バンパネラにとって赤い薔薇は何より大切なもの
生き続けるために。
ポーの一族の舞台を観てから1ヶ月たちました。
エドガーとアラン
時空を超え、街から街へと旅し
どのような人と出会い、別れ、どのように生きているのでしようか。
今日はエドガーについてもう少し書いてみたいと思います。
*舞台の観劇感想ではありません。
以前書いた感想はコチラからご覧になれます↓
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エドガー役の明日海りおさん。
舞台のプロローグで真っ赤な薔薇を持って現れます。
美しい印象的なシーンです。
エドガー登場と共に私たちはポーの世界へと導かれて行きます。
最初に述べたように、赤い薔薇はバンパネラにとって、大切なもの。
生きていくには、人間の血の代用として薔薇やそのエッセンスが必要なのです。
もし永遠の命を手にすることができるなら、
肉体が滅びることなく若いままで生きていられるなら、
それほどの喜びはないと、私は思ってしまうかもしれません。
だけど、それは幻想なのでしょうか。
例えバンパネラでなかったとしても。
人間だった頃の幼いエドガーとメリーベル
まるで世界中に二人しか存在しないのかと思うほどに共依存しあい、寄り添う姿が物悲しい。
シーラへの憧れのようなものもある。
それは淡い恋なのかもしれない。
明日海りおさんは、そんな子供時代を自然に、そして美しく演じられています。
「ポーの一族」の原作は萩尾望都さん。
初版は40年前というから驚きです。
時がたっても色あせることなく読み継がれる名作は、宝塚の舞台によって新たな息を吹き込まれました。
舞台では、バンパネラになったエドガーの孤独と寂しさの中にアランとの出会いがあり、大きくストーリーが動いていきます。
アランはお金持ちで奔放に見えるけど、エドガーにとって孤独を分かち合える存在であることを見抜いたのでしょうか。
エドガーとアラン、メリーベルの関係性は、つき詰めると奥が深いようにも思えます。
エドガーとアランの旅は果てしなく続きます。
旅は続き、時は移ろうとも、ポーの村には変わらず真っ赤な薔薇が咲き乱れているのでしょう。
バンパネラの生きる糧として、今日も美しく永遠の命を吹き込んで。
花・うさぎ