風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

雪組『PR×PRince』4/4 感想〜永久輝せあ主演〜Bow Happy Romance

プリンス永久輝せあ

 

町田菜花先生(演出・脚本)のデビュー作品『PR×PRince』今日千秋楽を迎えました。
無事にこの日を迎えられて本当におめでとうございます
少し日にちがたちましたが、4/4観劇レポです。

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満を持しての永久輝せあバウホール単独主演公演

ひとこちゃんの魅力が最大限に引き出されて、
宝塚の原点であるときめきを感じさせてくれる作品でした。

時代設定は現代で、全体的に遊び心が満載、
イケメン王子3人を中心に、個性的な登場人物を配して、ストーリーはテンポ良く進みます。

町田先生が貧乏なペキエノ王国の象徴として描きたかったのは心の豊かさだそうですが、
心の豊かさの根本にあるのは、やはりでした

1人の女性を大切に思う愛
王国への愛
忘れられない愛
見守る愛

様々な愛の形が散りばめられていて、わくわく感もあり、ホロリとするところもあり、見終わったあとは、すさんだ私の心でさえ(T T) 愛で満たされておりました

 

。o♡o。+。o♡o。

 

今回は宝塚ブログ界の愛の巡礼(うさぎ独断命名)、すみれの国日記ルルさんと、観劇をご一緒させていただきました。
ルルさんの視点は新鮮で、発想が豊かなのでお話していて色々な発見がありました。

観劇前のランチ、観劇後に駅での謎の立ち話 約2時間弱^^;
濃密な楽しい時間となりました。

 

永久輝せあ  第一王子ヴィクトル

 

このストーリー、笑いがたくさんあります。

例えば、ひとこプリンスがメガネをつけた時と外した時の人格が変わるところは最大の見どころ。

メガネをかけた可愛く内気なプリンスと、メガネを外した時に現れる自信に満ちたかっこいいプリンスと。

セリフや歌声、表情、体つきまで変わります。
そうです、ヴィクトルの中にもう1人別の王子がいるのです。

笑いを誘う面白い場面なのですが、かなり研究されたのでしょう。
自然なコミカルさ(←これが難しい) で、とてもいい演技でした。

 

メガネをかけた時のちょっと気弱なプリンスは、実は王国の環境問題に取り込む熱い志を持った研究員でもあります。

ヒロインのエル(潤花)は、誠実で優しいメガネをかけている王子様に恋するのです。
メガネを外した時のキザで積極的なヴィクトルに戸惑うエル。→最後には愛の力で人格が一つになります。
そんな2人の初々しいロマンスがとても素敵に描かれていました。

 

宝塚の王道とも言えるプリンス役、
もしビジュアルだけを武器に演じるなら印象の薄いプリンスになってしまうでしょう。
ですが、私たちの目の前のプリンスはそうではなかった。

ひとこプリンスは2つの人格を使い分け、どちらの王子も生き生きと舞台の上で息づかせ私たちを魅了してくれました。

 

もう一つ注目したいのは男役としての色気。
ひとこちゃんは爽やかなイメージの方が強いですが、時折見せる憂いを含んだ表情がとても美しい。

2~3年もすれば、大人の色気も加わり、役柄の幅も更にグンと広がるでしょう。←言い切ってます。


今の雪組は上級生も下級生も層が厚くてスター揃い
真ん中に立つと俄然輝く永久輝せあ

ひとこちゃんの今後の活躍の場はどのようになっていくのか。
目が離せません。

 

綾凰華 & 彩海せら

 

2人の弟プリンス役。
仲のいい兄弟です。
権力争いだとか恋人争奪戦だとかメラメラしたものは全くありません。
ひたすら美容や体力づくり、兄の恋が成就するように協力したり、見守ったり。

 

第ニ王子 綾凰華   ヴァレンティン

過去のほろ苦い恋の経験から美しさを保つのに余念がない、ナルシストなエステ王子。
あやなちゃんのコメディ役は初めて。
優しい面差しでスタイルも良く、どんな役柄も演じられるイメージがあって、お芝居が上手いのでいつも惹きつけられます。
今回もテンポの良い台詞回し。

雪組では望海さんの実弟オーギュスタン役や、弟分の沖田総司役、
新公では望海さんの役を演じることが多かったですね。

望海さんの影響を受けつつ綾凰華の個性を伸ばして、独自の男役スターとして花開こうとしている状態でしょうか。

 

第三王子 彩海せら  ヴァルテリ

あみちゃんには驚きました〜できる人ですね〜若さ溢れる体育会系王子を好演 !
エリックの子供時代の記憶が新しいですが、華もありますねー。

堂々としていて舞台映えする美しさに加えて歌も演技も上手です。
第三王子は若さゆえにちょっと失敗してしまうのですが、その辺のお芝居も良かったですよ。

 。o♡o。+。o♡o。

綾凰華、彩海せら、20世紀組の縣千など、
雪組の若い芽がぐんぐんと伸びてきています!

 

可愛い娘役たち

 

潤 花  エル

このストーリーのヒロインですが、かのちゃんは笑顔が素敵ですね。
笑った時のお口が可愛いくて印象的。
華やかな容姿はファントムの舞台でもパッと目に飛び込んできました。

課題は歌だとよく言われますが。
そうですね、特に高音部分が気になりますか。

エルは王子のラボの研究員の理系女子、可愛いけれどしっかり者です。
そして腕っぷしも強い。
そんな元気なエルの特徴がよく出ていました。

かのちゃんは良い意味で大らかなイメージがあるので、その持ち味を大切にしながら成長してほしいです。

 

星南のぞみ  ダイアナ 

あやな王子の初恋の人なのかどうなのか、ちょっとミステリアスな役。
どちらかと言うと美人系のりさちゃん。
さほど出番が多いと言う感じはなかったけれど、かのちゃんやみちるちゃんの可愛いさとは対照的に、クールで大人っぽい雰囲気で存在感を出してました。

 

彩 みちる  マリー

あみ王子と (今どきと言われてましたが)お手紙のやり取りをしている虫さんラブの変わり者のお姫様。
とっても可愛いんです〜♡ 全てが‼︎
このキャラクターの設定とってもいい^^ 結構ハマりました。
あみちゃんとの並びも夢のように可愛い2人、これからもみちるちゃんには頑張ってほしいなぁ。

 

光るベテランの存在感

 

ビジュアル良し、性格良しの申し分のない王子たち。
どのように育てればこうなるのでしょう。
親の顔が見てみたい!

と思ったら、
はい、このお二人でした。

ペキエノ王国の王と王妃

奏乃はると  アンセルム王
舞咲りん      ベアトリス王妃

にわさんは組長になられての初めての舞台、さすが貫禄です、温厚で優しそうな王様。
ヒメさんはカルロッタから一転、ミーハーでお気楽な可愛い王妃様。
2人ともラブラブなご夫婦で、なるほどー、このお2人のご子息なら愛情深い子に育つわねと納得しました。

早花まこ ひとこ王子の乳母アリーチェですが頼りになりそうな感じ、さすが演技派ですね!

 。o♡o。+。o♡o。

隣国の敵役の3人組

愛すみれ  王女リリー→迫力ある!
笙乃茅桜  秘書ローズ→仕事出来そう
煌羽レオ  見守り役ギャレット→

この舞台ですっごく目立ったのは、カリちゃん、煌羽レオさん。
驚きのセリフ無し!
動きと表情だけで全てを表現します。

何しろ動作がいちいち決まって、かっこいい。
若いイケメンたちの中で大人の色気ムンムンのおいしい役でした。

フィナーレでは、あいみさんが歌い、カリちゃんとひーこさんのダンスがあって眼福でした!

。o♡o。+。o♡o。

ユニークな大臣3人組

叶ゆうり→渋さが光るカスパル
ゆめ真音→歌うま大臣ダミアン
一禾あお→軽めの大臣エリアス

それぞれとってもユニーク、この3人の設定も面白い存在でした。

 

 

最後に

 

フィナーレはプリンスとプリンセスのデュエットダンスがとても美しくて夢の世界
ひとこちゃんは凛々しい衣装に金髪の王子様が本当によく似合います

私はどちらかと言うと白いキラキラの王子さま系より渋い大人のいぶし銀系が好きなのですが、王子様もいいですね(笑)
ひとこちゃんの顔が好みなのかもしれませんが。(←そこ)

作品はとても良かったと思います。 

環境汚染という現代にも通じる問題を現代の小さなペキエノ王国を舞台に、新しいアプローチで取り上げたところや、
遊びも取り入れながら、それぞれのキャラクターの見せ場があったことも◎

ベースとなるプリンスたちのラブロマンスも上手く描かれていて、ワクワクしながら観ることができました。

永久輝せあさんと町田菜花先生、二つの新しい力がこのバウホールで結集して実を結んだ感じでしょうか。
素敵なミュージカルでした

 

雪・うさぎ 

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