有難うございました!

 

月・うさぎ

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月組『I AM FROM AUSTRIA』感想②〜美しい悪〜月城かなと…

 

『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』観劇レポ②です。

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細かいことはあまり書かないようにしていますが、ネタバレもあるかと思いますのでご注意ください。

 

リチャード/ 月城かなと


お芝居で主役が主役たるために悪役は欠かせない存在ですが、コメディに登場する悪役はだいたいどこかズッコケていて憎めません。

ましてそれがイケメンだったり美女だったら・・

ということで今回の悪役はれいこさん(月城かなと)です。

まずは、れいこさんお帰りなさい!


復帰第1作目のリチャード役は女優エマ(美園さくら)のマネージャー

確かに打算的で野心家の嫌ーな男ですが(笑)、どこまでのワルなのかはわからない。

まぁ、色々やってますけどね。
マネージャーとして女優の行動をアレコレ規制することは仕方ないとしても、そこに愛は何もないわけです。


悪役というのは主人公のダークサイドだそうですが、確かに腑に落ちます。

主人公ジョージ(珠城りょう)は愛に溢れていて、エマへの愛も思いやりに満ちています。

一方リチャードからはエマへは思いやりのひとかけらも感じられず、ただ利用しているだけ。
もしかしたら愛を知らない孤独な男なのかも(T . T)


愛ある主人公と愛を知らない男
2人は光と影、表と裏

この物語に良い人が多い中、悪としての働きをするリチャードはとても貴重な存在です。

そんな寂しい男リチャードですが、口が悪い。
常にジョージに喧嘩売ってます。
そんな感情の起伏の激しい男を“静なる麗人”月城かなとがどのように演じるのか。

コメディならではの難しさもありそうですが。

まず、歌が良かった。
音域が更に広がったのか、高音も無理なく綺麗に。
れいこさんまだまだ伸び代ありますね。

嫌な濃い男を美形のれいこさんが演じると引き込まれてしまいますが、
れいこさんの演じるリチャードはパンチがあるタイプの悪役ではなく、ゾクゾクするような悪いヤツ。

外側は野心に燃えて激しく、中身は愛のない男という2面性を演じたれいこさんのリチャード像は、私的にはピタリとハマりました。

ところで、れいこさんが珠城さんと、あるいはちなつさんと、これからどのような関係を築いていくのか気になってました。
(番手がどうこうとかではないです)

正直まだよく分かりません。
ただ3人のタイプがあまりに違うので面白いなぁと。
ここにありちゃん、おだちんと入ってきても見事に被らず、色とりどり。
これは月組の強みではないかと思います。


れいこさんの本来の持ち味はノーブル憂いがあり、それでいて男っぽいところがある…いわゆる正統派2枚目とイメージしているのですが、ここ数年見事に真逆の役が続きます。(別箱除く)

番手の関係もあるでしょうが、貴公子然としたロイヤル月城かなとというイメージを固定させない為なのかどうか。

この数年は美弥るりかさん(美と色気のカリスマ)から受けた影響も大きいと思います。

リチャードは今までの役(ベルナルド・ポッキー・ルキーニ  ・又八など)の集大成になるのかもしれません。

れいこさんの持つ雰囲気を大切にしつつ更に多くを吸収してそれを生かして、いつか大輪の花を咲かせることを楽しみにしています。

フィナーレの様子はまた次回に。

 

気になった人、一言感想


夏月都 ヘルタ
エネルギッシュなるうさんのエルフィーとは真逆のしっとりとした女性
エマ(美園さくら)のママ、お顔の感じとか本当の母娘みたいでした。
ヘルタはエマの故郷の象徴でもあります。


紫門ゆりや デニス
優しそうで素敵な警官です。
この警官グループはストーリーの中でユニークな働きをしています。


白雪さち花 ミス・ツヴィックル
パパとの浮気を怪しまれる面白キャラを好演。
OTTの時から個性的な声がツボです。


千海華蘭 ホルガー
お洒落なホームレスさん。
作品の中では異彩を放つ集団のリーダーとして大活躍、良かった!


輝月ゆうま ライナー
ゴシップ記者で、リチャード(月城)と組んで色々やらかしますが、存在感があって迫力あってかっこいい。


夢奈瑠音、蓮つかさ、天紫珠李
フロント係として活動的な役どころ、それぞれ個性豊かで可愛いです。

 

愛国心より郷土愛?

 

大劇場では記念に公演ドリンクを飲んだりしましたが、翌日は疲れが出て朝から栄養ドリンク剤をグイッと!(こういうところに年が出ます^^;)
それでも舞台からはたくさん心に栄養をもらえましたし、また生きていける。


前回の感想で、この舞台を観て自分の家族や故郷に思いを巡らせた、と書きましたが、もう一歩進んで考えると、私は祖国に対する意識が少し弱いように感じました。

 一般的に日本人は愛国心より郷土愛が強い傾向にあるらしいです。
それは戦後の教育が関係しています。
実際には決して日本人に愛国心がないわけではなく、私も日本が大好きなのですが。

そんなことも考えながら、気付けば随分と涼しくなって過ごしやすくなったなぁと。
こうして四季折々を楽しめるのも日本に住んでいる特権かもしれません。


さて、次回は鳳月杏さんと海乃美月さんを中心に感想を書きたいと思います!
この夫婦、半端なく素敵なんです!!

 

月・うさぎ 

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月組『I AM FROM AUSTRIA』感想①〜始まりはトルテ〜珠城/ 美園/ 暁 /風間/ 光月…

 

月組公演『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』初日観劇レポです。 

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素晴らしい作品に出会いました。
ふんだんに散りばめられたユーモアの中にも心に響く言葉がたくさんあり、
ハッピーエンドで幕が降りた後、あかりが心にぽっと灯ったかのような温かい気持ちになりました。

ウィーンの街は美しい。
たまさく(珠城・美園)が2人でウィーンへ旅されてましたが、さすが音楽の都、街のあちこちに芸術が感じられました。

私も過去に2日ほど訪れたことがありますが、流れる川や風に揺れるの木々の葉でさえ美しく…

そんな素敵な街の老舗ホテルの御曹司ジョージがこのミュージカルの主役です。

ここからは少しネタバレがあるかもしれないのでお気をつけください。

 

トルテは故郷の味


この記事のタイトルは「始まりはトルテ」としました。

ジョージとエマが仲良くなったきっかけは「エードラー・トルテ」というホテルの名物ケーキです。(ザッハトルテのようなケーキ)

老舗ホテルの御曹司とハリウッド女優という華やか(本質はピュア) な2人の始まりは甘いトルテから。
幸せの予感しかありません。


そして大切なことはウィーンで育った2人にとってトルテは懐かしい故郷の味だということです。
エードラー・ホテルで育ったジョージにとっては尚更です。

それもありタイトルにどうしてもトルテを入れたかったのです。

 

ジョージ/ 珠城りょう


さて、ジョージ役の珠城さん。
『I AM FROM AUSTRIA』は珠城さんの代表作になるのではないでしょうか。


ジョージは育ちが良くて温厚で優しくて。
信念を持ち実行力もあるバランスの取れた青年です。

彼氏だったら素敵だな
息子だったら幸せだな
友達だったら楽しいな


珠城さんの温かみのある声と優しいセリフが上手く融合して、持ち前の包容力が存分に生かされていました。

珠城さんには青柳さんなど他にもハマり役がありますが、今回は全てを上回るほどではないかと…。


あと、各場面ごとのバラエティに富んだナンバーがどれも印象強くて素敵です。

同じウィーンミュージカルのトートナンバーより珠城さんは今回の楽曲の方が合っているように感じられました。
好みや感じ方でしょうが。

悩みながら奮闘しながら成長していく過程を珠城さんのジョージから伝わってきてとても良かったです。

 

エマ/ 美園さくら


たまさくコンビになってまだ1年未満とは思えないですね。
エマは20世紀号のリリーのようにナンバーもたくさんある大きな役です。


オーストリア出身の有名なハリウッド女優ですが、心が疲れきっている様子。
ジョージに出会って、自分のアイデンティティ(自分が何者なのか) を確立することで、故郷や母親への愛を取り戻し成長していきます。

自分のルーツを探求することは難しいけど大切なことなんですね。


さくらちゃんは歌も演技も全体的に安定していて、舞台度胸もありそう。
とりわけダンスはダイナミックで見応えがありました。

衣装もブロンドも似合ってましたよ。
可愛らしさと冒険心を併せ持つ魅力的なヒロインでした。

 

パブロ/ 暁千星

 

アルゼンチン代表サッカー選手パブロ役ですが、今回1番驚いたのはありちゃん。

登場シーンからオーラ全開です。
スター選手パブロのオーラなのか、暁千星の放つオーラなのか…

刈り上げて束ねた髪と顎髭と、アスリート並みの動きで、マッチョ、マッチョ♪
男っぽくてかっこいい。

このパブロはとてもいい人なんです。
愛ある人です。

 

彼自身も自分のアイデンティティを探求し、悩み、素直に自分と向き合うことで理想の人に出会うことになります。
恋は成就するのかどうか・・。
彼のような人には幸せになってほしいですね。

ありちゃんの演者としての可能性、広がりには毎回驚かせられます。

 

フェリックス/ 風間柚乃


ジョージの友達でホテルのフロント係のフェリックス役ですが、ゲバラでのカストロ役からの転身ぶりにびっくり。
おっちょこちょいのところがある可愛い役でした。

そしてとてもいい!

私はルキーニやカストロのようなインパクトの強い役柄こそおだちんの威力を発揮できると思ってましたが、考え改め。
コミカルで可愛い役もこなせてホントに振り幅の大きな人です。


珠城さんや(まさかの)轟さんの友達まで普通にできちゃうところが凄いですね。 

ストーリー最後に愛の告白を受けたおだちんの表情がとてもおかしかったです。
おだちんにはもう期待しかありません。

 

エルフィー/ 光月るう


るうさん今回は女役エルフィー役、楽しみにしていました。
ホテルのベテランコンシェルジュですが…独特です。
これは観なければ説明がつけ難い味です。

言動がかなり不思議さんですが、ジョージとエマの良き理解者であり、皆んなのリーダー的存在でもあるんですね。

男役が演じる女役は迫力がありますがエルフィーも然り、るうさんの巧みな演技に注目してください。

 

姉妹都市

 

『I AM FROM AUSTRIA』は1869年に日本とオーストリアの間に修好通商航海条約が結ばれて150年という記念の年に、105周年を迎える宝塚での上演が実現しました。

初日にはウイーンオリジナル版の作者、プロデューサーのウィーン劇場協会関係者の方々も観劇されていました。

この初日の貴重なチケットはT様のご厚意にあずかり観劇することができ感謝しています。

 

さて、日本とオーストリアにはたくさんの姉妹都市があるようです。

ちなみに宝塚市はウィーン市9区アルザーグルントと姉妹都市として交流があるようです。

地図はウィーンの行政区地図。
ウィーンの中心部ですね。
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ハッピーエンド


宝塚の作品に求めるものは千差万別、人それぞれです。
私の場合は泣いたら笑いたくなる、笑ったら泣きたくなります。


今回はハッピーエンド。

2人が仲良くなるきっかけとなった故郷の味トルテですが、
おそらくー、
この先エマはトルテを食べる度にこの日の出会いを思い出し幸せな気持ちになるでしょうし、ジョージは、トルテを口にしたエマの笑顔をずっと心に刻むのだろうと想像します。

そのように今が過去になり思い出となり、自分の歴史を作っていくのだなぁと。

帰りの車窓から暗くなった景色をぼんやり眺めながら、家族について、故郷について考えを巡らせるのも心地良い時間。

空気が澄み秋が深まるこの季節にぴったりのハートフルな作品です。


また観劇の機会があるので続きはゆっくり書いていきます。


月・うさぎ

 

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花組『シャルム!』感想ー去りゆくもの美しく

 

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真夜中のパリの地下都市で繰り広げられる「魅力」という名の華やかなショー『シャルム!』の感想です。
花組トップスター明日海りおさんのラストを飾るショーになります。 

 レヴューロマン『シャルム!
 作・演出 / 稲葉 太地

 

カタコンブ

 

パリの地下には華やかな地上とは真逆の、世界最大の「カタコンブ・ド・パリ」と呼ばれる地下都市が広がっています。
現在見学で一般公開されているのはその中の一部のようですが。

そんな地下都市へフルフル(華優希)に誘われてパリの街のマンホールへと、カタフィルと呼ばれる地下愛好家たちが入っていく…という、面白いオープニングです。
ワクワク感がありますね。

 

プロローグ

 

地下都市の中の宮殿に君臨するのはシャルム(明日海りお)

シャルムの意味はフランス語で「魅力」の他に「色香」「魔法」という意味があるらしく、ピンクの衣装に孔雀の羽をつけたみりおさんは、まさにシャルムの象徴。
黒と紫の衣装の花男、花娘たち。

眩しくて美しくて、一夜限りの夢を見ているかのようです。

 

地底の舞踏会

 

地下都市の観光名所になっているカタコンブ(埋葬墓地)。
ここで骸骨たちがダンス、カンカンを踊るユニークな場面。

その後の男役の軍服、娘役のドレスのシーンがとても素敵です。

フォーマルな雰囲気がクラシックの音楽と相まってうっとりします。
ここで最初に登場するのは、この公演で退団するしろきみちゃん(城妃美伶)。
最初にマイティ(水美舞斗)と一緒に歌いながらの銀橋、凄く素敵で存在感ある2人です。
つくしちゃんは可愛くて良かったようですが、大人のヒロインも観てみたかった。

そして赤いマントがよく似合うみりお王子様
個人的にみりおさんはスーツより王子様のような衣装が好きなので、このシーンは本当に素敵です、貴重です。

皆さんこの衣装よく似合っていて、やはり王子様は宝塚の王道なのでしょうね。
みりおさんはその象徴と言いますか、宝塚スターの王道と呼べる人なのだと思いました。
 

地底の恋人

 

光ちゃん(柚香光)と華ちゃんの情熱的なシーンです。
 
光ちゃんはドラマ性のあるダンスは一段と光りますね。
得意のダンスの見せ場でかっこいい。
華ちゃんは青薔薇の演技が良かったし、花組次期トップコンビは特にお芝居に期待したいです。
2人は大人の雰囲気も持ち合わせていると思うので、明るい2.5次元ものも良いのですが、ドラマティックな題材の芝居も良いのではないでしょうか。
  

期待していたシーン

 

ショー自体は、奇をてらったものではなく上品で、みりおさんらしく美しく華やかに彩れたショーでした。
これからの花組を背負う若い世代が中心になって、去り行くみりおさんを見送る明るく華やかなショーとも言えるでしょう。

 

最初にこのショーの概要を聞いた時、期待したい場面がありました。

青い薔薇でみりおさんの麗しい姿を堪能できたので、ショーでは一場面、危険な香りのする黒みりおの登場を期待していたのです。
パリの地下に眠る妖しい悪魔のような男・・。

そんな場面を期待しましたが、そのようなシーンはありませんでした。
このショーのコンセプトにはなかったようです、残念!

王子様かっこいいみりおさんは観られるので全体的には眼福でしたけど!

 

アドリブ

 

この日(9/24)はe+貸切公演、初のスマチケでの観劇でした。
初めてというのは緊張するものです。
いつもと違って手元に紙チケットがないのですから。
メリットデメリットがあると思いますが、転売対策としてはとてもいいですね。

この日のみりおさんのアドリブは、
「血液型何型ですか?私は今日はe+です‼︎」

 

去りゆくもの美しく

 

大階段、デュエットは濃厚なものではなく若いトップデビューの華優希さんに合わせているのでしょうか、ソフトで時間も短めです。


そのあと高橋先生音楽、ANJU先生(安寿ミラ)振付の黒燕尾
光ちゃん、あきらさん(瀬戸かずや)、マイティ、そしてグループごとに順番に動いていく振りがとても芸術的で美しいです。

そしてみりおさんを迎えるのですが、一人一人がみりおさんへの思いを胸に秘めているような、そんな気持ちを表現した振り付けがさすがで、とても素晴らしい‼︎

みりおさんがダンスで、マイティ、あきらさんへ絡んでいき、これからの花組を託すシーン。

最後はもちろん光ちゃんです。
そっと光ちゃんの背中を押して光ちゃんが歩むのを見守るみりおさん光ちゃんの凛とした顔。
このシーンはいつまでも心に残るでしょう。

こうして受け継がれていくトップスターの歴史、花組の歴史。
この公演では青薔薇もショーも、光ちゃんはいいように肩の力が抜けていて頼もしく感じました。

 

明日はいよいよ宝塚大劇場の千秋楽です。
大千秋楽の幕が降りるまで宝塚の明日海りおとして美しく咲き誇ってください。
そのあとで、もしも明日海りお第2章があるならば、更に美しく羽ばたかれることを願ってやみません。

 花・うさぎ 

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花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精』感想ー明日海りお

 

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明日海りおさんのラストステージとなる『A Fairy Tale -青い薔薇の精』の観劇感想です。
内容にも触れているのでお気をつけください。

 Musical『A Fairy Tale -青い薔薇の精』
 作・演出 / 植田 景子

 

黄泉の帝王から精霊へ


黄泉の帝王から始まってパンパネラを経て、最後は薔薇の精で幕を閉じるみりおさん。

トップ就任時はまだ若くて、ソフトで爽やかなフェアリー要素が持ち味のように感じていました。
なのでトート、光源氏と、いきなり妖気や色気などの妖艶さを求められる役を演じるのは大変だったのでは…と思います。

そして男役として円熟期真っ只中の今、青い薔薇の精になって宝塚を去って行かれるのですね。


えも言われぬオーラを放ちながら、この世の人間のようになってはならない。
全く違和感を感じさせずに自然に舞台で歌い踊り精霊エリュとして生きる明日海りおさん。

物語の中だけではなく、宝塚に美しく咲く薔薇のような人です。

 

大人のおとぎ話

 

ストーリーは大人のためのおとぎ話、ファンタジーと言われているとおりです。

ヒロイン、シャーロット(華優希) の母フローレンス(城妃美伶) が描いた1枚の絵画があります。

この絵画に描かれた薔薇が咲き乱れる平穏な庭で、かつて幸せな一家が過ごしていた。

小さな女の子シャーロットの側にはいつも薔薇の精エリュたちがいて、そんな幸せが当たり前のような日々。

少女はいつしか美しい娘に成長していく。

形あるものがいつか壊れてしまうように、幸せな日々は長く続かない。
幸せだった家族の形が変わっていきます。

シャーロットに忘れられたくない “白い薔薇の精エリュ” は自然界の掟を破り、罪に堕ちてこの世に存在しない “青い薔薇の精” に変えられてしまい、美しい庭は霧に閉ざされてしまう。

 

明日海りおに求めるもの

 

私と観劇が別日だった妹とは作品の感想も分かれました。
分かれたというより、観る視点が違っていたのかな。

ラストステージとなる明日海りおさんに何を求めるかで感想が違ったようです。

みりおさんファンの妹は壮大な物語だけにストーリー展開や演出に少々物足りなさを感じたようです。
大好きなスターの最後の舞台に思い描く理想の形があるのでしょう。

 

今回私は作品に関して予備知識なしで観劇しました。

ストーリーは、目に見える現実社会と目に見えない異次元の世界と2つが交錯するのですが、
私はその中でただただ精霊として生きるみりおさんの美と歌を堪能し、耽美な世界観に浸る・・ということだけに意識を傾けました。
それ以上のことができなかったというのが本当のところです。

物語は喜びも悲しみも詰め込んだ一つの抒情詩を読んで(見て)いるかのようでもあり、様々な形の愛も織り込まれていました。

例えば、庭師のニック(水美舞斗) が醸し出すフローレンスへの恋心など、言葉には表さずに伝わってくるところがとても素敵で・・。

あの庭には色々な人の思いや歴史が刻まれていているのだと思うと、ある種切ないノスタルジーをも感じられました。

 

また、可愛い精霊たち、美しい衣装、舞台セットなど、目で見て楽しむ要素がたくさんありました。 

最後のシーンの白い薔薇の衣装を着たみりおさんは本当に素敵です。

演出云々より、この世で見ることのできない不思議な世界の中で輝くみりおさんを観ることができたことに感動しました。

もう一度観る機会があるので、次回は作品についてもう少ししっかり観たいという気持ちと、
麗しいみりおさんを目に焼き付けるという、このままの感覚でも良いかなという気持ちがあります。

 

お伽話なのであまり現実的で難しいことを考えると興醒め、美しい世界観に浸りたいと思います。

 

ハーヴィ(柚香光)への言葉

 

光ちゃん (柚香光) の 気負いがなくサラッとした演技が、真面目でユーモラスな植物学者という役柄に合っていて良かったです。
シックな衣装も似合っていて素敵だったし、光ちゃんの大人のドラマが観たいと思いました。

 「君なら美しい花を咲かせられる」エリュからハーヴィへの台詞。
そのまま、みりおさんから光ちゃんへの言葉ですね。

 

気になった生徒さん

 

華ちゃん(華優希)  
少女から老年期までお芝居が自然で上手いと思いました。
DVを受けていた頃の夫婦のやり取りが特に素晴らしかったです。

あきらさん(瀬戸かずや)
役柄にぴったり、歌も歌えるし貴重な存在ですね。

マイティ(水美舞斗)  
出番は少なく感じましたが、とてもいい役です。
繊細な心の機微を演じるお芝居も良くて印象に残りました。

しろきみちゃん(城妃美伶)  
気品溢れる貴婦人の姿は美しくて溜息が出るほど。
大人の女性を演じられる素敵な人なので卒業が残念です。

ほのかちゃん(聖乃あすか)  
セリフなしで白薔薇の精としてダンスや表情で想いを表現するところが美しくて素敵!

音くり寿ちゃん、妖精プルケ役、すごく可愛いんです。
お芝居も歌も上手でとっても好きな生徒さんです。
 

薔薇の精は永遠

 

花を育てる時に音楽を聞かせたり声がけをすると、普通より見事な花を咲かせると言われていますが、花にも心があり精霊が宿っているのかもしれませんね。
大人もそんな夢を見られるのかもしれません。

 

シャーロットとの念願のの再会を果たしたエリュですが、おばあさんになった彼女に力強くまっすぐな目で「君は何も変わらない」と言います。

年を取らない美しい薔薇の精エリュ・明日海りおの心に残った台詞です。

 

花・うさぎ 
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