風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

『ポーの一族』ライブ配信感想〜2人のフェアリー夢の共演 / 明日海りおー涼風真世

『ポーの一族』の配信を視聴しました。
少し感想を書きとめておきます。

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宝塚『ポーの一族』上演から3年になるんですね。
原作ファンで以前から宝塚での上演を希望していたので当時は実現して嬉しかったことを覚えています。
繊細な世界観なので何か一つ歯車が狂うと壊れそうな舞台です。
花組キャストが見事にハマり原作の世界を壊すことなく舞台に現れたポーの世界へと導かれていきました。
 
宝塚でしか上演できない作品だと思っていました。
エドガーを男性が演じることはあり得ない。

ですがエドガーを再び明日海りおさんが演じるという発表に、そうか、それなら外部でポーもできるよねと納得しました。
 
そのみりおさん、エドガーはやはりハマり役ですね。
人間の子供から少年、バンパネラ(吸血鬼)になってからの少年、
自然な演じ分けが絶妙で、原作の持つ耽美な世界が醸し出されて素晴らしいと思いました。
 
みりおさんの宝塚トップ時代の人外の役では、トート、エドガー、エリュの中でエドガー役が1番好きです。
一つはエドガー役がハマる方は圧倒的に少なくて、
見た目のフェアリー感はもちろん、儚さと強さ切なさ妖しさを表現できる方。
過去を振り返っても思いつくのは朝海ひかるさん、涼風真世さん、もっと昔なら安奈淳さんとか。
 
その涼風真世さん。
かなめさんの舞台は5年前のゾフィー役以来ですが、伸びのある歌声は宝塚時代から変わらず。
先日Twitterフォロワーさんから「いーちゃん(寿ひづる)以来の七色の歌声でしたね」とリプをいただき、そうだった!と思い出しました。

老ハンナの優しさと威厳に満ちた声の使い分け、力強い歌声、
ブラヴァツキー(霊能者)の怪演、どちらも見事で七色の歌声と美貌は健在でした。

当時のベルばらオスカルの眩い煌めきが時を経てさらに素晴らしい彩となり輝きを魅せてくれました。
 
涼風真世、明日海りお、宝塚の2人の異なるフェアリーの共演は夢の舞台になりました。
 
お2人だけの感想になりましたが、一言ずつ書かせていただくと、

ミュージカル初心者のアランの千葉くんは初々しいのが役に合っていてみりおさんとの並びも良かったですし、ねねさんのシーラの妖艶美は原作どおり。

観劇に出向いた我が息子はメリーベルのあーちゃんを絶賛、レイチェルせーこさんは綺麗で弱々しいだけでない母親を好演。
クリフォードの橋之助さんはイメージは違ったものの存在感はありましたね。

あとポーツネル、大老、カスター先生役など男性ならではの迫力によってより壮大で見応えのあるミュージカルになりました。
 
宝塚作品の男役を卒業後の舞台でそのまま演じるというのは早霧せいなさんの『るろうに剣心』に続きましたが、今後もそのようなスタイルがあるかもしれませんね。
(ドンジュアンとか?)

 

『ポーの一族』は萩尾望都先生のところに宝塚以外の舞台からもいくつかお話があったそう。
その全てをお断りになられ、宝塚、そしてこの公演で幻想的な舞台の上演に至ったことは宝塚ファンとしては有り難く嬉しいことです。
素敵な舞台でした!

 

OG・うさぎ