風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

雪組『壬生義士伝』キャストのまとめ〜原作と人物相関図から

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雪組『壬生義士伝』の開幕が近づいてきました。

『ファントム』でエリック旋風を巻き起こし、『20世紀号に乗って』ではコメディも大盛況に終わっただいきほ雪組

望海さんは先日、朝日新聞のインタビュー記事で、貫一郎についてこのように語られていました。

「大きなことを成し遂げたわけではないけれど、周りの人の心に何かを残していく」という生き方に魅力を感じ、「トップとして、吉村のような人になれたら」と憧れを抱く。
引用:生き様伝えたい:朝日新聞デジタル 

 

短い言葉ですが、毎公演ごと私たちの心にいつも何かを残してくれる望海さんならではの言葉として、深く受け取りました。
この記事を教えてくださったMさんありがとうございます。

原作は浅田次郎氏のベストセラー小説、
映画化・ドラマ化された話題作で、望海さんの熱い演技に期待が高まりますね。

 

舞台化される作品に原作がある場合、私は迷わず読んでしまう方です。

文字からの想像は創造となって、頭の中で自分なりの舞台を造り上げます。
先に見たことを後悔することもあるのに読んでしまう・・
習性になってしまってます。

 

遅まきながら原作の登場人物についてまとめてみました。

この物語は、二つの柱でストーリーが進んでいきます。

一つは、ある記者によって取材された証言者の話から。
吉村貫一郎と関わりのあった人物を取材することで、貫一郎の生きてきた軌跡をたどっていくのです。

この記者の正体は明かされていませんが、浅田氏がかつてインタビューで小説家の子母澤寛さんがモデルであると言われたそうです。

二つ目は、吉村貫一郎自身の独白です。

 

人物の説明は証言者の言葉から。
舞台での設定と同じか変わるのかも注目です。
物語の概要を知りたくない方はご注意ください。

 

 

南部弁について

 

その前に。
この舞台の特徴の一つに南部弁があります。
盛岡出身の役の方たちの方言ですね。

直ぐにスラスラ話せた方、苦戦された方などいろいろだったようですが、
この南部弁、意外なことに関西の影響を受けているそうです。

南部弁についてとてもわかりやすく解説してあるサイトがあるので、もしご興味のある方はご覧になってください。→ human.cc.hirosaki-u.ac.jp human.cc.hirosaki-u.ac.jp  

吉村家

 

貫一郎   望海風斗

新撰組隊士
家族を愛する彼は、生活苦から盛岡藩を脱藩、新撰組に入隊
家族への仕送りの為にひたすら働く
土方歳三の信頼が厚く、諸士調役兼監察や新兵の教育係を仰せつかっていた
色は浅黒く役者顔
北辰一刀流、免許皆伝の腕を持つ。
元は大野次郎右衛門組(彩風咲奈)の組付足軽だった。 


しづ   真彩希帆

貫一郎の妻
南部小町と謳われた美しい人。
体が丈夫ではなく病気がち。


嘉一朗   彩海せら

吉村家の長男
才子、活動写真の俳優のようなとびきりの二枚目
剣術で鍛え上げた立派な体と偉丈夫のふうがある


みつ (少女時代)   彩みちる

吉村家の長女
のちに大野千秋の妻となる。

 

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舞台では出てこないようですが、吉村家にはもう1人、父親と同じ名前の貫一郎という次男がいます。
原作では後に証言者の1人として登場します。

 

大野家


大野次郎右衛門   彩風咲奈

南部盛岡藩重臣、勘定差配役
吉村とは幼なじみで互いの嫡男も仲の良い友達
律儀で几帳面、藩内での人望はきわめて厚く相当の切れ者
吉村に切腹を申しつけた


大野千秋   綾凰華  ー証言者5

大野家の長男
子供の頃から神経が細やかで利発
後に医者となり、奉天市四平街に診療所を構える


大野みつ   朝月希和
吉村の長女
大野千秋の妻となり、看護婦としても彼を支える


ひさ   梨花ますみ
大野次郎右衛門の生みの母
ひっそりと長屋門で暮らしている
吉村は身の回りの面倒を見ていた


佐助   透真かずき ー証言者6
大野家の忠実な下男
次郎右衛門の心根をよく知る

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大野次郎右衛門は架空の人物ですが、モデルは南部藩家老の楢山佐渡と言われています。
難しい役どころのようですが、キャリエール役で大きく飛躍した咲ちゃんに期待!

 

新撰組隊士


近藤勇   真那春人  (局長)
天然理心流
生真面目で一騎当千のつわもの
鍛え抜かれた剣そのもののような理屈のない好漢


土方歳三   彩凪翔  (副長)
抜け目がなく無駄な動きはせず、言うことなすこと、全てに何らかの意味のある男
思慮深く、まめな性格で他人の心を忖度することができた
観察眼に長けていて神経質
みてくれ同様、中身も格好のいい男


沖田総司   永久輝せあ  (一番隊組長) 
天然理心流
剽軽でおしゃべりで明るい
天才的な剣の腕を持つが、若くして胸を患う


永倉新八   真地佑果  (ニ番隊組長) 
神道無念流 免許皆伝
あちこちの名門道場を渡り歩き武者修行していた筋金入りの剣客
吉村とは共に北国の出で、人付き合いが不器用なところや真面目一途な気性も似ていて親しかった


斎藤一   朝美絢  (三番隊組長) ー 証言者4
副長助勤
無口で頭の良い侍
免許も目録も切紙の1枚も持たない。
無骨者だが、常に物事を考えていて腹が据わっている
後は警視庁警部補


谷三十郎   奏乃はると (七番隊組長)
副長助勤
直心流の達者だが腕前は怪しい
近藤勇のお気に入り
口が達者で世渡りの術に長けている

近藤周平    眞ノ宮るい
三十郎の弟で近藤勇の養子になる
剣筋は良い


原田左之助  橘幸  (十番隊組長)
西洋の彫刻のような美男子、所帯持ち
豪放磊落な気性で陰湿なところのない人


池波六三郎   縣千 ー証言者3
原作では池田七三郎  
吉村を慕っていた。


小川信太朗   久城あす
夜回りの巡察でしくじり、切腹を命じられる。

 

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縣千くん演じる池波六三郎はおそらく原作の池田七三郎かと思われます。
なぜ実名でないのかわかりませんが、証言者としてかなり詳しく吉村について語ります。

 

新撰組から離脱する高台寺党 


伊東甲子太郎     煌羽レオ (参謀)  
北辰一刀流の名門伊東道場の道場主
参謀として新撰組に迎えられたが、新撰組を抜けて高台寺党を結成
薩摩と深く気脈を通じていて、近藤、土方らを亡き者として、新撰組を勤王倒幕の先兵にしようと画策していた
全て間者の斎藤一により近藤らに報告される


藤堂平助   諏訪さき (八番隊組長)  
北辰一刀流 免許皆伝
魁(さきがけ)先生とあだ名された元副長助勤
近藤勇の愛弟子


篠原泰之進   天月翼 (柔術の先生)
かつて吉村(望海)と同じ監察方に任じのちに赤報隊に参じて手柄を立てた。
剛直で礼儀正しい。

 

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この一派の企ては全て間者の斎藤一により近藤らに報告される。
ほぼ全員、七条油小路で暗殺されます。
(ー坂本龍馬暗殺の3日前)

 

 京・八木家


八木源之丞(京の郷士) 桜路薫
京の郷士でみよを預かる。
穏やかでひとかどの教養人
屋敷を解放して新撰組隊士たちを見守る

 

 みよ   真彩希帆
京の両替商の主人(八木)の遠縁で行儀見習い中
可愛らしい娘
吉村を慕っている

 

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真彩ちゃんは二役です。
吉村貫一郎と関わりのある、立場も境遇も全く違うタイプの女性、しづみよ。
真彩ちゃんが2人の女性をどう演じ分けてくれるのか。

医療従事者


松本良順   凪七瑠海
新撰組の健康診断を担当していた
幕府の御典医として活躍→大日本帝国陸軍・軍医総監


登喜    千風カレン
松本良順の妻 

 

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かちゃさんの演じる松本良順。
新撰組とは主治医として関わりが深かったようです。
軍医総監とは軍医官の最高位のこと。
望海さんとの同期共演が実現、2人の見せ場がほしいですね。

 

人物相関図

 

発表されている人物相関図です。↓

kageki.hankyu.co.jp

 

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人物相関図から。

原作には登場しなかった人物、登場したが名前がわからなかった人物、あるいは私が見逃してしまった人物について。
映画やドラマには出てきたかもしれませんが、私は見ていないのでわかる範囲で記します。

オトラ(沙月 愛奈)   オカネ(杏野 このみ)
貫一郎が脱藩したことで肩身の狭い思いをしているしづらを面倒みている吉村の親族です。
辛く当たりながら渋々面倒を見ていると書かれています。

写真屋(叶 ゆうり)

梅早登(早花 まこ)  竹若(笙乃 茅桜)  松乃(愛 すみれ
華やかなりし鹿鳴館時代の芸者さんでしょうか。

鍋島栄子(妃華 ゆきの)
実在する人物で、鍋島公爵夫人。
外交官夫人の草分けとして活躍して、鹿鳴館の華と呼ばれていたそうです。

ビショップ夫人(舞咲 りん)
この方も実在する方で、英国人のイザベラ・バードという女性。
医者のジョン・ビショップ氏と結婚。
旅行家、写真家、紀行作家など多彩な才能で活躍。
舞台では旅行作家として鹿鳴館を取材しています。

 

 証言者による吉村貫一郎とは


最後に吉村貫一郎について語る証言者たちの話です。
舞台ではどのような形でストーリーが展開していくのか。

証言者1と2、7はキャストには出てきません。
ですが吉村について語っていることを、簡単に記しておきます。

因みに証言者1の元新撰組隊士は架空の人物のようです。

 

証言者1  元新撰組隊士 
角屋の主人、昼は定食屋、夜は居酒屋を営む。
吉村貫一郎は好きではなかった。
守銭奴だったから
剣術は確かだが武張ったとこがなく、学問はあっても鼻にかけず、だがさほど大したものには見えなかった。


証言者2  桜庭弥之助
吉村の脱藩前の藩校の生徒
自分の記憶には、学問に秀で藩内一の能筆で北辰一刀流の免許皆伝という吉村先生と,
上田組丁の足軽同心で、二駄二人扶持の小身者の吉村と2人の吉村貫一郎がいた。
質実剛健にして信義を重んずる南部武士の鑑だった。

 

証言者3  池波六三郎(縣千)ー原作では池田七三郎
吉村先生の本当の強さは誰も知らなかったのではないか。
普通は金が入りゃ見栄を張るけど、冬の袷の1枚だって買わない変わり者
いっけん柔和かつ温厚で偉ぶるところはないが、剛直な人
吉村貫一郎と斎藤一は水と油、
2人は幹部の人たちの中では浮いていた。→嫌われ者
みんなの輪に入らず、土方と直接繋がっていた。
吉村は地味で慎ましやか、斎藤は洒落者で女遊びも派手。
土方はそんな吉村のことが大好きだった。


証言者4  斎藤一 (朝美絢)
初対面から吉村を嫌な奴だと思った。
田舎侍、天真爛漫な笑顔、風采が上がらぬ、腰は低いが図々しく、話もつまらない。
出会いの夜から蛇蝎(だかつ)のごとく忌み嫌った。
その善なるもの、その正義たるもの、存在のすべてが許し難かった。
吉村貫一郎の本当の強さを知っているのはわしだけ。
奴は小人、しかしそのちっぽけな器はあまりに硬く美しい器の持ち主じゃった。


証言者5 大野千秋 (綾凰華)
父、次郎右衛門と吉村先生は共に赤沢塾に通う幼馴染だった。
父は決して冷酷非情な人間ではなかった。
無私の精神を持った心優しい人物だったし、心から尊敬している。
吉村先生は足軽の身でありながら文武両道に卓越しておられた。
藩校明義堂の助教となり、同時に藩道場で御師範の代稽古も務めていた。
「南部の子だれば、石ば割って咲け」というのは吉村先生の訓(おし)え。
吉村の息子の嘉一郎とは幼友達。
貫一の切腹後、蝦夷地の戦に参陣する嘉一郎から妹のみつを託される。
のちに妻となり、母のごとく慕われている当診療所の名物看護婦であり、可愛い妻である。


証言者6佐助 (透真かずき)
吉村と大野は大の仲良しだった。
息子たちも然り。
2人の友情を脱藩前から、吉村の切腹の時まで見ていた。
2人とも生き方を心得た立派な男だった。
次郎右衛門の命を受けて、吉村の次男を越後まで送り届ける。


証言者7吉村貫一郎
貫一郎(望海風斗)と同名の吉村家の次男
しづが名付けた。
8才から越後の資産家の家で不自由なく育てられた。
農学者として盛岡高等農林学校で教鞭を執っている。
会ったこのない父のこと、病弱だった母のこと、優しくて働き者だった兄のこと、遊んでくれた姉のことを語る。
 

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吉村貫一郎は新撰組屈指の剣士ですが、どちらかというと地味な存在です。
私はこの公演が決まっって初めて吉村貫一郎のことを知りました。

吉村を取り巻く美剣士たちの描かれ方も気になりますね。
また、夫婦、親子、友達、仲間たちとの様々な愛の形にも注目したいです。

長くなりましたが、取りこぼしなどもあるかと思います。
わかり次第、追記、訂正したいと思います。

長くなりました〜

それでは『壬生義士伝』楽しみにしましょう!

 

雪うさぎ