華麗なるギャツビー
久しぶりのシアター・ドラマシティ
収容人数900名ほどのこの小劇場が好き。
小劇場といっても、後方から観る舞台は遠い。
遠くて大きくて立派だ。
凄いね、れいこちゃん!
おめでとう!
Musical『THE LAST PARTY 』 の出演者は17名。
宝塚の華やかさ、キラキラに頼れず、舞台セットも最小限。
月城かなと主演の舞台に『ラストパーティ』が選ばれた理由を考えてみる。
雪組時代のれいこちゃんの新公主演作品は
『Shall we ダンス?』『一夢庵風流記 前田慶次』『星逢一夜』
そしてバウ初主演は『銀二貫』
雪組らしく和物が多く、演技力が重要視される作品ばかり。
本役では様々なタイプの役を経験して、そしてラストパーティ。
これまでの道のりを試される時なのかもしれない。
外枠はシンプルでいて、内側がヘビーなこの作品で。
研10という節目の年にきて、月城かなとはもう上へ進むしか道はないのだから。
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れいこちゃんの役はTSUKISHIRO。
このTUKISIROが舞台でスコット・フィッツジェラルドを演じるのです。
なので、ここではれいこちゃんをTSUKISHIROではなくてスコットとして、ストーリーを追いながら進めていきたいと思います。(他のキャストも同様)
スコットとゼルダは、
出会うべくして出会った2人であり、
出会ってしまった2人でもあった。
2人のことはそう思わずにはいられません。
ゼルダはあまりにも奔放で破滅的な人生から映画や舞台で演じられることも多い女性です。
彼女の子供の頃からのエピソードから察するに、もともと危険な要素を持ち合わせていた女性であったと思います。
美しく若くて華やかで奔放で危険な香りの人。
若いスコットが夢中になったのも無理はないでしょう。
さて、前半の月城かなとさん。
ゼルタとの結婚を夢見て、小説家として成功するという目標を持つ若き日のスコットを、生き生きと演じてくれました。
美しく華があるビジュアル、堂々とした立ち姿は十二分に舞台で生えます。
ゼルダ役の海乃美月さんは演技も歌も上手です。
ただ、うみちゃんは繊細な雰囲気が持ち味で、細面の大人しい顔立ちの美人。
見た目はゼルダの放つ毒々しい美とは真逆のタイプなので苦労されたかもしれません。
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ストーリーは進みます。
スコットは小説家としての才能を開花させて、瞬く間に時代の寵児に。
成功、名声、美しい妻、ニューヨークでのセレブな生活
全てを手に入れたスコット。
派手好きのゼルダとともに、連夜のパーティで酔い潰れる。
大衆作家として売れ続けたい気持ちと、芸術作品を追求したい気持ちが交錯する。
自堕落な生活がいつしか彼の才能をすり減らしていく。
スコットとゼルダはどこか似た者同士。
激しい性格の2人は次第にぶつかり合うようになってきて・・。
れいこちゃんは序盤からほぼ出ずっぱり。
膨大なセリフですね。
滑舌が良いのでセリフが明瞭で聞きやすく、歌がとても良くなっています❤︎
れいこちゃんの台詞回しは基本優しいので、きつい口調になっていくスコットにドキドキして引き込まれていきます。
贅沢三昧の生活をやめられず、借金しながらの生活が長く続くわけもなく。
栄華から少しずつ翳りが出てきた様子の2人の演技が光ります。
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全てをやり直そうと2人はニューヨークを離れて南仏のリヴィエラで暮らし始める。
そこで、スコットは「華麗なるギャツビー」の執筆に没頭するようになる。
孤独感を深めるゼルダは1人の海軍航空士官と親密な関係になってしまう。
スコットの怒り。
絶望したゼルダの自殺未遂。
この頃からゼルダは壊れていき、失意の2人はリヴィエラを後にする。
ストーリー中盤の盛り上がり。
やりきれない場面が続きます。
この舞台は最後までセットチェンジがなく、スコットのの書斎も華やかなパーティ会場もリヴィエラの浜辺も全て同じです。
なので注目すべきは演じ手だけ。
その中でも真ん中に立つ月城かなとが担う役割は当然大きいです。
また、最初はゼルダとイメージが違うかなと思っていたうみちゃんは、どんどんとゼルダになっていきます。
2人の演技に引き込まれていきます。
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スコットの代表作にして名作である「華麗なるギャツビー」
昔読んだ記憶があります。
村上春樹さんが最も影響を受けた作品というのも有名ですね。
彼の著書「ノルウェイの森」にも出てきました。
ディカプリオ主演の映画もヒットしましたし、宝塚でも雪組と月組で上演されています。
ただ残念なことには彼の生前中には売り上げ2万部、大ヒットにはなりませんでした。
現在は毎年50万部売れています。
あの頃の私は面白かったという読後感でしたが、今読むと多分違った感想になると思います。
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ニューヨークへ戻る前、パリでスコットに新しい出会いがあります。
ヘミングウェイ暁千星さん❤︎
ありちゃん登場です!
静かで深く見応えのあるストーリー、次に続きます。
月うさぎ
↓感想②