風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

花組『MESSIAH』感想① 明日海りお / 仙名彩世 / 瀬戸かずや「沈黙の神」

 

こんにちは。花うさぎです。


『MESSIAH』観劇感想①です。
                    *内容に触れます。

 

天草四郎が実は倭寇 (海賊) の出自だったという、大胆な設定のもとストーリーが始まります。
これはいろいろな面で効果的で面白い発想だと思いました。

 

まずプロローグで海賊・夜叉王丸(明日海りお)として登場する場面がかっこいい !

 

もう1つ、天草四郎はどうしても少年のイメージがありますが、この設定でグッと大人のイメージになります。
ポーではバンパネラの少年役を見事に演じましたが、今回は大人の明日海りおを見たい!

そういう意味でも効果的に感じました 。

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メサイアの登場人物は大きく2つのグループに分かれます。
天草・島原の島民と幕府軍と。

四郎は海賊ということなので、最初はどちらにも属していないことになります。


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嵐に見舞われて流れ着いた天草の浜辺


天草の島民の小左衛門役に瀬戸かずやさん☆
ポーに続いてとても印象に残るいい役です。
いつも出過ぎることなく、さり気なく手堅くその役になりきるあきらさんですが、今回も優しくて男気のある小左衛門を好演。

元武士と言うだけあってビシッと渋く決まっていて、とても頼れそうでした。


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この天草の地で、夜叉王丸は名前を四郎と改め、徐々に島民に対しても心を開いていきます。

ここまでの流れは急展開ながら不自然さもなく、とても分かりやすいです。


ここで海賊時代の四郎の仲間が2人登場!

不動丸 (飛龍つかさ)と多聞丸 (亜蓮冬馬)

元気があっていいですね。

ストーリーを通して大活躍です。


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四郎は対岸の島原で出会った流雨(仙名彩世)とお互い惹かれ合うのですが、今回も恋愛要素は少なめです。


みりゆきは5組の中でも一際しっとりと落ち着いた安定感のあるコンビという印象があります。
2人のデュエットも綺麗♡


流雨(るう)は実在の人物ではありません。
もう少し2人の恋を膨らませても良いのではと、最初は少し残念に思いましたが、

そこに重きを置くと四郎と島民達との繋がりが希薄になったり、幕府軍の場面が少なくなり、ストーリーの厚みが減るかもしれません。


その辺のバランスを考えると、2人の恋愛はこれがギリギリのところなのかもしれません。


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四郎が神のために命も捨てる覚悟の島民達に向かって叫ぶ。


「神は苦しんでいる人の前になぜ沈黙するのか」


ここでの四郎の叫びはとてもいい。

思いの丈をぶつける。


そして(私は)、神の沈黙こそこのストーリーのテーマだと思っています。


一昨年『沈黙』(遠藤周作原作)という映画を観ました。
劇中BGMなど音楽も何もない映画。
江戸時代のキリシタン弾圧のストーリーです。
ここでも主人公が叫びます。
「なぜ神は我々に苦しい試練を与えながら、沈黙したままなのか?」


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神は、この世でどんなに逆境に苦しむ者にも手を差し伸べることはありません。
キリシタンの神の救いは、はらいそ(天国)にあるからです。
神を信じた者だけが行くことができるところです。
この世では、限りある時間しか生きられませんが、はらいそ(天国)では永遠の命を約束されるのです。

 

後にキリシタンになった四郎が語ります。

「(沈黙の)神は私たちの心にいる」


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その後、四郎はキリシタンになり、皆んなのリーダーになります。
四郎は自分を救ってくれた心優しい島民に出会った時から、少しずつ信仰を深めていたのかもしれません。


そして、メサイアとして島民と共に立ち上がるところは、かつての海賊の頭目としての四郎を彷彿とさせるものがあり、ここでも海賊であったという設定が生きているように思えました。


熱いみりお四郎
それに寄り添うゆき流雨
悲劇へと向かう2人と島民たち


沈黙の神


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四郎と流雨の恋はあまりに純粋で美しいです。
海賊で鳴らした四郎にとって、心美しい流雨は、リノ(柚香光)の描く聖母のように清らかであったのかもしれません。


恋愛要素は少なめと書きましたが、少ないから余計に逆境に立たされた時の2人の結びつきの強さを感じられました。


短い一生の中で、そのような愛に出会えた2人は、この世でも幸せであったのだと信じたいです。
 
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花組はみりおさんがトップになって4年目ということもあり、とてもまとまりのある組だと思いました。
柚香さんたち次代を担う世代の成長著しく、
あきらさんやちなつさんの存在は大きく、
トップコンビとしても1年が過ぎて
まさに充実期と感じます。


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最後、島民達を率いて戦う四郎は、本当に素敵です☆

次々と倒れていく仲間たち

小左衛門も
最後は流雨も四郎も・・。
悲しい結末となりました(涙)


『MESSIAH』は、ストーリーがシンプルな展開になっていてわかりやすい。

また主題もきちんとしていてとても良い作品だと思いました。

それと歌も良くて、特に四郎が流雨に恋した時に歌う歌が好きです❤︎


他にも魅力的な人物がいろいろ出てきます。

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