風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

星組『龍の宮物語』感想ー瀬央ゆりあ代表作に!

 

星組バウホール公演『龍の宮(たつのみや)物語』観劇感想です。
主演は瀬央ゆりあさん。

 

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美しく切ない物語でした。
『星逢一夜』を観た後に感じた心が締め付けられるような感覚になり、個人的にはかなり好みの作品でした。

また、龍の宮での衣装も豪華でやメイクも楽しめます。

秀逸な作品と相手役には有沙瞳という実力派娘役にも恵まれて、この公演は瀬央ゆりあ代表作として心に焼きつくと思っています。

 

音楽奇譚『龍の宮物語』
作・演出/指田 珠子

ネタバレ、少々あるかもしれません。

 

浦島太郎と夜叉ヶ池伝説


このストーリーはこの2つがベースになっています。

浦島太郎からは、龍宮、玉手箱、乙姫、時間の流れなど

夜叉ヶ池伝説からは、龍神、雨乞い、生贄など

これらのキーワードから、独自のストーリーと世界観を作り上げて宝塚らしく美しい作品に仕上がっています。


浦島太郎は日本のお伽話。
私たちにとっても馴染みがありますね。
子供の頃、玉手箱を開けてお爺さんになった浦島太郎には驚きでしたが、今思うと色々と考えさせられる話です。


夜叉ヶ池伝説のルーツは美濃国(岐阜県)安八群に伝わる伝説。
泉鏡花が戯曲にしていて、坂東玉三郎さん主演の舞台や映画、オペラなど何度も上演されている名作です。


この2つを融合させるとこうなるのかと知らしめてくれたのは、今回がデビュー作となる演出家・指田珠子先生。

この公演を観る限り今後もオリジナリティ溢れる作品が期待できそうで楽しみに思います。

 

瀬央ゆりあ / 清彦

 

今年5月の公演『鎌足』は作品自体はとても良かったけど、せおっちにもっと見せ場が欲しいと思った舞台でした。

もちろん主演ということはありますが、この舞台ではせおっちの魅力が十二分に発揮されていてとても良かったです。

鎌足の中大兄皇子役を経たからこそ清彦としてこれほど輝けたのかもしれませんが。


流れとしては、
誠実な書生・清彦の下宿先の百合子へのほのかな恋

幼い頃に出会った玉姫に再会し導かれ行き着いた龍の宮での日々

美しく妖艶美な玉姫へに惹かれていく

平凡に生きていた(と思う)清彦に様々な出来事が起こるのは偶然なのか必然なのか。


前半、せおっちの書生仲間との賑やかな場面や百合子とのやり取りまでは、少し気が弱そうで爽やかな青年役がよく似合ってました。
目元がキリッとしたイケメンで、丁寧な演技と歌、少し高めの声がよく響きます。

中盤から最後までは、数奇な運命に悩める青年を演じますが、こちらがまた良かった。←苦悩する人が好みやからね

最後の玉姫とのシーンには涙腺崩壊しました。
これはせおっちとくらっちの演技力によるところも大きいかと思います。


せおっちは軽めの明るい役より苦労を背負い込むタイプの役に魅力を感じます。
渋い大人の男の役も似合いそうで、今後の期待値が物凄く上がりました。

お友達の分析によると、うさぎはほんのりと昭和っぽさを残してくれている人が好みなのではないかと。
なるほど!
そうかもしれません。


星組男役3人に対して私の抱くイメージですが、
礼真琴さんが新しいタイプのスターなら、愛月ひかるさんは宝塚の伝統的なタイプのスター、
せおっちはちょうどその中間でどちらも持ち合わせているタイプじゃないかなと。

ことちゃんと愛ちゃんの色は、はっきりしているので、せおっちには2人とは違った独自の魅力でバリバリと活躍してほしいです。

 

有沙瞳 / 玉姫


玉姫はただの美しいお姫様ではありません。
積年の人間への恨みから復讐の時を待つという複雑で難しい役どころです。

くらっちは玉姫として、演技、歌、ビジュアル、どれもほぼ完璧と言っても良いと思います。

今まで数々ヒロインを演じ、どれも結果を残している実力派ですが、清彦を惑わす妖しい美しさを纏う役はくらっちにぴったりでしょう。

とにかく綺麗。
可愛い系というより美人系なので大人顔のせおっちによく合っていて、美しいコンビに溜息がでました。

美しさだけではなく、玉姫の物悲しさや儚さ、ミステリアスな雰囲気などを声の抑揚のつけ方や表現力で見事に演じ切りました。

また結構凄みもあって、気弱そうな清彦ならちょっときつめの美女に惹かれるだろうな(笑)と説得力がありました。

くらっちを見ていると、宝塚全体のトップ娘役の学年やタイプの枠をもっと広げても良いのになぁと思えます。

 

その他のキャスト

 

天寿光希 / 龍神
巧みな芝居でいつも組を支えます。
振り幅広いですが、この舞台では龍神。
玉姫をめぐってせおっち清彦と対峙シーンは見応えあり、さすが。 

天華えま / 山彦
清彦の仲の良い書生仲間で重要な役割を持っています。
飄々とした自然体の演技が良かったと思います。

天飛華音 / 火遠理
龍神の弟役で兄の心の乱れを冷静に観察しています。
フィナーレでも大活躍でした。 

水乃ゆり / 百合子
1幕では育ちの良い清楚なお嬢さん、2幕では活発な娘と、微妙に演じ分けているように思えて良かったです。

 

フィナーレ

 

フィナーレは男役の群舞(ぴーすけセンター)から始まりました。

そしてせおっちが赤いスーツで登場、真ん中オーラが半端なくありました。
かっこいい!

そして赤いドレスのくらっちとのデュエットダンス
2人とても素敵ですね、こんなにお似合いなんて。
回転リフトもあり見応えもありました。

物語が哀しいお話の後のフィナーレですが、完全に宝塚脳の私は違和感なし。
フィナーレがあっても物語の余韻は続きます。

この公演はバウホールだけでは勿体なくもっとたくさんの方に観て欲しいと思いました。

 
作品も良くて、主演の瀬央ゆりあさん、有沙瞳さん、星組の皆さんの好演もあり、しっかりと記憶に根付く舞台になると思います。

ありがとうございました。

 

せおっちの時代が来たのかもしれない・・
本気で思っています。

 

星・うさぎ

 

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