風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

『フランツ』それぞれの港

 

こんにちは。うさぎです。

 

「いつか辿り着くところ」

エリザベートがフランツに言った最後の言葉です。

シシィはトートの待つ港へ辿り着きました。

フランツも別の港で安らぎを得ているのでしょうか。

今日はフランツに想いを寄せてみたいと思います。

(内容に触れています。)

 

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「エリザベート」において個性が強すぎる登場人物の中、フランツは若くてハンサムなオーストリア皇帝として颯爽と登場します。

素敵なエンペラーに惚れ惚れしますね。

ですが、いろいろな問題を抱えているようです。

外交問題や予算問題・・

その上、人柄は良さそうですが、母親に頭が上がらない様子です。

 

そんなフランツが恋をします。

 

♪ 嵐も怖くない

優しげなイメージのフランツですが、力強く情熱的にシシィにプロポーズしながら歌い上げます。

二人なら嵐も乗り越えられる!

希望に満ち満ちた二人の笑顔と決意

幸福が永遠に続いて欲しいと願うばかり。

 

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私は真風フランツが好きでした。

堂々としていて落ち着いた感じ。

多分こんな人だったんじゃないかな、というイメージ通りのフランツ。

青年期から老年期までを丁寧に演じ上げ素敵なフランツでした。

 

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フランツは耐える人。

皇帝として、夫として父親として悩み苦しむ。

年月とともに大切なものを次々と失っていきます。

 

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そしてレマン湖畔での別れの場面

私がフランツの中で一番好きなシーンです。

 

♪ 夜のボート

美しく哀しい二人の歌が湖畔に響きます。

ずっとすれ違い夫婦だった二人。

フランツは、最後は一つのボートで同じ港へたどり着きたいと願う。

彼は今もエリザベートを愛しているのです。

フランツの静かな叫びが胸をしめつけます。

けれども、魂の自由を求めトート(死)に惹かれていくシシィを取り戻すことはできません。

 

かつて「嵐も怖くない」と誓い合い結ばれた

二人ですが、もう思いが重なることはないのです。

結局、二隻のボートはゆっくりと離れて行きます。

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フランツは公演を重ねて観るごとに味わいが増してくる人物です。

歳をとらない設定のトートやルキーニと違い、年代に合わせて演技も変えていかねばならない難役でもあります。

また、私たちは人間としてのフランツに気持ちを寄せて、感情を移入させやすいかもしれません。

 

滅びゆくハプスブルク家の栄光を前にして、最後にフランツが辿り着く港はどこだったのでしょうか。

 

ありがとうございました ♪