風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

雪組『壬生義士伝』感想① 名もなき侍を息づかせ輝かせる人

雪組公演「壬生義士伝」観劇レポです。

 

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だいきほ初の夫婦役、絡みは少なくてもしっくりくる、呼吸が合う。
ふたりがこの2年近くで積み上げてきた絆が結実した思いです。


~原作 浅田次郎「壬生義士伝」(文春文庫刊)~
脚本・演出/石田 昌也


今日は全体についてのざっくりした感想です。


幕末とは主に1853年から1869年までの時代。
今から150年ほど前のことです。

そんなに遠い昔でもないような気もしますが、
全く別世界の様な気もします。

なので、私は登場人物の誰にも感情移入はしませんでした。
同じ心を持つ日本人ですが、現代とはものの見方、価値観、ましてや吉村貫一郎の置かれた状況を理解するのが難しいと思ったのです。

ただ貫一郎の気持ちに寄り添うことはできました。
その時代に生きる人の必死さ、切なさが舞台から伝わってきたからです。


私は吉村貫一郎の名前を、この公演で初めて知って小説を読みましたが、
原作の世界観をそのまま舞台に移すのはかなり難しいと思いました。

華やいだシーンも少なく、主役の吉村貫一郎も決して表舞台に出る人ではない。
石田先生が主題とするのは原作どおりの「義」
それを宝塚の舞台でどの様に美しく彩り魅せられるのか。


もちろん望海さんが演じる吉村貫一郎役に関しては不安要素は何一つなく、期待しかありませんでした。

宝塚の煌めきも華やかさもない名もなき田舎侍に、息を吹込み輝かせることの出来る人だとわかっていたからです。
みすぼらしい身なりで腰の低い男を輝かせるには、それ相当の技量が必要でしょう。

結果、望海さんの貫一郎は原作とピタッと一つに重なり、期待どおりの素晴らしさ。
幕が降りた後も暫く余韻に浸りました。

この時点で壬生義士伝がなぜ雪組公演に選ばれたのかわかるような気がしました。

 

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また、原作のままだと娘役さんの役がほぼない・・というところもあっての鹿鳴館チームの誕生かなと思うのですが、このシーンの是非が問われています。

こちらのチームを仕切るのはかちゃさん演じる松本良順先生。
ストーリーテラーとしての役割を担っています。

幕末時代の話に気持ちが入り込んでいるところに、このシーンが度々出てきて話をさえぎられてしまう、
という意見と、
このシーンがあるからストーリーが分かりやすくなる
という意見があるようです。

実際に原作を読んでいない妹は違和感も感じず、むしろこのシーンがあるのでストーリーがよく分かったようです。
なるほど。


実を言うと、私は1度めの観劇の時はこの場面が少し多いように感じました。
つまり幕末のストーリーをさえぎられる感じです。

観劇後、妹の話を聞きながら考えてみました。

原作の進め方も、明治に生き残った人々の吉村に関する証言(思い出話)で、ストーリーが構成されています。

なので、さえぎられるという発想は少し違うかもしれないな、と。

2度めの観劇では、鹿鳴館時代をベースにして、回想として幕末期の場面を捉えるとこで、私の中でより幕末期がクローズアップされてきて集中することができました。
伝わりにくいかもしれませんが^^;

そう考えると宝塚の壬生義士伝は見方によって、また原作や映画などの映像を見たかどうかでも、ずいぶん印象や感想が変わる作品なのかなと思います。

 

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これから観劇される方は是非楽しみにしてください。
そしてもし誰か感想を分かち合える人がいれば、お互いの感想を伝えあうことで何か発見があって面白いと思います。

私は次回は、中学生の時から一緒に宝塚へ行っていた宙組ファンの友達と一緒に観劇しますが、彼女の感想もまた楽しみの一つです。


演出について感じたことは他にもいろいろありますが、またゆるゆると書いていきたいと思います。


今日はここで終わりにしようかと思いましたが、望海さんのことだけ少し書いたので、他の方についても一言だけ感想を。


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真彩ちゃん(しづ・みよ)  二役でした。
しづ役は抑えた演技でイメージどおり、歌が泣ける・・

咲ちゃん、難しい役ですね。
渋い役ですが決してキラキラ新撰組メンバーにのまれない存在感。
ショーではすっごいカッコいい!

翔くん(土方歳三)、美しい…
惚れてしまいそうな男っぷりの土方。
ずっとオペラグラス追ってました!

あーさ(斎藤一)、美味しい役ですね、
あーさのちょっと悪そうなクールな役、待ってました!

ひとこちゃん(沖田総司)、爽やかな明るさの中に潜んでいる壬生浪感がかなりツボです。

かちゃさん(松本良順)、ストーリーテラーとしての役割ですが、ほんっとにお医者様に見えました。
しかも名医ぽいところが凄い^^;

また、上級生、下級生の方にも見せどころが多く、
特に今回、縣千くんの抜擢、躍進は目を見張るものがありました。


あと、ショーはとても素敵です

この公演のお芝居とショーの組み合わせはベストだと思います。

また少しずつ書いていきたいと思います。

 

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余談ですが、今日は望海さんファンのフォロワーMさんとお会いできました。
幕間に連絡を取り合って、終了後にお話できてとても良かったです。
Mさんに駅前の素敵なカフェを教えてもらい、雪組をイメージしたブレンドコーヒーをいただきました。

ほっこり、美味しかったです


雪・うさぎ
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