颯爽と舞台に登場、刑事役をかっこよく決めるのは主演の瀬戸かずやさん。
『マスカレード・ホテル』1/7 感想です。
ネタバレにご注意ください。
ミステリアス・ロマン
『マスカレード・ホテル』
原作 東野圭吾「マスカレード・ホテル」(集英社文庫刊)
脚本・演出/谷 正純
ストーリーが流れるよう
私はミステリーものや推理小説が好きですけど、読み始めから流れるように犯人へと辿り着かなくては、面白くありません。
ドキドキ、ビクビク、ハラハラしながら一気に結末へと進みたい。
舞台も同じかと。
宝塚マスカレードは谷先生の脚本もすっきりとしていてわかりやすく、2幕に入ると盛り上がりもあり最後まで一気に引き込まれました。
セットもシンプルでこちらもスッキリ。
ストーリーへの集中力が高められ、とことん素敵なあきらさんを楽しめます。
また事件を中心に、恋愛要素も程よく散りばめられていて宝塚のロマンスも楽しむことができました。
あきらさんを中心に
警視庁捜査一課の警部補の新田浩介
あきらさんがこの役にこれほどハマるとは。
一緒に行った友達曰く、
「この舞台何処を切り取ってもかっこいい瀬戸かずや」
演技も歌もスーツ姿も自然なので、等身大の新田浩介が目の前にいるような錯覚に夢を見れます。
ぶっきらぼうで個性の強い新田が衝突しながらも山岸(朝月)に見せる優しさ、
突き放しているようで後輩の能勢(飛龍)に見せる思いやりなど演技も上手くて、素敵な刑事さんでした。
ヒロインの朝月希和さん、ひらめちゃんのお芝居もホント良かった!
花組時代、雪組時代としっかり力を蓄えてきて花開いた感じがします。
キリッと落ち着きのあるフロントクラークとしての顔、小競り合いしつつ気になる新田(瀬戸)へ見せる1人の女性としての顔
出来る女と恥じらう女の両面をうまく表現して、山岸尚美という人間を魅力的に作り上げてました。
主演コンビのデュエットダンスも綺麗でしたよ⭐︎
新田の後輩巡査の能勢役には飛龍つかさくん。
元気で可愛い後輩役を好演、登場するだけで舞台が明るく華やかになりますね。
コメディセンスも抜群!
フィナーレの歌は素晴らしかったので、お芝居でも歌をもっと聞きたかった。
歌って踊れて芸達者なつかさくんのこれからの活躍には期待しかありません。
ホテルの総支配人役の汝鳥伶さん。
貫禄ありますね、流石ですね!
フィナーレでの軽快なステップ、とても良かったです。
そしてまたまた音くり寿ちゃんが魅せてくれました。
あの見せ場であれだけの歌と演技ができるなんて素晴らしいの一言!
薔薇の精でのくりすちゃんは軽やかなダンスでホンモノの妖精のように可愛らしかったけど、今回は危険な女を体当たりで熱演。
カメレオン女優さんですねー、素晴らしい‼︎
マスカレードシリーズ
東野圭吾さんの作品は白夜行を皮切りに一時まとめて数十冊読みましたが、多分7〜8年前にマスカレードホテルも読んでいたようです。←本棚にあった。
実はストーリーを覚えてなかったんです。
観劇の途中で思い出すかなと思ったけれど全く思い出せず、新鮮な気持ちで観劇できました。
東野さんの作品は読後感がどーんと辛くなるようなものもあるのですが、このマスカレードシリーズは新田浩介という魅力溢れる主人公が事件を解決していくという痛快なミステリー作品。
映画化もされましたが、宝塚ならではの男役のかっこよさが刑事にピタリとハマりましたね。
また舞台がホテルというのも華やかで良かったかもしれません。
このマスカレードシリーズは3作品あり、いずれも新田浩介が主役になってます。
・マスカレード・ホテル
・マスカレード・イブ
・マスカレード・ナイト
宝塚でもシリーズ化できそうですね。
花組へ期待
花組の別箱公演の観劇は明日海りおさんフェルゼン役の『ベルサイユのばら』以来になりました。
『マスカレード・ホテル』はあきらさんを中心とした力強いメンバーの好演もあって見応えもあり、花組さんのこれからが楽しみになる舞台でした。
花・うさぎ