風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

『ルキーニ』危うい魅力

 

 こんにちは。うさぎです。

 

「エリザベート」のルキーニは陽気で饒舌なストーリーテラーであり、狂気に取り憑かれたテロリストでもあります。

今日は私たちを魅了してやまないルキーニについて書いてみたいと思います。

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エリザベートの人生を最初から最後までずっと見つめていたルキーニ

番狂わせが面白いとシシィの運命を皮肉ってみたり、彼女を破滅へと導くトートのサポートをしたり

物語を大いに盛り上げて進行させて行きます。

膨大な台詞と歌の量

これを余裕を持って演じることで、ストーリーを円滑に繋げていかねばなりません。

 

ルキーニ役においては望海ルキーニを観て、私はすっかりだいもんファンになりました。

ストーリーテラーとしての的確なテンポと明瞭なセリフ回し、抜群の歌唱力にキレのあるダンス

そして最後は一転して狂気に満ちた暗殺者

すごい!

私の求めるルキーニとぴったり合ったようです。

 

当然のごとくルキーニにも人生があるわけで、多分、必死で生きてきたのでしょう。

 

♪ キッチュ

彼の代表的なナンバーですが、エリザベートと彼女を取り巻く全てがキッチュ(まがいもの)であると痛烈に批判します。

そして歌の後半(リプライズで)

エリザベートの愛はどこにあるのかと、問いかけるように歌います。

彼はエリザベートの孤独も苦しみも全て知っていました。

 

最後にストーリーテラーとしての役目を終えると狂気に満ちたテロリストのルキーニが現れます。

そのような生き方しかできなかったルキーニ

彼もまた、この世で安らぐ場所のない人間だったのでしょうか。

 

滅びという重いストーリーにあって、そのように感じさせないミュージカル「エリザベート」

これにはルキーニが担っている役割も大きいと思います。

 

自由で、型にはまらず、いつも私たちを魅了してくれるルキーニ

「グランデアモーレ」

トートとエリザベートの愛をも全て知っていた彼の叫びが聞こえてくるようです。

 

ありがとうございました♪