花組博多座公演『あかねさす紫の花』Aパターンの感想③
ラストシーンを中心とした感想です。(内容に触れます)
感想②はコチラからご覧になれます。↓
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映画や劇を作る時には、ラストシーンから考える方も多いそうですが、
ラストシーンはただの1シーンではなく、特別な1シーンです。
『あかねさす紫の花』のラストシーンも印象に残る名シーンだと思います。
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『あかねさす紫の花のエンディングは、物語の終着点であると同時に、この先の2人の皇子の関係を暗示しています。
更に私たちは、この後の史実が頭によぎることで胸が熱くなるのです。
ラストシーンの大海人皇子の明日海りおさんと中大兄皇子の鳳月杏さんの演技は素晴らしかったです。
舞台は満開の桜の中、天智天皇(中大兄)の即位の祝宴。
酔いながら遅れて来た大海人皇子は槍を持ちながら祝舞する。
段々と挑発的になる大海人の舞、それを受けて剣を持ち立ち上がる中大兄。
中大兄の「ばかものー!」の一喝
大海人の狂ったような舞と高笑い
ー幕切れー
自信に満ちたちなつ中大兄皇子の素晴らしい演技
優しくて切なげなみりお大海人皇子が最後に魅せた迫真の演技
見事に決まりましたね!
これまでのストーリーは全てここに繋がり、このラストシーンの為にありました。
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このラストシーンのベースとなった史実は「大海人皇子による長槍の事件」
大海人が祝宴で槍を使った舞をしている時に、天智天皇(中大兄)に向かって投げた槍は敷板を貫いたとか。
鎌足のとりなしで、事なきを得たみたいですが・・^^;
そしてこの後、壬申の乱へと繋がって行きます。
大海人皇子と天智天皇の太子・大友皇子との戦いです。
この乱の原因はいくつかの説がありますが、そのうちの一つに、額田女王をめぐっての不和関係もあるそうです。
みりおさんを中心とした花組の皆さん、素晴らしかったです。
今回私の中ではAパターンのキャストがすんなりきて、実際に凄く良かったですが、今になってBパターンにも激しく興味がわいてきました^ - ^
完璧に大海人皇子を演じたみりおさんが一転、どのような中大兄を演じるのか
れいさんの大海人皇子、ちなつさんの天比古は・・♡
柴田先生(作)が言われるように、『あかねさす紫の花』は先生の解釈と虚構によるロマンです。
史実ではあるものの、想像の余地も多分にある。
美しく、力強く、切なく、悲しく、麗しく、苦しく・・たくさんの感情が胸に湧き上がることで心揺さぶるロマンを楽しむことができました。
花・うさぎ