風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

星組『ロックオペラ モーツァルト』感想① 〜礼真琴 / 舞空瞳

 

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天才音楽家の名を欲しいままにした、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

人生においても数多のエピソードを残して、彼についての映画やミュージカルなどが世界中を駆け巡っています。

快活で破天荒な天才モーツァルト役に礼真琴、その妻コンスタンツェ役に舞空瞳

ことちゃん、ひっとんプレお披露目公演おめでとうございます。

新生星組トップコンビについて、モーツァルトを絡めながらの感想です。

 

ロックオペラ

 

モーツァルトはクラシック界の巨匠だけど、生き方はロック(に思える)。
なので彼の人生を辿るミュージカルがロックオペラというのは凄くすんなりきました。

ドーヴ・アチア氏のナンバーも印象的でかっこいい。

以前男性が演じるモーツァルトとを観ました。
どの作品にも言えることですが男性が演じるものとは別物として捉えます。

この公演、宝塚のモーツァルト大熱演

トップとして初のステージです。
おそらく緊張の中、95期生の先陣を切って若いトップ礼真琴が、持ち味の歌とダンスを遺憾無く発揮しました。

特に恋に破れて母を失った1幕のラストのことちゃんの歌とひっとんのダンスが素晴らしく、心に残りました。

また、音波みのりさんや小桜ほのかちゃんなど娘役さんの歌や活躍の場も多く、衣装も綺麗で華やかな舞台になりました。

 

モーツァルトと礼真琴

 

舞台は21歳のモーツァルトから始まりますが、
簡単に彼の神童ぶりを。

幼少時に彼の才能を見出した宮廷音楽家の父親が息子に英才教育を施します。

・3歳でチェンバロを弾き、5歳の時に最初の作曲をする。

・6歳時シェーンブルン宮殿でマリア・テレジアの為に御前演奏を行う。

・7歳の時、フランクフルトでモーツァルトの演奏を聴いたゲーテの言葉
「絵画でいえばラファエロ、文学でいえばシェイクスピアに並ぶ」

彼は頭の中に振って来た音符をただ五線譜に書き写しただけだそうです。
35年の生涯で626曲の楽曲を作曲しました。
凄いですね!

 

舞台でのモーツァルトの描き方は、印象としてはやんちゃ坊主がそのまま大人になった…みたいな?
結構女好きで(笑)モーツァルトの自由奔放さが強調された演出でした。

30歳の時に『フィガロの結婚』で一躍有名人になった天才モーツァルト、意外や努力の人でもあったようです。

ことちゃんも才能のある人ですが、光り輝く道を歩んでいる人ならではの苦労もあり、早い抜擢の期待に応える為かなりの努力をされてきたのでしょうね。

実際このレベルまで踊れて歌える人はそうそういないと思うし、この先は経験値が加わることで男役としての深みや味わいや色気も増していくのだと思います。

  

 礼真琴と舞空瞳

 

食聖の時はことちゃんとひっとんの並びが合うのかどうかまだ良くわかりませんでしたが、今回2人の歌やダンスがとても自然で、合っているように感じました。
見慣れたのかもしれません。

ひっとんはクラシカルな雰囲気もありつつ、ことちゃんと風のように軽く、またのびやかに舞うところがとてもキュートで動きも美しい。

 

ですがストーリーの中で(史実ですが)モーツァルトが恋したのはアロイジア(小桜ほのか)、
コンスタンツェ(舞空瞳)のお姉さん。

モーツァルトが姉に惹かれていく様子を、そっと見つめるコンスタンツェのひっとんが切なくていじらしい

姉のことは2人にとってもほろ苦い思い出となりますが、出会いから結婚まで恋人というより友達のように明るく(ちょい軽い感じで)上手く演じていて、初々しい2人でした。

 

フィナーレ

ことちゃん率いる男役の郡舞はかっこいいです。

トップコンビのデュエットダンスはとても迫力がありました。
圧巻の高速クルクルリフトに何か凄いものを観たような、、やるなぁ♡
やはり、2人のダンスはこれからの大きな楽しみになりそうです。

 

レクイエム

 

モーツァルトが最後に作曲したレクイエム ニ短調k 626
彼の死により未完のまま。
後に弟子のフランツ・ジュースマイヤ(極美慎)によって補完されました。

「レクイエム」の意味は訳すのが微妙に難しくて、ラテン語では「安息を」
カトリック教会の死者の為のミサの際に用いる聖歌ということで「鎮魂曲」とも訳されます。

正確には、死者の魂を鎮めるというより、死者の永遠の安息を神に祈る為の楽曲のことです。

 

モーツァルトの楽曲は明るく美しいメロディが多くて彼自身も自由人でしたが、父親との手紙のやりとりから彼なりの死生観を持っていたと言われています。

5人の兄弟たちや母の死を通して、生きることや死ぬことの意味を考えていたようですね。

生きている時間を惜しむかのように、晩年、作曲の依頼が減ってきていても素晴らしいシンフォニーを作り続けます。

 そして最後の「レクイエム」
自分自身の死と対峙しながらの作曲。

ことちゃんが自由奔放さから一転、死に取り憑かれたかのようなモーツァルトを演じストーリーの最後を締めくくりました。

 

因みにモーツァルトのミドルネーム、「アマデウス」の意味は「神に愛される」
まさに、音楽の神に愛された人です。

 

夢を見るから人生は輝く

 

私がブランクを経て宝塚へ戻って来てことちゃんを観た時、既存の宝塚男役に留まらない新しいタイプのスターの活躍を観て、衝撃を受けました。
もちろん良い意味で。

スター揃いの95期の中で首席ということも納得させる力と魅力もあり、その舞台センスに宝塚に新しい風が吹いていることを感じました。

これからの星組を引っ張っていくことちゃんとひっとんの活躍に期待しています。

 

そしてモーツァルトの名言である「夢を見るから人生は輝く」 
この言葉をモーツァルト役の礼真琴さんに贈りたいと思います。

 

またこの公演では主要人物のサリエリ役の凪七瑠海さん(かっこよかった!)始め、音波みのりさんなど素晴らしい活躍をされた方が多かったので、いずれまたその感動を書きたいと思います。

 

星・うさぎ 

www.wind-waltz912.com 

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