元星組トップスター湖月わたるさん
舞台生活30年は、宝塚18年と女優12年。
昨日千秋楽を迎えたバウホールでの記念公演『わたるのいじらしい婚活』の感想です。
ドキュメンタリー・ミュージカル
わたるさんの実人生を物語にぶち込んだドキュメンタリー・ミュージカルがあると知って、絶対行きたいと思いました。
自分のことを自分で演じるというのも面白いし、
『わたるのいじらしい婚活』という、ちょっとドキッとするタイトルも興味津々。
トップスターとして輝いていた日々の中でわたるさんが犠牲にしたものは?
朝海ひかるさん
この公演のOGゲストは元雪組トップスターの朝海ひかるさん。
とても仲良しな2人。
2人の宙組時代の『エリザベート』は目に焼き付いています。
リアル男のわたるルキーニと、哀愁のコムルドルフ。
わたコムと呼ばれていた2人は何もかも対照的でしたね。
体育会系のかっこよさで太陽のようなわたるさんと、小柄で内なる情熱を秘めたフェアリー系のコムさん。
後に、わたるさんは星組で、コムさんは雪組でトップスターとなり、華やかな時代を築かれました。
コムさんも2年後には30周年
元男役の名残を感じさせない、ふんわりとした女性らしさ。
コムさんがゲストで嬉しい。
この公演は他に男性4名、女性2名が出演されてます。
廣瀬友祐さん、迫田孝也さんなど。
皆さんドラマや舞台で活躍されている方々で、歌もダンスも演技もとても上手くて素晴らしいチームワークに感じました。
婚活
舞台は新しい感覚、お洒落だな〜
セットも最小限に。
繰り返し言いたい、
わたるさんは変わらない! (見た目のことです)
長身(174)で鍛え上げたしなやかな筋肉、ダイナミックなダンス!
そんな現役男役を彷彿とさせるわたるさんが婚活をするという物語。
舞台一筋に生きてきた日々。
愛を知らない、愛に出会いたい!と。
舞台だけではなく映像からのアプローチで物語は進んでいく。
映像では、わたるさんのお部屋でのインタビューや、合コンのシーンなどが効果的に映されて、まさにドキュメント⭐︎
後輩のコムさんが合コンのセッティングやらアドバイスやらするのですが、2人のやり取りが絶妙で、爆笑。
しっかり者のコムさんにアドバイスを受けつつ、婚活を頑張るわたるさんが、本当に可愛くていじらしい。
現役時代からコムさんは見た目はキュートだけど意外と低音ボイス。
わたるさんは見た目とは違ってキーが高い。
なので今回は素のままの綺麗で可愛い声を聞くことができました。
歌もわたるさんの高めの声を生かせるので、とても良かったです。
宝塚時代は、男役の声を出さなければならないので、高めの声の方は大変ですね。
そんな2人の得意分野はやはりダンス。
コムさんのダンスシーンはあまりなかったけれど、動きのキレの良さは健在。
もっと2人のダンスを観たい!となりました。
さて、物語はわたるくんが慣れない合コンに落ち込んだり、ワクワクしたり。
これは舞台のシナリオなのか実生活なのか、分からなくなる何とも不思議な空間。
いつしかその世界に引き込まれていって、笑ったりホロリとしたり。
新しくて楽しい舞台!!
二つの名前
本名とは別の名前ー湖月わたるーを持って、これからも歩んでいくのですね。
わたるさんはこの舞台についてこのように語られてます。
お客さまに、ハッピーなのかせつなさなのか元気なのか勇気なのか分からないけど、何か心にお土産を受け取ってもらって帰っていただければいいなと思いますね。
私は・・全部受け取りました!
ハッピーも切なさも元気も勇気も。
切なさがわかるから、ハッピーもわかるのかもしれない。
そしてその全てにわたるさんの愛を感じました。
最後になりましたが、舞台中ほどでわたるさんが今は亡きお父様からのお手紙を読まれます。
その手紙には、舞台を続けるということは何かを犠牲にしなければならない、(ニュアンス)という一文が。
なかなか厳しい言葉ですね。
同時に、真面目過ぎるわたるさんを知っているからこその愛ある言葉だと思いました。
それもあって、わたるさんは仕事を続けるには結婚を望んではいけないのではないかと悩むわけです。
物語の中では2人の素敵な男性からプロポーズされるのですが、結局わたるさんは仕事を優先します。
30年という大きな節目の公演で、等身大の自分をさらけ出すという斬新な舞台。
この試みに大きな拍手を送りたいと思います。
わたるさんのチャーミングでいじらしい姿を存分に堪能することが出来ました。
Vol.2は『Song & Dance』
秋には30周年記念公演の第2弾があって、ゲストは日替わりのようです。
宝塚OGは紫苑ゆうさん、真琴つばささん、姿月あさとさん、水夏希さん。
全日程出演はダンサーの三井聡さん。
次回は歌とダンスがメインということで是非行きたいと思っています。
うさぎ