風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』感想⑤ 望海風斗 ヌードルスを生きる

 

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『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』舞台を4度観たところで映画を見ました。

もう少し先で見るつもりでしたが、先週体調を崩して雪組観劇が1回流れてしまったこともあり熱が下がった頃に予定を早めてこっそり見ました。

 

いや〜これはもう、、
よくぞこの映画をミュージカル化して、宝塚で、望海さんで上演してくださいました。

小池先生の長い年月の熱い思いに、運命の女神が望海風斗さんを与えてくれた、ということなんですね。(プログラムより)
この結実の刻に望海さんのファンでいられたことはとても嬉しいです。

 
「映画」と「舞台」テーマは同じでも、伝え方は全然違います。

映画の中には名優「ロバート・デ・ニーロ」演じる素晴らしいヌードルスが存在して、

宝塚では「望海風斗」ヌードルスも舞台で彼の人生を見事に生き抜いています。

映画を見てからの観劇は今日が初めてです。
少し映画の話も絡めながらの望海風斗さんとヌードルスについての感想です。
細かいところには触れません。
それでもネタバレを含みますのでお気をつけください。

 

デボラと赤い薔薇


宝塚ならではの演出の一つが赤い薔薇
時代ごと薔薇がに印象的に使われてて、ストーリーのドラマティック性を高めています。

何年かたってこの舞台を思い出す時には赤い薔薇の花も頭に浮かぶと思います。

 

少年時代のやんちゃな望海ヌードルスが本当の少年のように若々しい動きで、うちの息子たちのガサツな活発な行動を思い出し毎回楽しんでいます。

夢見る2人が歌うのは ♪皇帝と皇后
醜いアヒルも白鳥になれる いつか皇帝に。
サナギが蝶になるように いつか皇后に。

ちょっと大人びた雰囲気の真彩ちゃんのデボラと戴冠式を真似っこするシーンなど、可愛くて感動もの!

デボラにプレゼントするのは可愛い薔薇のブーケです。
ヌードルスらしくストレートに、でも薔薇のブーケなんて意外とロマンチストですね。

だいきほの少年少女時代の生き生きとした演技と歌は、物語の根底となる大切な時代をしっかり作り上げていて流石だと思います。


次に薔薇の花が出てくるのが1幕の終わり。

例の青年時代の素敵になったヌードルスが海辺のホテルで、真っ赤な薔薇を敷き詰めて…の豪華なシーンです。→ネクタイほどくとこ

ここでは男役17年「望海風斗、大人の色気」←強調! が余すことなく発揮されます!

色気だけではありませんよ。
デボラが去った後は、思い通りにならないもどかしさ、怒り、悔しさ、絶望、切なさ、哀愁…
一気に諸々の感情が溢れ出します。

マックスやデボラが過去を振り返らずにトップを目指して進んで行くことに、ついていけないヌードルス。

真っ赤な薔薇の花をバックにヌードルスが歌うのは ♪愛は枯れない 
このシーンは1枚の絵のように鮮やかに脳裏に焼き付けられます。


そして壮年期、ここで出てくるのは1輪の赤い薔薇です。
ヌードルスが準備したものではなくて、キャロルが落とした忘れもの。

デボラとの偶然の再会と偶然拾った1輪の薔薇。
2人の胸に去来したものは?

ここで切ない絶品の大人デュエットあります。

 ♪愛のひとひら
愛のひとひら、心に埋めたとしても再び息づくことはない。

ある種純愛として描かれている2人のラブストーリー、私は好きです。

こうして時代ごとに2人を薔薇が彩ることで、映画にはないドラマティックな世界観が創られました

赤い薔薇の花言葉は「あなたを愛しています」
薔薇は色や本数によっても花言葉が変わるそうです。

 

ヌードルスと「ダビデの星」


ヌードルスが熱唱する ♪ダビデの星
ユダヤ人のヌードルスの宗教観や歴史的背景を考えると理解できる歌です。

私の個人的な解釈ですが、 ダビデの星の歌詞の中に、
今日まであなたの存在を信じなかった、
とあるので、元々ヌードルスに深い信仰心はなかったのかもしれません。

でもやっぱりユダヤ人、危機に陥った時、彼が最後の最後に問いかけるのは、人ではなくダビデの星 (ユダヤ教の唯一神) なのだと。
日本の宗教観とは全然違うんですね。

 

映画では、デボラとの会話からヌードルスが毎日聖書を読んでいると言うことがわかります。
それなりに信仰心はあったようですが・・
ここから小池先生はダビデの星へと発想を飛ばされたのかなと。( 知りませんけど>_< )


この歌はヌードルスの神への問いかけ、神への叫びとして心に響いてくる歌です。

 

昔、アメリカで…

 

『ワンス アポン ア タイム イン アメリカ』

  ー昔アメリカでこんなことがあった

 映画は3つの時代が行ったり来たりシャッフルされていて複雑な構造になってますが、それが独特の味わいを出していてそれは素晴らしい作品です。ハマりそうです。

舞台でそれは不可能ですが、時系列に進行することですっきりとして分かりやすくなっていることや、宝塚ならではの華やかさがあること、
そして何より望海風斗、真彩希帆の卓越した歌唱力と表現力でこの作品を上質なものにしていると思います。


ギャング作品なので、銃撃戦、強盗、襲撃、裏切りや破滅などたくさん描かれていますが、観終わって私の心に湧き上がってくるのは、とても静かな感情です。
郷愁であったり人生の悲哀だったり。


好きな人と報われることがなくても、友を思うあまり裏切っても裏切られても、散々なことがあるのが人生だよと、
そんな人生を振り返りながらヌードルスが最後に歌う ♪ONCE UPON A TIME IN AMERICA

苦しみを受けることで人は何かを悟る、最後のヌードルスからそんなメッセージも受け取りました。


ヌードルスがあの懐中時計を握りしめて消えて行く背中に、貧しくても寄り添うように皆んなと一緒に過ごした少年の日々や、デボラがいたが映るようで、、

私の中では望海さんとヌードルスが完全に一つになっています。


もう一度観劇とライビュの予定があるので、続きを書くとすれば(曖昧発言)その後になります。


雪・うさぎ

 

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