月城フランツと風間ルキーニ
22日『エリザベート』3度目の観劇感想です。
美弥るりかさんが休演、代役はフランツ役に月城かなとさん、ルキーニ役に風間柚乃さん。
突然のことで切り替えが大変とは言え、二人ならそこそこしっかりと演じきることが出来ると思ってました。
観終わって、
しっかり演じきるという予感は的中。
そこそこ、というのは見当違いな言葉でした。
■今回の代役
フランツ・ヨーゼフ・・・月城 かなと
ルイジ・ルキーニ・・・風間 柚乃
ルドルフ・・・暁 千星
エルマー・・・蓮 つかさ
シュテファン・・・彩音 星凪
暁さんと蓮さんはそれぞれ役替わりで演じているので、まず安心です。
シュテファン役の彩音さんもよく頑張られたと思います。
月城かなと / フランツ役
月城フランツは、れいこさんの立ち姿や端正な顔立ちが、オーストリア皇帝という真面目で悩み多きフランツのイメージにピタッとはまりました。
また、私はれいこさんの思いを込めた歌を聞くのが好きなので、フランツの歌もとても良かったです。
母親ゾフィーに弱いところ、シシィに夢中になるところなども自然な演技で、前日までルキーニ役を演じていた人とは信じがたい見事な変貌ぶり。
はまり役でした。
代役ってどれくらい練習するのでしょう。
いつも思いますが、タカラジェンヌの皆さんは凄いですね。
今回のれいこフランツの好演は、美弥さんの休演の上に成り立った思わぬ副産物です。
この日を待ち侘びてこられた美弥さんファンと、何より美弥さん自身の胸中は察するに余りあります。
そして、どれほどフランツ役が合っていようと、やはりれいこさんにはルキーニ役を演じ切ってほしい気持ちが強いです。
月城ルキーニと美弥フランツについて少し
1度目と2度目の観劇で、れいこルキーニは少し役作りが違っているように感じました。
1度目は狂気に満ち満ちた迫力あるルキーニ。
こちら方は私たちがイメージしやすく分かりやすいストレートなルキーニ。
2度目は狂気は抑え気味に、でも静かな不気味さを感じさせる、むしろ危ないルキーニ。
こちらはれいこさんを観察していると良く分かる繊細な演技。
かなり考えて役柄を作られるタイプなのか、面白いと思いました。
今回はどのようなルキーニなのか楽しみにしていたのです。
それは優しさ溢れる美弥フランツも然り。
特に2幕になって、エリザベートとすれ違っていく哀愁漂うシーンの数々は、美弥さんならではの味わい深さが秀逸です。
そして、美弥さんのいない月組はやはり寂しいですね。
一日も早く元気になって戻ってきてほしいです❤︎
―――*☼*―――
ところで、宝塚におけるフランツ役とルキーニ役について兼ねてから思うところがあります。
これはまた『エリザベート展』の感想を書く時にでも呟いてみようかなと思ってます^^
風間柚乃 / ルキーニ役
風間さんは、新公でのルキーニ役が絶賛だったとはいえ、本公演での大役の代役。
ですが、まだ研5というのが信じられないほどの圧巻の演技でした。
ルドルフ役も良かったですが、ルキーニ役は風間さんの力のある声をより生かせるようにも感じました。
ルキーニの独特の危うさや細かな演技はれいこさんにかなわないまでも、思い切りの良さと迫力ある台詞回しには感心しきり。素晴らしい!
声が綺麗に響くんですよ。
舞台人として、とってもいい声。
なのでストーリーテラーとしても、歌も上手くて、見事なルキーニでした。
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☆今回の二人の転身☆
(月城)ルキーニからフランツへ
(風間)ルドルフからルキーニへ
ルキーニは、いつも猫背で小汚い感じじゃないですか (๑˃̵ᴗ˂̵)失礼!
好きですけど♡
服は、いつも白黒のシマシマ・・いえ、ボーダー柄の一張羅^^;
一方フランツはさすがオーストリア皇帝。
いつもゴージャスな装いで、お髭の生え方さえも上品。
ルドルフは繊細で気品のある皇太子。
れいこさんは、(小汚い)ルキーニから、ロイヤル感溢れる美しいフランツへ。
風間くんは、お洒落で清潔感あるルドルフから、(シマシマの)ルキーニへ。
切り替えがホントに大変だっただろうなぁ^^;
備えあればこそ
22日は加美乃素本舗さんの貸切公演でした。
公演終了後、イメージキャラクターのれいこさんは真っ赤な薔薇を、珠城さんは青い薔薇、愛希さんはピンクの薔薇の花束を、それぞれ贈呈されました。
薔薇の花束を抱えるれいこさん、幕が降りてホッとしたことでしょう。
今回の公演は美弥さんの穴を埋めるべく月組組子が一丸となった見応えある舞台でした。
特にれいこさんと風間さんの二人には割れんばかりの拍手でした。
備えあればこその好演。
月組「エリザベート 」感動しました。
月うさぎ♡