花組 博多座公演『あかねさす紫の花』ライブビューイングの感想です。
Aパターン
大海人皇子 明日海りお
中大兄皇子 鳳月杏
天比古 柚香光
額田女王 仙名彩世
中臣鎌足 瀬戸あきら
鏡女王 桜咲彩花
久しぶりの『あかねさす紫の花』何度観ても心を動かされる作品です。
以前、額田女王を中心に中大兄皇子と大海人皇子について書いたことがありますが、
こちらです↓
今回は二人の皇子がそれぞれ持ち歌を歌う場面を中心に書いてみたいと思います。
内容に少しふれます。
まず、中大兄皇子が美しい女性になった額田女王を誘惑するシーン
中大兄が歌います。
『恋歌』
♪ はじめはどこにでもいる少女と
気にも止めずにいたけれど
そうです。中大兄が額田と最初に出逢った時はまだ少女。
中大兄は恋人であった鏡女王の妹としてしか認識していなかった。
でも額田王女はそうではなかった。恋心とまではいかなくても、政治家として時代の寵児であり眩いばかりの中大兄に憧れの気持ちを抱いたとしても致し方ない事。
だって素敵だし、ちなつ中大兄皇子🖤
堂々としていて素晴らしい。
少女と言えども胸がざわざわとした瞬間を彼女はずっと封印していたのです。
歌の最後
♪ 私はあなたがほしい
どうしてもあなたがほしい
かなりぐいぐい来ますね ^^;
額田王女もお手上げ状態です。
この時代は権力者には逆らえない風潮があるのでしょうが、問題はそこではない。
どこかで額田王女が望んでいたことだったと言うのはかなり強引な解釈でしょうか。
そうですね、彼女は確かに大海人を愛していたし平穏な暮らしに幸せを感じていたでしょうから。
それでも、
どこか心に隙があった。
封印していた扉を中大兄皇子によって開けられてしまったのです。
この『恋歌』のシーンのちなつさんには、額田王女だけではなく私もぐいぐいと引き込まれました。
中大兄皇子の風格もあり、顔もキリッとしていて適役でした。
そしてやっぱり演技も歌も上手い人。
ゆきさんも上手いので、二人のシーンはとても見応えがあって良かったです。
次は大海人皇子が薬狩の後、額田王女を想いながらさまよい歌う、切ないシーン
『紫に匂う花』
額田を紫の花に例えて
♪ 明るい春の陽射しの中に
陽炎のように現れた
舞台における大海人と額田との恋は、仲の良いお友達関係から始まったという印象でした。
そんな中でも少年の大海人は心をときめかせていたのですね。
大海人にとって額田は自分の人生に突然現れた陽炎のような人。
陽炎とはまたなんて儚いのだろう・・
そして2番、
額田を白鳥の精に例えて
♪ 雨にけむった秋の巷を
雲の彼方へとび去った
永遠に続く幸せなどないでしょうが、昨日まで当たり前に隣にいた人が今日はいない。
愛する額田女王は大海人の元から、とび去ってしまいました。
辿りつく先は尊敬する兄の元という現実。
この場面は、大海人の心の葛藤や哀しさ、溢れる想いが伝わってくる一番心に響くシーンです。
そして私の好きな大海人皇子役を明日海りおさんが大熱演。
みりおさんの大海人は予想通りに素晴らしかったです。
昔はどちらかと言うとサラッとした爽やかな演技の印象があったみりおさんですが、円熟味が増してきて更に深みが出てきた感じがします。
エドガーの繊細な演技も凄かったですが、大海人皇子もはまり役♡
歌にも感動しました。
この二人の皇子が歌う歌詞の中に、この物語の多くが語られているように思います。
額田女王との出逢いの時の想い、現在の気持ち。
やっぱり二つとも秀逸な歌だと思います。
まずはこの二つのシーンでみりおさんとちなつさんの素晴らしい歌が聞けて、至福の時間でした=(^.^)=
大海人の歌には泣きましたけど。
泣かされてもやっぱり幸せでした。
次回に続きます。
花うさぎ