風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』感想③ 夢に向かうデボラ・愛に生きるキャロル / 真彩希帆 / 朝美絢

夢を叶える為にー⭐︎
愛に背を向けるデボラ
愛だけに生きるキャロル

対照的な2人の女性を魅力たっぷりに演じる真彩希帆さんと朝美絢さんについての感想です。

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細かいところは触れてませんが、ストーリーの流れなどネタバレしてますのでお気をつけください。


デボラ   真彩希帆
キャロル  朝美絢

ヌードルス 望海風斗
マックス  彩風咲奈

 

デボラ / 真彩希帆


バレエのレッスンを受ける真彩デボラにいきなり惹きつけられました。

少女時代の可愛いデボラは他の少女たちとは少し様子が違っているような…。
どこか遠くを見つめる瞳が印象的で、ひとりだけ別世界にいるような…。
浮いているような…。

そんな印象を受けました。

この時点で真彩ちゃんのデボラのはまり役感をかなり強めに感じました。

歌が素晴らしいのは言うまでもなく、やんちゃなヌードルスとのやり取りも可愛くて、夢を語る2人に神はどのようにこたえるのか。

これからだいきほが作り出す「ワンスの世界観」の期待値がここで一気に高まります。

サナギが蝶に、みにくいアヒルの子が白鳥になるように、いつか皇帝と皇后になるという約束をした2人ですが、神はここで2人を離してしまいます。


次にヌードルスと再開するのは7年後。
スターになったデボラの登場シーン。

あまりにゴージャスな衣装にびっくりしましたが、
それよりも圧巻の歌声で豪華な衣装に負けてないデボラ真彩希帆に感動しました。

真彩ちゃん立派になったなぁと。←いや、デボラ

ヌードルスとは長い年月の間に、別れと再会を繰り返す切ない関係です。

愛に流されず現実的なデボラ
「私、失敗しないので」というセリフこそありませんが、目標に向かって真っ直ぐに突き進む姿は逞しい。
それでも1幕最後の名シーンで泣きながら去って行く後ろ姿には寂しさを感じました。

意思の強いデボラ役はやはり真彩希帆さんのはまり役だと思います。


壮年期、思わぬ場所でのヌードルスとの再会。

このシーンのだいきほも好きですね。
昔とは違う空気感が静かに流れていて、2人の間に長い年月を感じます。

そして衝撃的なラストへと向かうのですが、神は結局2人の恋をハッピーエンドにしませんでした。

 

真彩ちゃんはデボラの芯の通った人生をブレずに演じてくれたので、映画を見ていなくても彼女の人生観がしっかり伝わってきたように思います。

それにしても本当に美しい歌声です。
真彩希帆CDがあればぜひ欲しい、娘役さんの歌で感動するのは何年ぶりでしょう。

 

キャロル / 朝美絢


キャロルはホントに可愛い。
美しくて妖艶で…と数多称賛の言葉はありますが、あーさのキャロルはとってもチャーミングで歌を聴く度に顔が緩む私。

特に2幕ストーリーが込み入ってくる中、お色気たっぷりなのに爽やかさもあり舞台を明るくしています。
声もよく通る綺麗な声、私が惚れた男♪ などいいですよ!


このキャロルもマックスと出会うことで大きく運命が変わった人です。
DVされてもマックスを一途に愛する
そういう意味で彼女もブレない人かもしれません。

銀行襲撃事件以降、ヌードルスとデボラ、マックス、キャロルはそれぞれ別の場所で別の人生を歩みますが…

ヌードルスが1人静かな日々を送っていても、
マックスが昔の名前を捨て栄光を手に入れていても、
デボラがハリウッドスターとして成功をつかんでいても
キャロルが記憶を失ってしまっても

内面ではお互いを断ち切ることができずに複雑に絡み合っていたんだろうなと。


記憶を失ったキャロルのあーさの目の演技がとてもいいです。
キラキラした目、不思議そうな目、遠い目、怯えた目

キャロルは昔のことしか覚えていないと言う。
小さな記憶の中の世界で生きるキャロルが幸せなのか不幸なのか。
その後の彼女の人生が穏やかな日々であるよう願わずにはいられません。

女役キャロルという新境地を開いて結果を出したあーさの次なる挑戦が楽しみになっています。


さて、本来はバリバリの男役、朝美絢

プロローグのギャングスターもかっこいいし、
フィナーレでは最初に翔ちゃん(彩凪翔)と2人でキラキラの衣装で歌うところからのスタートも素敵です⭐︎
あとは男役群舞など、これからご覧になる方は是非楽しみにしてください。

 

 マンハッタンに咲いた花

 

子供の頃の夢に向かってまっしぐらに進んだデボラと、危険な男を愛し過ぎて愛だけに生きたキャロル。
1920年代からのアメリカを生き抜いた2人の美しい女性。
真彩デボラとあーさキャロルは、それぞれの魅力で個性豊かに舞台を美しく彩り、大変楽しませてくれました。

続きます。


雪・うさぎ 

↓望海風斗さんについて

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