風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

月組『クルンテープ』感想〜天使の都で束の間の夢をみる

美しすぎた幻

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美弥るりかさんの退団公演となり、新トップコンビのお披露目となる公演のショー
『クルンテープ』は、笑いあり、涙あり、ため息あり。
まるで束の間の夢を見ているようでした。


遅まきながら大劇場公演で観劇したショー『クルンテープ』の観劇レポです。


タイの首都バンコクの正式名称がクルンテープマハナコーン、
略してクルンテープ
響きが可愛いですね。

人も気候もあたたかいけれど、エキゾチックな顔も持つ異国の地、タイ。

藤井大介先生の好きな国だそう。
好きだとアイデアは尽きないでしょう。
タイへの愛、月組への愛が感じられる55分でした。


印象に残っているシーンをまとめてみます。

 

カンタンニャン(結婚)

 

衣装、タイ舞踊、音楽、どれもが新トップコンビにマッチしていてお披露目にふさわしいショーだと思いました。
2人のシーンで印象的だったのは「カンタンニャン」と呼ばれる結婚式の場面です。 

ゆったりとした曲の中、銀橋で2人の結婚式
素敵なシーンです。

珠城さんの優しさと包容力が半端なく、可愛い花嫁さくらちゃんは恥じらいながら珠城さんに導かれて寄り添います。
これから始まる2人を祝福しましょうと、
観客が笑顔になれるシーンです。

 

ムエタイ

 

ムエタイはタイの格闘技ですね。

れいこちゃん(月城かなと) VS ありちゃん(暁千星)

出てきたところから、
ありちゃんの方が強そう・・

それぞれの彼女が見守る中、闘いがスタート!

で、楽しいメロディに合わせて闘うのですが、腰が引けてるれいこちゃん、ノックアウト!
やっぱりね。

と思いきや、どういうわけか最後は逆転してれいこちゃん勝利!

明るくコミカルなシーンです。
れいこちゃんはコミカルな演技も板についてきましたね。

頭がカチンコチンの私は、今だに雪組時代のれいこちゃんのイメージが強くて、時々月組の中で歌い踊るれいこちゃんを不思議な感覚で観ています。


ありちゃんとれいこちゃん
これから月組の中心スターとして活躍していくんですね。

2人が美弥さんから学んだことはたくさんあるはず。
これからちなつさんに学ぶこともたくさんあるでしょう。

美弥さんの残したものを大切にして、大きく羽ばたいて欲しいです。

 

蓮の花の中のたまるりーブーア

 

珠城さんと美弥さんの神秘的なデュエットダンスです。
一蓮托生がテーマということですが、
改めて珠城さんがトップに就任されてからの2人の歴史を思います。

形だけを見れば2人の立ち位置は変則的なのかもしれません。
けれど2人は全てを受け入れて心を合わせて手を取りあって月組を導いてきた。
だから、このシーンはこんなに美しいのではないでしょうか。

最後は蓮の花の中で溶け合うなんてロマンチックなシーンで、今の2人にとってベストなデュエットダンスだと思いました。


このシーンで綺麗な歌声は・・・
美しいコーラスの中にきよら羽龍ちゃん発見!
やはり注目の人です。

 

4人の男女ーライキンドクーン(傷)

 

恋人同士の男(月城かなと)と女(美園さくら)
仲良く歌いながらの銀橋
れいこちゃんはスーツが似合う。
大人の色気もあってかっこよく決まってます。

妹2は、れいこちゃんを観ていると、ゆりちゃん(天海祐希)を思い出すそう。
夢現無双の時にも言ってましたが、特にこのシーン。

そうかな?  うーん、私にはわからない。
人によって見方はいろいろですね。
どちらも美形には違いないけれど。


2人が行き着くクラブ
ポールや椅子を使ったホストたちのダンスが素敵です。
ナンバーワンホストは珠城りょう。

一目で惹かれ合う珠城と美園
嫉妬する月城

いつもの三角関係かと思いきや、もう1人の美女、暁千星
ありちゃんショートパンツからスラリとした筋肉美!凄い存在感!
何してもオーラありますね。
そして、ここでもれいこちゃんをキック!^^;
また、サマになるんですね〜ありちゃん。

最後は銃。
この4角関係迫力あります。

次回公演からはここにちなつさんが入ってくるのですね…

 

去りゆく人がいて、あとを任される人がいて、力強く戻ってくる人がいる。
脈々と受け継がれる宝塚の歴史を感じます。

 

他に印象に残ったところ

 

・プロローグはお坊さん光月るうさんと修行僧らが登場しての幕開き。
心の中でそっと拝ませていただきました。←嘘です
上の画像のような坊主頭ではなくターバンを巻いて。
タイ独特の宗教感を楽しむことができます。

・ニューハーフレビューの女王・まゆぽん(輝月ゆうま)は迫力満点で歌も上手で素晴らしいです。

・水上マーケットで船に乗った花売りの青年風間柚乃くんが歌いながら登場。
ここでも聴かせてくれます。

・フィナーレで珠城さんが大階段に座っていて、両手を広げてさくらちゃんを呼ぶところは、男らしさが溢れています。
走り寄るさくらちゃんは可愛くて、とても爽やかな2人。

一転、たまさくコンビのデュエットダンスはダイナミック!
ここでも力強い珠城さんのリフトが光り、何度も言いますが素敵なコンビの誕生です

 

美弥るりかー瑠璃色伝説


・プロローグで歌う美弥るりか

♪ 美しすぎた 幻のような
  数多の夢  瑠璃色の伝説となり
           この地に眠る
       夢は永久に 愛は永久に 

夢と 愛、ここはは永遠ではなくて永久なんですね。

・マカプジャ(万仏祭) の始まり。
花道からせり上がり黒燕尾で歌う美弥るりか
華やかさと美しさをまとい、舞台で最上の色気とオーラを放つ人。
泣ける、、、。

別れの歌手が歌い終わり退場した後、再び皆と同じようにターバンを頭に巻いて登場して合流です。

男役郡舞は黒燕尾を腕まくり、ターバンを巻いて。
素敵な振り付けは安寿ミラさん(ANJU)


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このショーはタイを舞台にユニークで楽しく、随所に藤井大介先生の愛ある演出を感じました。

そして美弥るりかさん。
17年という宝塚人生の中で男役の美学を追求し確立され、私たちを魅了してくれました。
ありがとうございました。
最後の日までキラキラと輝いてください。

美弥るりかの瑠璃色の伝説はずっと語り継がれることでしょう。


月うさぎ

『夢現無双』感想↓
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