風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

花組『あかねさす紫の花』ライブ中継感想② /柚香光/仙名彩世/瀬戸かずや

 

f:id:wind-waltz912:20190617170038j:image

 

『あかねさす紫の花』ライブビューイング感想②です。

感想①はこちらからごらんになれます。 ↓
www.wind-waltz912.com

今日は天比古、額田女王、中臣鎌足役の感想になります。

 

天比古役

天比古はひたすら偶像化した幻の額田女王を慕い、人生さえも狂わされていく哀しい人です。

大海人に嫁いだ額田はもはや天比古とは住む世界の違う人。

それでも毎晩、難波の港の舟の中で、対岸の額田のいる宮を見つめている様子には胸が痛みます。

純粋すぎる愛なのか、執着なのか。

馬鹿なことを・・と思わないではないですが、多かれ少なかれ私たちにもそのようなことがないでしょうか。

無理だとわかっていてもどうしても諦めきれないこと、頭でわかっていても抗えないこともあります。

天比古の場合はそれが額田への思慕でしたが、その形は人それぞれ。

ただ彼が、信じていたものが幻であったという現実に気づいた時に落ちていくところが哀れです。

彼を見守る人たちも痛々しい。天比古には早く立ち直って!とエールを送りたいです。

 

天比古役の柚香光さん

れいさんが登場すると舞台が華やぎますね〜☆

そして、歌と台詞回しもステップアップされてますね( ˊᵕˋ ) まだまだ伸び代があることは大きな楽しみです。

この天比古役は地味ながらインパクトは強く、難しい役だと思います。

彼のサイドストーリーがあるから物語に深みが出ます。

本来はじっくりとこの役を深めていって長く演じてほしい気持ちもありますが、2番手スターとしての役割も大切なことですから・・明日からは大役の大海人皇子ですね^ - ^

ぜひ頑張ってほしいです

 

額田女王役

さて、このストーリーのヒロイン額田女王

彼女については以前、記事にしたので詳しいことは省きますが、とにかく時代を代表する二人の皇子から愛された才気あふれる女性。

二人の皇子が兄弟であることや、彼女の姉が中大兄の妻の1人であることが、より状況を複雑にしていきます。

宝塚ではこの才能豊かで、優れた歌人でもある額田女王を、恋に揺れ動く一人の女性として描いています。

 

額田女王役の仙名彩世さん。

ヒミコとシーラ夫人役しか知らない私は、初めてこのような恋に翻弄される役のゆきさんを観ました。

大人っぽい方なので、やはり大海人に嫁いでからの演技が光ります。

中大兄に誘惑される場面も、大海人に本当の気持ちを問いただされる場面も素晴らしい演技、やはり実力派の方なんだなぁと感じました。

比重的には二人の皇子に匹敵するくらいの、物語の要となる大きな役です。

ただ美しいだけでは厳しいと思いますが、ゆきさんは歌も演技も全体的に良かったと思います。

 

余談になるのですが、疑問に思ってることです。

彼女(額田)の名前の表記ですが、

万葉集では 額田王  ←これが一般的。

日本書紀では額田女王

宝塚では額田女王となっています。

ずっと前から、万葉ロマンなのに額田女王の表記であるのが不思議でした。

額田王だと男性的な感じがするからかなぁ?(しかもおじ様っぽい^^; ) と、思ったり。

まぁ、本当のところはわかりません。

 

中臣鎌足役

彼はこの後かなり成功を収めることになる人物ですね。

劇中では、傷ついた額田女王の姉の鏡女王を嫁に迎えますが、史実でもそうであったみたいです。

中大兄皇子の鏡女王への気持ちはすっかり冷えていた。そこへ、鎌足は彼女を正室として迎えたわけです。

またこれは中大兄に忠実だった鎌足へのご褒美でもあったというから驚きです。

いずれにせよ鏡女王にとっては、中大兄と名ばかりの夫婦であるより幸せだったのかもしれません。

男気ある鎌足役を瀬戸かずやさん。

ポーの一族に続いて渋い役どころ。

安定した演技のあきらさんならではの鎌足だったと思います。

鏡女王の桜咲彩花さんのしっとりとした演技は、鏡女王の苦しみや悲しさを共感することができました。

 

長くなりそうなのでここまでにします。

次回で終わる予定です^^

 

花・うさぎ

www.wind-waltz912.com