星組『ロックオペラ モーツァルト』感想の続きです。
凪七瑠海のサリエリ役
モーツァルトに敵対するサリエリ役のかちゃさん(凪七瑠海)は舞台に大きな足跡を残したと思います。
1幕はプロローグだけの登場ですが、2幕からがグイグイと存在が増してきます。
モーツァルトへの嫉妬、確執など演技も絶妙、
またダンスや歌の表現力も上手くて、ジェラシーダンサーを従えて歌うシーンなど見応えたっぷりでした。
曲も素敵で、歌いこなすかちゃさんもかっこいい。←クールビューティ
ことちゃんとかちゃさん、そのままモーツァルトとサリエリとして対照的な2人をお互いの持ち味を崩さず演じきったことが、ラストへの緊迫感へと繋がっていったように思います。
去年から、蘭陵王、松本良順、サリエリとどの役もきっちり演じられているところに役の振り幅の大きさを感じました。
それでもこうして3役を並べると、かちゃさんはやはり蘭陵王やサリエリなどスタイリッシュで美しくキラキラした役が似合う人のように思えます。
その他の配役の皆さん
悠真倫 / レオポルト
才能がありながら破天荒な生き方をする息子モーツァルトを遠くから見守る父親。
愛ある厳しさが伝わるような奥行きのある演技でした。
音波みのり / セシリア
4姉妹のたくましい母親をはるこちゃん熱演!恐妻ぶりが面白くてかっこよかった。
いつもの上品なイメージを覆すような迫力満点の演技に注目です。素晴らしい。
紫藤りゅう / ローゼンベルグ
イケメンりゅうくん、笑いを取る役をコミカルに演じていました。
これからは宙組での活躍楽しみにしています。
小桜ほのか / アロイジア
コンスタンチェ(舞空瞳) の姉役ですが、美声を生かせる大きな役です。
4姉妹の姉としてちょっとプライドの高いところなどの演技も良かったです。
極美慎 / フランツ
ビジュアル良くて華があるのでどこにいても目立ちますね。
そして、4姉妹の4女ゾフィー役の星蘭ひとみさん
お人形のようとよく表現されてますが、私もずっとそのように思ってました。
星蘭ひとみさん専科異動について
宝塚が誇る美女・星蘭ひとみちゃんの専科への異動が発表されました。
今後は映像を中心に出演する予定で、異動後に最初に出演する公演は未定とのことです。
専科は元々ダンス専科や演劇専科、声楽専科などに細分化されてました。
例えば松本悠里さんは舞踊専科でした。
舞踊に秀でてらしたからです。
けれどいつしかその制度はなくなり、2000年には新専科制度(正式名ではない)と形が変わったり、それもまたなくなり…と、変化があり、明確な専科の意味合いが分からないところもあります。
専科が細分化されていた時代には映画(映像?)専科なるものがあったようですね。
これは私は覚えがないのでもっと昔の話になります。
八千草薫さんなど。
なので今回の専科移動はむしろひと昔前に戻ったかのような、そんな印象を受けました。
映像専科もなくなりその後在団中に外部出演された、遥くららさん、黒木瞳さん、純名里沙さんなど、
この3人は戻ってからトップ娘役になられて大活躍でした。
遥くららさんと黒木瞳さんはビジュアル特化型(←若い抜擢の為)、純名里沙さんはビジュアルも実力もあったと記憶しています。
ひとみちゃんの場合どのような展開になるかはまだわかりませんが、また舞台に戻られると思うので、この挑戦が彼女にとってプラスになるように期待したいです。
最後に
新生星組トップコンビの礼真琴さんと舞空瞳さんは実力はもちろん、フレッシュで爽やかな素敵なコンビです。
ここに愛月ひかるさん、天寿光希さん、瀬央ゆりあさん、有沙瞳さんなどバラエティに富んだメンバーが加わり新しい星組の歴史を作っていくのですね。
『ロックオペラ モーツァルト』は礼真琴さんの持つ躍動感やエネルギーをぶつけられる新しい感覚の舞台で、とても楽しめました。
東京千秋楽まで駆け抜けてください。
星・うさぎ