風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

宙組『El Japón エル ハポン』感想ー美剣士ずらり、謎の美男子ひとり

 

宙組『エル ハポン』観劇レポです。

ヒロイックで快活な娯楽作品
HPの作品の説明は的確だと思いました。

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ストーリーはシリアスかと思いきやコミカル要素も多く、肩の力を抜いて楽しめる作品。
宙組男役さんはかっこい良くて最後はハッピーエンドで、スカッとした気持ちになれました。

宝塚ミュージカル・ロマン
『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』
作・演出/大野 拓史

 

真風涼帆 / 蒲田治道


大野先生と言えば『白鷺の城』を思い出しますが、真風さんの和物ビジュアルはやはり絶品です。
白鷺はショーということもあり美しさが勝ってましたが、『エル ハポン』は男らしくてかっこよくて役と完全に一致しました。
←これ大事です。

舞台がイスパニアに移っても長髪も衣装も似合ってました。

奇想天外なストーリーを楽しみ、真風さんや男役のかっこいいところを観られて良かったという印象です。

と言って、ストーリーが雑ということではありません。

蒲田治道という人物は戦国時代から安土桃山時代に生きた武将で、剣術に優れた手練れであったようです。

舞台では彼が伊達政宗の命を受けてイスパニア(スペイン)へ渡り、そこで繰り広げられる壮大なロマンが描かれるのですが、大野氏のこだわりで作品の基調は「マカロニ・ウエスタン」

中途半端ではなくここまでにストーリーの妄想を膨らませると、大胆で潔くて楽しく、蒲田治道役は真風涼帆の持ち味を生かせるはまり役になりました。

 

芹香斗亜 / アレハンドロ

 

キキちゃんはお芝居、ショーともに余裕と貫禄を感じました。

謎の男アレハンドロは風のように現れて、観客を笑わせてフッと消えてく…。
勿論かっこいいですよ、美形のキキちゃんですから。
前半はそんなに出番が多いわけでもないけど印象に残る、ある意味濃い役です。

 髭と鬘はマカロニ・ウエスタン、ガンマンの象徴、惹きつけられました。

最後は、そうだったのねーと正体が解き明かされるのですが、コメディセンスが光るキキちゃんならではのお役ということになるのかな。

なかなかユニークなキャラクターでした。

 

星風まどか / カタリナ

 

未亡人で宿屋の女主人役。
まどかちやんのイメージとは真逆のタイプながら演技も歌も比較的癖がないので、どんな役柄もきっちり仕上げてくる安定感があります。

亡くなった夫を偲んで喪服を着て登場、悲しみの歌が切ない…    …   
のですが、最後はわりとあっさり? 再婚を決意。サバサバしてる〜!

いや、いつまでも暗い顔をしていても仕方ないので、それで良いのだと思うのです・・。
そういうさばけたところも、この舞台がカラッとしていて楽しい要因になっているのかもしれません。

 

桜木みなと / エリアス

 

悪役だけど何故か憎めないエリアスを好演。
予測だけど、あの後改心してそうな感じがするので、芯からのワルではなさそう。

私はずんちゃんは濃い役が好きなので、エリアス役はとても魅力的でした。

爽やかな風貌で哀愁もあり、最近は凛々しさも出てきて存在感が増してきましたね。

真風-芹香とは違った王子様的な甘い雰囲気もあり、三者三様の色がはっきりしてきて面白くなってきました。

 

その他のキャスト


和希そら / 藤九郎
蒲田(真風)に恨みを抱いている男。

兄のような蒲田への思慕から恨みへと変わっていく複雑な感情表現は難しかったと思います。
思いきりのいいそらくんの芝居、歌、ダンスが好きですが、今回は殺陣も凄く上手くて十分な活躍でした。


瑠風輝 / 西九郎
上手い‼︎ もえこちゃんの安定したお芝居はとてもいいですね。
蒲田(真風)の先輩役というのは大変な役だと思いますが全く違和感なく演じたのは素晴らしい。

そらくんもえこちゃんも本当に実力派スターです。


英真なおき / フェルナンド
国王から爵位を買い上げる農場主。
悪役、久しぶりでいいですね〜
芸達者なじゅんこさんならではの演技です。
権力を駆使しての悪人ぶりも板についてました。

 

宙組公演のこれから

 

今後の宙組公演の予定を簡単に。

別箱公演は二つ、

『FLYING SAPA -フライング サパ-』
 作・演出/上田 久美子
主演 真風涼帆 星風まどか
出演 / 芹香斗亜、紫藤 りゅう、留依 蒔世、瑠風 輝、夢白 あや など。
紫藤りゅうくん、いよいよ宙組初登場ですね!
ウエクミ先生のオリジナル作品、ストーリーが読めないだけにわくわく感があります。

『壮麗帝』
作・演出/樫畑 亜依子
主演 桜木みなと
ヒロインは遥羽らら
ちゃん
ららちゃんはこの舞台でも藤九郎(和希)の姉役を幻として美しく表現されていてとても丁寧な演技でした。
和希そらくんが2番手役
こちらもかなり期待が持てそうな演目とメンバーですね。

 

そして大劇場公演は大作ミュージカル
『アナスタシア』
潤色・演出/稲葉 太地

こちらは4月の外部のアナスタシアも観劇予定なので合わせて楽しみたいという希望と言う名の野望を持っています。

 

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今回の公演で宙組のまとまりと充実ぶりを前作より更に強く感じました。
日本物の難しい立ち回り、殺陣もしっかりしていて見応えもありました。
個々のレベルアップで全体のクオリティがぐんぐんアップして宙組パワー全開!
これは来年も楽しみですね!

 

宙・うさぎ

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