風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

雪組千秋楽、望海さん本物の夢をありがとう!

 

「嘘が苦手です」と、嘘を本当にして本物の夢をずっと見せ続けてくれたトップスター

相手役に恵まれて最強の歌唱力コンビ「だいきほ」の名を宝塚史に刻んだトップスター

カーテンコール挨拶ではいつもファンや組子たちまでも楽しませてくれるトップスター

そんな愛に溢れた雪組トップスター望海風斗さんが2021年4月11日宝塚歌劇団を卒業されました。

連日の大熱演、大熱唱、よくぞ元気に駆け抜けてくださいました。
また全員揃って無事に千秋楽を迎えられたことも大きな喜びでした。


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昨日は珍しくカーテンから漏れる光で目が覚め、窓を開けると爽やかな風を感じるいい朝でした。 
2021年4月11日の清々しい朝はずっと忘れることはないと思います。
 
ラストディ劇場観劇は叶いませんでしたが、自分の街の映画館でお見送りというのも意外といいものでした。

宝塚大劇場、また東京遠征の際にも舞台に近い席で観劇できたことは一生の思い出でになり、
チケットをお譲りいただいた方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
 
 
カテコで「人生は幸せだった」と、
宝塚人生の最後の日に叫ばれたことはファンにとっても何より嬉しい言葉です。
 
そんな幸せに満ちたパワフルな望海さんなら次の人生でどのような道に進まれても力強く歩まれるでしょう。

しかし、それでも、やはり、
望海さんがいなくなってしまった宝塚は寂しく、
望海さんの隣にいる真彩ちゃんを見られないのは寂しく、
雪組の舞台に翔ちゃん(彩凪翔)がいないのは寂しいです。
 

『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』を演じるにあたって、小池修一郎先生がヌードルスにはダイヤモンドのような眩しい光ではなく、いぶし銀のような深い輝きを求めると言われてました。

雪に輝くダイヤモンドの輝きを封印・・

しかし望海さんの輝きはダイヤモンドの輝きだけが魅力ではなかったですね。

お芝居でも変幻自在の輝きに出会いました。

いぶし銀の如く深い輝きや、色気ダダ漏れの情熱的なルビーの輝き。
闇に落ちる漆黒の輝きもあれば透き通る月のような輝きもありました。 

振り返ると一つ一つの輝きの中に望海さんの真実の輝きがあったような気がします。

嘘を本当にして本物の夢を見せてくれる人、
私は宝塚にずっとそんな人を求めていたような気がします。

宝塚ファンとして完全復活してから7年半、濃密で幸せな夢の時間を過ごすことができました。
 
そして真彩希帆さん。
お披露目からサヨナラまで大人気コンビとして舞台に咲き続けました。

特に添い遂げ推奨派ではありませんが、大好きなコンビが添い遂げするのは結果として嬉しいひとつの形ではあります。

真彩ちゃんは可愛くも強い娘役だと思っていました。

従来の宝塚娘役とは少し違う。
宝塚では役によっては男役を食ってしまいそうな勢い…と、最後の役(謎の女)を観てそのように感じました。

しかしそうならないのが望海さんの技量であり大きさであるし、真彩ちゃんも相手が望海さんだからぶつかっていけたのでしょう。

望海さんが真彩ちゃんにサナギが蝶になるように大きく羽ばたいてくれた、またお互い切磋琢磨しあえたと、最高の言葉をプレゼントしました。

刺激し合い高め合い彼女を大きく羽ばたかせたのは望海さんだと思うし、
望海さん自身も、ワンスは男役の集大成だったと言われていたことから目指す男役像をしっかり確立されていた。

やはり素晴らしいコンビだったと思います。
 
次期トップコンビ、彩風咲奈さんと朝月希和さんへのメッセージも優しく温かくてよかったですね…2人の名前を呼ぶ声には圧がありましたが、「ひらめ!」笑。

本日4月12日、雪組新トップコンビ誕生です、咲ちゃん、ひらめちゃんおめでとうございます。
 
 
さて、1番身近に迫った今の私の心の拠り所はやはりエリザベートガラコンサートです。
望海さんにとって多くの同期生と共演というのは心強いことでしょう。
卒業後休む間もなく2役もされる望海さんにしっかりついていかねばなりません。

エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート│梅田芸術劇場

 

そして真彩ちゃんもディナーショーのお知らせ。良かったですね!
今度はたくさんのファンの方の前で美声を聞かせられるよう祈ります。

真彩 希帆 ディナーショー【宝塚ホテル】阪急阪神第一ホテルグループ

 

望海さんにとって「今日(4月11日)が最高に幸せな日」になって良かったです。
充実した宝塚の日々があってこその言葉と受け取りました。

そして「生まれ変わってもまた宝塚で出会いましょう」と私たちの未来に夢を繋げてくれた。
本当に素敵な方です。

望海さん、ご卒業おめでとうございます。
本物の夢をずっと届けてくださって有難うございました。
 
雪・うさぎ

 

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宝塚な花の名前集合!② 〜 シルクロード・れいこ・ゲーテ・男の背中・ガラシャ・・・

 

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春を迎えて街にも花々が咲き始めました。
1年ほど前にやりました、この企画↓ 

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今年も宝塚の作品名や役名、芸名などと同じ名前の花を集めてみました。

作品の名前の花

 

まずは宝塚作品にちなんだ名前

 

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マスカレード可愛い花なんですね。
ポーはラナンキュラスですよ!

 

役の名前の花

 

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おおっ、ゲーテとナポレオン揃い踏み!
そしてこんなところに…

雪ん子ぉ〜(号泣)

 

惜しい!

 

◎正しい役名は、
カマラ(ダル・レークの恋)
マチルド(赤と黒)
マリー=アンヌ(ひかりふる路)f:id:wind-waltz912:20210316142339j:image

ちょっと違う

 

珠城りょうスペシャル

 

娘役さんに囲まれたたま様

 

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はい。一ヶ所はピガール仕様です〜

 

ダリアとタカラジェンヌ

 

初夏から花咲く色とりどりのダリア。
宝塚市の神佐曽利は全国有数のダリア生産地域になっています。

そして望海さんのお好きな花でもあります。

そのダリア、かなりユニークな名前が目白押し。
このコーナーは私がジェンヌさんのイメージのダリア(花というより名前で)選ばせていただきました。
まずは各組トップコンビと専科さん。(2021.3/16現在)

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ユニークでしょう? 

 

花とタカラジェンヌ

 

↑上の続き↓

一挙18名のジェンヌさんのイメージした名前の花を。
花はダリア、芍薬、紫陽花。

ここではどの花の名前がどのジェンヌさんか書いておらず、
ジェンヌさんの名前と花の画像の順番も特に関係ありません。

どなたがどの花だと思いますか?^^

(敬称略)

瀬戸かずや 水美舞斗 永久輝せあ  
月城かなと 鳳月杏 暁千星 海乃美月
彩風咲奈 彩凪翔 朝美絢 朝月希和
愛月ひかる 瀬央ゆりあ 有沙瞳
芹香斗亜 桜木みなと 和希そら
凪七瑠海

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 愛ちゃん、迷いませんでしたか?

  

望海風斗スペシャル

 

のぞ様にちなんだ花の掲示板です。

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チェッカーズ可愛い、

 

良いニュース!

 

 今回も薔薇の画像は下記の[花の手帖]さんから多くお借りしました。
よろしければぜひご覧になってください。

hananotechou.raindrop.jp

 

さて昨日から今日にかけてOGさん含めたくさんの宝塚関係のNEWSが飛び込んで来ました。
新人公演、生オーケストラ再開、ご結婚発表、お誕生日情報などどれも嬉しいNEWSです。
こんな日はブログも楽しく書けます^^

最後にこれからの宝塚歌劇とタカラジェンヌさん、OGさんの幸せを願って。

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皆さんもハッピーな日をお過ごしください。
ありがとうございました!

 

 うさぎ

 

雪組『シルクロード』感想ー砂漠を彷徨う狼ー望海風斗

 

雪組『 f f f / シルクロード 』東宝公演の幕が上がり、大きな砂時計が反転して再び時間が動き始めました。

舞台はシルクロードのロマンを掻き立てられるシンプルで統一感のある色づかい。

多色づかいを抑えることで望海風斗真彩希帆、雪組生一人一人が放つ色彩が鮮やかになり、
素敵なシルクロードの旅を体感することができました。

雪組の皆さん本当にありがとうございます。
どうか無事に千秋楽まで完走されますように。

 

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宝塚大劇場で観劇した時の感想になります。 

     かんぽ生命 ドリームシアター
レビュー・アラベスク『シルクロード~盗賊と宝石~』
          作・演出/生田 大和

 

砂漠を彷徨う狼


生田先生が『シルクロード』創作ノートに「盗賊は砂漠を彷徨う狼」のイメージと書かれていたことから、
ブルーに輝く宝石(真彩) を追いかける荒ぶった黒いターバンの盗賊(望海) を素敵な狼と思って観ていました。私だけかな?

ともかくターバンを巻いた望海さんは最高にかっこよかったですね。
 
そして気になる舞台中央の巨大な砂時計

これについて生田先生がこのように語られてました。
「砂は時間そのもので、この砂時計にこれから続く場面のすべてが詰まっているようなイメージ。」

砂のひと粒ひと粒が望海さんの今を刻んでいき、雪組の今を刻んでいるのだなと。

砂については翔ちゃん(彩凪翔)が座談会で言われていたことも印象的でした。
「菅野先生は、砂に対してのイメージや歌い方についてもすごくアドバイスをくださって、本当に勉強になった。砂の香りなど情景がお客さんに伝わるよう頑張りたい。」

難しそう。翔ちゃんは歌もダンスも活躍の場が多く物語の案内役でもあるので求められるものも大きいような気がします。

娘役の砂役というのも面白く、よく見るとそれぞれダンスや表情で砂を表現されているようで皆さん工夫されてるなぁと。そしてとても美しいと思いました。

 

ダイヤモンド真彩

 

宝石(ホープ・ダイヤモンド)になって歌い踊る真彩希帆
どんなジャンルの曲も見事に歌いこなす、まさに歌姫。

ミステリアスでゴージャスでとても綺麗でした。

ホープ・ダイヤモンドは持ち主が転々としていくところから「呪われた青いダイヤモンド」と呼ばれるようになったとか。
もっともこの伝説はかなり脚色されているようですね。

産地はシルクロード生まれ、一時期窃盗団に盗まれていた時期もあるようで、
生田先生はよくこの伝説を持つ宝石から発想を飛ばされたなぁと感心しております。


その宝石の真彩ちゃん、最後の舞台でお芝居、ショー共に魅力を爆発させたのではないかと思っています。

トップ就任以来どの役も卒なく演じられてましたが、サヨナラ2作品とも役柄の性質上望海さんと対等に向き合う強さが必要で、それができる真彩ちゃん(むしろ持ち味全開)に私は深く感動しているのです。

今回はダンスも素晴らしくて卒業後もまだまだ可能性が広がりそうで、わくわくさせてくれる人です。

 

キャラバン隊リーダー

 

キャラバン隊のメンバーにはカリさん(煌羽レオ) まちくん(真地佑果) けんじくん(ゆめ真音) ひーこさん(笙乃茅桜)たち卒業メンバーが。
一緒に旅をするというのはいいですね。

リーダーは彩凪翔
赤い髪と衣装がよく似合っていて素敵。

翔ちゃんに誘われるままシルクロードから広がる様々な幻想の世界へと時空を越えて旅をしますが、キャラバン隊の旅にも時間の砂は流れています。
 
フィナーレで翔ちゃんが銀橋で客席を見渡すところでいつも私の砂時計は一瞬止まります。

去り際の「じゃあね! 」があまりにかっこよくて翔ちゃんらしくてこの瞬間を大切にしたいと。

その後翔ちゃんから宝石を奪い取るイケメン盗賊が卒業する朝澄希くんというのもいい演出。
 
黒燕尾の彩凪翔、煌羽レオの洗練されたダンス、磨かれた男役の美。
引き継がれていく宝物ですね。

 

亡国の夢幻

 

彩風咲奈 朝月希和

お芝居の絡みはなかったですが、ショーは2人のシーンが多くて、そのどれもが明るい未来を感じさせます。

だいきほが原色ならさききわはパステルカラーの輝き、
だいきほが真夏ならさききわには春の訪れを感じます。
(私のイメージです)
 
「幻視」のシーン

穏やかで温かみのある夢のような世界観を次期トップコンビが創りだします。

それはシルクロードの砂の下に眠るかつて愛し合った恋人たちの幻。

身体はいつか土に帰っても美しい時は永遠に生き続けているのだと、2人の笑顔に生きる意味を感じてほろりとなる。

咲ちゃんの横で伸びやかに寄り添い踊るひらめちゃん。
2人のワルツが幸せに溢れていて温かい気持ちになります。
 
フィナーレでは望海さんから笑顔で薔薇を受け取った。

渡された薔薇の重みは咲ちゃんしかわからないけれど、きっと新たな旅で多くの人に夢やときめきを届けてくれるでしょう。
春からはひらめちゃんと一緒に素敵な花を咲かせてください。

 

千夜一夜物語異聞


シャフリヤール  朝美絢
シェヘラザード(宝石)  真彩希帆
黄金の奴隷(盗賊)  望海風斗
 
シャフリヤール王 は『千夜一夜物語』の中の架空の王様。
妻のシェヘラザードから毎夜物語を聞いている。

そこへ「ワルだぜ! 」の奴隷くんが連れてこられてシェヘラザードと惹かれ合う…
というちょっと切なく危険なストーリー。

何しろ王様は激しい。
奴隷を足蹴りにし嫁をビンタしたりする!
それが素敵なんだけど(お芝居だから)(あーさだから!)

今後はショーの危ない男系はあーさが担当してくれるのかな。←希望
このシーン、あーさは歌も良くてオーラがあり見応え十分でした。
真彩ちゃんとの並びも新鮮で良かったですね。

 

大世界ーダスカー

 

皆の大好きな上海のクラブの名はダスカ

花組時代の朝夏まなとさん主演作品「BUND / NEON  上海」(2010年の生田大和のバウホール公演デビュー作)で、
望海さんが演じたキャラクターと同名の「劉衛強」として登場。

それだけでもワクワクするのに
惹きつけられる要因が満載。

2つの勢力のマフィアによるダンスバトル…という世界観。

両脇に羽織夕夏有栖妃華を従えた
真彩希帆の見事なラップ。
原曲はCaravan Palaceの"Lone Digger"

♪ねぇどこ見てるの私はここよ
リズムを感じて

リズムを感じながら踊る望海風斗
色気ダダ漏れチャイナ

(青幇)彩風咲奈 vs (紅幇)彩凪翔
華やかなダンスバトルに萌え転がる
 
とにかくカッコイイ。
男も女も音楽もダンスも。

劉衛強がダスカに生きていると思う瞬間

このシーン望海さんほど似合う方はいるだろうか。

1番心が揺さぶられる大好きなシーンです。
それなのに
どうしたことかいつも急激に寂しくなります。

 

だいきほ!


最後の黒燕尾で一輪の薔薇を持って佇む望海さん。
真彩ちゃんのホープ・ダイヤモンドを思わせる青い薔薇

薔薇は次期トップ咲ちゃんへと渡され、

白い衣装で最後のだいきほ甘いデュエットダンス。

流れるように進んでいくシーンはどれも素敵で、
幕が降りる度に砂時計は静かに流れているのだと我に返ります。
 
中盤まではストーリー性を持たせ自由な発想ながらテーマ性を持って展開していき、
後半はサヨナラ公演の王道へと繋がっていくという流れはとても良かったし、羽山先生の黒燕尾の振付けも素敵でした。
 
楽曲も期待どおりの素晴らしさで歌詞も覚えやすくて記憶に残るメロディライン。
最強ボイスが菅野よう子先生に出会えて良かった。

今さら発言ですが望海さんの喉は一体どうなっているのだろう。

自然で無理のない深く豊かな声。
歌えば言葉の持つエネルギーがよく響く滑らかな旋律となり人の心を動かしてくる。

そこに極上の真彩希帆の歌が加わり、2人の歌声が溶け合う。
私がコンビでこれほど歌で魅了されるのは初めてです。

何度でも言う。ありがとう。

 

砂時計

 

『シルクロード』作・演出の生田大和先生は望海さんの宝塚人生に縁が深い先生でした。
 
前述した『BUND NEON』は先生のデビュー作、望海さん花組新公主演『太王四神記』、雪組東上公演『ドン・ジュアン』、お披露目公演『ひかりふる路』、サヨナラ公演『シルクロード』と、望海さんの節目の時にはいつも先生がいらっしゃるように思います。
 
もしも、今回お芝居の演出が生田先生でショーが上田先生だったら全く違うサヨナラ公演になっていたでしょう。
ちょっと興味ありますね。
 
『シルクロード』は主役を引き立てながら全員が場を得て活躍していたことも良かったところです。

砂時計の上で待機している砂は未来、
流れる砂が今ならば、下の砂は今まで積み重ねてきたもの。
と、砂時計はよく人生に例えられます。 

ならば下の砂は望海さんの宝塚の輝かしい歴史でもある。

男役・望海風斗のシルクロードの旅は終わっても仲間たちの旅はまだまだ続きます。

旅の終わりに望海さんはどんな景色を見るのでしょう。

最後の日まで宝塚の男役を完全燃焼されることを祈っています。

 

雪・うさぎ  

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雪組『f f f』感想③ 望海風斗「勝利のシンフォニー」

雪組公演『f f f -フォルティッシッシモ-』『シルクロード~盗賊と宝石~』
宝塚大劇場公演が2021年2月8日(月)幕を閉じました。

寂しさより何よりも無事に千秋楽の幕が降りて本当に良かったです。
 

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昨日はライビュにて望海さんたちをお見送りしました。
この1ヶ月余り、観劇の日々を過ごせたことに感謝しています。
まだ余韻が冷めない状況ですが『fff』について観劇後に書き留めていたものをまとめてみました。

 

予想できない!

 

望海さんがベートーヴェンを演じると発表された時、頭の中でストーリーを思い描きました。
音楽家として栄光の日々に隠された苦悩と挫折。
不滅の恋人との情熱的な愛、別れ…。
音楽と恋に生きたベートーヴェンの人生をドラマティックに描いた超大作!

こんな感じかな…と。

もちろん上田久美子先生がこんな安易な発想↑をされるはずもなく、初観劇の日にはかなり衝撃を受けました。心の中で雄叫びあげるくらい。

何度か観るうちに難しいことを考えず望海さんに身を任せよう←と思い至りましたが。
贔屓のサヨナラ公演ということも相まって忘れられない作品になりそうです。

 

ここからは望海さんを中心に ストーリーやキャストについて盛大にネタバレしながら私見、感想を一気に書いていきます。最後の方はのぞ様への愛が高まってきてグタグタ〜

(ベートーヴェンをルートヴィヒ、或いはルイと表記)

 

運命が扉を叩く

 

交響曲第5番「運命」はルートヴィヒの人生を象徴していると言われてますが、fffもこの曲をモチーフにしてストーリーが描かれています。

 

女が少年ルートヴィヒの家の扉をノックする。
ドンドンドンドン
運命の扉が開かれた時から少年は女と一緒に生きてきた。
女が誰なのかは知らない。

交響曲第5番「運命」の始まりは運命の扉を叩く(と言われている)衝撃的な音ジャジャジャジャーンから始まります。

 

やがて青年となり音楽家として成功するが失聴や失恋、体調不良、次々と苦難が押し寄せてきて生きる希望を失いそうになる。
女の存在を強く意識するようになる。お前は誰だ⁈

人生の終焉を前にして女の正体がわかり受け入れることで彼は最後のシンフォニーを完成させることができた。

交響曲第5番の第1楽章は重く暗い感じで始まりますが、最後の第4楽章になると明るくエネルギーに満ちたメロディになります。
 

自分に与えられた運命を愛するまでに至るルートヴィヒの人生を壮大なシンフォニーの中に息づかせることで完成した素晴らしい作品です。
見事に応えた望海さん真彩ちゃん雪組の皆さんには観劇度に感動が深まりました。
この作品でお見送りできて良かった。

 

ベートーヴェンと○△□

 

今まで望海さんが演じた役は仲間や同志の繋がりの中で生きる男が多かったですが、ルートヴィヒは登場人物それぞれと異なる形で関わっていきます。

ナポレオンとは実際に話したわけではなく。
ゲーテとは出会いと訣別を。
ゲルハルトは親友。
不思議な関係の謎の女。(いいのか悪いのか相性は良さそう)

実生活で関わっている人よりナポレオンやゲーテらとの精神的な繋がりに重きを置くという斬新な演出には驚きと同時に面白さを感じました。

作品の中にはドンジュアンやロベスピエール、オスカーや吉村貫一郎、そして最後は『SV』と望海コレクションの要素が随所に散りばめられていて、そんなサプライズは嬉しくなります。

そしてユニークな天上界の天使や音楽家たちの存在。
これについては以前感想を書きました。

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ボンの人たち

 

父親(奏乃はると)はアルコール依存で暴力的で残念な父。
奏乃さんは個性の強い役ほど威力を発揮されると思ってますがやはり期待以上でした。

「幸福な家庭は似たようなものだが、不幸な家庭はみんな事情が異なっている。」

アンナカレーニナの書き出しを思い出します。
確かに不幸の形は千差万別で悲しみや苦しみは他人にはわからない。
わからないので人は自分が誰よりも不幸だと思いがちです。

小さなルイが自分の不幸に気づいた時、彼の心の中の扉を女がノックしました。
僕なんて死んじまえ。
 
そんなルイに希望の光を灯したのがゲルハルト(朝美絢)ロールヘン(朝月希和)
前作で妖艶な美女を演じたあーさが爽やかで心優しい青年を好演しています。

この作品で圧倒的に前に出てくるのはベートーヴェン、ナポレオン、ゲーテの天才の3人組。
好青年役を印象づけるのは意外と難しいですが、あーさは出過ぎず引き過ぎず程よいバランスで聡明なゲルハルトの存在感を出していてとても良かったと思います。

彼の妻となりルイがずっと慕っていたロールヘンひらめちゃん。
風と共に去りぬのメラニーを思わせる柔和な女性。

キャロルと吉次さんからの転身がお見事な2人でした。
 
お芝居上手なひまりちゃん(野々花ひまり)には一気に少年時代のルイに引き戻され、青年になったあみちゃん(彩海せら)の男っぷりが上がっていて驚きました。歌も上手くて素敵な男役に成長されましたね。りさちゃん(星南のぞみ)の演技力も上がってきてこれからの雪組も楽しみです。
そしてルイに語りかけるケンジくん(ゆめ真音)の言葉は優しくてとても印象に残りました。ありがとう。
 
ルイの母親役ひーこさん(笙乃茅桜)
母親の他に「小さな炎」となり美しいダンスを披露されます。

ルイが希望を見つけたら炎となって静かに現れる。
彼が元気なら力強く舞う。
彼に希望が無くなれば消えてしまう。
まるでルイの母親のように彼の気持ちに寄り添う優しい炎は大変印象的でした。
東宝公演でも美しい炎を灯してください。

 

ルートヴィヒとゲーテ

 

『わが文学は人間の光』静かな佇まいでルートヴィヒとナポレオンを眺めているゲーテ(彩凪翔)
幅広い知識と教養を持ち何ごとも高い基準でこなす彼もまた天才。蛇足ですが恋愛には自由奔放で非常にモテた。

実年齢はルイよりかなり上、彩凪ゲーテの落ち着いた大人のエレガントな雰囲気と知的な物腰男役 彩凪翔の集大成に相応しい役作りでした。


彩凪ゲーテを観て彼のことをもっと知りたい、彼の詩を読む贅沢な時間を過ごしてみたい。そんな風に思いました。

ルートヴィヒとゲーテが出会うエピソードは2人の感性や性格の違いがよくわかるシーンでしたね。

ルイやナポレオンを見つめる冷静なゲーテの視線が、望海さんと咲ちゃんへ向ける翔ちゃんの優しい視線に感じてじわっときました。

翔ちゃん、望海さんと一緒に駆け抜けていくのですね。
今の彩凪翔主演の舞台が観たかったという叶わぬ夢。
Sho-Wでいい夢を見せてくれたことは救いになっています。

翔ちゃんの最後の役がゲーテで良かった。
まだまだ素敵に輝いてください。

 

ウィーンの人たち

 

気難しいルートヴィヒを大きく包み込んで支援していたルドルフ(綾凰華)
あやなちゃんが演じる役は高い確率でいい人ですね。セリフに優しさが溢れています。

美しい恋人ジュリエッタ(夢白あや) ルイとは結婚観が違い過ぎました。華があり大人な雰囲気が楽しみな人。

彼女の婚約者(真地佑果)まちくんはいつも役を凄く研究していると思う。エネルギッシュでその元気な笑顔が好きでした。ありがとう。

そして配役発表でいつも気になっていたのがカリさん(煌羽レオ)メッテルニヒはカリさんの持ち味を生かせる役でとても素敵でした。(どんなお料理作られるのだろう)
寂しくなります。

 

ルートヴィヒとナポレオン


「我が戦闘は人間の願い」と颯爽と現れるのはルートヴィヒが多大な憧れを抱いたナポレオン(彩風咲奈)。

彼を讃えて交響曲第3番を献呈しようと思うほどでしたが、共和主義者であるルートヴィヒは帝位に付いたナポレオンに失望。

「裏切られたわね」彼はまた一つ希望を失い内なる女の声に打ちのめされるシーンがあります。彼の安らぎはどこにあるのでしょう。

彩風ナポレオンは雄々しくて精悍ながら美しくてまさに宝塚のナポレオン。
メイクや髪型にもこだわりが感じられ戴冠式は貫禄もあり立派でした。

 

ルートヴィヒがボンに戻りロールヘンの死を知った後彼の側の小さな炎が消えてしまいます。

力尽きたルートヴィヒが夢の中でナポレオンに助けられ、やがて2人は音楽と戦術の法則を見つけたかのように兵隊たちを動かしていきます。
音楽は交響曲第5番4楽章
タタタタン  タタタタン

静寂の雪原でシンフォニーに合わせて戦列をつくる兵士たち。
静から動へと見応えあるシーンでルートヴィヒが再生するきっかけになる上田先生のこだわりのシーンだと思います。
今まで結びつきの強い役が多かったのぞさきが絡むのはこのシーンだけ。
しかも現実ではない夢の中。

夢の終わり、消えていくナポレオン。
女は彼から形見にライフルを貰ったと。
ナポレオンも人生の終わりの時、もう1人の自分を受け入れたのか。
人は死を前にすると誰しもそうなるのでしょうか。


ベートーヴェン、ナポレオン、ゲーテ。
作品は3人の天才の個性や繋がりが効果的に描かれていて望海ー彩風ー彩凪のチームワークが最高でした。

 

ハイリゲンシュタットの遺書

 

劇中でナポレオンに失望し聴覚の不安に襲われたルートヴィヒが歌うのがハイリゲンシュタットの遺書。

ルートヴィヒが書いた有名な遺書について簡単に触れておきます。

ルイがウィーン郊外ハイリゲンシュタットで部屋を借りて滞在していたのが31歳の時。 
難聴の温泉治療のため。
そこでの穏やかな生活は孤独との闘いでもあり心が閉ざされていく。
先の不安が恐怖を生む。
1802年10月6日ついに耐えきれなくなり2人の弟に手紙を書いた。

内容は、難聴の苦しみから命を絶つことを考えたこと。それを引き止めたのは芸術であったこと。自分に課せられた創造をやり遂げずこの世をさることは出来ないと思ったことなど。

この手紙は投函されることはなく24年間眠り、彼の死後発見され後に「遺書」と名付けられました。

しかし彼は死ぬほどの苦しみから凄まじいエネルギーで自己再生に至ってい気ます。最後は力強いくらいに。
手紙に思いを書きとめることで頭が整理され物事の本質を悟ったのかもしれません。

病気にたち向かうのてはなく、自分の運命としてその不幸を受け入れることを悟っているかのように。
 
fffで望海さんが歌うハイリゲンシュタットの遺書、見事でしたね!
ルイの苦しみも悲しみも音楽への情熱もとても良く表現されていました。

これほど歌に素晴らしい表現力を持つトップに出会えて私の人生も豊かになりました。

 

ルートヴィヒと謎の女

 

娘役トップ真彩希帆の宝塚最後の役が謎の女。
可愛いプリンセスでも美貌の女優でも陽気で皆に愛されてる町娘でもなく。
それどころか人類の嘆く声から産まれた女、誰もが憎む女。
よって人にあらず。ルートヴィヒや皆の人生に寄り添うよう存在する女。

このような関係性の2人をサヨナラ公演で観るとは想像もしませんでした。

それでも私は真彩希帆の演じた役の中で1番魅力を感じます。

娘役という枠組みを外して演じた謎の女には真彩ちゃんの役者としての無限の広がりを感じました。

Twitterでも呟きましたが、以前望海さんが真彩ちゃんのことをこれからが恐ろしい子と言われていたことがよくわかりました。どこまで行くのでしょう。

そしてそれは望海さんも同じ。
ヌードルスが集大成の望海さん、集大成をも飛び越えてしまい男役娘役を超えた演者として役者として、2人だから完成した舞台ではないかと。
「望海風斗」さんの相手役が「真彩希帆」さんで本当に良かったです。

 

人生は幸せだった!

 

「運命」と名付けた不幸を愛することは自分自身を愛すること。

その時、彼が書きたかったシンフォニーが完成します。
誰もが歌わずにいられない喜びの歌。

もし彼が不幸の中に溺れていたらこのような曲を書くことは不可能でした。
ですが不幸を知っているからこそ完成した曲でもあります。

なのでルートヴィヒが叫ぶ「人生は幸せだった!」は彼の最後にとてもふさわしい言葉だと思います。

彼ではなく望海さんが叫ぶ「人生は幸せだった!」はそのまま望海さんの彩り豊かな宝塚人生を表していて、
何度も言いますがサヨナラ公演がこの作品であったことを心から嬉しく思います。
幸せです。上田先生に感謝します。
 
望海さんはルートヴィヒ役を凄まじいエネルギーで演じ完全燃焼され大劇場最後の舞台を全うされました。

まだまだ東宝公演があります。

シルクロードのこと、サヨナラショーのこと書きたいことはたくさんありますが長文になリました。

ダーーと書いたので誤字脱字も多そうです。
後ほど妹に添削してもらいましょう。

ここまでお読みいただき本当に有難うございます。

続きはまた別日に書きたいと思います。

 

雪・うさぎ

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雪組『f f f』感想② ユーモラスな天上界の面々を考察 / 縣千/ 一樹千尋 / …

感想②は天上界にいる天使たちとユニークな作曲家トリオについての感想です。

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ネタバレしてますのでお気をつけください。 

ケルブ(智天使)    一樹千尋

ケルビム(天使)    希良々うみ
   〃                羽織夕夏
   〃                有栖妃華    

ヘンデル     真那春人
モーツァルト   彩みちる
テレマン     縣千

マリー=アントワネット 妃華ゆきの

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 望海風斗
 (ここではベートーヴェンと表示)
 

天国か地獄


簡単に天上界の様子をお伝えします。

地上での人生を終えて天に昇ってきた者たちが天国の門をくぐろうとしています。

「お疲れ様〜人生🎵」と可愛い天使たちが美しい歌声で迎えてくれる。
その瞬間、懸命に生きてきた日々が癒されていくようです。

そこに、天国行きか地獄行きか何年も審査待ち状態の人たちがいます。
ヘンデルモーツァルトテレマン、偉大な音楽家3人組‼︎

「バッハは早々に天国へ行ったのに! 」

3人の訴えに
「バッハは神のために音楽を作ってきた。君たちは貴族のため自分のために音楽を作ってきたのではないのか」と智天使ケルブが一喝!

結局3人の運命は、彼らの後継者ベートーヴェンに委ねられることに。
連帯責任…のような?
 
以上が物語の始まりです。
 

ケルブというのは旧約聖書に出てくる智天使でfffでは天上界を司る者として登場。
 
ケルブ役の一樹千尋さんは威厳と落ち着きがあり私の想像する智天使にぴったり。
 
私がヒロさんの名前とお顔をしっかり認識したのは初演時の『炎のボレロ』(雪組でりーしゃが演じた酒場の主人役)でした。
 
当時から安定した演技と歌はどんな役も確かな存在感でお芝居を引き締める力があり、望海さんのサヨナラ公演にヒロさんが出演されるのはとても嬉しく思っていました。
 
そして彼の周りの可愛い天使に希良々うみ、羽織夕夏、有栖妃華さんたち。
可愛い歌うま3人組に耳福、眼福で癒されます。まさに天使。
 

デコボコ3人組

 

さて天国と地獄、どちらに運命が微笑むのか。ヘンデルーモーツァルトーテレマンは、縣くん曰くデコボコ3人組。

天使たちと共に地上に降り立ってベートーヴェンの周辺あちこちに出没します。
 
ある時は肖像画の中、
ある時は街のベンチに。
ある時は民衆と一緒にダンスを。
 
最後のシンフォニーに至るまでのベートーヴェンの人生を地上の人間とは別の視点で見つめ、
物語の案内役としても大活躍。

ベートーヴェンの一挙一動にハラハラドキドキのユーモラスな可愛い3人です。
これから観劇される方はぜひ注目してくださいね。

↓ 彼らの肖像画です。wikiより
 f:id:wind-waltz912:20210119001045j:image

左 ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
中 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
右 ゲオルク・フィリップ・テレマン

 
 
まずヘンデル(真那春人)、バロック音楽の著名な作曲家です。

まなはるくんの髪型、かなり実物と似せていますね。
3人の中では1番年長者のよう。
落ち着いているようでそうでもないところが面白い。

ヘンデルはオラトリオ・管弦楽曲・オペラ作品などその美しい旋律から音楽の母と呼ばれています。(音楽の父はバッハ)

ベートーヴェンはこれまでの作曲家で誰が1番偉大かという問いに「ヘンデル」と答えたそうです。

 

fffモーツァルト(彩みちる)は神童と呼ばれた頃の年齢設定でしょうか。
天上界の姿は自分で年齢を決められるなら有難いのですが。

彩モーツァルトは茶目っ気たっぷりキュートで話し方も動きも少年として違和感もなくとても自然な演技です。
子供役から大人の女性まで役の振り幅が広いですが今回も演技力が光りました。

35年の生涯で626曲の楽曲を作曲、彼の残した楽譜はほとんど書き直しもなく美しく。まさに天才ですね。

ちなみにモーツァルトの母親は楽天的で優しく冗談好きであったといいます。
彼の天性の明るさは母親譲りなのかもしれません。
 
そのモーツァルトと出会ったことがあるというマリーアントワネット役の妃華ゆきのさん。
綺麗で気品があってそこだけベルばらの世界感。素敵でした。
 
 
最後はイケメン青年のテレマン(縣千)

テレマンについて調べてみると、音楽的な才能に加えて頭の回転が早くて商才にも恵まれいたようです。

また彼はヘンデルとは大学時代からの友人でした。
彼は86年の生涯で膨大な数の曲を作り、ギネス世界記録のクラシック音楽の分野で最も多くの曲を作った作曲家として正式に認定されています。

人間的には、変わり者のベートーヴェンや破天荒なモーツァルトとは違って、バランスの取れた人物だったのかなーという印象です。

縣テレマンは衣装も髪型も似合っていて素敵。

この役は動きや表情で演じることのウェイトが大きいですが、真那ヘンデルと彩モーツァルトの繊細な動きに呼応していて良かったと思います。
 
さて、地上の音がうるさいと言うケルブの声にモーツァルトとテレマンがベートーヴェンの耳に雲を詰め込むシーンがありますが、これがベートーヴェンの失聴と繋がることはないと思っています。

ベートーヴェンの失聴が運命ならばそれが彼らによってそれが引き起こされるとは思えないからです。
真実はどうなのでしょう。

 

天上界では

 

この天上界はベートーヴェンの苦難の人生を観察しながら彼の人生の終着点へと観客を導びいていきました。

 

計らずとも彼らの運命の鍵となったベートーヴェンでしたが、天上界でのその後を少し妄想してみます。

彼が自らの運命を受け入れ最後のシンフォニーを完成させたことで無事審査をクリアして天国の切符を手にした3人組。
絆もできて仲も良さそう。
ベートーヴェンは彼らの仲間に入れるのか。
陽キャラのモーツァルトと友だちになれるかな?

自己主張の強いベートーヴェンは天上界でも相変わらず…となりそうです。
ですが決して人間嫌いというわけではなく恋をする情熱もあるので、良き友、愛する女性に巡り会うかもしれません。
 
私の希望(彼へのメッセージ)は、
音楽家としての任は地上で全てやりきった。
諸々から解き放たれて天国で穏やかでいてほしいと思う一方で
天上でも熱く夢を追い続けてほしいと願う気持ちもあります。

 
第九のメッセージを一言で言うと、全世界の平和、地上の平和の願いであり、天上の平和の祈りです。

そんな平和の象徴とも言える天使たちとユニークな3人組についての感想でした。
 
続きます。
 
雪・うさぎ 

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雪組『f f f / シルクロード』感想① ネタバレなし

皆様、新年明けましておめでとうございます。
遅ればせながらご挨拶させていただきます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。

 
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大劇場ではついに望海さんの宝塚最後の公演の幕が上がりました。

初日から流れてくる情報(コロナ含め)がこれほど気になったのは初めてです。
観る前から考え過ぎて顔に吹出物が出てくる始末。これは食べ過ぎでしたが。

考え過ぎず望海さんのいる今の雪組を目に焼き付けようと決意。
幸いブツブツも引っ込み、5日に初観劇を迎えました。

当日はサヨナラ公演という寂しさと雪組観劇という喜びを胸に劇場へ。

翌6日も観劇したので2公演観た後の感想を少し残しておきます。
感想というより思いかもしれません。

今回はネタバレなし、内容にはふれません。


まず『fff』、ウエクミ先生の壮大な世界観の中に、ベートーヴェンへそして望海さんへのオマージュが散りばめられている作品に感じます。
 

1度目の観劇後、望海さんと真彩ちゃんをこの2作品で見送ることができることを幸せに思いました。心から。
まだ作品の全てを理解できていなくても、です。
 
何よりもだいきほ最大の魅力である歌が生かされていました。
またふたりの関係性にはドラマを単にベートーヴェン物語で終わらせず想像力を大いに掻き立てられ、最後は心にズシーンと壮大な音楽となって響いてきました。
ここは抽象的で申し訳ない。
 
髪型も衣装も完璧。
2人のビジュアルも大変良かったです。
舞台は必要以上に華美ではなく落ち着いた雰囲気で美しく、工夫を凝らした演出は見事でした。
またベートーヴェンのドラマチックな交響曲と望海さんの深みのある声が非常にマッチしていたことも私が心揺さぶられた大きな要因です。
 
『fff』はだいきほの為の、だいきほの雪組のための傑作というのが私の結論です。

今語れるのはこれくらいでしょうか。
 
『シルクロード』、物語性のあるのショーが大好きな私はとても楽しめました。
世界観も衣装も一貫性があって大満足です。
菅野よう子先生の楽曲は素敵でこちらも2人の歌を堪能できます。
 
そして、
2作品通して咲ちゃんの存在が際立ち、ひらめちゃんとのシーンには2公演とも泣けました。
また最後の公演となる翔ちゃんの大人の男役の美の色気と輝き、あーさの芝居とショーの演じ分けの素晴らしさなど見どころ満載です。

幸いまだ観劇予定があるので、作品の内容やキャストなどもう少し踏み込んだことは自分のペースで思いを育てていきたいと思っています。
  
 
これから観劇される方におすすめしたいのがシンプルにベートーヴェンの曲を聴いていただくことです。

なぜなら彼の音楽こそが彼の魂であり望海さんは彼の人生、魂を全身全霊で演じられているからです。

作品に出てくる交響曲(英雄、運命、月光など)、特に第9はお勧めですがベートーヴェンの曲なら何でも良いと思います。
もちろん時間があれば歴史的背景や人物についてなどリサーチするのもいいですね。 

初観劇の日は音楽の中にいる望海さんだけに意識を集中させました。(それしかできなかった)
ストーリー自体は難しくないのです。
と言って作品の持つ意味が理解できたというわけでもなく、そこがこの作品の難しさなのかなと。

ただ、そこへ到達できなくても音楽の力でベートーヴェンの望海さんを感じることはできました。
1度だけの観劇でも楽しめます。
考えを思い巡らせるのは観劇後に十分できると思います。

  
ところで5日は最前列というオペグラなしで汗も涙も見ることのできる神席でした。
作品に集中できる度合いは格別です。
私の場合ほぼ贔屓の顔を見ていただけというのが現実でしたが、それはそれで贅沢な至福の時間でした。

私が望海さんのファンになった公演は2階の最後列の端の席。
舞台から1番遠い席で主演ではない望海さんの輝きに出会ったのです。

そんな思い出も感慨深く、目の前の輝きがあまりにも眩しくて涙しました。
 

大変な状況であることは否めません。

政府より東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を対象とした緊急事態宣言が発出されたことで対象期間の開演時間の変更及びチケットキャンセルについて諸々、宝塚HPで発表がありました。

今後の公演実施内容の変更、また劇場内各施設の営業体制も変わるのでこまめにチェックする必要があります。

 

宝塚最後の舞台を渾身の力で演じる望海さんたち雪組の皆さん、

東京公演の宙組、初日を迎える花組、続く月組、星組の皆さんの公演が全て滞りなく幕が上がることを祈るばかりです。

私たちはファンとして守るべきことを認識して実行しなければなりません。
私自身、夢の世界へ足を踏み入れるとつい気が緩みそうになるので意識を高く持って気を引きしめなければと思っています。

そしてこの公演を心ゆくまで楽しみたい!
本日雪組公演のギャラリーが公開されムービーページも更新されているのでぜひご覧くださいね。

このあと感想は思いつくまま自由に書いていければと思っています。

今の雪組の形を表現したこの素晴らしい舞台に多くの方が出会われますように。

心から願いつつ…

 

雪・うさぎ

 

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2020年の宝塚歌劇を振り返って

 

2020年の宝塚歌劇を簡単に振り返ってみます。

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宝塚大劇場5公演


 

5公演は全て大劇場にて観劇しました。(回数は色々)
+配信を観たものもあります。
 
『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』
『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~ / Ray-星の光線-』
『はいからさんが通る』
『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と- / ピガール狂騒曲』
『アナスタシア』
 
全ての作品の感想をブログに書いてますので簡単に一言ずつ。

雪組公演は贔屓の集大成とも言える作品で私にとっては特別でした。
ムラでの公演中は望海風斗さんの退団も未発表でコロナの存在も薄く楽しい観劇の日々でした。
そんな望海さんとだいきほ雪組の完成形を見ることは大きな喜びでしたが、
同時にその先に見えるものを覚悟しなければならないと思った公演でもあります。
 

星組公演には大きなエネルギーをもらい、花組公演には限りない夢をもらいました。
礼真琴さんと柚香光さん、若い2人のトップが苦難を乗り越えてそれぞれ魅力を存分に発揮する舞台にどれほど希望を見出したことか。


続く月組公演と宙組公演の充実ぶり!
月組公演の華やかでノスタルジックな世界は何度も足を運びたくなる舞台でした。
また宙組公演が描く美しい世界観と音楽の素晴らしさには心が引き込まれ、
ここでも珠城りょさん真風涼帆さんが築いてきたものが実を結び花開いたように感じられました。

 
そして娘役トップの真彩希帆さん、舞空瞳さん、華優希さん、美園さくらさん、星風まどかさん、5人の力は私が思っていたよりもずっと大きくて素晴らしい活躍に感動しました。 

特別な作品↓

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素敵なレビュー↓

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別箱作品について

 

私が観劇したのは次の作品です。(DANCE OLYMPIAはライビュ、壮麗帝は配信のみ)

『DANCE OLYMPIA』
『マスカレード・ホテル』
『出島小宇宙戦争』
『FLYING SAPA 』
『壮麗帝』
『炎のボレロ / Music Revolution! -New Spirit-』
『NOW! ZOOM ME!!』
『パッション・ダムール -愛の夢-』
『エル・アルコン-鷹- / Ray-星の光線-』
『シラノ・ド・ベルジュラック』


上記もブログに書きましたので簡潔に。

・SAPAの芹香斗亜さん、炎のボレロの彩風咲奈さん、エルアルコンの愛月ひかるさんの93期トリオの活躍が注目でした。
スターの人数と人気で目立つ89期と95期の間にあって、静かに熱く華やかに存在感を放つ3人に来年への期待が高まっています。
 
・作品として特に好きなのは『DANCE OLYMPIA』『パッション・ダムール』『シラノ・ド・ベルジュラック』
ダンオリの柚香さんがかっこよくて、パッションでは凪七瑠海さんが素敵な愛の夢をみせてくれました。
シラノの轟悠さんはさすがの好演で3作とも素晴らしいと思いました。
 
・特別だったのはやはり贔屓の渾身のコンサート『NOW! ZOOM ME!!』
望海さんの宝塚での歴史だけではなく今後の可能性を感じさせる熱い舞台に心躍る思いでした。

・そして2つの1Day Special LIVE
真彩希帆ミュージックサロン『La Voile』
彩凪翔ディナーショー『Sho-W!』
無観客という異例のLIVEでしたが2人が素敵なスペシャルショーを届けてくれました。

通常の形でなくても望海さん真彩さん彩凪さん3人の宝塚への思いが詰まった歌にダンスに魅了され感動は今でも尽きることはありません。

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特に印象に残った生徒さん

 

全公演の中で、トップコンビ、主演の方を除いて特に印象に残った方10名です。(敬称略)

水美舞斗  DANCE OLYMPIA / はいからさんが通る

汝鳥伶  マスカレードホテル / FLYING SAPA 

音くり寿  マスカレードホテル  

彩凪翔  NOW! ZOOM ME!!

縣千  パッション・ダムール  

小桜ほのか  シラノ・ド・ベルジュラック(ヒロインですが特別ランクイン!)

月城かなと   ピガール狂騒曲    

松本悠里  WELCOME TO TAKARAZUKA 

夢白あや  FLYING SAPA 

和希そら  アナスタシア  

 

来年の宝塚

 

人事に関しては驚きの発表もありました。
来年は雪月のトップコンビ、花組トップ娘役の卒業に伴い組編成も大きく変わっていきます。

人事のことはわからないので私の宝塚歌劇への基本姿勢は変わらず生徒さんの情熱を客席で受け取るのみ。
また観客として何に気をつけなければならないか、どうあるべきかは自明の理と思っています。

今日公式HPでお客様へのお願いという動画が更新されましたのでリンクを貼っておきます。

kageki.hankyu.co.jp

 

2021年東京公演は月組公演が引き続き上演され、宝塚大劇場はいよいよ雪組公演が幕を開けます。
贔屓のサヨナラ公演になるので大千秋楽のその日まで毎公演、無事に幕が上がることを切に願っています。 

今年も当ブログをご訪問くださりありがとうございました。
来年も皆様にとって宝塚歌劇が喜びとなり癒しとなり、夢ときめきとなりますように。

全ての公演が予定どおり行われますようにお祈りしています。

 

うさぎ

 

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『 f f f / シルクロード』雪退団者発表を受けて

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2020年11月03日は雪組『f f f / シルクロード~盗賊と宝石~』集合日でした。

退団者の発表がありました。

下記の生徒の退団発表がありましたのでおしらせします。

雪組

海 風斗 -すでに発表済-
彩凪 翔
笙乃 茅桜
煌羽 レオ
真地 佑果
真彩 希帆 -すでに発表済-
ゆめ 真音
朝澄 希

2021年4月11日(雪組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団
引用:雪組 退団者のお知らせ | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ  

 

望海風斗さん、真彩希帆さんの退団は先に発表されていましたが、今日発表されたのは6名です。

笙乃茅桜 素晴らしいダンサーのひーこさん
煌羽レオ 独自の男役の美学を持つカリさん
真地佑果 ぐんぐん骨太の男役になってきたまちくん
ゆめ真音 歌が上手なまおとくん
朝澄希  まだまだ研6のまれくん

皆さん大切な雪組のメンバーです。
そして…
彩凪翔        大好きな翔ちゃん
 
望海さんが卒業された後、次期雪組で私の心の拠り所になるはずの人でした。
咲ちゃんと翔ちゃんやあーさが中心になって新たな雪組を築いていくと。

その中で望海さんが残していくものがあって、オラオラだったり男役の色気だったり、
翔ちゃんはそれらを引き継いでくれるのではないかという願望を持っていました。
 
翔ちゃん大好きな望海さんと一緒に宝塚を去って行くのですね。
最後の役がバウホールで主演を演じたゲーテ役とは、、

今は言葉もありません。

サヨナラショーには『シルクロード~盗賊と宝石~』出演者(A日程B日程含む)全員が出演されるとのこと。これは良かったと思います。


退団の日は皆さんが考えぬいてを決められたことですので私なりに受けとめて応援する所存です。頭では。
心はまだついていけません。
寂しいです。

 

皆さんのことが大好きです。
 
雪・うさぎ

『パッション・ダムール -愛の夢-』凪七瑠海 ロマンチック・ステージ 感想

 

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幕が開くと真っ赤な衣装のパッション・ダムールの歌手、凪七瑠海
ロマンチック・レビューの世界の中で華やかに歌い踊る。

18年の月日と共に完成された宝塚男役の美学が今咲き誇り、素晴らしいレビューが生まれました。

往年のファンだけではなく、宝塚を愛する全ての人が夢を見られるコンサート。
クラシカルでありながら、かちゃさんと雪組生16名が創る新しいロマンチックステージです。 

       ロマンチック・ステージ
『パッション・ダムール -愛の夢-』
       作・演出/岡田 敬二

15日はバウホールで、今日は配信にて観劇しました。
印象に残ったところを書きとめておきたいと思います。

 

第一幕

 

1章  プロローグ

『パッション・ダムール』タイトルどおり情熱的な愛を感じさせるプロローグ。
熱く 熱く 燃える ♪ スパニッシュな主題歌が素敵でしたね。
吉崎先生の曲は1度聞いたら忘れない。

恋の嵐をかちゃさんが歌とダンスで表現します。
どこまでも優雅でノーブルに。

しなやかな感性や表現力、プラス積み上げたキャリアで舞台の魅せ方を熟知されているように感じます。

 

この公演でかちゃさんと一緒に舞台に立つのは、雪組男役8名と娘役8名。
きっと皆んなこのレビューを愛してる!

男役
天月翼
   叶ゆうり  眞ノ宮るい  汐聖風美   縣千   一禾あお   壮海はるま   紀城ゆりや

娘役
千風カレン  沙羅アンナ  星南のぞみ   彩みちる   希良々うみ   有栖妃華   莉奈くるみ   愛陽みち

 

スパニッシュな赤の衣装も鮮やかに、4組のデュエットダンスが美しくて夢のよう。

華やかなプロローグに一気にロマンチックワールドへと引き込まれていきます。

 

ロマンチック・レビューとは

ところで「ロマンチック・レビュー」とは?

この答えは岡田先生のお言葉で。
是非読んでみてください。
分かりやすく語られています。

「ロマンチック・レビュー」の意味は「宝塚のオリジナル・レビュー」という意味。

宝塚ならではのテーマと言うのは時代が変わってもある。

舞台作りも、宝塚ならではの詩情とか香りとか品のよさがあるべきだと思うんです。
そういうものを醸し出すレビューを、僕は「ロマンチック・レビュー」と総称しているわけです。
ー中略ー
もちろん全てが甘くなっては困るわけで、色々あるのだけども、ロマンチック・レビューと言うからには、それなりの品位を守ってるつもりなんだけれどもね。

引用元:岡田敬二ロマチック・レビュー
阪急コミュニケーションズ p69

『パッション・ダムール』にはこの答えの全てが詰まっているように思います。

 

2章  アディオス・パンパーミオ


『ネオ・ダンディズム! ー男の美学』より

ガウチョ(カウボーイ)たちの恋のやり取り。

湖月わたるさんのサヨナラ公演、男っぽさ満載のレビューでした。
後にリメイクして安蘭けいさんで ⅡとⅢを。
真矢みきさん『ダンディズム! 』の続編になります。

 

過去に男っぽい男役が演じた役を中性的でスタイリッシュなかちゃさんが演じるとこのような世界になるのかと。

鞭使いの男役のダンスは掛け声も荒々しくて、かちゃさんと恋人(彩みちる)との妖艶かつ洗練されたダンスに目が離せません。

最後は「アディオス!」←いやん、かっこいい!
娘役を限りなく美しく見せる、かちゃさんの男の美学を熱く感じるシーンです。

 

3章  妖精の森

『アムール、それは…』より 

かちゃさん8変化といっても並の8変化ではありません。何しろクオリティが高い…。
予想以上の素晴らしさにプロローグから瞬きができず目が乾いてきたほど。←ホントの話

このシーン、まずはかちゃさんがゴージャスなゴールドの衣装で歌い、次はブルーの衣装でとびっきりの貴公子、プリンスで登場。
プリンセス(星南のぞみ)と並んぶとため息もの。

大和悠河さんと陽月華さんのサヨナラ公演の作品でした。再演は北翔海莉さん。
キラッキラオーラのタニさんでしたが、かちゃさんは透明感のあるクリスタルのような輝き。
美しい夢を見た・・という感覚。

 

雪組選抜メンバー

ここでこのレビューに出演している雪組生のメンバーについて。

2番手を担う縣千、驚くことに研6にしてビジュアルは既に出来上がりつつあります…
舞台に立つ喜びが溢れんばかりに伝わってきて、時折思いが爆発するところがたまりません。

この公演では主に得意分野のダンスで活躍しますがソロもあって良くなってきていますね、徐々にですが。

何度も言ってますが小さくまとまらずに成長してほしいです。
これほど舞台が好きな縣くんですから、必ずや「縣千の男役の美学」を追求していかれるはずです。

頑張ってください。期待してんで!(Sho-W! 関西弁の名残り)

 

歌を聴かせてくれたのは、千風カレン、天月翼、叶ゆうり、壮海はるま、 希良々うみ、汐聖風美、有栖妃華、一禾あおさんたち。 

有栖妃華、希良々うみさん、素晴らしい歌を聴かせてくれます。

個人的にカレンさん、翼くん、かのゆりの歌が好きなので今回とても嬉しいです。

莉奈くるみ、愛陽みちさん、今後が楽しみですね。

眞ノ宮るいくんのダンスはますます磨きかかってきましたね。
美しさに加えて男っぽくキレもあって縣くんとの情熱的なダンスは見せどころ。

沙羅アンナさんのしなやかなダンスは美しく、最下級生の紀城ゆりやくんもすっごく頑張ってました。

 

そしてこの公演のヒロイン彩みちるさん。星南のぞみさん。

みちるちゃんは可愛いお色気たっぷり、表情、動き、一つ一つが丁寧で繊細で、魅力的なダンスでドラマを魅せてくれます。かちゃさんと息もピッタリで素晴らしい活躍でした。

りさちゃんのこのようなお姫は様いつ以来?優雅なかちゃ王子様と絵になります。絵になれば飾っておきたいレベルの美です。ふと翔ちゃんとの並びも素敵だろうなぁと思いました。

チルチルとリサリサのダンスの表現力とビジュアルがこのレビューを思いっきりロマンチックなものにしています。

次へ進みます。

 

4章  愛の誘惑 / 5章  ALL BY MYSELF

『ル・ポァゾン 愛の媚薬』から「愛の媚薬」

禁断の木の実のリンゴを受け取った現代のアダムは、ジゴロになって愛の誘惑の中で歌い踊ります。 

あまりに有名なシーン。

リンゴを渡すのは縣千、受け取るのは凪七瑠海。

初演ではあがちの役を涼風真世さん、ジゴロは剣幸さん。
剣幸さん、こだま愛さんのサヨナラ公演でした。再演では柚希礼音さん、蘭寿とむさん。

 

縣くんがこの役を・・。

ロングヘアが話題になっていて、そこもまぁ萌えポイントには違いないですが、それよりもこの曲を歌うあがちの立ち姿になんとも言えずうるっとなりました。
何と言えば良いのでしょう、適切な言葉が見つかりませんが…大物の片鱗を見た…ような。

 

さぁ禁断の木の実を受け取ったジゴロ。

その後はかちゃさんがグイグイ持っていきます。
かちゃさんの醸し出す大人の色気にはさすがにまだまだ誰も太刀打ちできません。
ここでいい女を演じるのがみちるちゃん。

2人の大人の駆け引きのドラマが…素敵!
そしてこのシーンの 希良々うみちゃんの歌が最高にかっこいい!

この後叶ゆり王子さま独唱があり5章「ALL BY MYSELF」へと流れていきます。
かつては日向薫さんが『ナルシス・ノアール』で歌われた。

かちゃさんと男役4名の白燕尾が美しい。

極上の夢の余韻を残して1幕の幕がおります。

 

第2幕 

 

6章  ハードボイルド

『ダンディズム! 』から
ハードボイルドな2人の男がライトの中で妖しげにタンゴを踊る、縣千と眞ノ宮るい
壇上から歌うハードボイルドの歌手に凪七瑠海

ストライプのスーツにハットがダンディ。

これは岡田先生がエンターティナーとして高く評価していた真矢みきさんと純名里沙さんのお披露目公演の作品で、このシーンの歌手はみきさん、ダンサーは紫吹淳さんと匠ひびきさんでした。

みきさんとは真逆の色を放つかちゃさんのハードボイルドは新鮮でドキドキします。
始まりの2人のタンゴも迫力あって濃くってこのシーン大好きです。
忘れられないシーンがまた増えました。

 

7章  学生王子

『学生王子』はオペレッタとミュージカルの橋渡し的な作品。映画化もされてます。
身分違いの悲恋の物語、そう思って見るとちょっと切ない。

白い軍服をソフトに優雅にそれは素敵に着こなすかちゃさん。
シメさん風味を感じる優雅さ。
男役は士官、娘役は令嬢となり華やかな場面が広がります。

歌は「セレナーデ」
かちゃ王子はヒロイン星奈のぞみ、デュエットダンスが美しく。
これぞロマンチックレビュー。

 

この後の「夢・アモール」カレンさん、翼くんの素敵なデュエット。
→からの縣くんの白い衣装でののびやかなダンスと歌、堂々していて◎!

 

8章  愛の歌 / 9章  カーテンコール

かちゃさんが熱唱するのは『皇帝と魔女』(1962)の主題歌「愛の歌」
吉崎憲治先生の名曲をボレロに編曲されたものです。

美しいビジューをあしらった黒燕尾を着たクールビューティ凪七瑠海。
後ろには黒燕尾の男役、白と黒のドレスの娘役。

この歌とダンスは出演者の気迫、熱量が半端なく伝わってくる感動の場面です。
かちゃさんが振り返りひとりひとりを見つめます。

かちゃさん素晴らしい!!

皆んなの絆がこんなに素敵な愛の夢を生み出してくれました。

最後は「さよならGoodbye

海外公演で最後に歌われる吉崎&岡田のコンビによる楽曲ですが、シンプルにありがとうの気持ちが伝わってくるいい曲です。

最後の最後は『パッション・ダムール』の主題歌で舞台で見る夢は終わってしまいました。

 

 愛の夢 

まずはかちゃさんの「最初から最後までこれぞ宝塚というショーをやりたい」という夢が叶ったこと本当に良かったです。

カテコで思わずかちゃさんが千秋楽のことを初日…と言われましたが雪組メンバーは何ならお稽古からまた始まってもよいと…

なんて素敵な言葉、素敵な思いでしょう。

 

岡田先生がレビューで大切にしているのは清潔、上品、ロマンチック。
また色彩、音楽、陶酔へのこだわりもお持ちです。

パッション・ダムールの各シーンもかつて個性豊かで華やかなスターが歌い踊り夢を見せてくれました。

時が流れても私たちはまたとびきりロマンチックな夢を見ることができるのです。
宝塚ある限り。

懐かしい夢でもあり新しい夢、こうして宝塚は繋がれていくのですね。

ロマンチックレビューの中で見事に愛と夢の花を咲かせた凪七瑠海さん。
公演は終わりましたが"夢人"が歌うように作った夢は消えません。

それでも岡田先生、まだまだロマンチックな夢の続きを作ってください。

雪組の皆さんの熱演、素敵でした。

かちゃさんたくさんの愛の夢をありがとう。

感動をありがとうございました。

 

パッション・うさぎ

  

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 彩凪 翔 1Day Special LIVE『Sho-W!』愛してんで!

 彩凪 翔 1Day Special LIVE『Sho-W!』マチソワしました。 

翔ちゃん大好きです。

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ミュージカルナンバーありJazにJ-POPと翔ちゃんの魅力がたっぷり詰まったショータイム!
至福の時間とはこのことですね。

彩凪 翔 1Day Special LIVE『Sho-W!』
<構成・演出> 中村 一徳
<出演者>(雪組)彩凪 翔
綾 凰華、ゆめ 真音、琴羽 りり、音彩 唯

 

セットリスト

 

Take Five
It Don't Mean A Thing
愚か者のゲーム[ローマ休日]
Show Star Show ["D"ramatic S!]
花吹雪・恋吹雪
花火
BRIGHT
Billie Jean
(昼)ヴァンパイア・レクイエム 「薔薇の封印」
(夜)生きる道 「灼熱の彼方」
言いたくて、言えなくて 「長い春の果てに」
セ・ラ・ヴィ 「琥珀色の雨にぬれて」
Papillon 「RIO DE BRAVO!」
  〜Endless Dream 「BLUE MOON BLUE」
One Heart 「NEVER SAY GOODBYE」
君がそばにいる 「仮面の男」
忘れじの面影 「春雷」
思いもよらぬ君 「ファントム」
世界に求む 「王家に捧ぐ歌」
Seasons of Love
キセキ
明るい未来へ

  

マチソワ

 

さて、私も関西人の端くれです。
翔ちゃんのライブなんでここからは関西弁を交えながら感想書かしてもらいます。

京都弁やら大阪弁やら色々ちゃんぽんになってますけど、許してやったらどうやーの精神でお付き合いしていただきたいと思てます。

 

まずタイトルの『Sho-W!』
ショウと読みます。
色んな意味があって、翔にかけてレビューのショー、またWは二面性を表してるそうですわ。

翔ちゃんのあれやこれや観れるやなんて嬉し過ぎて、ずっと楽しみにしてました
セトリは配信後にパスワード入れたら出てきましたね。おおきにありがとうございます。

ここでは特に印象に残ったことだけ記録として残しておきたいと思てます。

 

最初の曲は1959年にリリースされたJaz「Take Five」
いきなりめっちゃかっこええんです、なんでも珍しい5/4拍子の曲らしいですね、知りませんでしたけど。(通常は知らんけど

パープルの衣装を着て、綾ーゆめー琴羽ー音彩が順々に登場、
最後に上半身に黒のスパンコールが散りばめられた白いスーツに黒いハット(全員)の翔ちゃんが登場するんですけど、ホンマに美しいです、輝いてます、ここで殆どの人は惚れてしまいますやろな・・。もちろん最初の2曲は英語です、素晴らしい❤︎

 

そして懐かしい『ローマの休日』アーヴィングの曲。
と言ってもWキャストで私が観た時はれいこアーヴィングやったんで、翔ちゃんの「愚か者のゲーム」を聞くの初めてですねん。
この曲大好きなんですよ、まさか聞けると思てなかったんでこんな幸せありません。

Show Star Show ["D"ramatic S!] は途中から4人で歌い踊るかっこいいシーンです。
この曲は翔ちゃんへのリスペクトの意味もあるようです。

 

赤い衣装に着替えて出てきた翔ちゃん、望海さんコンサートのパロディが生んだあの迷優名優アヤナギ先生もちょこっとやってくれます。

夜の部ではふーこさんへメッセージ
「昨日お誕生日おめでとう!愛してんで!!」

最高ですなー❤︎

 

J Soul Brothersの「BRIGHT」は宝塚ではこうなるんやと聞き入りました。
私りりちゃんと同じで翔ちゃんの歌声好きなんですわ。
以前は特別思わなかったですけどね。
いつぐらいかなぁ・・とよくよく考えたらワンスの時からかな。めっちゃ最近でした。

ダンスに目を奪われて気づくのは遅かったけど好きな気持ちは負けへんで!と。誰に・・?

 

セ・ラ・ヴィはまだつい最近のようでじーんとなります。
何度も円盤観てますけどね 、やはりだいきほの始まりなんで思い入れがあるんですね。

 

さてここで4人の出演者について。

あやなちゃん(綾凰華)は真彩サロンに続いてのライブ出演ですね。
どちらも中心になって大活躍、私にとって癒し系の王子さまです。

ゆめ真音くん。先日スカステで観た『壬生義士伝』新公の谷三十郎役、ユーモラスに演じてはりましたね。こちらも今日は素敵な王子さま、歌も素敵。

娘役は琴羽りりちゃん、音彩唯ちゃん、『炎のボレロ』で2人はヒロインの付き人でした。
翔ちゃんのお言葉を借りると、りりちゃんはええ女ですね、素敵さん。
そしてゆいちゃんは可愛くて今後楽しみやないですか❤︎

 

ライブの続き

 

Papillon 「RIO DE BRAVO!」
  〜Endless Dream 「BLUE MOON BLUE」

ここはミュージカル仕立て、ブラックな翔ちゃんが素敵過ぎて。

 One Heart 「NEVER SAY GOODBYE」は翔ちゃん初舞台公演の時の曲。
ちょっと前に和央ようかさんとトップさんがコラボされてましたね。
翔ちゃんお着替え後に4人で歌わはりました。

 

その後は真っ白な翔ちゃん登場、王子さまです。

白も黒も素晴らしい、素晴らしい。
大事なことは2度言わんとあきません。

そこから懐かしい曲を歌い継いでいく凪さまが神々しくて尊くて・・

何て素敵な人なんやろ…泣けてくる。

 

 

マチネ(13:45の部)

 

ヴァンパイア・レクイエム 「薔薇の封印」

宝塚受験の時に観ていた思い出の作品やそうです。
紫吹淳さんが歌った曲。
当時の美少女がこんなに素敵な男役になり今私たちを夢を見せてくれはります。

 

⭐︎翔ちゃんの素敵なところ(ニュアンス)

綾→広げた手をなかなか下ろさないところ
ゆめ→かっこいいのに面白いところ
(関西弁語録: ええねん、そやねん、許してやったらどうや〜、ええ女で前通って)
琴羽→声が好き。柔らかい歌声が好き。
音彩→優しく話しかけて教えてくださった。

4人それぞれにアクセサリーのプレゼントしてくれたそうです。

  

ソワレ(19:45の部)

 

生きる道 「灼熱の彼方」

翔ちゃんと咲ちゃんがバウホールW主演した時の歌です。
力強く熱唱、これも思い出の作品ですね。

 

⭐︎翔ちゃんちゃんの優しいところ(ニュアンス)

綾→組替えしてきてカチコチの時声をかけてくれた。
ゆめ→下級生の頃も髪型変えたら気づいて声かけてくれた。
琴羽→どんなに忙しい時も目を見て有難うと言ってくれる。
音彩→お稽古中うまくできない時もええやんええやんと優しく教えてくれた。

  4人は翔ちゃんからお守りもプレゼント。

 

素敵な人

 

最後の曲は翔ちゃんが作詞、手島恭子さん作曲

「明るい未来へ」

歌詞の中には懐かしい作品「春雷」も「灼熱の彼方」も入ってます。
翔ちゃんの素直な気持ちが込められていて胸に響く素敵な歌です。

 

翔ちゃんは真っ白な王子様系が好きやなと言う妹、色気ダダ漏れ系の憂いを浴びたブラック翔ちゃんを好む私。

どちらの期待にも応えてくれる翔ちゃん、ありがとう! 
衣装も全て素晴らしくて見事に似合ってました。

そして翔ちゃんのお人柄なのか5人のチームワークの雰囲気がとても暖かくて。

そんな感じでマチソワ観劇を終えてますます翔ちゃんが好きになりました。

素敵な時間を過ごすことができました。 

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雪・うさぎ

 

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雪組『NOW ZOOM ME』BCパターン感想ー望海風斗コンサートー完全燃焼

 

『NOW ZOOM ME』の感想です。

Bパターンは大劇場観劇とLIVE配信
Cパターンはライビュ観劇をしました。

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BもCもそれぞれに望海さんの大切にしている思いや気持ちが溢れているように感じられ大変感動しました。

全体的には男役として歌い踊る望海さん、笑ったり照れたり涙する望海さん、色々なのぞ様を観ることで、
望海さんを応援してきた今までの時間を懐かしみ愛おしむ時間になりました。

齋藤先生の演出の特色がはっきり出ているので好みは分かれるでしょう。

バブル、派手派手衣装、映像、J-POP、パロディなどはインパクトも強くて話題性もあり目立ちますが、宝塚の歌も多くて、黒燕尾、ピアノ弾き語りなど本当に盛りだくさんのコンサートでした。

生演奏(NOZOMI ZOOM BAND) も嬉しかったですね。

 

  

攻めの1幕

 

望海さんが言われるように攻めて攻めて攻めまくるコンサート、1幕は特に攻めを感じました。

全体的に知ってる歌も多かったですが、望海さんが歌うとこうなるのかと新鮮でした。

1幕で特に気になった曲をあげいくと、まずNancy Mulligan エド・シーラン
ハットにスーツ凄くかっこよかったですね。
↓こちらに歌詞の日本語訳や歌について書かれていて、時代背景を知るとさらに面白いです。

celtnofue.com


「あゝ無情」 アンルイス
望海さんが女性目線の曲を歌われるのは珍しいですがとても自然でいいですね。できれば1曲全部聞いてみたい。

「SUPER HIRO」ルパン3世PARt2 (トミースナイダー)
これも最高、発音も完璧で聞き惚れました。

もうひとつ「NOZOMI」

まだ見ぬ 私のノゾミ 〜〜〜♪
この歌は何度もリピートしたくなりそう。

上手(かみて)と下手に光るノゾミという文字にさえ感動を覚えるオタクです…。

 

最初に生で観た時はとにかく驚きの連続でした。
宝塚の歌だけてはなくJ-POPも洋楽もあらゆるジャンルをこれほど歌いこなせるなんて! 
中毒性があると数名の方が言われてましたが分かります、とても分かります。

そして彩凪翔さん。

『She Bangs 』リッキー マーティンと言えば日本で大ヒットした「GOLDFINGER '99」を思い出します。

翔ちゃんもかっこよかったですね〜
こちらもダークなスーツにハットが素敵。007のスパイ役など似合いそう。

トークでは望海さんとの信頼関係も感じられ、望海さんをずっと支えてくれるかけがえのない人、まだまだ活躍してほしい。
「Sho-W ! 」の期待は膨らむばかりです。

 

あと、バブルのあゆみ姐さん(沙月愛奈)がハマり過ぎて当時のジュリアナ東京の女王様も驚くであろうかっこよさ。

ビーチタイムの派手な衣装が似合うのはカリさん(煌羽レオ)しかいないと思っていたら、白いスーツもビシッと着こなす、渋くて華やかで素敵。

ひまりちゃん(野々花ひまり)は今回ヒロインで大活躍。可愛さに加えて色っぽい表情がとっても魅力的。

 

 笑いと涙の2幕

 

 パロディについて

私は望海さんが初日のカテコで言われた、「人生がどうとか考えずに笑って欲しい」という言葉をそのまま受けとり楽しませてもらいました。


内容はともかく(笑)、悲劇の多かった望海さんや雪組の皆んながはっちゃける姿があっても良いではないかと。

ただもう少し短くても良かった気はします。これは特に2度目観劇時に感じました。

それでも途中、壬生義士伝やファントムのメロディが流れてきて望海さんが歌いだすと瞬時に込み上げてくるものがあって泣き笑い状態に。
翔ちゃんの土方歳三も嬉しかったですね。

 

Bパターン 諏訪さき 

「ひかりふる路」聖海由侑さんがソロで歌い始めて皆で合唱、途中から望海さんも一緒に。
懐かしい映像も流れます。

そのあと銀橋で望海さんと諏訪さきさんの2人のヌードルスが歌う「愛は枯れない」
良かった、ほんとに良かった。
しゅわっちはさすがしっかり歌えてました。
東宝新公演が流れたことは残念でしたが、今後の雪組にとってしゅわっちが大きな存在となることは変わりありません。期待も大きいと思います。

SVの夢の宙船の日記の場面は彩海せらさんカゲソロで望海さんのダンス。
望海さんと絡むことが多かったあみちゃんの成長も感じつつ、ここも心に刺さるシーンです。

 

Bパターンは望海さんが雪組を受け継いでいく組子たちにご自分が培ってきた男役の全てを伝えようとされているように思えました。感動しました。

 

Cパターン 真彩希帆

望海さんがダイヤモンドなら真彩ちゃんは太陽のように感じました。
太陽の光で雪に輝くダイヤモンドはそれまでとは別の輝きを魅せてくれます。
真彩希帆の登場は想像を超えて凄い威力を発揮していました。

 

まず 「You raise me up」で素晴らしい歌を披露し、そのあと「輝く未来」では曲の途中から望海さんが現れて2人のデュエット、真っ白な衣装のプリンスとプリンセスです。

真彩ちゃんが望海さんを王子様と言い、王子様とはあまり縁がなかったと、照れくさそうな望海さん。
王子様であってもなくても私たちはそんなのぞ様が大好きなんです。

続いてミーマイの「ランベス・ウォーク」にも聴き入りました。

さぁそして、

私が踊る時

望海さんが歌い始めると鳥肌がたちました。
さっきまでの甘い2人から一瞬でトートとシシィの世界観を作りあげるだいきほ。見事でした。私が求める完璧なトート、シシィの歌を聞きました。

多くの「死」を演じてきた望海さんが「死」そのものをどう表現されるのか、私は望海トートを心底見たかったです。
井上芳雄さんとの闇が広がる、そして私が踊るときを聞いてますます思いは募ります。

望みがあるとすれば、卒業後のガラコンサートでだいきほの『エリザベート 』フルバージョン(1人の人がその役を演じきる)。

基本的には宝塚時代の役を演じますが例外もありますし。
そんな未来への可能性を感じるほど魅了された1曲でした。

 

あまりゴールデンコンビという言葉を多用したくありませんが、だいきほはやはりゴールデンコンビだと思っています。

真彩ちゃんの隣でいっそう美しく輝くダイヤモンド望海さん。

そんな輝きを見ることができて本当に幸せです。ありがとう。

 

リクエスト曲

「ひとかけらの勇気」「かわらぬ思い」「愛の旅立ち」
どれも名曲で、多くのリクエストの上位というのもわかります。
望海さんの極上の歌声で聴けたことはほんとに嬉しいですから。

ちなみに私がリクエスト曲は選ばれませんでした。
リクエスト曲を出すとき妹に「うっ…それは…結構古いね…まぁ少数でもお仲間いるのでは」と言われましたが。
まだもう少し希望を待っていてもいいのでしょうか。


その妹1、マミさんのファン時代もありまして『BLUE ILLUSION』は大喜びでしたね。

 

音楽の力は凄いです。
メロディを聞くだけで楽しい思い出もほろ苦い思い出も当時の記憶が鮮明に蘇えってきます。

 

最後の曲はナオト・インティライミ氏作詞作曲「夢を集めて」

歌詞の中に
♪ガーベラの花言葉胸に抱いて

とありますが、ガーベラ(白)の花言葉は「希望」。
歌詞もメロディも未来へ向かう希望に満ちていていいですね。

真彩ちゃんはサロンでのオリジナル曲で冒険の旅に出ようと歌いましたが、2人が飛び立つ日が近づいているのだと思うとホロッとなります。

同時に2人の力強さと、積み上げできた年月がどれほど深いものであったかを痛感しました。


そんな感じで『NOW ZOOM ME』は齋藤先生の愛も随所に感じられ私にとっては素晴らしいコンサートになりました。

まだ未観劇Aパターンのライブでの観劇が待っています。

待ちわびる気持ちと終わってしまう寂しさをどちらも同じくらい感じています。

雪・うさぎ

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真彩希帆 MS『La Voile』優しい風に包まれて

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真彩希帆さんのミュージック・サロン『La Voile』(夜の部) について少し感想を書いてみます。

 

最初に1番感動したことを。
真彩ちゃんが作詞したオリジナル曲「My ever lasting dream-私の永遠に続く夢」
歌詞に込められたメッセージが素敵でした。(作曲:青木朝子)

♪優しい風に包まれていると

 望海さんのことですよね?

♪出会えた奇跡にありがとう

 想像の域は出ませんが、ここも望海さんへのメッセージなのかなと。

この歌には生まれてきた意味、歌が好きなこと、夢を持つこと、出会えた人への感謝の気持ち、これから始まる冒険など真彩ちゃんが伝えたいことが詰まっています。

今まで歩んできた歴史や未来への出帆を感じるとても力強い歌なのです。

いきなりアンコール曲から始めましたが、昨夜の『La Voile』はそんな真彩ちゃんの数々の歌に五感を刺激されて大変感動しました。

生演奏に素敵なドレス、今現在できうる限りの最高のセッティングで行われたように思います。

また、雪組出演者(綾 凰華、眞ノ宮 るい、一禾 あお、壮海 はるま)のチームワークもよく、歌姫とのデュエットはそれぞれに素敵でした。
今後大きな糧となりそうですね。

トークの内容も微笑ましく真彩ちゃんの温かい人柄を知ることになり、改めて雪組のトップで良かった、望海さんの相手役で良かったと思っています。

 

歌の上手さは折り紙付きですが、宝塚歌劇の名曲をはじめ、日本物、ジャズ、オペレッタ、挙げ句は日本民謡まで(笑) 披露されたのには驚きでした。素晴らしい!

音楽に天賦の才能があってもこれほど幅広いジャンルの歌を自在に歌いこなすにはかなりの努力も重ねてこられたのではと。

 

「シャロンのテーマ」(琥珀色の雨にぬれて)シャロンは天使ではないけれど歌声は天使です。
軽やかで伸びやかで何度聞いてもときめきます。

「ダンスはやめられない」(モーツァルト!) 数年前に井上芳雄さん主演のミュージカルを観劇した時に平野綾さんが歌ってた曲。
モーツァルトの妻コンスタンツェの内面の危うさを表現した激しめの曲。
シャロンと全く違う歌声に聴き入りました。
天使もどちらも魅力的で、まるで歌の魔術師のよう。

 

1曲1曲昨夜の夢を思い出しているのですが、お披露目公演のSVで希望という名の大きな海原へ出航したのがついこの間のことのように思えます。
そしてMSのタイトルも『La Voile(ラ ヴォアル)』出帆
真彩ちゃんにとって未来の全てが冒険の旅なのかもしれませんね。

生まれた時から歌うことが好き、音楽が大好きという真彩ちゃんの溢れる思いがたくさん詰まった素敵なMSに、笑いあり涙ありの至福の時間を過ごしました。
これからの真彩ちゃんの夢も叶うことを祈ります。

このミュージック・サロン、もしかして誰もいない客席に真彩ちゃんは薔薇の花束を抱えた望海さんを感じていたかもしれません。
そんな妄想も楽しいものです。

 雪・うさぎ

 

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雪組次期トップコンビは彩風咲奈&朝月希和

 

情報が多い日となりましたが、今日は雪組情報をまとめています。

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まず大きな喜びのニュースです。

雪組の次期トップスターは彩風咲奈さん、次期トップ娘役は朝月希和さんと発表されました。

咲ちゃん、ひらめちゃん、おめでとうございます!


これで星組、花組に続いて来年は雪組生え抜きのトップ彩風咲奈が誕生します。

子供の頃オスカル役の彩輝直さんに一目惚れをした。
その日から咲ちゃんの歩む道は決まったのでしょうか。


『炎のボレロ / Music Revolution! -New Spirit-』のプロローグでセンターで歌う咲ちゃんに感動し涙したのは5日前。
いつのタイミングで発表されるのかと思ってました。

私にとって中堅の頃までの咲ちゃんはややおとなしめの印象。
立場が人を作ると言いますが、3番手を経て2番手になる頃から次々と難役をこなしていく姿には目を見張るものがありました。

高身長で恵まれたスタイルから繰り出されるダンスは、ダンスの分からない私でも惚れ惚れします。

完成されつつあった咲ちゃんの相手役は誰なのか、
データや条件を基準に考えても結局はわからない、潤花ちゃんより咲ちゃんに合う人…
だだその点だけに絞って考えてみても、ひらめちゃんまで辿りつけませんでした。

それでも今日ひらめちゃんの名前を見た時は驚きと共にそうだったのかと納得しました。

今年11年目のひらめちゃんは96期生、同期では花乃まりあさん、咲妃みゆさん、綺咲愛里さんに続く4人目の娘役トップになります。

雪組時代は娘2として活躍し、随所で咲ちゃんとコンビを組む場面がありました。

ですが別箱などでがっつり組むということもなく花組異動となりました。

ひらめちゃんが咲ちゃんと(特にショーにおいて)相性が良いのは実証済みで、
長身スターのかちゃさんやあきらさんとの並びも素敵でした。

超路線としての華々しい道を歩んでこられたわけではありません。
ですが地道にコツコツと力をつけて積み上げてきた娘役のスキルは貴重なものだと思っています。

『マスカレードホテル』『はいからさんが通る』ではその実力をしっかり発揮されてました。

灯台下暗しとはこのことですね。
咲ちゃんの側には素敵な人がいました。

大人のコンビとして2人のこれからには大いに期待したいと思います。


そして、ひらめちゃんともう1人雪組へ異動してきたのは夢白あやちゃん。
潤花ちゃんとトレードという形になります。

kageki.hankyu.co.jp


フライングサパでのショートヘアーの女性が印象的で素敵でした。
真風さんやキキちゃんと並んでもかっこよかったですね。

ひらめちゃんが癒し系のかっこよさなら、あやちゃんはスタイリッシュで大人っぽい娘役さんという印象ですが、雪組ではどんな活躍を見せてくれるのでしょうか、楽しみです。

組み替えはこれだけで終わるとは思えず、宝塚はこの1年大きな変革期となりそうです。


そして雪組公演の発表がありました。
いよいよだいきほの卒業公演になります。

kageki.hankyu.co.jp

 

望海風斗さんと真彩希帆さんの退団日が決まりました。

 


次期トップも発表され望海さん真彩ちゃんもも安心してご卒業の日を迎えられると思います。

その日まで今のかけがえのない雪組メンバーを全力で応援したいと思っています。

 

雪・うさぎ

 

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雪組『炎のボレロ』観劇感想ー彩風咲奈〜復讐と恋の物語を熱演

 

雪組公演『炎のボレロ / Music Revolution! -New Spirit-』
8/30 梅田芸術劇場で、今日はライブ配信で観劇しました。

『炎のボレロ』の観劇感想です。

 

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彩風咲奈

 

炎のような男アルベルト

プロローグでアルベルト役の咲ちゃんが歌い始めた瞬間、込み上げてくるものがありました。

初演の懐かしさもありますが、何より雪組公演の幕が上がったという喜びと感動で胸が熱くなったのです。

白い衣装のアルベルトに目がくぎづけ。
素敵だ、咲ちゃん ‼︎ 
歌もとてもいい ‼︎

公演が復活して本当に良かったですね。


ストーリーは青年貴族アルベルト・カザルスの復讐と恋の物語。
宝塚の王道的な作品です。

舞台は19世紀メキシコ。
ラテンのリズム、情熱のボレロ、
エネルギッシュな音楽とダンス
復讐劇でも作風は明るくて、ハッピーエンド。

どの衣装も颯爽と着こなすヒーロー彩風咲奈、久しぶりの宝塚正統派2枚目役です。

そして花が咲いたような笑顔の可愛いヒロイン潤花

咲花ダンスデュエットはダイナミックでありながらもどこまでも美しくて、やはり2人は宝塚屈指のダンサーだと。

センターの咲ちゃんが眩しくて雪ファンとして誇らしい気持ちになりました。

 

太陽の祭り

南米三代祭りのひとつ、ペルーの太陽の祭り「インティ・ライミ」

ここからなのか物語の中に太陽の祭りのシーンがあり、太陽と月のコンテストが行われます。

月の女神に選ばれるカテリーナ(潤花)
太陽の若者に選ばれるアルベルト(彩風咲奈)

この流れ分かっていてもドキドキしますね。
2人のストレートな愛情表現は素敵です。


ここで少し心が揺らぎました。
咲花コンビがハリウッドゴシップの時より更に息が合っていることに。
見納めと思うと少し寂しい思いです。

良かったのは、2人の最後の物語がハッピーエンドなこと。
この幸せな結末を心に刻んで2人のこれからの活躍に大きな期待を寄せます。

 

潤花 カテリーナ

潤花ちゃんが演じるカテリーナは明るく活発で自分の意志を持っている女性です。

意に沿わない結婚を良しとせず婚約者一家に仮病を使う大胆さ。
自分が愛した人を真っ直ぐ見つめる強さ。

天真爛漫な愛の人を演じる潤花ちゃん、こんなにも伝統的な宝塚作品のヒロインが合うなんて。

雪組最後の作品がこれで良かった。
宙組での活躍が楽しみにしています。

 

朝美絢 ジェラール

ジェラール・クレマン(朝美絢)はアルベルト(彩風)を追うフランス軍情報部大尉。
別の角度から彼を紹介すると、ツンデレ系イケメン大尉。

彼にはモニカ(彩みちる)という恋人がいます。

彼も愛に溢れた人なのでしょう、
クールなのにハートが熱い男をカッコよく演じるのが朝美絢。
そりゃツンツンされてもあの目力に惚れますわ。

しかしジェラールにはあまり時間がありません。
残された時間を一緒に生きるモニカにジェラールが見せる去り際の切ない笑顔。

泣けましたーーT^T  (あーさ万歳‼︎)

キャロルもですが、私はあーさの魂のこもったお芝居によく涙します。

 

興奮はまだまだ続きます。

 

縣千 フラミンゴ

縣千くん。まだ可愛さも感じられた壬生義士伝。
あれから1年、どのように熟成させればこのような男っぷりに仕上がるのか。

共和派のリーダー役ですが、堂々としていてかっこいい。Saludサルー!

もちろん若いのでまだ荒削りなところも感じられます。
課題は課題として、あがちんの場合あまり小さくまとまらずダイナミックなスターに育ってほしいという希望があります。

叶うなら来年の新公で望海さんからタクトを受け取ってほしい。

1度目は轟悠さんから、2度目は望海さんから、その後は次期トップさんから。
というのが私のあがちんの理想の新公プログラムなのですが…
何とかならないものかと思います。


新公は大きな学びのチャンスなので、全ての新人公演が復活(または何か別の方法)する日を願うばかりです。

 

柴田先生の理想

 

炎のボレロは令和元年7月に逝去された柴田侑宏先生の作品です。

数々の名作を生み出された先生が「宝塚作品」についてこのように語られています。

生徒たちが観客に愛され見つめられ公演を続けていくためには、魅力的な役々・魅力的な作品を作らねばならない。

(中略)

歴史から人生から愛を見つめていくのが宝塚の立場だと。
これがやはり出発点だろう。
この命題をどのような形で見せていくかーそれぞれの作者の色合いに映し出されて、バラエティに富んだ作品が大劇場の一年十公演(当時)にずらりと並び、これがトータルな宝塚のイメージや魅力となって世の中に訴えていくことが理想であろう。

「歌劇」平成22年9月号より

 

「19世紀メキシコ」「炎のような男アルベルト」「復讐と恋の物語」「彩風咲奈」

柴田先生の掲げる理想にこれら全てのピースがピタリとはまり新たな作品『炎のボレロ』が完成したように思います。

 

 

雪組

 

脈々と続く雪組の歴史で1人のトップの時代が一区切りとするならば、
望海さんと真彩ちゃんが次の時代に託す雪組の未来もまた明るく輝くものであってほしい。


この公演は咲ちゃんを中心とした炎ボレチームにそんな希望の光を見たようで嬉しかったのです。(感想は主要メンバーのみになりましたが、炎ボレ出演者全員)

そして雪組には『NOW! ZOOM ME!!』の強力なメンバーもいます。

今日は触れませんでしたが『Music Revolution! -New Spirit-』
新しいバージョンはショースター彩風咲奈の魅力が詰まった素敵なショーに仕上がっていました。


『炎のボレロ / Music Revolution! -New Spirit-』千秋楽まで無事完走できますように祈っています。

また現在公演中の舞台、これから予定されている公演、コンサート、DS全て予定どおりに開催されますように。

そしていつか咲ちゃんが全国ツアーで愛媛へ行けますように。


最後にもう一度だけ言わせてください。
咲ちゃん最高ーー٩(ˊᗜˋ*)و ホノボレ‼︎


雪・うさぎ