風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

花組『MESSIAH』感想② 柚香光 / 鳳月杏 / 水美舞斗「リノ」

 

『MESSIAH』観劇感想②です。(少し内容に触れます)

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今回は鳳月杏さん、水美舞斗さん、柚香光さんのそれぞれ感想です。

 明日海りおさん、仙名彩世さん、瀬戸かずやさんについての感想①はこちらから ↓ ↓

 

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メサイアの松倉勝家(鳳月杏)は、正真正銘の悪役でした。
ちなつさんは以前、悪役をやりたいと言われてましたが今回願いが叶いましたね(//∇//)

善と悪は、場合によっては物事の見方で変わることがありますが、どこからどうみても見事な悪役ぶりだったと思います。

 

やっぱり歌も演技も上手い人です。
それだけに今回の舞台は、ちなつさんの実力からしてはやや物足りなく感じました。

ちなつさんを松倉役にキャストするのは良いのですが、それならば松倉の人物像をもう少し深みある脚本にしてほしかったかな〜
けどあまり松倉を深く描くと怖くなり過ぎるかもですね (^^;;

インパクトは十分にありましたしね。

新しい面を観たという点では良かったですが、
中大兄皇子のようながっつりお芝居もまた期待したいと思います。

 

✽+†+✽――✽+†+✽


松平信綱(水美舞斗)はすっきりとした男前!
何と月代が似合う美しい老中でしょう。
マイティはいつも控えめな印象を受けます。
よく言えば上品な感じ。

松倉勝家(鳳月)とは対照的に冷静で理性的な人物です。
そういう意味ではマイティの役作りは良かったと思います。
信綱の渋いところや知的なところは十分感じられたので、あとは強さや貫禄が出ればより深みのある信綱になると思いました ^ - ^

 

柚香光さんと同期のマイティには、れいさんとは違ったオーラがありますね。

2人の息が合えば、更に輝きが増すはず。
そうなれば最強コンビになるかもしれません。


✽+†+✽――✽+†+✽


山田右衛門作(洗礼名  リノ)柚香光さん☆
かなり2番手の役として比重の重い役です。

この作品で私が1番好きな役でもあります。

人物像のわかりやすい役が多い中で、とても難しい役だと思いました。

リノはキリシタンの島民ですが、どこか孤独でひっそりと生きているような絵師の青年です。

言葉には出さないけれど、 流雨のことが好きなのでしょう。

聖母マリアのモデルとして流雨を描いているのです。
繊細でいて静かだけど、心の中に熱いものを持っているように感じました。

 

私はれいさんの声はもともと好きですが、「声」が「歌」となると確かに課題点があるかもしれません。
今回は歌う場面も多く、かなりステップアップされているように思いました。
ショーの方はまだ少し難があるようにも感じましたが、公演毎に向上されているので問題はないと思います。そもそも誰しも課題点はあると思うので。

とにかく舞台が華やかになる。
暗い役でもキラキラ☆
これは誰もが出せるものではないので、れいさんの大きな賜物(キリスト教的に)として、これからも邁進してほしいと思っています♡

 

さて、一人生き残るリノ。
それが自分の使命だとしてもリノは苦しみます。
リノのように真面目で純真なタイプの人にとって、自分だけ生き残ることは重い十字架を背負って生きて行くようなものかもしれません。

結果的にリノが生きることで、島原の出来事が後世に語り継がれることになったのですから、四郎らの判断は正しかったのです。
運命に抗えず死なねばならない命もあれば、死んではいけない命もあるのです。

 

声にもビジュアルにも切なさが滲み出て、抑えた演技で大きく前進したれいさん☆

とても良かったと思います❤︎
次はコメディで主演ですね。
更に進化していくれいさんを期待しています。


✽+†+✽――✽+†+✽


このストーリーの登場人物の多くは、自分の進むべき道を持つ人たちでした。


自分の視点で善と悪の区別をきっちりつけて、ぶれない。
それは命をかけるほどの強さ。
現代に生きる私たちにとっては難しい生き方に感じます。

彼らから見ると、私達は善と悪を見ようとはせず霧の中を歩いているようなものかもしれません。


花組さんの華やかで美しい舞台の中に、四郎の生きた時代の人達が生き生きと描かれていて良い舞台でした。

そして明日海りおさんの四郎はまさしくMESSIAH!でした☆


花うさぎ

花組『MESSIAH』感想① 明日海りお / 仙名彩世 / 瀬戸かずや「沈黙の神」


『MESSIAH』観劇感想①です。
                    *内容に触れます。

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天草四郎が実は倭寇 (海賊) の出自だったという、大胆な設定のもとストーリーが始まります。
これはいろいろな面で効果的で面白い発想だと思いました。

 

まずプロローグで海賊・夜叉王丸(明日海りお)として登場する場面がかっこいい !

 

もう1つ、天草四郎はどうしても少年のイメージがありますが、この設定でグッと大人のイメージになります。
ポーではバンパネラの少年役を見事に演じましたが、今回は大人の明日海りおを見たい!

そういう意味でも効果的に感じました 。

 

メサイアの登場人物は大きく2つのグループに分かれます。
天草・島原の島民と幕府軍と。

四郎は海賊ということなので、最初はどちらにも属していないことになります。


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嵐に見舞われて流れ着いた天草の浜辺


天草の島民の小左衛門役に瀬戸かずやさん☆
ポーに続いてとても印象に残るいい役です。
いつも出過ぎることなく、さり気なく手堅くその役になりきるあきらさんですが、今回も優しくて男気のある小左衛門を好演。

元武士と言うだけあってビシッと渋く決まっていて、とても頼れそうでした。


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この天草の地で、夜叉王丸は名前を四郎と改め、徐々に島民に対しても心を開いていきます。

ここまでの流れは急展開ながら不自然さもなく、とても分かりやすいです。


ここで海賊時代の四郎の仲間が2人登場!

不動丸 (飛龍つかさ)と多聞丸 (亜蓮冬馬)

元気があっていいですね。

ストーリーを通して大活躍です。


✽+†+✽――✽+†+✽


四郎は対岸の島原で出会った流雨(仙名彩世)とお互い惹かれ合うのですが、今回も恋愛要素は少なめです。


みりゆきは5組の中でも一際しっとりと落ち着いた安定感のあるコンビという印象があります。
2人のデュエットも綺麗♡


流雨(るう)は実在の人物ではありません。
もう少し2人の恋を膨らませても良いのではと、最初は少し残念に思いましたが、

そこに重きを置くと四郎と島民達との繋がりが希薄になったり、幕府軍の場面が少なくなり、ストーリーの厚みが減るかもしれません。


その辺のバランスを考えると、2人の恋愛はこれがギリギリのところなのかもしれません。


✽+†+✽――✽+†+✽


四郎が神のために命も捨てる覚悟の島民達に向かって叫ぶ。


「神は苦しんでいる人の前になぜ沈黙するのか」


ここでの四郎の叫びはとてもいい。

思いの丈をぶつける。


そして(私は)、神の沈黙こそこのストーリーのテーマだと思っています。


一昨年『沈黙』(遠藤周作原作)という映画を観ました。
劇中BGMなど音楽も何もない映画。
江戸時代のキリシタン弾圧のストーリーです。
ここでも主人公が叫びます。
「なぜ神は我々に苦しい試練を与えながら、沈黙したままなのか?」


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神は、この世でどんなに逆境に苦しむ者にも手を差し伸べることはありません。
キリシタンの神の救いは、はらいそ(天国)にあるからです。
神を信じた者だけが行くことができるところです。
この世では、限りある時間しか生きられませんが、はらいそ(天国)では永遠の命を約束されるのです。

 

後にキリシタンになった四郎が語ります。

「(沈黙の)神は私たちの心にいる」


✽+†+✽――✽+†+✽


その後、四郎はキリシタンになり、皆んなのリーダーになります。
四郎は自分を救ってくれた心優しい島民に出会った時から、少しずつ信仰を深めていたのかもしれません。


そして、メサイアとして島民と共に立ち上がるところは、かつての海賊の頭目としての四郎を彷彿とさせるものがあり、ここでも海賊であったという設定が生きているように思えました。


熱いみりお四郎
それに寄り添うゆき流雨
悲劇へと向かう2人と島民たち


沈黙の神


✽+†+✽――✽+†+✽


四郎と流雨の恋はあまりに純粋で美しいです。
海賊で鳴らした四郎にとって、心美しい流雨は、リノ(柚香光)の描く聖母のように清らかであったのかもしれません。


恋愛要素は少なめと書きましたが、少ないから余計に逆境に立たされた時の2人の結びつきの強さを感じられました。


短い一生の中で、そのような愛に出会えた2人は、この世でも幸せであったのだと信じたいです。
 
✽+†+✽――✽+†+✽


花組はみりおさんがトップになって4年目ということもあり、とてもまとまりのある組だと思いました。
柚香さんたち次代を担う世代の成長著しく、
あきらさんやちなつさんの存在は大きく、
トップコンビとしても1年が過ぎて
まさに充実期と感じます。


✽+†+✽――✽+†+✽


最後、島民達を率いて戦う四郎は、本当に素敵です☆

次々と倒れていく仲間たち

小左衛門も
最後は流雨も四郎も・・。
悲しい結末となりました(涙)


『MESSIAH』は、ストーリーがシンプルな展開になっていてわかりやすい。

また主題もきちんとしていてとても良い作品だと思いました。

それと歌も良くて、特に四郎が流雨に恋した時に歌う歌が好きです❤︎


他にも魅力的な人物がいろいろ出てきます。

柚香光さん、鳳月杏さん、水美舞斗さんの感想はこちらから ↓ 
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 ☆BEAUTIFUL GARDENの感想です↓
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宝塚『89期生』Vol.2~瑠璃色に輝く4つの海~ 2018年・夏

 

89期生(男役)についての2018年夏のレポートです。(途中妄想が入ります(//∇//)

 

春バージョン、よろしければこちらから↓
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まずは花組の89期生✳︎明日海りおさん✳︎
今日は宝塚大劇場公演』『MESSIAH −異聞・天草四郎』『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』の初日でした。

おめでとうございます!

天草四郎は実在した人物ですが、舞台では夜叉王丸と呼ばれた海賊であったという設定だそうです。
内容など全く想像がつきませんが、ぜひ観劇レポしたいと思います。

みりおさんは花組の、また宝塚の顔としてトップになって4年。
年々歌や演技に深みが出てきていると感じています。

来年の『CASANOVA』絶対素敵ですよね

雑誌などで見かける、みりおさんの感性や発想力はとても好きです。
また話すとゆるふわな感じで、舞台とのギャップも魅力です

 

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:

 

月組の89期生*美弥るりかさん*
先日まで『雨に唄えば』に出演されてました。
楽しいミュージカルと聞きましたがいかがでしたか。

今は次の舞台『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』のフランツ役に向けてのお稽古真っ只中です。
あの魅惑のスイートハートがどのようなフランツ・ヨーゼフになるのか楽しみです。

美弥さんは月組において大変大きな役割を担ってられますね。
若いトップと3番手を支え、自身もますます輝いて

ファッションも個性的な着こなしが似合っていておしゃれな印象の美弥さん。
普段の美弥さんはどんな方なのか、ミステリアスなところも素敵です☆

 

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:


星組の89期生*七海ひろきさん*
現在東京宝塚劇場『ANOTHER WORLD』『Killer Rouge』出演中です。
アナザーワールドの喜六、天真爛漫で可愛くて大好きでした
かいちゃんの魅力は美しいビジュアルはもちろん、大らかな演技も魅力です。

その後は別箱で『Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト ファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』『Killer Rouge』
秋にはいよいよ台湾公演が控えています。

かいちゃんと言えばイケメンひろきお兄様
「男役に恋してほしい」 とサラリと言えるかっこいい人です。

来年の宝塚大劇場は星組公演『霧深きエルベのほとり』『ESTRELLAS ~エストレージャス, 星たち~』で幕開けです。
新しいお兄様に出会えそうですね☆

 

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:

 

ここで少しひと休みです♪

Vol.1春バージョンでやりました、望海さんと同期生の共演を今回も妄想してみます。

前回は、ジゴロ美弥るりマフィア望海風斗の妖しい色気対決と
刑事七海ひろきスパイ望海風斗の激しいアクション対決でした。

前回、望海さんは黒い役ばかりだったこと反省しています(マフィアもスパイもかっこいい役なんですけどねー)

それで、今回は望海さんにはヒロイン役をお願いしたいと思います(//∇//) 
今回は具体的な公演名で。

『風と共に去りぬ』

バトラー明日海りお  / スカーレット望海風斗

男っぽいみりおバトラーと情熱的な望海スカーレットはなかなか良いのでは〜(๑˃̵ᴗ˂̵)

『激情』

ホセ凪七瑠海   /  カルメン望海風斗

妖艶な望海カルメンに翻弄される凪七ホセ。思い切りこってりと演じて欲しいです。

 

学年が上がるにつれて同期との共演は難しくなってきます。

いっそのことドーンと5人で共演してほしいです!(最後はざっくりまとめる)

 

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:

 

専科の89期生*凪七瑠海さん*
かちゃさんは11月の花組公演『蘭陵王(らんりょうおう)—美しすぎる武将—』の主演という発表がありました。
とても喜ばしいことですが、かちゃさんについては色々な憶測がなされていて、取り分けファンの方にとっては悩ましい日々でもあるようです。

秋になれば『蘭陵王』のお稽古が始まります。
美しすぎる武将と言うのも、かちゃさんなら納得でしょう。

高身長に長い手足、綺麗な顔、歩き方も美しいのですから。
もしこの先望海さんに同期共演の可能性があるとすれば、かちゃんさんです。
実現したら嬉しいです
その時はもちろん、男役同士でガッツリと !

 

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:


最後は雪組の89期生*望海風斗さん*
星組公演の後、東京宝塚劇場は『凱旋門』『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~の初日を迎えます。

望海さんはボリスとガートボニートでこの夏を駆け抜けます!
その後少しはお休みがあるのでしょうか。

11月には『ファントム』が控えているので、暫し休息の時を迎えてほしいです。
望海さんに関しては事あるごとにその魅力を語り尽くしているようにみえますが、まだまだ足りていません

最近の困り事は、望海さんが歌うと全て名曲に聞こえてしまうこと^^;

望海さんが歌うから名曲に聞こえているのか、本当に名曲だから名曲に聞こえるのか、わからなくなってしまうことですm(__)m 

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89期生男役の皆さん、2018年の夏も元気です!

暑い毎日で大変ですが、熱い舞台から夢を届けてください(*^▽^)/★*☆

 

ありがとうございました♪

 

『MESSIAH』鳳月杏の演じる松倉勝家について

こんにちは。花うさぎです。

花組公演『メサイア』いよいよお稽古が始まりました。
今日は先日発表された配役の中から、どうしても気になるこの人のことを調べてみました。

松倉勝家・・鳳月杏(ちなつ)さんが演じる人です。
実在する人物ですが初めて聞く名前で、悪人であるらしいということだけしかわかりません。


悪といってもいろいろありますね。
憎めないワル→悪さしても許せるタイプ(大した悪人ではない)
魅了される悪→憧れを抱くのは人間の本質?
ちょい悪→これはまぁ、そのまま^^;
訳ありの悪→悪人にならざるえない過去がある

救いようのない悪→極悪人

彼はどのような悪人だったのでしょうか。


松倉勝家は江戸時代の島原藩の大名
島原城の2代目城主


島原城改修で領民を苦しめたり、凶作でも重税を課したり。

その他にも数々の聞くに耐えない悪政・悪行ぶりが記録として残っています。

これはなかなかの悪人と言えるでしょう。


そしてついに民は我慢の限界に達します。
島原、天草で反乱の計画が進められます。
その中心になるのが天草(益田)四郎、島原の乱の象徴でもある少年です。

つまり、松倉勝家は島原の乱を引き起こす大きなきっかけとなった人物なんですね。

 

結局は天草四郎をリーダーとする島原藩と天草諸島の領民と松倉勝家の討伐軍との戦いになっていきます。

 

・‥…━━━・‥…━━━

さて、調べてみると宝塚で天草四郎を主役にした作品が過去にありました。

1972年9月花組公演『炎の天草灘』という作品です。

この時天草四郎を演じたのは、花組トップの甲にしきさん。

今回の『メサイア』との比較など興味深いのですが、松倉勝家がどのように描かれていたのかという詳しい情報はわかりませんでした。

・‥…━━━・‥…━━━

 

『あかねさす紫の花』では中大兄皇子役を見事に演じ切ったちなつさん。

松倉役は『メサイア』の中でもかなりインパクトの強い役となりそうです。

ちなつさんのこのような極悪人の役を観るのは初めて。

ストーリーを進める上で大きな要となる役だと思うので、演技派のちなつさんの悪役ぶりを注目したいと思います。

 

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 島原城:主な城主 松倉氏 松平氏

1階はキリシタン資料で島原の乱にまつわる資料

2階は郷土資料

3階は民族資料

として、展示されています。

明治以降は廃城となったものの現在は復元

島原の皆さんの郷土愛を感じます。

 

 ありがとうございました ♪

花組ラインアップ(2018年11〜12月)について

こんにちは。花うさぎです。
年末の花組公演が発表されました。
まず三分割公演ということに驚いています。
その中でも私が1番驚いたのは凪七瑠海さんの主演公演かもしれません。

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まず、そこから。
①ロマンス『蘭陵王-美しすぎる武将-』
 ドラマシティとKAAT神奈川芸術劇場
 主演   凪七瑠海


兼ねてから専科へ移動したかちゃさんの位置付けがよくわからず、ご自身も消化不良なのではと思ってましたが、ここへきて花組での主演公演。
かちゃさんにとっても、ファンの方にとってもこの公演は大きな喜びになると思います。

蘭陵王とは実在した中国の武将のようです。
あまりの美しさに戦場では仮面を付けて闘ったということですが、すごい逸話ですね。
これはかちゃさんも演じがいがあるでしょう。
刺客女性とのロマンスも交えたドラマティックな物語ということで、宝塚の王道的なストーリーになりそうです。


②サスペンスコメディ『メランコリック・ジゴロ』
    スパークリング・ショー 『EXCITER‼︎2018』
 全国ツアー
 主演   柚香光


れいさん、ついに全ツ主演ですね!
これはあるかも、とは思ってましたが。
演目が人気作品の『メランコリック・ジゴロ』というのはいいですね♡

楽しいストーリーだし、2番手の役も大きな役なので、相手役を含めてキャストが気になるところです。


③スペシャルステージ『Delight Hoiday』
 舞浜アンフィシアター
 主演  明日海りお  仙名彩世


会場が舞浜アンフィシアターというのは驚きました。
東京ディズニーリゾート内にある多目的ホールで収容人数は2170席も!
東京宝塚劇場より多いんですね。
公演期間は短めですし、トップコンビ主演、チケットは厳しそうですね (^^;;
Delight Hoidayとは、喜びの休日。
クリスマスのシーズンに華やかなステージ
楽しそうですね〜
ディズニーリゾート内での美しいショーということで、これは盛り上がりそうです。
まさにhappyなホリデーとなるでしょう。

 

みりおさん、ゆきさん、れいさん、そしてかちゃさんはそれぞれに初チャレンジとなりますね☆
この3つの花組公演を通していろいろと考えるところはありますが、まだ何もわかりません。

まずは皆さんを応援したいと思います^ - ^
その前に花組の次回公演は『MESSIAH』『BEAUTIFUL GARDEN』
こちらも楽しみですね♡
 

ありがとうございました ♪

花組『Sante!!』ライブ中継感想を少し・ワインの話も少し

花組公演のSante!!〜最高級ワインをあなたに〜ワインの香り漂う大人のショーの感想です。

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序章〜グラン・シャトー (5大ワイン)
美女が5名、自分こそが最高のワインと競い合う場面、華やかなプロローグです。

因みにこの美女たちの扮するボルドー(赤ワイン)の5大シャトーはどれも最高級ワインをとして有名なものですね。
1度で良いので飲んでみたいものです〜☆


そして、酒の神バッカス・明日海りおさん登場!
ホントに美しいです☆


個人的には美しいキラキラのゴージャス系衣装のみりおさんが好きです(o^^o)
なので、ジゴロの黒っぽいスーツ系の場面は柚香さんや鳳月さんに目が行きました。


ビアンデ
みりおさんとゆきさんのダンスシーン
この2人のダンスも素敵です❤︎
そして、
素晴らしい歌声は誰?
映像の悲しいところ、すぐには歌手のお顔がわかりません。
映った!羽立光来さん!
上手いなぁ・・感動しました。
これからも羽立さんの歌が楽しみです。


芹香斗亜さん、そして水美舞斗さん達がいないので寂しさはあるものの、熱いレビューに花組の層の厚さを感じました。
大人っぽい雰囲気の仙名彩世さんにも合っていたし、みりおさんとは一作ごとにコンビ感が高まっていくように思います。


終章〜シャンゼリゼ大通り
華やかなパレード〜グラスを持ち酔いながらSante!! ( 乾杯‼︎ )


素敵なレビュー☆去年に続いて2度目となるショーを、今回は映像から楽しむことができました。


・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚


少しだけワインの話を。
全然詳しくはないのですが、ワインは好きでたま~に飲みます。
ショーのプロローグに出てきたような最高級ワインには全く縁がないですが( ;  ; )
最近気に入っているワインを紹介したいと思います。


ハンガリーのトカイワイン(貴腐ワイン)です。
ものすごくざっくり言うと、貴腐菌のついたブドウで作られた芳醇で甘い白ワイン。
ハンガリーに行った時とても気に入ってハマってしまいました。
日本ではあまりお店で見かけないけれど、通販で簡単に買えます。
一口にトカイワインと言っても、味も値段も色々あります。

私は安価なものを3種類ほど飲みましたが、その中でも美味しく感じたのは一番安いもの ←経済的!(//∇//)v

もしいつかどこかで機会があれば、ぜひお試しください♡

 

花うさぎ

 

花組『あかねさす紫の花』ライブ中継感想③ラストシーン

 

花組博多座公演『あかねさす紫の花』Aパターンの感想③

 

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ラストシーンを中心とした感想です。(内容に触れます)

 感想②はコチラからご覧になれます。↓
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映画や劇を作る時には、ラストシーンから考える方も多いそうですが、

ラストシーンはただの1シーンではなく、特別な1シーンです。

『あかねさす紫の花』のラストシーンも印象に残る名シーンだと思います。

 

 :..。oƒ :..。oƒ :..。oƒ 

 

『あかねさす紫の花のエンディングは、物語の終着点であると同時に、この先の2人の皇子の関係を暗示しています。

更に私たちは、この後の史実が頭によぎることで胸が熱くなるのです。

 

ラストシーンの大海人皇子の明日海りおさんと中大兄皇子の鳳月杏さんの演技は素晴らしかったです。

 

舞台は満開の桜の中、天智天皇(中大兄)の即位の祝宴。

酔いながら遅れて来た大海人皇子は槍を持ちながら祝舞する。

段々と挑発的になる大海人の舞、それを受けて剣を持ち立ち上がる中大兄。

中大兄の「ばかものー!」の一喝

大海人の狂ったような舞と高笑い

            ー幕切れー

 

自信に満ちたちなつ中大兄皇子の素晴らしい演技

優しくて切なげなみりお大海人皇子が最後に魅せた迫真の演技

見事に決まりましたね!

これまでのストーリーは全てここに繋がり、このラストシーンの為にありました。

 

  :..。oƒ :..。oƒ :..。oƒ 

 

このラストシーンのベースとなった史実は「大海人皇子による長槍の事件」

大海人が祝宴で槍を使った舞をしている時に、天智天皇(中大兄)に向かって投げた槍は敷板を貫いたとか。

鎌足のとりなしで、事なきを得たみたいですが・・^^;

 

そしてこの後、壬申の乱へと繋がって行きます。

大海人皇子と天智天皇の太子・大友皇子との戦いです。

この乱の原因はいくつかの説がありますが、そのうちの一つに、額田女王をめぐっての不和関係もあるそうです。

みりおさんを中心とした花組の皆さん、素晴らしかったです。

今回私の中ではAパターンのキャストがすんなりきて、実際に凄く良かったですが、今になってBパターンにも激しく興味がわいてきました^ - ^

完璧に大海人皇子を演じたみりおさんが一転、どのような中大兄を演じるのか

れいさんの大海人皇子、ちなつさんの天比古は・・♡

 

柴田先生(作)が言われるように、『あかねさす紫の花』は先生の解釈と虚構によるロマンです。

史実ではあるものの、想像の余地も多分にある。

美しく、力強く、切なく、悲しく、麗しく、苦しく・・たくさんの感情が胸に湧き上がることで心揺さぶるロマンを楽しむことができました。

花・うさぎ

花組『あかねさす紫の花』ライブ中継感想② /柚香光/仙名彩世/瀬戸かずや

 

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『あかねさす紫の花』ライブビューイング感想②です。

感想①はこちらからごらんになれます。 ↓
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今日は天比古、額田女王、中臣鎌足役の感想になります。

 

天比古役

天比古はひたすら偶像化した幻の額田女王を慕い、人生さえも狂わされていく哀しい人です。

大海人に嫁いだ額田はもはや天比古とは住む世界の違う人。

それでも毎晩、難波の港の舟の中で、対岸の額田のいる宮を見つめている様子には胸が痛みます。

純粋すぎる愛なのか、執着なのか。

馬鹿なことを・・と思わないではないですが、多かれ少なかれ私たちにもそのようなことがないでしょうか。

無理だとわかっていてもどうしても諦めきれないこと、頭でわかっていても抗えないこともあります。

天比古の場合はそれが額田への思慕でしたが、その形は人それぞれ。

ただ彼が、信じていたものが幻であったという現実に気づいた時に落ちていくところが哀れです。

彼を見守る人たちも痛々しい。天比古には早く立ち直って!とエールを送りたいです。

 

天比古役の柚香光さん

れいさんが登場すると舞台が華やぎますね〜☆

そして、歌と台詞回しもステップアップされてますね( ˊᵕˋ ) まだまだ伸び代があることは大きな楽しみです。

この天比古役は地味ながらインパクトは強く、難しい役だと思います。

彼のサイドストーリーがあるから物語に深みが出ます。

本来はじっくりとこの役を深めていって長く演じてほしい気持ちもありますが、2番手スターとしての役割も大切なことですから・・明日からは大役の大海人皇子ですね^ - ^

ぜひ頑張ってほしいです

 

額田女王役

さて、このストーリーのヒロイン額田女王

彼女については以前、記事にしたので詳しいことは省きますが、とにかく時代を代表する二人の皇子から愛された才気あふれる女性。

二人の皇子が兄弟であることや、彼女の姉が中大兄の妻の1人であることが、より状況を複雑にしていきます。

宝塚ではこの才能豊かで、優れた歌人でもある額田女王を、恋に揺れ動く一人の女性として描いています。

 

額田女王役の仙名彩世さん。

ヒミコとシーラ夫人役しか知らない私は、初めてこのような恋に翻弄される役のゆきさんを観ました。

大人っぽい方なので、やはり大海人に嫁いでからの演技が光ります。

中大兄に誘惑される場面も、大海人に本当の気持ちを問いただされる場面も素晴らしい演技、やはり実力派の方なんだなぁと感じました。

比重的には二人の皇子に匹敵するくらいの、物語の要となる大きな役です。

ただ美しいだけでは厳しいと思いますが、ゆきさんは歌も演技も全体的に良かったと思います。

 

余談になるのですが、疑問に思ってることです。

彼女(額田)の名前の表記ですが、

万葉集では 額田王  ←これが一般的。

日本書紀では額田女王

宝塚では額田女王となっています。

ずっと前から、万葉ロマンなのに額田女王の表記であるのが不思議でした。

額田王だと男性的な感じがするからかなぁ?(しかもおじ様っぽい^^; ) と、思ったり。

まぁ、本当のところはわかりません。

 

中臣鎌足役

彼はこの後かなり成功を収めることになる人物ですね。

劇中では、傷ついた額田女王の姉の鏡女王を嫁に迎えますが、史実でもそうであったみたいです。

中大兄皇子の鏡女王への気持ちはすっかり冷えていた。そこへ、鎌足は彼女を正室として迎えたわけです。

またこれは中大兄に忠実だった鎌足へのご褒美でもあったというから驚きです。

いずれにせよ鏡女王にとっては、中大兄と名ばかりの夫婦であるより幸せだったのかもしれません。

男気ある鎌足役を瀬戸かずやさん。

ポーの一族に続いて渋い役どころ。

安定した演技のあきらさんならではの鎌足だったと思います。

鏡女王の桜咲彩花さんのしっとりとした演技は、鏡女王の苦しみや悲しさを共感することができました。

 

長くなりそうなのでここまでにします。

次回で終わる予定です^^

 

花・うさぎ

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花組『あかねさす紫の花』ライブ中継感想① /明日海りお/鳳月杏

 

花組 博多座公演『あかねさす紫の花』ライブビューイングの感想です。

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Aパターン

大海人皇子 明日海りお  

中大兄皇子 鳳月杏  

天比古   柚香光             

額田女王  仙名彩世      

中臣鎌足  瀬戸あきら      

鏡女王   桜咲彩花          

 

久しぶりの『あかねさす紫の花』何度観ても心を動かされる作品です。

以前、額田女王を中心に中大兄皇子と大海人皇子について書いたことがありますが、

こちらです↓

今回は二人の皇子がそれぞれ持ち歌を歌う場面を中心に書いてみたいと思います。

内容に少しふれます。

 

まず、中大兄皇子が美しい女性になった額田女王を誘惑するシーン

中大兄が歌います。

『恋歌』

♪ はじめはどこにでもいる少女と                 

   気にも止めずにいたけれど

 

そうです。中大兄が額田と最初に出逢った時はまだ少女。

中大兄は恋人であった鏡女王の妹としてしか認識していなかった。

でも額田王女はそうではなかった。恋心とまではいかなくても、政治家として時代の寵児であり眩いばかりの中大兄に憧れの気持ちを抱いたとしても致し方ない事。

だって素敵だし、ちなつ中大兄皇子🖤

堂々としていて素晴らしい。

少女と言えども胸がざわざわとした瞬間を彼女はずっと封印していたのです。

 

歌の最後

♪ 私はあなたがほしい

        どうしてもあなたがほしい

 

かなりぐいぐい来ますね  ^^;

額田王女もお手上げ状態です。

この時代は権力者には逆らえない風潮があるのでしょうが、問題はそこではない。

どこかで額田王女が望んでいたことだったと言うのはかなり強引な解釈でしょうか。

そうですね、彼女は確かに大海人を愛していたし平穏な暮らしに幸せを感じていたでしょうから。

それでも、

どこか心に隙があった。

封印していた扉を中大兄皇子によって開けられてしまったのです。

 

この『恋歌』のシーンのちなつさんには、額田王女だけではなく私もぐいぐいと引き込まれました。

中大兄皇子の風格もあり、顔もキリッとしていて適役でした。

そしてやっぱり演技も歌も上手い人。

ゆきさんも上手いので、二人のシーンはとても見応えがあって良かったです。

 

次は大海人皇子が薬狩の後、額田王女を想いながらさまよい歌う、切ないシーン

『紫に匂う花』

額田を紫の花に例えて

♪ 明るい春の陽射しの中に

             陽炎のように現れた

 

舞台における大海人と額田との恋は、仲の良いお友達関係から始まったという印象でした。

そんな中でも少年の大海人は心をときめかせていたのですね。

大海人にとって額田は自分の人生に突然現れた陽炎のような人。

陽炎とはまたなんて儚いのだろう・・

 

そして2番、

額田を白鳥の精に例えて

♪  雨にけむった秋の巷を

            雲の彼方へとび去った

 

永遠に続く幸せなどないでしょうが、昨日まで当たり前に隣にいた人が今日はいない。

愛する額田女王は大海人の元から、とび去ってしまいました。

辿りつく先は尊敬する兄の元という現実。

この場面は、大海人の心の葛藤や哀しさ、溢れる想いが伝わってくる一番心に響くシーンです。

 

そして私の好きな大海人皇子役を明日海りおさんが大熱演。

みりおさんの大海人は予想通りに素晴らしかったです。

昔はどちらかと言うとサラッとした爽やかな演技の印象があったみりおさんですが、円熟味が増してきて更に深みが出てきた感じがします。

エドガーの繊細な演技も凄かったですが、大海人皇子もはまり役♡

歌にも感動しました。

 

この二人の皇子が歌う歌詞の中に、この物語の多くが語られているように思います。

額田女王との出逢いの時の想い、現在の気持ち。

やっぱり二つとも秀逸な歌だと思います。

 

まずはこの二つのシーンでみりおさんとちなつさんの素晴らしい歌が聞けて、至福の時間でした=(^.^)=

大海人の歌には泣きましたけど。

泣かされてもやっぱり幸せでした。

 

次回に続きます。 

 

花うさぎ

鳳月杏:花組の注目スター

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最近、注目しているスターの一人、鳳月杏さん。

『あかねさす紫の花』ライブ中継での中大兄皇子役を楽しみにしています。

舞台に上がると俄然輝いて目立つちなつさん。

人気が高いのも納得です。

 

ちなつさんを実際に舞台で観たのは、花組移籍後の『カリスタの海に抱かれて』『新源氏物語』『邪馬台国の風』『ポーの一族』と数は少ないですが、お芝居もショーも安定感があって魅力的なスターとしていつも記憶に残る人です。

そして声が良くて歌が上手い。

花組にいなかった、新しいタイプのスターが加わったことで、花組観劇が更に楽しみになっています。

特に『新源氏物語』の夕霧役は綺麗で日舞も上手くて印象深く、『ポーの一族』のジャン・クリフォード役もとても素敵でした。

『はいからさんが通る』を観た妹は、ちなつさんの青江冬星役は、柚香光さんとはまた違ったオーラで目を引いていたと言ってました。(映像借りる予定です)

 

ちなつさんは92期生、真風涼帆さん、彩凪翔さんらと同期で、3年前にバウ主演をされてます。

その時はまだここまで注目していなかったので見送りましたが、次に機会があれば是非真ん中でのお芝居を観てみたいです。

 

人気も実力もあるちなつさんですが、今後のポジションも気になります。

月組時代を地道な努力で実力を蓄えてきたちなつさんが、花組へ来てから確実に役付きが上がってきているように思うので、そこは嬉しいですが、もっと活躍して欲しいと願っています。

 

『おとめ』によると、ちなつさんの演じたい役は大恋愛物♡

観てみたいですね〜

 

✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽

 

『あかねさす紫の花』の中大兄皇子は歴代トップが演じてきた役です。

明日海りおさんとの兄弟役、かなり演じがいもあることでしょう。

まずは来週のライブ中継を楽しんで、これからの鳳月杏さんを注目していきたいです。

花・うさぎ

花組『あかねさす紫の花』額田女王と二人の皇子


こんにちは。花うさぎです。

 

花組公演の『あかねさす紫の花』で二人の違うタイプの皇子に愛される額田女王。

羨ましいですね❤︎

美人の誉れ高い額田女王ですが、いったいどんな女性だったのでしょうか。

あまりにも遠すぎてわからない万葉の世界が宝塚の舞台で再現されます。

 

  *・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 

中大兄皇子と大海人皇子、額田女王の関係については諸説あるようですけど、宝塚では額田女王を巡る二人の皇子の愛憎劇を美しく切ない作品として描かれています。

大海人と額田は夫婦ですが、大海人の兄である中大兄が額田に恋してしまうところから、三人の関係が壊れていきます。

 

三人の関係を紐解く手がかりとなるのが、有名な万葉集の中の歌です。

(仮名づかいは宝塚の歌詞からの表記)

 

あかねさす紫野ゆき標野ゆき 野守は見ずや君が袖振る

宝塚では劇中で大海人皇子が歌う歌詞の中に出てきますが、これは額田女王が元夫の大海人に対して詠んだものですね。

ここで詠まれている紫野ってどんなところでしょう。

紫野=紫草の生えた野

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これが紫草です。

可愛い花ですね♡

名前に紫がつくけど、実際は白い花です。

根っこ(紫根)の色素が紫染めの原料になるんで、紫草という名に。

実はこの野生の紫草、今では絶滅危惧種になっているんですが、通販では買えるので、数年前に庭で育てようと思ったんですが、花を咲かせるのはかなり難しいようで断念 ^^; 

因みに花言葉は『弱さを受け入れる勇気』です。

 

話を戻して額田女王の歌。

紫草の生えた野を大海人皇子が野の番人にも構わずに自分に袖を振ってくることに戸惑う気持ちを詠ったものです。

袖を振る=愛情表現、当時はこういうことのようです。

それは戸惑うでしょう。

人目がありますしね。

心の中はどうなのかな。

まだ自分を思ってくれていて嬉しいんじゃないのかな。

そんな想像をしてしまいます。

 

そして、この歌を受けた大海人皇子が返した歌

紫の匂える妹を憎くあらば 人妻ゆえにわれ恋いめやも

 妹(いも)=妻のこと

紫草のように美しい額田女王を憎むどころか、(今は)人妻であっても恋しく思うという気持ちをストレートに歌にしています。

大海人皇子の切ない気持ちが伝わってきますね。

高校の古典の授業で初めてこの歌を知った時、何て美しい歌だろうと思いました。

二首ともその時の情景が鮮やかに目に浮かぶし、二人の心情も良く伝わってきます。

大海人皇子はもちろんのこと、額田女王も大海人皇子をまだ慕っているようです。

 

だけど。

どうでしょう。

 

そこに強く逞しいもうひとりの魅力的な男性からも想われるのです。

優しい大海人皇子も忘れられない人でしょうが、強引な中大兄皇子にも惹かれますね、たぶん。 私なら〜(//∇//)

 

明日海りおさんが役がわりで、相反する中大兄皇子と大海人皇子の大役を演じられることには驚いています。

膨大な台詞の量でしょうし大変だと思います。

これはどちらの役も観たいところですね♡

劇中には、他にも大和三山の歌など万葉集からの歌が散りばめられていて、万葉の世界観を楽しめます。

 

額田女王は時代の屈指の歌人です。

色彩豊かな歌を詠む彼女は、おそらく才気溢れる魅力的な女性だったのでしょう。

額田女王の心の中に誰がいたのか知る由もありませんが、舞台を観ながら想像してみるのも面白いかもしれません。

f:id:wind-waltz912:20180330163047j:plain ありがとうございました ♪

 

天草四郎と明日海りお〜『MESSIAH』先行画像から

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花組公演『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎』の先行画像が出ました!
天草四郎役の明日海りおさんの画像は素敵ですね。

みりおさんの甘さと凛々しさが調和していて魅力的な画像となってます。

天草四郎と聞いて頭に浮かぶのは、

敬虔なキリシタン
島原の乱
少年
リーダー
そして悲劇の人

 

若干16才で島原の乱のリーダーになるのですから、どれ程のカリスマ性があったのでしょう。

映画やドラマではよくイケメン俳優が演じられてますね。

公式HPに、衣装や美術に現代的エッセンスを加えるとあります。

歴史的事実として、かなり重い題材なのでお芝居の雰囲気も現代的な感じになるのかなと予想しています。


天草四郎からは少し離れますが、
花組博多座公演『あかねさす紫の花』『Sante‼︎』のライブ中継があるようで、とても嬉しいニュースです ^ - ^

明日海りおさんの大海人皇子、鳳月杏さんの中大兄皇子、柚香光さんの天比古バージョン観られたらいいなぁと思っています。

ちなつさんは、これからの花組にとって大きな存在になるだろうと思っているので、メサイアでも注目の人です。

 

さて、メサイア(救世主)と呼ばれるほどの天草四郎

自分の信念を最後まで貫いた天草四郎ですが、みりおさんの雰囲気に合っているし、演技も歌も安定感抜群の方なので、この謎めいた悲劇のヒーローを素敵に演じられるでしょう。

今年の明日海りおさんは、エドガーから中大兄・大海人、最後に天草四郎へと良いラインアップとなっていて嬉しい限りです。

時代背景からその他の登場人物が予想出来るような出来ないような(できません^^;)

そもそも天草四郎自身が謎の多い人なので、ここは宝塚的ならではの脚本・演出での素敵なオリジナル作品を期待したいところです。

この画像一枚で『MESSIAH』への期待と夢がさらに広がります。

 

花うさぎ

 

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宝塚『89期生』Vol.1~瑠璃色に輝く4つの海~2018年・春

 89期生〜男役(2018・春)

 

『89期生』の初舞台は『花の宝塚風土記』 
 華やかで人気・実力のある人が多い89期生も、現在は7名。
男役さんは5名になりました。

 

現在トップなのは明日海りおさんと望海風斗さんですが、皆さん新公主演やバウ主演、東上公演主演など経験を経て重要なポジションで活躍されてます。

トップ就任というのは、人気・実力があってもタイミングや様々な事情が絡んできます。
いつでも私達は願いを込めて見守るしかありません。

 

先日104期生の芸名が発表されましたが、名前を決めることは舞台人としての最初の大きな一歩となります。

明日海りお

望海風斗

七海ひろき

凪七瑠海

美弥るりか

4人の名前に「海」という文字が入ってますね。

明日への海、希望の海、七つの海、穏やかな海
そして海の色は鮮やかな青、そう瑠璃色です。

名前に込められた思いは様々でしょうが、

皆さんの名前、素敵だと思いませんか⁉

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明日海りおさんは宝塚を代表する花組トップスター。

宝塚が苦手という私の友達はTV出演のみりおさんを見てすんなり入れたようで、新しいファンを開拓できる人なのかなと思います。
それはほんとに素晴らしい。

宝塚を明日への海へと導いてくれる人です。

 

望海風斗さんは私のご贔屓スターなので、雪組トップ就任はもちろん嬉しかったけれど、2番手、3番手時代の望海さんも好きなのです。

輝くのはトップの時だけではありません。
そして満を持しての『ひかりふる路』では多くの人の感動を呼びました。

希望の海はどこまでも果てしなく広がりそうです。

 

七海ひろきさんは高身長で華がある星組スター
かいちゃんは芝居心があって最高にカッコいい人。
男っぽさと優しさが同居していて私たちはいつも魅了されます。

力強く七つの大海原に漕ぎだしてほしい人です。

 

凪七瑠海さんは立ち姿が美しくて、涼しげな眼差しの専科スター。
個性豊かな同期生の中にあって、いつまでも透明感を持ち続けている人です。
名前の凪のように静かで優しい雰囲気のかちゃさん。

穏やかな海はいつまでも見つめていたいものです。

 

美弥るりかさんは魅力溢れる月組スターで、トップになってほしいという声は後を絶ちません。
私もそれを望んでいます。
美弥さんが舞台に立つと、まるで魔法をかけられたように劇場内が瑠璃色に染められる感覚になります。

 

叶わないことですが、ここで少しだけだいもんと同期生との競演を妄想してみました。

例えば、

”ジゴロ美弥るりか” と ”マフィア望海風斗” の濃くも美しい色気対決

”刑事七海ひろき” と ”スパイ望海風斗” の激しいアクション対決

望海さん、黒い役ばっかりでごめんなさい。大好きですよ ~

 

さて、今年のラインアップもほぼ決まりました。

89期生にとってもファンにとっても、これからの一年一年がとても大切な時期であることは言うまでもありません。

同時にこの素晴らしい皆さんにまだまだ期待することもたくさんあります。

それぞれの立場での苦労、悩み、試練もあるでしょう。

全てを乗り越えて舞台の上で輝くスターさんたちに、最後の日まで惜しみない拍手を送りたいと思います。

 

うさぎ 

 

花組『ポーの一族』エドガーと赤い薔薇

バンパネラにとって赤い薔薇は何より大切なもの

生き続けるために。

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ポーの一族の舞台を観てから1ヶ月たちました。

エドガーとアラン

時空を超え、街から街へと旅し
どのような人と出会い、別れ、どのように生きているのでしようか。

今日はエドガーについてもう少し書いてみたいと思います。

*舞台の観劇感想ではありません。

   

 以前書いた感想はコチラからご覧になれます↓
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エドガー役の明日海りおさん。

舞台のプロローグで真っ赤な薔薇を持って現れます。 
美しい印象的なシーンです。

エドガー登場と共に私たちはポーの世界へと導かれて行きます。

 

最初に述べたように、赤い薔薇はバンパネラにとって、大切なもの。 
生きていくには、人間の血の代用として薔薇やそのエッセンスが必要なのです。

 

もし永遠の命を手にすることができるなら、
 肉体が滅びることなく若いままで生きていられるなら、
それほどの喜びはないと、私は思ってしまうかもしれません。

だけど、それは幻想なのでしょうか。
例えバンパネラでなかったとしても。

 

人間だった頃の幼いエドガーとメリーベル
まるで世界中に二人しか存在しないのかと思うほどに共依存しあい、寄り添う姿が物悲しい。

シーラへの憧れのようなものもある。
それは淡い恋なのかもしれない。

明日海りおさんは、そんな子供時代を自然に、そして美しく演じられています。

 

「ポーの一族」の原作は萩尾望都さん。

初版は40年前というから驚きです。
時がたっても色あせることなく読み継がれる名作は、宝塚の舞台によって新たな息を吹き込まれました。

 

舞台では、バンパネラになったエドガーの孤独と寂しさの中にアランとの出会いがあり、大きくストーリーが動いていきます。

アランはお金持ちで奔放に見えるけど、エドガーにとって孤独を分かち合える存在であることを見抜いたのでしょうか。

エドガーとアラン、メリーベルの関係性は、つき詰めると奥が深いようにも思えます。

 

エドガーとアランの旅は果てしなく続きます。

旅は続き、時は移ろうとも、ポーの村には変わらず真っ赤な薔薇が咲き乱れているのでしょう。

 バンパネラの生きる糧として、今日も美しく永遠の命を吹き込んで。

 

花・うさぎ