風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精』感想ー明日海りお

 

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明日海りおさんのラストステージとなる『A Fairy Tale -青い薔薇の精』の観劇感想です。
内容にも触れているのでお気をつけください。

 Musical『A Fairy Tale -青い薔薇の精』
 作・演出 / 植田 景子

 

黄泉の帝王から精霊へ


黄泉の帝王から始まってパンパネラを経て、最後は薔薇の精で幕を閉じるみりおさん。

トップ就任時はまだ若くて、ソフトで爽やかなフェアリー要素が持ち味のように感じていました。
なのでトート、光源氏と、いきなり妖気や色気などの妖艶さを求められる役を演じるのは大変だったのでは…と思います。

そして男役として円熟期真っ只中の今、青い薔薇の精になって宝塚を去って行かれるのですね。


えも言われぬオーラを放ちながら、この世の人間のようになってはならない。
全く違和感を感じさせずに自然に舞台で歌い踊り精霊エリュとして生きる明日海りおさん。

物語の中だけではなく、宝塚に美しく咲く薔薇のような人です。

 

大人のおとぎ話

 

ストーリーは大人のためのおとぎ話、ファンタジーと言われているとおりです。

ヒロイン、シャーロット(華優希) の母フローレンス(城妃美伶) が描いた1枚の絵画があります。

この絵画に描かれた薔薇が咲き乱れる平穏な庭で、かつて幸せな一家が過ごしていた。

小さな女の子シャーロットの側にはいつも薔薇の精エリュたちがいて、そんな幸せが当たり前のような日々。

少女はいつしか美しい娘に成長していく。

形あるものがいつか壊れてしまうように、幸せな日々は長く続かない。
幸せだった家族の形が変わっていきます。

シャーロットに忘れられたくない “白い薔薇の精エリュ” は自然界の掟を破り、罪に堕ちてこの世に存在しない “青い薔薇の精” に変えられてしまい、美しい庭は霧に閉ざされてしまう。

 

明日海りおに求めるもの

 

私と観劇が別日だった妹とは作品の感想も分かれました。
分かれたというより、観る視点が違っていたのかな。

ラストステージとなる明日海りおさんに何を求めるかで感想が違ったようです。

みりおさんファンの妹は壮大な物語だけにストーリー展開や演出に少々物足りなさを感じたようです。
大好きなスターの最後の舞台に思い描く理想の形があるのでしょう。

 

今回私は作品に関して予備知識なしで観劇しました。

ストーリーは、目に見える現実社会と目に見えない異次元の世界と2つが交錯するのですが、
私はその中でただただ精霊として生きるみりおさんの美と歌を堪能し、耽美な世界観に浸る・・ということだけに意識を傾けました。
それ以上のことができなかったというのが本当のところです。

物語は喜びも悲しみも詰め込んだ一つの抒情詩を読んで(見て)いるかのようでもあり、様々な形の愛も織り込まれていました。

例えば、庭師のニック(水美舞斗) が醸し出すフローレンスへの恋心など、言葉には表さずに伝わってくるところがとても素敵で・・。

あの庭には色々な人の思いや歴史が刻まれていているのだと思うと、ある種切ないノスタルジーをも感じられました。

 

また、可愛い精霊たち、美しい衣装、舞台セットなど、目で見て楽しむ要素がたくさんありました。 

最後のシーンの白い薔薇の衣装を着たみりおさんは本当に素敵です。

演出云々より、この世で見ることのできない不思議な世界の中で輝くみりおさんを観ることができたことに感動しました。

もう一度観る機会があるので、次回は作品についてもう少ししっかり観たいという気持ちと、
麗しいみりおさんを目に焼き付けるという、このままの感覚でも良いかなという気持ちがあります。

 

お伽話なのであまり現実的で難しいことを考えると興醒め、美しい世界観に浸りたいと思います。

 

ハーヴィ(柚香光)への言葉

 

光ちゃん (柚香光) の 気負いがなくサラッとした演技が、真面目でユーモラスな植物学者という役柄に合っていて良かったです。
シックな衣装も似合っていて素敵だったし、光ちゃんの大人のドラマが観たいと思いました。

 「君なら美しい花を咲かせられる」エリュからハーヴィへの台詞。
そのまま、みりおさんから光ちゃんへの言葉ですね。

 

気になった生徒さん

 

華ちゃん(華優希)  
少女から老年期までお芝居が自然で上手いと思いました。
DVを受けていた頃の夫婦のやり取りが特に素晴らしかったです。

あきらさん(瀬戸かずや)
役柄にぴったり、歌も歌えるし貴重な存在ですね。

マイティ(水美舞斗)  
出番は少なく感じましたが、とてもいい役です。
繊細な心の機微を演じるお芝居も良くて印象に残りました。

しろきみちゃん(城妃美伶)  
気品溢れる貴婦人の姿は美しくて溜息が出るほど。
大人の女性を演じられる素敵な人なので卒業が残念です。

ほのかちゃん(聖乃あすか)  
セリフなしで白薔薇の精としてダンスや表情で想いを表現するところが美しくて素敵!

音くり寿ちゃん、妖精プルケ役、すごく可愛いんです。
お芝居も歌も上手でとっても好きな生徒さんです。
 

薔薇の精は永遠

 

花を育てる時に音楽を聞かせたり声がけをすると、普通より見事な花を咲かせると言われていますが、花にも心があり精霊が宿っているのかもしれませんね。
大人もそんな夢を見られるのかもしれません。

 

シャーロットとの念願のの再会を果たしたエリュですが、おばあさんになった彼女に力強くまっすぐな目で「君は何も変わらない」と言います。

年を取らない美しい薔薇の精エリュ・明日海りおの心に残った台詞です。

 

花・うさぎ 
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雪組『壬生義士伝/Music Revolution!』LV感想 ⑥ ーポタリ

2019/9/1
雪組公演『壬生義士伝/Music Revolution!』
大千秋楽をライビュで観劇しました。

 

良かったーー!
一つの公演を何度か観る場合、大体同じところで心を掴まれます。
泣くところもいっつも同じ。

『壬生義士伝』が他の舞台と違っていたのは、心に引っかかる場面やセリフが観る時によって違うことでした。(今日は真彩ちゃんの涙に涙)


その中で唯一毎回深く胸に響いてきたのが吉村貫一郎の「ポタリ  」


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壬生義士伝

 

義に生きる吉村の生き方を本当の意味で理解することは、なかなか難しいです。

今日は最後ということもあって、頭で考えず心で感じようと。
無になって観劇するぞ!と、意識し過ぎて最初は逆に力入りました。

ふぅ、と肩の力を抜いて。

 

ポタリ  

 

 「ポタリ」というのは、主題歌『石を割って咲く桜』の出だしです。

ポタリ  
つららが解けて落ちる
しづのが落ちる

ポロポロでもなくほろほろでもなくポタリ  。
この表現で、大きなつららが解ける盛岡の厳しい冬の寒さと、しづの大粒の涙悲しみの大きさを感じます。

それを全て受け止めて貫一郎が歌う、
しづへの愛や故郷への愛。

「ポタリ」に込められた貫一郎の大きな愛を見事に表現する望海さん。

今日の歌も切なく響いて、しづと一緒に泣きました。
元々の極上の声に素晴らしい表現力、演技力で歌い上げるのですから心が動かずにはいられません。

 

宝塚らしい作品って?

 

歌劇誌8月号への投稿に、宝塚の舞台に相応しい作品だろうかという意見を耳にすると記しました。
字数制限があったので、ここで少し続きを書かせてください。

この作品を通して様々な宝塚ファンの方の考え方や感じ方に触れてきました。
それもあって宝塚らしい作品ってなんだろうと考えるようになりました。

主役の貫一郎が人斬りが生業で守銭奴で訛りも強かったりで、宝塚のヒーローぽくない・・という意見があります。

確かにね〜
腰は低いし宝塚正統派のヒーロー像とは少し違うかもしれません。

ベールに包んで美しく描けば同じ話、同じ人物でも夢ゆめしくなるのかもしれませんが。

 

私は素朴で真面目な吉村貫一郎に夢を見ることができました。

悲しい人生かもしれませんが、愛するしづや家族、仲間や友、たくさんの愛に満たされていて、そんな生き方もあるんだなぁと。

また、カテコで望海さんも言われてましたが、今の時代に生きる有り難さを実感できたことも事実です。

この作品がファンタジックに描かれていたら目で楽しむだけのものになり、原作とは別物になっていただろうし、
リアルに描かれ、吉村貫一郎が望海さんだから上手くまとまり良い舞台になったと思っています。

方言は貫一郎そのもの、盛岡組の皆さん素晴らしかったです。

 

個人的にはこのような骨太の作品を時々上演希望です。
雑誌の記述と重複しますが、夢ゆめしい作品とはひと味違う形の美しさ、これも宝塚ではないかと思っています。

私はこの舞台に十分過ぎるくらい夢を見ることができました。
何度も言っちゃいます。笑

 

鹿鳴館

 

鹿鳴館チームについても色々な意見が飛び交いましたね。
登場のタイミングや回数について、もしくは必要性についてまで。

この件についても以前ブログ記事に書きましたが、ひとつ今日感じたことがありました。

最後のシーンで皆がズラリと並ぶところを見て、ストーリーテラー以外にも大きな役割があるように思いました。


吉村が切腹で果てたところで吉村の人生は終わったでも終わってない。

まだ続きがありますね。

その後、次郎右衛門や息子嘉一郎の悲劇があり、新撰組にも終わりが来る。
時代の犠牲者である貫一郎たちと、後の世の華やかな衣装を纏う鹿鳴館の人々は対局にあるものです。

最後のシーンで吉村やその家族、新撰組の仲間たち、鹿鳴館の人たちとの横並びを見て、歴史の流れや矛盾が1枚の絵のように映し出されて、この人々が舞台に厚みを加えているように思いました。

ただ、鹿鳴館チームの後半の描かれ方には少し疑問を感じるところもあります。
演出については、観劇後にあれこれと素人構想 (>_<) を思い描くのも楽しみの1つとして捉えています。

 

『Music Revolution!』

 

プロローグから一気に引き込まれていって、あっという間にパレードな感じですが、一場面一場面はストーリーがあって見ごたえは十分!
好きです〜
流れがスピーディなので見逃さないよう必死になりますけど。

 ショーも書き出すと長くなりそうです。
以前ブログ記事にしましたので、よろしければご覧ください。←あっさりすませてごめんなさい!LV、壬生レポで燃え尽きました>_<

 

さて、雪組での大劇場公演は最後となる永久輝せあさん、朝月希和さん。
宝塚で観劇した時はまだ発表前だったので、今日はとても感慨深い気持ちでした。
ひとこちゃんは雪組からの始めての異動になります。
組み替えは予測していたといえ雪ファンとしては心情的に寂しいものです。

慣れ親しんだ雪組から羽ばたこうとしているひとこちゃん、そしてひらめちゃんが花組で大きな花を咲かせますように。

またこの公演で卒業される鳳華はるなさん。
ジジくん、今日は最高の舞台でした!

「Music is My Life」良かったですね

数々の素晴らしいダンス忘れません、本当にありがとう。

 

どっせーーい!

 

雪組ポーズ誕生

今日はひとこちゃん考案の雪組ポーズのお披露目もありました。

両手のひらを微妙にずらして重ね合わせて、雪の結晶を作り顔の横に持ってきて(←説明下手^^;)、掛け声は「どっせーーい!」

素晴らしい!拍手

雪組ポーズ誕生の歴史的瞬間に観劇できました(涙)

 

かちゃさん
そして、凪七瑠海さんは雪組の家族になったと。
かちゃさんは望海さんと同期で仲良しということもあり、すっかり雪組に馴染まれてるようで、とても楽しそうでした。
次は星組公演『モーツァルト』ですね。楽しみです!!

 

ジジくん

先述のとおり、完全燃焼されたかのような素晴らしい舞台でした。
これからは宝塚を観劇するのが楽しみだと。
もしかしたら客席でお会いできるかもしれませんね。
これからもずっと輝いていてください!

 

あと何でしょう、たくさんありすぎて大切なこと忘れてるかもしれません。
とにかく望海さんのカテコの挨拶はいつも最高に面白くて、あったかくて大好きです

今回のお芝居とショーの組み合わせはとても良くて心から楽しむことができました。
雪組の皆さん、専科の梨花ますみさん、凪七瑠海さん

ありがとうございました。

 

雪・うさぎ

 

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月組『チェ・ゲバラ』感想-轟悠とエルネストー終わりなきロマン

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月組公演『チェ・ゲバラ』8/17観劇レポです。
主に轟悠さんと風間柚乃さんについての感想になります。 

作・演出は原田諒先生。
ストーリーの流れ、楽曲、衣装、全てがまとまりよく見応えのある舞台になってました。

 

轟悠とエルネスト・ゲバラ


宝塚の舞台でこのような作品に出会うと、やはり轟悠さんの存在の大きさを感じます。

先日映像で観た『パパ・アイ・ラブ・ユー』
ここまでコミカルな轟さんを見たのは初めてで新鮮でした。
相当なセリフ量と思いますが軽妙でテンポよく2枚目コメディを堪能しました。

芸に終わりはないと言いますが、轟さんの男役芸が更に広く深く進化していることを実感していたところのゲバラ役。
大変興味深い舞台になりました。


チェ・ゲバラという人物を簡単に自己紹介しますと、
1928年生まれ (昭和3年) なので、ご存命なら今年91歳。
そんなに昔の方ではないんですね。

1959年には来日して、広島の原爆記念館にも訪れています。

本名はエルネスト・ゲバラ
チェというのはあだ名のようなものになります。

アルゼンチンの裕福な家に生まれて医者になったエリート、かなりのイケメンで秀才。
選択によっては穏やかな人生を全うできたかもしれません。

しかし彼はキューバの貧困を目の当たりにしたことがきっかけで、独裁と戦うためにカストロ兄弟らとキューバへ向かい己に課せられた運命に立ち向かいます。


さて、この意思の強い情熱的な革命家を演じる轟さん。
先述したとおり、轟さんの持つ個性は年月と共に磨かれ熟成され、男役を極めていかれています。
今宝塚においてゲバラ役をこの完成度で演じられるのは轟さんだけかもしれません。

革命家としての熱量や力強い演技はもちろんですが、妻となるアレイダへ向ける眼差しがとても印象的でした。
出会いから別れまで、場面によって異なる表情でありながら愛に溢れた優しい眼差し⭐︎
形だけではなく心で演技されているのだなと。
 

後半キューバの革命を成功に導き、キューバ政府の要職に就き子供も授かりながら自分の信念からまた革命に身を投じます。

何という激しい人生・・。


原田諒先生の言葉から。

強烈な個性とロマンティシズム、あえて困難な道を選び進み続けるゲバラの高潔な生き様は、轟悠に通じるものがある。

凄い言葉ですが、そのとおりだと感じられる方も多いのではないでしょうか。


外側だけ見ると「ゲリラ」という題材は宝塚の夢の舞台とは異質な世界に感じられますが、
根底にあるのはゲバラの究極のロマンティシズム

そして轟さんがこの先も歩み続けるであろう宝塚の男役という道。
現実的には異質なことであると同時に私たち究極のロマンを与えてくれる世界です。

轟さん自身もロマンチストな方なのではと想像しているのですが
共演された月組の生徒さん、この舞台での経験は今後様々な形で生きてくると思います。

 

風間柚乃とフィデル・カストロ


その、轟さんの影響を最も受けたであろうカストロ役のおだちん(風間柚乃)。

実力派のおだちんにとって歌えることは特に大きな強みだと思うのですが、今回も期待を裏切らず力強い歌声を聞かせてくれました。

 

2人の演技力の高さでゲバラとカストロの年齢差を感じさせなかったのですが、学年差を考えるとそれはとんでもなく凄いことですね。

例えばカストロがアレイダのことをひやかしてゲバラが照れるというシーンでは、いいように観客の笑いを誘っていました。
間の取り方が上手いのです。

最後にゲバラが離れていくところでは切なさがよく伝わってきました。

 

因みにこのフィデル・カストロいう人物ですが、
ゲバラと共にキューバ革命の中心的役割を果たした後、キューバ14代目首相として49年に渡り統治し、2016年、90歳で亡くなります。

 

おだちんの演技を上手いと思ったのはラストパーティの学生役のセリフを聞いた時が最初でしたが、その後『エリザベート』代役のルキーニ役を観た時に只者ではないと思いました。

そういやルキーニ役は轟さんの雪組時代の当たり役でもありましたね。

おだちんはルキーニ役やカストロ役など個性が際立つ役や情熱的な役に、より魅力を感じますが、まだまだ若いのでこれからどのように成長されるか楽しみです。

カストロ役もしっかりやり遂げてますます勢いが加速していきそうです。

 
この公演でれいこちゃん(月城かなと) が休演されたことは本当に残念でした。
本当に本当に残念でした‼︎

次回の大劇場公演で元気なれいこちゃんに会えることを心から楽しみにしています。

 

エルネスト・ゲバラの名言から

 

1967年10月9日、英雄ゲバラは39歳の時ボリビアの山中で処刑されました。
最期の瞬間、銃撃をためらう兵士に向かって以下の言葉を放つ。
「どうした、お前の前にいるのはただの男だ。よく狙え。怯むな!」
このシーンの轟さんは本当に素晴らしく圧巻の演技でした。

ゲバラの残した数々の名言の中で最も印象的な言葉と言えば、

明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか?
あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのか。

革命家として生きるゲバラにとっては今日1日を生きることの意味がどれほどであったのか。
今の時代を安穏と生きる私たちが答えるには難しい投げかけだと思いました。


月・うさぎ

 

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星組『Éclair Brillant (エクレール ブリアン) 』感想〜最後のダンスは

 

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宝塚大劇場で観劇してから日にちがたってしまいました。
紅ゆずるさんと綺咲愛里さんの最後のショーがあまりに素晴らしく、感動を少し書き留めておきたいと思います。


ショーはトップさんの特性がストレートに伝わってくるので、5組のショーは当然のことですが受ける感動が違います。

毎回、開口一番「楽しかった!」となるのが紅さん率いる星組のショーです。
ですが今回はトップコンビのラストステージ。
またお芝居が楽しかっただけに、ショーは涙なくしてみれませんでした。

 

特に印象に残ったシーンにスポットを当ててみたいと思います。

宙から地球に舞い降りた青年が世界各地を舞台に歌い踊ります。
紅さんの魅力を存分に生かした美しくてクラシカルなレビューでした。

 

プロローグ

 

紅さんオケボックスから銀鏡への登場。
紅さんを一言で言い表すなら華やかでゴージャス、プロローグの印象もそのままに。
皆のスタイリッシュな衣装もかっこよく、素敵な始まりでした。

 

紅さんが歌うシャンソン「ひとり星の上で〜1番星の煌めき〜」
思いっきり紅さんの歌を浴びる、歌うより語る。
会場全体の空気が紅ワールドに包まれる瞬間です。

 

パリ〜風の精


風の精の礼真琴と少女の舞空瞳
ちょっと切ない束の間のラブストーリーをダンスで表現するシーンです。

ファンタジーを演出する2人のダンスはやはり秀逸です。
琴ちゃんがふわっとひっとんを持ち上げる瞬間もあり、
流れるような動きの中で、出会いの喜びから別れの切なさまで見事に表現しています。

風のように軽やかに舞う琴ちゃん、そしてひっとん。
今後の2人に期待を寄せる場面です。


紅、綺咲とは全く色の違う礼、舞空。
これから琴ちゃんの色で新しい星組を築いていかれると思いますが、紅さんが残したものを感じる瞬間も必ずあると思っているので、そこも楽しみにしたいです。

 

ラテン D


みっきー(天寿光希)がロマンチックに歌いあげ、紅、綺咲、礼のトリデンテが踊るシーン。

3人が踊る情熱的なダンスも素敵ですが、難しそうな曲をみっきーはしっかりと歌いこなされていて流石だなと。
これからの星組にとって本当に頼もしい存在だとショーでもお芝居でも感じました。


この後のスペインのボレロも圧巻で感動的なシーンで、星組の凄いパワーが伝わってきました。

 

フィナーレ


フィナーレの後半、大階段での黒燕尾での群舞です。

お芝居からこのシーンまで、ジーンときても泣きませんでしたが、ここで涙腺崩壊しました。


羽山紀代美先生の振付で曲は「風林火山〜月冴ゆ夜〜」
そしてそして、千住明先生の編曲で、上妻宏光先生の三味線です。


これが最高に素敵なんです。
いつもの明るい紅さんとは違う切なげな表情、宝塚トップという孤高の存在を表すかのような佇まい。

三味線が奏でる切ないメロディー、その三味線の音色と長身の紅さんを生かしたシンプルな振付、全てが紅さんを美しく演出します。


黒燕尾の紅さんを見るのもこれで最後かと思うとこみ上げてくるものがありますが、紅さんからは宝塚への愛と去りゆく寂しさと、またこれから新たな道を歩む力強さも同時に感じられ、改めて深みのある素敵なトップスターだと思いました。


そしてべにあーのデュエットダンス
次々と男役さんと踊ったあーちゃんの最後のダンスの相手はやっぱり紅さん。

あーちゃんが相手役で良かった!と言う紅さん。
紅さんのトップ就任期がいかに充実していたかを表わしているかと思います。


手の先まで美しさと優しさを感じさせる紅さんにぴったり寄り添うあーちゃんは、本当に美しい。
そして楽しそう。
そんな2人を観ることで私もいつも幸せになるのです。

 

この上質で見応えのある、何より卒業される皆さんへの愛に満ちたショーを見せていただき酒井先生に感謝します。
この公演で退団される如月蓮さんと麻央侑希さんにも素敵な見せ場がありました。


お芝居は賑やかに、ショーは王道のレビューで、
笑って泣いての素晴らしい舞台を堪能しました。


主題歌にありますように、大千秋楽まで銀河の星のように光り輝やいてください。


星・うさぎ

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星組『GOD OF STARS-食聖-』感想〜星組の完成形

星組トップコンビのラスト公演となる『GOD OF STARS-食聖-』を観劇しました。

星組の贅沢なフルコース、美味しくいただきました‼︎

 

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紅マジック


最近の宝塚の舞台で泣く確率が高いのが雪組と星組です。

雪組は作風的にもわかるでしょう。
星組にもホロリとする作品はあります。
だけど。
楽しいストーリーでも泣けてくるのは何故・・?

何とも不思議な紅マジックです。


ただ、この『GOD OF STARS-食聖-』では私は笑いっぱなしでした。

泣かずに笑って楽しんで‼︎
そんな紅さんの心意気が伝わってくるような
完璧なコメディだったから。

それでも卒業される方の中に特別なご贔屓がいたなら、泣かずにいられなかったでしょうけれど。


この舞台で卒業されるのは紅ゆずるさん、綺咲愛里さん、如月蓮さん、麻央侑希さん、蓮月りらんさん。


サヨナラ公演の幕をコメディで閉じるのは珍しいことではありませんが、この舞台は星組トップコンビの集大成に相応しい楽しく笑いに満ちたもの。
ヒャダインさんの曲も作品や紅さんに合っていてとても素敵でした。


キャスト別の感想を簡単に。
ネタバレ少しあります。

 

紅ゆずる  


ホン・シンシンは天界からやって来た人…ということでこれはファンタジーでもあります。

地上では、天界のことはすっかり記憶から抜け落ちており、舞台ではがっつり「人間ホン」を演じる。


ストーリーは分かりやすくテンポも良く面白く、紅さんのストレートな演技、他の演じ手の滑舌も良く最初から最後まで気持ちよく楽しむことができました。


作・演出の小柳奈穂子先生が、この話は成長物語であると言われています。
紅さんが宝塚時代に紆余曲折ありながら真っ直ぐな気持ちで歩まれてきた道のりと、ホンの人生を重ね合わせての物語なのかなと思いました。


コメディにありがちなドタバタ感ですが、しっかり皆を束ねて引っ張って舞台を作っていく紅さんは凄いといつも感じます。


破天荒なホンが最後にリー(礼真琴)に料理の真髄を語り、あれほどこだわっていた星の首飾りを彼に譲る感動のシーンがあります。

「もう星はいらない。」

おぉ! ホン、成長したんだなぁ。

ホロリ・・
とする間もなくラストシーンへと突入!


数年後のべにあーの状況に爆笑のまま幕がおりました。

とにかく半端なくハッピーエンドです

 最後までかっこよく笑わせてくれた。

紅さん、最高です‼︎

 

綺咲愛里  


あーちゃんもアイリーン役がハマり過ぎていて感動レベルです。
笑顔が素敵でもはや天使かと思うくらい。


紅ゆずるという個性際立つトップに常に寄り添いながらも決して引きずられることもなく、2人の世界観を作りあげてくれたので、私たちは数々の舞台を楽しむことができました。


迫力満点で飛んでいきそうな紅さんを優しく包み込み、時にグイッと押さえて支えられるのはあーちゃんだけかもしれません。

ホンとアイリーンみたいですね^ ^

この舞台のアイリーンは強くて優しくて素直な女性。
あーちゃんの衣装の着こなしも完璧でピンクの髪もよく似合う。

魅力いっぱいのアイリーンでした。

 

礼真琴 / 舞空瞳


2番手としての最後の役はホンのライバル役のリー・ロンロン

リーは面白い役ですね。
つかみどころがないというか(笑)
そんなリーをユーモアたっぷりに演じてくれた琴ちゃん。

琴ちゃんは歌もダンスも安定しているし、今回もビシッと決めてくれて頼もしい。

劇中でのホンからリーへの台詞は、
「星なんかいらない。お前にくれてやる!」
そのまま紅さんから琴ちゃんへ。(涙)

礼真琴、大切なものしっかり受け取った!


さて、琴ちゃんのリーが憧れるのが舞空瞳ちゃん演じるクリスティーナ。
ひっとん、星組大劇場初登場ですね。
歌もダンスも堂々としていて素晴らしい。


星組には愛ちゃんもやってきて完全に『ロミオとジュリエット』やるパターン・・・
なのかどうかは分かりませんが^^;
この公演で現トップを引き継ぐ2人に明るい未来を観ることができてとても良かったと思います。

 

瀬央ゆりあ / 有沙瞳


今回せおっちに注目してました!
シンガポールのご当地アイドルのニコラス役ですが、憎めなくてお人好しな感じがとてもよく出ていました。

それと、歌も良かったです。
ヒャダインさんの曲を爽やかに歌うせおっちの笑顔。

ビジュアルも良いし、スター性もあるのでもっと前に出てきてほしいと密かに思ってます ♪


そして有沙瞳ちゃん。
くらっちはタン・ヤンというご当地アイドルのマネージャーですが、アイリーンの幼なじみでもあります。

くらっちがまたいいんだなぁ。
タン・ヤンは姐御肌でしっかりしている女性ですが、的確な演技に惚れ惚れします。


せおっちとくらっち、バウホール主演が決まってますね。
新生星組にとって大切な2人、応援しています‼︎

 

印象に残ったキャスト


華形ひかる / エリック
『鎌足』に続いて星組出演。
芸達者なみつるさん、貴重な存在ですね。
やり手CEOの静かなスマホギャグ受けました!


天寿光希 / ミッキー
アイリーンの父親役ですが、渋さも決まっていて上手いなぁ。
小林寺にこっそり住んでいたのですね(笑)


音波みのり / エレノア
アイリーンの母親役
何て綺麗なママ!
お芝居上手なはるこちゃん、とてもかっこいいママです。


麻央侑希 / マオ
舞台姿が美しくとても目立つ人。
最後の公演がマオという、あったかい作品での素敵な役で良かったですね!


汝鳥伶 / 牛魔王
牛魔王なんて名前は激しいけど、優しそうで奥さんに弱そうなホンの父親。
アナザーワールドの閻魔大王の食聖版のような?
さすが貫禄、凄い存在感です!

 

サヨナラだけど


星組愛の強いKちゃんは、星トップコンビの魅力は優等生でないところだと言います。
だからワクワクすると。

ワクワク感、分かります!

 どの作品にも一貫して揺るぎない2人の世界観を感じてましたが、『鎌足』で、星トップコンビの完成形を観たと思いました。
←『鎌足』のブログにも書きました。

そしてこのラスト公演で、私は2人が率いる星組の完成形を観ることが出来たと思っています。

 

冒頭にも書きましたが、最高のフルコースをいただいた気分です。

たくさんのhappyをありがとうございました。


明日、もう一度観劇予定ですが気になるのは台風の動向。
皆さんの安全が守られて無事幕が上がることを祈っています。


星・うさぎ

  

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月組『ON THE TOWN』キャスト別感想 8/4 B ー 鳳月杏が素敵!

オン・ザ・タウン、舞台は1944年、世界一刺激的で夢や希望が溢れる街NY
24時間という限られた時間を過ごす3人の水兵たちの物語。


出演者は型破りの変わり者が多くて、見どころがたくさんでした。


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8/4梅田、Bパターン観劇レポです。

ヒルディ(タクシードライバー) 夢奈瑠音
クレア(人類学者)  海乃美月
ルーシー(ヒルディのルームメイト) 白雪さち花

 

 

全体の印象

 

作品はブロードウェイの香りがする楽曲に、ダンスがたくさんあります。
潤色・演出は野口幸作先生

3人の恋のドラマはとっても楽しくて、ちょっと切なくもあり。

明るくわかりやすいストーリーなので夏休みということもあって、小学生くらいの子供さんもちらほら見かけました。


まずプロローグが素敵です。

新しい1日の始まり。

颯希有翔くんの素晴らしい歌、
船から意気揚々と飛び降りてくるゲイビー、オジー、チップの3人

ワクワクするスタートです。


衣装のセーラー服、

ポスターではありちゃん(暁千星)以外はどうなのかな…と思ってました。

実際に観ると、同じ衣装でも三者三様の素敵な着こなしでした。
同じ水平服ですけどイメージの違いですね。

珠城ゲイビーは誠実さと優しさがセーラー服から溢れ出ていて、
鳳月オジーの色気とかっこよさは隠しようもなく、
暁チップ期待通りの可愛さと華やかさ、ふと見せる男っぽさ。

セーラー服から滲み出る3人の個性は綺麗に調和していて、子供っぽくならず素敵でした。
さすがです〜


さくらちゃんの衣装は、ゲイビーが言うように「薄着」が多いです
→露出多めということですが、どれもキュートで可愛い。

 

キャスト別の感想

 

珠城りょう x  美園さくら


ゲイビー  珠城りょう
アイヴィ  美園さくら


真面目な珠城さんが、優しく一途なゲイビーを誠実に演じるので、ぴったりでした。


珠城さんは、青柳さんやダルタニアンやゲイビーのように仲間がいて、その中心でリーダーシップをとって活躍するという役が好きです。


ゲイビーは生真面目なタイプなので、柔軟なオジーと違って物事をコミカルに軽く捉えるのは多分苦手。

コミカルなポーズをとってもサマにならず硬さがあるところがゲイビーの可愛らしさや面白さ。
大きな珠城さんがアイヴィが約束の時間に現れずにしょんぼりしているところなど、とってもいじらしかったです。

全体を通して大らかにのびのびと演じられていて、ゲイビー役はとても良かったと思います。

 

後半にゲイビーが夢の中でアイヴィと踊るシーンがありますが、ここではセーラー服ではなく、黒のシースルーでセクシーに。
さくらちゃんは真っ赤なドレスで、素敵な2人でした。

フィナーレのデュエットダンスも大人っぽくて良かったです。


さくらちゃんはダンスもダイナミックで見応えあるなぁ。
娘役としての完成度も高いですが、演技面では少し若さを感じます。
まだまだ伸び代がありそうで楽しみですね ♪


大劇場公演で感じましたが、たまさくはお似合いです。
コンビは徐々に呼吸が合ってくるパターンもありますけど、たまさくは並びも雰囲気も既にぴったり。
と、私は感じました。

 

鳳月杏 x 海乃美月


オジー  鳳月杏
クレア  海乃美月


ちなつさんのオジー役は素敵すぎませんか!!

一緒に行ったTちゃんは誠実派の珠城ゲイビーのファンですが(元々たま様ファン)
私はちなつオジーのファンです

遊び人ぽいオジーですが、自分たちを正しい道へと導いてくれた友達ゲイビーの為にアイヴィ探しを頑張る義理堅さや優しさを持っています。

 

この舞台でのちなつさんの存在はかなり大きいでしょう。
縦横無尽な演技力もですが、フィナーレのショーも魅せ方が抜群にかっこいい。

歌えて踊れて演技もうまい。
ビジュアルもスタイルもいい。

べた褒めですが、かっこいい役も女役も悪役も何でも高いレベルでこなすちなつさんは、本当に貴重で素晴らしいスターだと思うのです。

次回公演ではイケオジと思っていいのでしょうか。
最近はどの公演もイケオジ大人気ですから期待してますよ〜


さてオジーと仲良くなるクレア役のうみちゃん、すっかり元気になられて良かったです。

男好きな海乃クレアと女好きの鳳月オジー
2人の出会いからの掛け合いが可笑しくて大笑い。
 

そこに個性的なクレアの婚約者、英真なおきさんが絡んで、3人の独特な世界を作り出すのですが…

強烈キャラのクレア、うみちゃん凄く良かったですよ。

ちなつさんもうみちゃんも芸達者なので、個性の強い役に負けずにパンチがあってこの舞台を更にグイッと引き上げているようでした。

このオジー役を前回は風間柚乃くんが好評を博していたんですね。
凄い!としか言いようがありません。

 

珠城さんとちなつさんはお互いに別の輝きを持っているので、それが良いように作用していてとても良かったです。

これからの月組にとっては最高の人が戻って来てくれました。

 

暁千星 x 夢奈瑠音


チップ      暁千星
ヒルディ  夢奈瑠音


このコンビも凄いの。

チップのありちゃんは可愛くてセーラー服がよく似合う。
ガイドブックを持ち歩いているのも、仕草も全て可愛い。

前半はヒルディに押されてますが、後半はチップの男っぽさも出てきます!

プログラムに野口先生がありちゃんについて、「バブみ(子供なような可愛さ)とオラみ(セクシーな男性)が同居したチップ」と表現されてましたが、
確かに2つのありちゃんを観ることができました。

ダンスでも男役のかっこよさがグイグイ出ていて、色々なギャップが魅力ですね。
知らないありちゃんがもっとあるかもです・・( ̄ー ̄)


そのチップをナンパする、夢奈ヒルディ。
るねくんは今回は娘役ですが、男役ならではの迫力があって歌も良くて大熱演でした。

女の子になると小悪魔っぽくなってとても魅力的。
るねくん凄いなぁ。
フィナーレのショーは男役全開ですよ!

 

その他のキャスト


ピットキン  英真なおき

クレアの婚約者ですが、面白すぎる。
もしかしたら1番受けたかも。
人として。
懐が大きい…とはちょっと違っていて独特の人ですね。
じゅんこさん、歌もお上手で完璧でした。


マダム・ディリー  夏月都

アイヴィの教師。
派手派手で存在感があって、圧倒されました。
歌が良かったです。


ルーシー  白雪さち花

ヒルディのルームメイト。
迫力満点で、くしゃみも何もかもが流石としか…!
ヒロイン以外の娘役は全て個性がぶっ飛んでいるので^^;

 

最後に

 

私が学生の時(かなり前の話)、夏休みの1ヶ月間、アメリカに西から東へと語学の研修旅行に行きました。
ロスから始まって、南側を小刻みに一つの街に3〜4日くらいの滞在で東へと進んでいくのです。

ニューヨークに到着した頃は旅も終わりの方で、すっかり時差ボケもなくなってましたが、NYでの滞在時間は1日だけ。
多分費用的な理由だったのでしょう。

友達たちと24時間をどのように使おうかあれこれ悩んだ記憶があります。
チップのようにガイドブックを握りしめていた友達もいました。

あの時はどの街よりワクワクしました。
NYという街がそうさせたのか、短い時間だったからか。
多分両方だったのでしょう。

時代も状況も全く違いますが、この舞台はすっかり忘れていた遠い日のワクワクした1日を思い出させてくれました。

 

宝塚版 OTT、丁寧な役作りが好演の珠城さん、歌唱面でちなつさん、ダンスのありちゃんと、それぞれの得意分野がよく生かされてました。

2度目の舞台ということもあるのかもしれませんが、出演者の皆さんには余裕すら感じられました。


楽しいミュージカルを観ることができてhappyな気分です♪


月・うさぎ

湖月わたる30周年公演Vol.1『わたるのいじらしい婚活』感想 / sg 朝海ひかる

 

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元星組トップスター湖月わたるさん
舞台生活30年は、宝塚18年と女優12年。

昨日千秋楽を迎えたバウホールでの記念公演『わたるのいじらしい婚活』の感想です。

 

 

ドキュメンタリー・ミュージカル

 

わたるさんの実人生を物語にぶち込んだドキュメンタリー・ミュージカルがあると知って、絶対行きたいと思いました。

自分のことを自分で演じるというのも面白いし、
『わたるのいじらしい婚活』という、ちょっとドキッとするタイトルも興味津々。


トップスターとして輝いていた日々の中でわたるさんが犠牲にしたものは?

 

朝海ひかるさん


この公演のOGゲストは元雪組トップスターの朝海ひかるさん。
とても仲良しな2人。


2人の宙組時代の『エリザベート』は目に焼き付いています。
リアル男のわたるルキーニと、哀愁のコムルドルフ

わたコムと呼ばれていた2人は何もかも対照的でしたね。
体育会系のかっこよさで太陽のようなわたるさんと、小柄で内なる情熱を秘めたフェアリー系のコムさん。

後に、わたるさんは星組で、コムさんは雪組でトップスターとなり、華やかな時代を築かれました。

コムさんも2年後には30周年
元男役の名残を感じさせない、ふんわりとした女性らしさ。

コムさんがゲストで嬉しい。


この公演は他に男性4名、女性2名が出演されてます。

廣瀬友祐さん、迫田孝也さんなど。

皆さんドラマや舞台で活躍されている方々で、歌もダンスも演技もとても上手くて素晴らしいチームワークに感じました。

 

婚活


舞台は新しい感覚、お洒落だな〜
セットも最小限に。


繰り返し言いたい、
わたるさんは変わらない! (見た目のことです)
長身(174)で鍛え上げたしなやかな筋肉、ダイナミックなダンス!

そんな現役男役を彷彿とさせるわたるさんが婚活をするという物語。

舞台一筋に生きてきた日々。
愛を知らない、愛に出会いたい!と。

舞台だけではなく映像からのアプローチで物語は進んでいく。
映像では、わたるさんのお部屋でのインタビューや、合コンのシーンなどが効果的に映されて、まさにドキュメント⭐︎


後輩のコムさんが合コンのセッティングやらアドバイスやらするのですが、2人のやり取りが絶妙で、爆笑

しっかり者のコムさんにアドバイスを受けつつ、婚活を頑張るわたるさんが、本当に可愛くていじらしい。


現役時代からコムさんは見た目はキュートだけど意外と低音ボイス。
わたるさんは見た目とは違ってキーが高い。
なので今回は素のままの綺麗で可愛い声を聞くことができました。

歌もわたるさんの高めの声を生かせるので、とても良かったです。

宝塚時代は、男役の声を出さなければならないので、高めの声の方は大変ですね。

そんな2人の得意分野はやはりダンス
コムさんのダンスシーンはあまりなかったけれど、動きのキレの良さは健在。
もっと2人のダンスを観たい!となりました。


さて、物語はわたるくんが慣れない合コンに落ち込んだり、ワクワクしたり。


これは舞台のシナリオなのか実生活なのか、分からなくなる何とも不思議な空間。
いつしかその世界に引き込まれていって、笑ったりホロリとしたり。
新しくて楽しい舞台!!

 

二つの名前


本名とは別の名前湖月わたるーを持って、これからも歩んでいくのですね。

わたるさんはこの舞台についてこのように語られてます。

お客さまに、ハッピーなのかせつなさなのか元気なのか勇気なのか分からないけど、何か心にお土産を受け取ってもらって帰っていただければいいなと思いますね。


私は・・全部受け取りました!
ハッピーも切なさも元気も勇気も。

切なさがわかるから、ハッピーもわかるのかもしれない。

そしてその全てにわたるさんのを感じました。

 

最後になりましたが、舞台中ほどでわたるさんが今は亡きお父様からのお手紙を読まれます。

その手紙には、舞台を続けるということは何かを犠牲にしなければならない、(ニュアンス)という一文が。

なかなか厳しい言葉ですね。
同時に、真面目過ぎるわたるさんを知っているからこその愛ある言葉だと思いました。

それもあって、わたるさんは仕事を続けるには結婚を望んではいけないのではないかと悩むわけです。

物語の中では2人の素敵な男性からプロポーズされるのですが、結局わたるさんは仕事を優先します。

 

30年という大きな節目の公演で、等身大の自分をさらけ出すという斬新な舞台。
この試みに大きな拍手を送りたいと思います。

わたるさんのチャーミングでいじらしい姿を存分に堪能することが出来ました。

 

Vol.2は『Song & Dance』


秋には30周年記念公演の第2弾があって、ゲストは日替わりのようです。
宝塚OGは紫苑ゆうさん、真琴つばささん、姿月あさとさん、水夏希さん。
全日程出演はダンサーの三井聡さん。


次回は歌とダンスがメインということで是非行きたいと思っています。

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うさぎ

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雪組『Music Revolution!』感想~音楽の戦士たち

 

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音楽の戦士

 

のっけから魅せてくれる、レボリューションの男  望海風斗
板付きの登場!

♪ 魂の鼓動が 今 目覚める

両サイドには彩風咲奈凪七瑠海、高めのセリ。

お芝居では渋さで勝負、キラキラ系の役ではなかった3人が、
ロックテイストからの始まり、キラキラ、ギラギラ・・素敵すぎる(泣)
壬生とのギャップを楽しめるのも今回の公演の萌えポイントか

新撰組の面々はショーでもキラキラの輝き。

そしてもう1人、
耐える女しづさんから弾け出した真彩希帆
ショーの男前な真彩ちゃん、かっこいい!


黒っぽいスタイリッシュな衣装も音楽に合っていて素敵。
プロローグから高揚する、ワクワクする。

最高だなー!
このショーは見どころが多過ぎる。

 

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚

 

『Music Revolution!』観劇レポです。 

ただ今出先にて、順不同、思いついた順に書いていきます。
→書こうと思うタイミングが何故か今

 

散りばめられた名曲


歌って踊って走って、息付く間もないスピード感!
さすが中村先生、好きです
ひとりひとりの見せ場がしっかりあって、望海さんの呼吸と合ってるように感じるから。

ただ、半端なく歌い踊るので、生徒さんは大変だろうと思うけど!

クラシックの有名な曲もロックやラテンにアレンジして散りばめられています。

『新世界』
『威風堂々』
『革命』
『ラ・カンパネラ』
『カノン』
『愛の夢』

 

Jazz ダンサー咲奈


彩彩のダンスが大好き。
咲ちゃんの躍動感溢れるしなやかなダンス
翔ちゃんのキレッキレのかっこいいダンス
2人のダンスは違っていて、
どちらにも目を奪われる。


咲ちゃんのJazzのシーン。
Bryant先生振り付けですっごいかっこいい!
ここは何度もリピートしたい。


咲ちゃんのスーツの着こなしが綺麗
激しく踊っても乱れ方が綺麗

舞台映えするスタイルの良さはパーフェクト
長い手足を自在に操り、ジャズのリズムと一体化する
何て素敵なシーンなんだろう。


咲ちゃんのダンス、前々からOGスターの誰かを思い出させるのだけど、どうしても出てこない、、誰だろう。


そしてやはりジジくん(鳳華はるな)のダンスには目がいく

サックスの綾凰華、トランペットの縣千
殆どのシーンに一緒に登場
階段降りも一緒
この2人、お芝居もショーも凄い活躍ですね。

 

カノン


ひとこちゃん(永久輝せあ)の銀橋ソロスタートから、カノンのロックアレンジでダンスと歌のパワフルなシーン。
クルクル、リフトもある。

そしてここでもジジくんの素晴らしいダンスの見せ場もあります。
あゆみさんも凄いね!
というか、この場面の選抜メンバーのダンスのレベルが高過ぎる
見事なフェッテに感動の拍手。

その真ん中のひとこちゃん。
典型的な宝塚らしいスターで、宝塚に入る為に生まれてきた人だといつも思う。
PRのプリンス役はもちろん、ヨリトモのように男っぽい役もこなす貴重なタイプ
突然だけど(笑)

もはや「無難に一場面をこなせたか」ではなく、「観客を惹きつけることが出来たか」が問われるポジション。

このシーンのひとこちゃんに激しく感動しました(*'▽'*)
今後もこのようなシーンが増えてくるだろうし、色んなひとこちゃんを観てみたい ♪

 

Music is My Life


望海さんの「Music is My Life」
真っ白な世界。

お芝居で白い役とは縁遠いけれど、ここでは真っ白、衣装がね。
いや、歌も歌詞も何もかもが清らかです。

このシーン、真っ白すぎるとかアレコレ言われてますが、そんなことはもうどうでもよい・・(o˘◡˘o)

どの場面でもどんな歌でもハートに響く歌声は、もはや言葉にはできません。
望海さんと真彩ちゃんの2人の笑顔と歌声を聴けたら幸せです

 

かちゃさんはお芝居では渋い役どころで、身なりは立派だけど華やかな役というわけではありませんでした。
でもショーではキラキラ煌めいてましたね。

真彩ちゃんやひらめちゃん(朝月希和)など娘役と絡むシーンも多くて、
実力に安定感もあり、また長身でビジュアルも美しく、ショーを艶やかに彩ってくれました。

何よりも望海さんの満面の笑顔
いつか共演したいと語っていた望海さんの夢(多分かちゃさんも)がまたまた叶ったことになりますね。
望海風斗
凪七瑠海
沙月愛奈
3人の絡みがとても良くて、また涙。

89期生は本当に少なくなったけれど、
改めて力のある輝かしい学年に思う。

 

革命と独立


見応えあるシーンに、ここもまた息が…できません…。
上手の花道せり上がりはガウチョスタイルの望海風斗!

よ!
ここでいつも声が出そうになる自分が怖い→ しかも、よ!

歌いながら銀橋、衣装も似合ってる
というか無茶苦茶かっこいい。
ここでも聞かせてくれます〜

 

祖国の独立チームの代表は、
ボスの望海風斗彩凪翔
恋人の馬の精、真彩希帆

対するスペイン兵チームの代表は、
朝美絢永久輝せあ

まぁどちらのチームも皆さん決まってる。


翔ちゃんはダンスはもちろん、公演ごとに確実に歌が上手くなっていてホントに頼もしい。
土方歳三のイケメンぶりには動揺を隠せませんでしたが、ショーでは銀橋から妹が目が合った!と大騒ぎ。

なんでも凪様はバチっと目を合わせてから一旦外す→再びバチっと合わせる。
妹は年甲斐もなくメロメロ、ありがとうございます。


あーさのイケメンぶりもお芝居でかなり目立ちましたけど、このシーンの赤い衣装の軍服も素敵でよく似合います→妹ここでもメロメロ (妹メロメロ多め、昔から)

あーさも与えられたシーンをしっかりと作れる人ですから、この先お芝居もショーもどんどん期待が膨らんできますね。

 

黒燕尾

 

やっぱり黒燕尾は素敵
のぞ様は迫力あるし存在感抜群!
クラシカルなパターンではなくてオラオラ感のある群舞で、こっちも好き。

とはいえ、ビシッと見事に揃ってます。
一糸乱れぬとはこういうことか。
美しい・・!
ひとりひとりの表情がとても素敵でため息もの、目が足りないを実感するシーンです。
これはもう実際にご覧になってほしい。


そこからデュエットダンスかと思いきや、
順番に銀橋を次々と歌い継いでいくシーンになるんですね。


ここは…
咲ちゃんの風-新しい時代-」を感じさせるところ。
個人的には喜びと寂しさと、2つの思いが胸をよぎるシーンでもあります。

 

デュエットダンスー愛の夢


ただただ涙が出ます、
サヨナラでも何でもないのに。
愛すみれちゃんのカゲソロもとても綺麗で、
激しめのショーの中、うっとりするシーン。
目に焼き付けておこう。
言葉では表現できないのだ。

 

その他感じたこと


・この公演で卒業するジジくん、見せ場がたくさんありました。
ジジくんのダンスは本当に素晴らしい。
卒業は残念だけど、新しい人生もダンスのようにパワフルで素敵な日々になることを祈っています。
東宝公演千秋楽まで駆け抜けてください!

・真彩ちゃんのショートボブ、色っぽくて素敵
色んな意味で無敵の真彩希帆を感じた、今回も。

・パッと目を惹くロケットの潤花ちゃん。
ずっと見ていたい可愛い笑顔。
やはり大輪の花だ。

・今回はお芝居もショーもにわさん(奏乃はると)の活躍が素晴らしかった→歌も素敵。

・とある日の客席降りで、すぐ側にあやなちゃんが来てくれた♪
美しさにクラクラ

・かちゃさんが、望海さんの方へ真彩ちゃんの背中をポンと押すところが好き

・エトワールの羽織夕夏ちゃんの声は透明感があって良かった

・縣君がお芝居共々かなり抜擢されているのは嬉しいし、得意のダンスはもちろん、歌も頑張ってると思う。


こんなところでしょうか。
ざっくり感は否めませんが^^;また何か思い出したら付け足しましょう。

 

円熟期


先日久しぶりに『La Esmeralda』を観ましたけど、(七夕には毎年、『星逢一夜』と併せて観る習慣)
ちぎみゆパワーと2人の表現力は、その時の雪組の世界観を見事に創りあげています。

2番手の望海さんに関しては既に出来上がっている感じもあって、改めて凄い人だわとなりました。

エスメラルダ時代の若手が今は中心になって新しい雪組を作っている。
豊富なベテランと、次の世代もぐんぐん育っていて本当に充実しているなと。
今回のお芝居とショーを観て強く感じました。

この『Music Revolution!』で活躍している若手の皆さんも2年後、5年後にはきっとそうなっていくのでしょう。

その時はどんな色の雪組になっているのでしょうか。


来週には東宝の幕が上がります。

『壬生義士伝』は観る角度を変えると、感じ方や捉え方も変わってきて、わからないことも出てきたり、新しい発見があったりと面白い作品でした。

やはり、今の雪組にしかできないタイプの作品かなと実感しています。
各組にそのような作品があるように。


『Music Revolution!』は楽しさもあり、胸が熱くなるシーンも随所にあって、心が満たされたショーでした。

本当に感動をありがとうございます!!

 

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚


Music  is  My  Life
風の音は
僕の耳元で囁きながら
やがて音楽となって
歩むべき道を教えてくれた


雪・うさぎ

 

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雪組『壬生義士伝』感想⑤ 吉村家と八木家の人々 / 真彩希帆 / 彩海せら…

雪組『壬生義士伝』観劇感想⑤です。

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宝塚大劇場公演の千秋楽、おめでとうございます。
千秋楽の様子は観劇された方の感想やタカニュなどを楽しみにしたいと思います。

今回は真彩希帆さん演じるしづとみよを中心に、吉村家と八木家についての感想です。
やっと真彩ちゃんまでたどり着きました。

ネタバレご注意ください!

 

 

吉村家


吉村家の父、貫一郎 (望海風斗) については感想④に書いています。

 

しづ  真彩希帆


しづは百姓の娘で南部小町と呼ばれる美人さん。
大野次郎右衛門(彩風咲奈)の側室の話も断り、足軽の吉村貫一郎に嫁ぎます。

いつも元気いっぱいの真彩ちゃんが演じるしづは、過酷な運命に抗わず懸命に生きている3人の母親。


『20世紀号に乗って』で真彩ちやんは、自由でちょっと気の強いチャーミングなヒロインを水を得た魚の様に生き生きと演じました。

難しいナンバーの数々を自在に歌いこなしてとってもかっこよかった。


しづは真逆の耐える役です。
ギラギラのリリー・ガーランド役があまりにハマり役で印象的だったので、壬生義士伝の原作を読んだ時には、しづは真彩ちゃんの魅力を出せる役なのかな?と思いました。

でも、引き算の演技は、控えめなしづがよく表現されていて良かったと思います。

真彩ちゃんはもう、どんな役でも高い水準で演じられるようになったのだと今回は改めて感じました。


沖田と斎藤が貫一郎のことを、弱そうに見えて実は凄腕、と言います。
(沖田は色々と鋭いことを言う…)

しづもそうではないでしょうか。
剣術の話ではないけれど、しづは体が弱そうで性格も控えめな感じですが、貫一郎の脱藩後は母として強くなり留守を守り、弱そう見えて強い人に思えます。

真彩ちゃんが嘉一郎の頬を打つところの母親の顔にハッとさせられました。


大野千秋が貫一郎の遺品を届けにくるシーンがありますが、取り乱さず静かに切腹の話を聞くしづの姿に地味に驚きます。

私なら泣き叫ぶかもしれません。
必ず帰ると、死なないと言ったのに…と。

新撰組に入った時から、
あるいは脱藩を決めた時からもう覚悟ができていたのか。
武士の妻とはそういうものなのでしょうか。
この時代に生きる女性たちの強さは私の想像の範囲を超えています。


今回は望海さんと夫婦役ですが、ほぼ離れ離れでしづの出番はそう多くはありません。
いつもとは違った形のヒロイン像ですね。

それでも見終わった後、しづの存在感はしっかり残っています。
舞台の上で真彩ちゃんがしづをしっかりと生きていたからだと思っています。

 

嘉一朗   彩海せら


あみちゃんの演技がとても好きです。
滑舌も良く歌も上手で、望海さんのDNAを受け継ぐ貴重な人だと思っています。

フェアリー的な容姿や子役が多いことから、新人公演で吉村貫一郎を演じることに、イメージがわきませんでしたが、タカニュで流れてきた新公の様子を見たところ全くの杞憂でした。

実際に観劇された方で数名、望海さんに似ていたという感想を見かけましたが、顔が似ているわけではないけど、わかる気がしました。


本役の嘉一郎には毎回泣かされました。

母親が身を投げた時の兄としての物言い
脱藩者の家族として虐げられた時の怒りに震えた声
父親の死後に戦いに参戦する覚悟の顔


一場面一場面、気持ちがしっかりと伝わってきました。
今が伸び盛り、大きな期待を背負っている人です。

 

みつ   彩みちる


可愛くて可愛くて、泣いていると抱きしめたくなります。

みちるちゃんとあみちゃんはPRでカップルでしたが、新公では夫婦ですね。
あの時の可愛い2人が、180度違う役をしっかり演じるなんて!

みちるちゃんは星逢の時の新公でも、とても味わいのある演技だったのでしづのイメージはつきやすかったです。

本役の子供時代のはみちるちゃんのみつは、貧しさの中いつも泣いていて、母や兄に寄り添って懸命に生きる姿が印象的でした。

 

吉村家の親族

 

オトラ 沙月 愛奈
オカネ 杏野このみ

当時、脱藩者の家族を引き取るのは大変だったと思います。

辛辣な言葉を年端もいかない子供に投げかけますが、色々とあったのでしょう。
お2人の演技にその様子がよく表れていますね。

 残された吉村の家族の暮らしぶりを知る上で大切な役、重要な場面だと思います。

 

 八木家

 

 みよは八木家の娘というわけではありませんが、八木家で行儀見習いをしているので、ここに入れています。

 

みよ  真彩希帆

 

真彩ちゃんのもう一つの役です。
綺麗な着物を着てお金持ちで我儘娘、性格もしづとは違ったタイプになってます。

叔父さんにぷぅとふくれて物を言うところが可愛く、着物も良く似合う。


貫一郎には縁談を断られてしまいますが、さばさばした性格のみよ。

そんな気丈に見えるみよですが、その後の蛍のシーンで貫一郎のしづへの深い愛を知り、そっと涙するシーンは、ホロリとします。

しづとみよの演じ分けはきっちり、真彩ちゃんの2役は大成功です。

 

八木源乃丞   桜路 薫


おーじくん、落ち着いた物腰深みのある声が、京の富裕郷士としてとても合っていて良かったです。

実在の源之丞については色々な逸話が残ってますが、いずれも人柄良く、なかなか粋な人でもあったようです。

このお芝居の良いところは若手からベテランまでそれぞれに印象に残る見せ場があるところですね。

おーじくんはまだまだ95期生と若いですが、落ち着いた佇まいで役作りが上手なので、貴重な男役さんだと思います。

 

特別な席とは


この公演で観劇した席種は、B席もあればSS席もあったのですが…。

SS席の観劇日に事情で手放さなければならないという事態になり、妹共々半泣きでした…涙。
観劇日の前々日のことです。

結局は妹の尽力で1日違いのSS席と交換することが出来て2人とも観ることができました。
粘り強い妹と思ってましたがここまでとは…!

SS席は滅多に当たることもない特別な席ですし、望海さんがトップになられて初めてだったので感動はひとしおでした。

ただB席にも望海さんや真彩ちゃんの歌声は同じように耳に届きますし、至福の時を過ごせます。

実は忘れもしない、私が望海さんの素晴らしさに目覚めた公演が、2階の最後列での観劇だったので、私にとってB席特別な席になっているのです。

劇場の片隅でもご贔屓スターとの出会いはあるってことですね^ ^


まだまだ書けてませんが、ショーはかっこよくて楽しくて大好き!
お芝居を観た後、スカッとして帰れます。

この後、遠征は出来ないので大千秋楽のライビュにはエントリーしたいと思っています。

ブログは新撰組についてなど、面白そうなエピソードがあれば番外編として更新するかもしれません。


雪・うさぎ

 

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雪組『壬生義士伝』感想④ 吉村貫一郎 / 望海風斗

『壬生義士伝』観劇の感想です。

なかなか書けなかった望海風斗さんについて。
どのように伝えれば良いのやら、試行錯誤しつつですが思いつくままに書いていきます。

 

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ネタバレご注意くださいね。

 

 

吉村貫一郎  望海風斗


望海さんはトップ就任時から過酷な運命の役が続きます。
この公演も脱藩して新撰組に身を投じ、悲劇へと突き進む1人の武士(もののふ)の話。

望海さんの達者な演技力、歌声、そして真彩ちゃんたち出演者の結集力で作品の持つ力が更に高められたと思っています。

 

登場シーン

 

吉村貫一郎は実在の人物ですが、決して歴史の表舞台へは出てこないタイプです。
浅田次郎氏の小説が無ければ、
宝塚で上演されなければ、
私は吉村貫一郎と出会わなかった可能性もあります。

貫一郎は近藤や土方、斎藤のように写真も残っていません。
また映画やドラマも見てなかったので、原作を読んでいる時から望海さんをイメージしていました。
なので舞台に現れた瞬間からその人は吉村貫一郎でした。


登場シーンの青年の貫一郎、望海さんは青天で現れます。
とても若々しくて誠実そうな若者っぷりが美しい。
だいきほコンビとして定着していても、貫一郎としづはとても初々しく微笑ましいです。

望海さんの流暢な南部訛りは盛岡に生まれ育った貫一郎そのもの。
演じ手と青年はすんなりと融合して、朴訥な貫一郎の実直さや優しさ、しづへの溢れんばかりの気持ちを見事に表現していきます。
この登場場面だけで1記事書けそうなくらい素敵なシーンです。

 

脱藩

 

貫一郎は文武両道質実剛健質素倹約…といった四字熟語が似合う男!

真面目で働き者でも、足軽の身分で貧しい身の上。
ついに食べていけなくなり、大罪と知りつつ脱藩を決意します。
ここは家族との別れと、彩風咲奈演じる竹馬の友との決別でもあります。

もしも今の時代なら。 

強くて頭のいいパパと美人のママ、よく出来た子供たち。
少々変わり者だけど嫁を愛し子供を愛し、絵に描いたような理想の家庭を築いていただろうにと思わずにはいられません。

愛する家族と別れの時に貫一郎が歌うのは、切なさと力強さを合わせ持つ歌「石を割って咲く桜」
さすが望海さん! と唸らせる素晴らしさ。

♪ポタリ  ポタリ  ポタリ

石割桜の石を割って見事に咲いて、そして散っていった武士、貫一郎の心を表現しています。

これは泣ける・・・
このシーンは心の中に映像としていつまでも残るでしょう。

この岩手の石割桜は樹齢360年、盛岡地方裁判所前にあって国の天然記念物に指定されているようですが、本当に力強く見事な桜です。

 

吉村貫一郎と斎藤一

 

新撰組の人気者を演じるのは、宝塚屈指の雪組イケメン軍団。

隊士たちがズラリと華やかに並ぶ中、
貫一郎は腰が低く、口を開けば南部訛りで家族自慢、ふるさと自慢、皆と遊びにも行かずひたすら家族に仕送りをする。

正直、斎藤一は貫一郎をもっさりした奴と思っているだろう・・
実際にはそれだけでは済まされず暗殺の憂き目に遭うところでしたけど。
このようなタイプの男が癇に障るのでしょうね。

そうとは知らず酒席で斎藤にふるさと自慢を始める貫一郎ですが、
登場シーンで歌う「南部賛歌(雪の契り)」の歌詞には盛岡の美しい風景が盛り込まれていて、「石を割って咲く桜」と共にとてもいい歌です。

♪ 東に遠く 早池峰山 はやちねさん

から始まるこの歌、

とある原作のシーンが思い出されます。

 

原作を持ち出して申し訳ないのですが、吉村を嫌っていた斎藤が、国替えの折に貫一郎の死後に盛岡へ行くのです。(舞台にはありません)

小舟を降り立った斎藤の目の前に広がるのは、貫一郎の口から何度も何度も聞いた盛岡の景色・・岩手山、姫神山、北上川。

耳にするのは何度も何度も聞いた南部弁。

貫一郎の口癖が斎藤の耳に甦ります。
(南部盛岡は、日本一の美しい国でござんす) 

斎藤は、 嫌っていたはずの貫一郎を思い、涙が溢れでるのです。

原作でかなり感動したところです。(下巻のp79〜)

それを踏まえての望海さんと朝美絢、斎藤が舵を取っているかに見えて吉村に翻弄されているような2人の関係が、危うくも面白くも絶妙に表現されていてとても良かったです。

 

新撰組で

 

貫一郎は新撰組では浮いた存在でも決して嫌われていたわけではなく、むしろ好かれていたようです。

貫一郎にとって新撰組は生きる為の手段で、生きる為に人を斬ると明言しているので、ある意味わかりやすい人なのかもしれません。

沖田総司が後半で、極楽へ行けるのは(正確には、地獄の閻魔さんに許してもらえるのは)吉村さんだけかもしれませんね、
と言いますが、人斬りが生業であっても貫一郎にはそう思わせる何かがあったのでしょう。

しかし、刀を抜くと人が変わる。
そこのギャップがたまりません。

一見弱そうで強い貫一郎、斎藤との場面、介錯の場面、油小路の場面、
望海さんの殺陣は最高にかっこいい、それに尽きます。

 

蛍としづの幻と

 

貫一郎に恋したみよ。
舞台ではみよはしづ(嫁)に面差しが似ているとされています。

みよと一緒になることに貫一郎が迷いがあったかどうかはわかりません。
なぜなら、話を受ければしづたちは脱藩者の家族と虐げられることもなくなり、家族にまとまったお金まで送ってくれるという。
貫一郎の命も守られる、皆が勧めるのも当然かもしれません。

でも、きっぱりと断った。
有益な話よりも、ただ一つ気持ちを優先した 。

しづの立場になれば、どれほど暮らし向きが良くなってもその代償に失うものの大きさは計り知れないはずです。

の優しい光の中で、思わずしづの幻(みよ)を抱きしめる貫一郎。
しづへの思いが溢れていました。

貫一郎、しづ、みよ、3人の気持ちが交錯する美しいシーンです。

 

義に生きる

 

に生きた吉村貫一郎。

では義とは?
人間としての正しい道、正義を指し、武士道のもっとも厳格な徳目とある。

また、武士道とは義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義からなる道徳。
舞台では戦いのシーンで仁・礼・智・信がコロスとなり表現されています。

注目すべきは、武士にとってお金は二の次であるということ。
損得を超越して、正しいと信じる道を貫くことが武士道の掟、これが義の精神とあります。

ならば守銭奴と言われてた貫一郎の義は何だったのかということになるのですが、これは貫一郎自身が答えを出しています。
彼の義は家族の為に生きること
家族が彼の全てです。

 

そんな彼は鳥羽伏見の戦いで、戦いの最前線に立ちます。
あれほど生きることに全てをかけていたのに、です。

朝敵となり士気の下がる旧幕府軍として戦う新撰組もボロボロになり、勝利は新政府軍の手に。
新撰組隊士も多くの犠牲者が出たようです。

ここで貫一郎は武士としての義を全うしようとしました。
・・としか私には理解できなかったというのが本音です。
私の理解力が弱いのかもしれませんが、貫一郎の生への執着を思う時、ここはもう少し説得力が欲しいと感じました。

戦いに挑む望海さんの「もののふ」のかっこよさは半端なく、斎藤の南部に帰れ!の言葉にも背を向けて戦う姿は圧巻でした。

だからこそ、仲間の言葉を振り切ってまで立ち向かう貫一郎の心の叫びを聞きたかったです。

原作でその辺りの事情をもう一度読み直してみたいと思います。

  

貫一郎と次郎右衛門

 

戦いに敗れ、最後に貫一郎が行き着く場所は南部藩。
懐かしい次郎右衛門の元です。
頭のいい貫一郎、家族の元へ帰りたいという思いはあるものの、今置かれている状況も次郎右衛門の立場も自分の運命も、わかっていたと思います。

望海さんの今までの役は壮絶な死に方が多かったですが、今回は深傷を負い、介錯なしにたった1人で切腹し、消え入るように死んでいく…

ある意味で今までで1番衝撃的な死でした。

そして死ぬ瞬間まで家族を愛する貫一郎を演じる望海さんは、ここで完全に吉村貫一郎としての人生を終えました。

 

 望海さんの言葉〜新聞記事より

 

先ほど、Twitterのフォロワー様が静岡新聞に掲載された望海さんと真彩さんのインタビュー記事を送ってくださいました^ ^ありがとうございます!

2人の画像が美しいこともありますが、そこでの望海さんの言葉がとても素晴らしく興味深いので一部紹介させていただきます。 

 ー役作りで大切にしているところは。

望海 宝塚はとても美しい世界で、お客さまは夢を見に来てくださるのだと思いますが、それだけではやはり、上辺だけになってしまうのではないでしょうか。

いいところもあれば悪いところもあるのが一人の人間であり、一つの作品で、だからこそ共感して応援してくださるのではないかと。

その意味でもすべてさらけ出すことを大切にしています。

 

 役作りにおいて、いつも真摯な望海さん。

この吉村貫一郎のことも良いも悪いもある1人のリアルに生きた男として捉えられたのでしょうか。

一作ごとに役作りが深まっていく望海さん、すべてさらけ出すという言葉がとても印象深く説得力があり共感するばかりです。

 
雪・うさぎ

 

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雪組『壬生義士伝』感想③ 大野一家・彩風咲奈と鹿鳴館・凪七瑠海を中心に

『壬生義士伝』今日は大野一家鹿鳴館のチームについての感想です。  

 

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咲ちゃんがキャリエールの好演を踏まえて、どんな次郎右衛門になるのか。
そして、専科から出演のかちゃさんはどんな役なのか。
とても楽しみでした。
ネタバレあります。

 

 

大野家

 

大野千秋とみつは、大野家の人なのですが鹿鳴館チームで登場します!

 

大野次郎右衛門   彩風咲奈 


華美な役ではないけれど、風格と美しい佇まいを必要とされる大野次郎右衛門役、
咲ちゃんにはビシッと決めてほしい思ってました。

望海さんとはファントムで父子として息が合ってましたが、この舞台では竹馬の友としてしっくりはまっていたように思います、


貫一郎としづは、まだ人物像が捉えやすく、役の色もはっきりしていますが、
次郎右衛門は生い立ちや立場、状況から複雑な心情を抱えていていて、本音と建前の狭間で揺れる役です。
役作りという点ではかなり大変なのでは^^;

また、私は後半の描かれ方が全体的に急ぎ足に感じられたので、演じ手は更に難しかったのではないかなと思いました。


若き日の次郎右衛門は、好きなしづが貫一郎を夫に選んでも、カラッと笑い飛ばす大らかさと明るさを持っていて、
咲ちゃんの爽やかでノーブルな顔立ちと相まって清々しい青年像を作り上げてました。

次郎右衛門はその後の吉村家に起こる悲劇を全て見ているので、貫一郎の気持ちは痛いほどよくわかっているはず。
貫一郎の側でそっと見守る様子の咲ちゃんの表情が切ない。
そして貫一郎だけではなく、しづや子供たちのこともずっと見守っていました。


先ほど、後半部分が急ぎ足に感じると書きましたが、
過去に演出を何かとつついていた時期もありましたが、こだわり過ぎて夢の世界も楽しさが半減してしまって(T . T)

自分が楽しんで観劇できるさじ加減を見つけることで今は楽しんで観ることができています。

と言いつつ、ポロポロっと言いますけど> <
まぁ、ほどほどに。


大野次郎右衛門に話を戻します。

次郎右衛門が貫一郎に切腹を命じた夜、貫一郎の為に自ら南部米のおにぎりをにぎります。

自分の命令によって大切な友を失おうとしている、いうに言われない悲しみを描いているシーンです。

ここからは咲ちゃんがエンディングへ向けて舵をとっていきます。
世間に見せる厳しい顔と、家族や友を思う優しい心と。


昨日の観劇で気づいたのは、母親に、貫一郎に、家臣に、息子に、それぞれに語りかける声が自然な感じで違っていること。
咲ちゃんはとても繊細な演技ができる人だと思いました。

歌にも気持ちがこもっていて、この公演で咲ちゃんのここ1年の歌と演技の躍進ぶりを改めて感じました。

咲ちゃんのキラキラが観たい人も安心してください。
ショーで思いっきり楽しめます

これからの咲ちゃんですが、、
望海さんに個性の強い役が多いこともあってかどうか咲ちゃんに濃い役、悪い役はなかなか回ってきませんね。
別箱主演公演は楽しみですが。
一度、真っ白な望海さんと真っ黒な咲ちゃん、どうでしょう!


あ、次は望海さんギャングでしたね(≧∀≦)
この流れ、やっぱり私は好きです。

 

ひさ   梨花ますみ

 

次郎右衛門の生みの母で、ひっそり身を隠すように暮らしていて、
時折、次郎右衛門がこれまたひっそり訪ねて来ます。

次郎右衛門はこの母と暮らし、貫一郎と共に学び遊んでいた頃が1番楽しかったのかもしれませんね。

梨花さんのひさは自分の運命を受け止めて覚悟ができている、凛として芯の強そうな母親です。

 

佐助   透真かずき

 

忠実な大野家の下男としてりーしゃさんは今回もホントに素晴らしく、南部弁も流暢でお芝居の中でとてもいい空気を出してくれています。

佐助は、立場的に大きくは目立たずに控えめに、だけど次郎右衛門にとって大きな役割を果たしてくれているようです。

次郎右衛門が貫一郎の苦しみを見ていたなら、佐助はその次郎右衛門の苦しみをも見ています。

おにぎりを握るシーンは、それぞれの悲しさが伝わってきて、りーしゃさんと咲ちゃんの演技が本当に素晴らしいと思いました。

 


鹿鳴館

 

チームとしての鹿鳴館の感想は感想①で書いたので省きます。

松本良順  凪七瑠海

 

ストーリーテラーとして、貫一郎の生きた時代を振り返り説明しながら話を進めていきます。

松本良順はは、特に生前の貫一郎と深く関わったわけではありません。
 
実はもう少し吉村と関わった人(例えばこの舞台には出てこない原作の証言者)に設定する方が良かったのではないかと思ったのですが、
それでは斎藤のように感情が入りすぎるかもしれませんし。

やはり元新撰組隊士ではなく少し離れたところから貫一郎を見ていた人物をストーリーテラーの中心にする方が良いのかもしれません。

(初演時『エリザベート』でルキーニという発想も衝撃でしたが)

この舞台ではその人物が松本良順という、私には思いつかない発想でした。(当たり前だ)
 
前置きが長くなりました。
かちゃさんのエリート感は半端ではありません。
すごい名医に違いない、と思わせる軍医総監。
さすが!
 
ストーリーテラーとしてはさらさらと流れるように話を繋げていきます。
 
流れるようにと言うのは、思うよりずっと難しいでしょうね。
間の取り方もありますし。
若手の方では難しいかと。
この鹿鳴館の設定をするには、やはりかちゃさんの力が必要だったと思います。

あるいはかちゃさんがいるから、この設定が実現したのか。


望海さんとはまた別な持ち味のかちゃさんの出演は、雪組にとって良い刺激になったと思います。

 

大野千秋   綾凰華

 

幕末にも明治にも登場して出番が多いです。
お芝居は安定感がありますね。
聡明で温かい人柄がよく表れてました。

あやなちゃんのイメージは優しい顔立ちから癒し系の人でしたけど、
RRでは男役の色気も感じられたし、まだまだたくさんの引き出しを持っている人ではないかと思うので、これから楽しみです。

 

みつ(成人) 朝月希和

 

幼い日のいつも泣いていた小さな女の子の姿はありません。
あの壮絶な日々を過ごしたみつがこんなにも快活な人になれたのは、他ならぬ千秋の愛情があったからでしょう。

ひらめちゃんはそんな悲しい過去を乗り越えてきた強さと明るさを持つ素敵な夫人として明治の世に存在していました。

 

 夫人たち

 

ビショップ夫人  舞咲りん
松本登喜         千風カレン
鍋島栄子         妃華ゆきの 

明治に生きる鹿鳴館に強く美しく咲くご婦人方。
かちゃさんと共にストーリーを進めていきます。
存在感たっぷりでそれぞれに適役かと思います。

 

素敵な時間

 

昨日は初めて望海風斗さんのお茶会に参加させていただき夢の様な時間を過ごしました。

そしてますますファンになりました

ご贔屓は舞台だけで と思っていて、過去に参加したお茶会もご贔屓ではない人という変わり者です。かなり前のことで忘れかけていましたが。

それを覆してくれたのが望海さんであり、こんな私に声がけしてくださった方。

感謝しています^ - ^

 

感想、、なかなか進みませんな〜
1日があっという間に過ぎてしまいます
思い切って朝型に変わろうかと思ってますが、多分無理でしょう。はい。

続きます

雪・うさぎ

 

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雪組『壬生義士伝』感想② 新撰組隊士たち〜彩凪 / 朝美 / 永久輝 / 奏乃 / 縣 /…

 

『壬生義士伝』はお芝居が重くて切ない…という面が強調されがちですが、華やかなシーンも笑いもあって見応えのある舞台になってます。

 

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例えば新撰組隊士がズラリと並ぶ姿☆
これぞ宝塚の醍醐味!
華やかな美しさに圧倒されます。

今日は新撰組隊士についての感想ですが、望海さんについてはまた後日に。
ネタバレありますのでお気をつけください。

 

 

土方歳三 / 彩凪翔


登場シーンの翔くん、期待を裏切らないかっこよさです。

この芝居での土方は鬼の副長というよりも、荒々しい隊士たちを取りまとめる兄のような存在。
これは原作どおりのイメージです。


「めんどくせー、めんどくせー」と、さらりと言う男前。
実は全てお見通し、管理能力抜群、
テキパキ采配する抜け目のなさ。

土方は言葉にも行動にも一切の無駄がないとか。
翔くんの土方はまさにそんな感じです。

理性派の土方とは対照的に、融通が効かず、こだわりが強く、何かと熱(苦し)い吉村貫一郎

だけど土方は吉村の腕だけではなく、人となりを信頼していました。
人を見る目にも長けていたのでしょうね。
土方が、他の隊士とは少し違う目線で吉村を見ている様子はよくわかりました。

最初は真面目で質実剛健、剣の腕も立ち、仕事のできるという理由で吉村を重宝していたのかもしれませんが、
いつしか守銭奴呼ばわりされても、家族に送金し続ける吉村を尊んでいたのかもしれません。

役作りもビジュアルも完璧な翔くんの土方歳三です。

 

斎藤一 / 朝美絢

 

かっこよさではあーさも負けてません。←イケメン対決ではない。
ほぼ2番手役と並ぶくらいの出番の多さで大活躍でした。

ただ、大野次郎右衛門役は、吉村に続く難役だと思います。
なのでやはり2番手役になったのかなと。


斎藤は主役の吉村との絡みも多くて、見応えのあるシーンがたくさんありました。
そう言えば、吉村だけではなく、沖田とも、土方とも、谷とも絡みがありますね。

斎藤一というのはよくモテたし洒落者だったそう。
で、もっさりした田舎侍の吉村を毛嫌いしていた。
気に食わないという理由で吉村を切ろうとする。
そのシーン。

酒宴の席から夜道まで、緊迫した空気の中での2人の殺陣は息を呑みます。

空気が作れるというのは凄いですね。
あーさは月組で培ってきた力を基に、雪組で望海さんたちに学んだことも積み上げられて、花開いてきた感じでしょうか。

斎藤は谷の件といい、なかなかの非常っぷりで自分軸がブレないタイプですが、吉村にだけは翻弄されているように思えました。

吉村から最後のおにぎりを貰って食べた後で、彼が食べていないことを知り、憤慨して吉村に責めよるシーンがあります。

自分では気づいていないけれど(認めたくないのかも)、吉村のことは根っこの部分で尊敬し、彼に何かを求めていたのではないかと。

このあと吉村を生かそうとして叫ぶ姿に涙します。

あーさは一貫してクールに演じましたが、
人を愛せない一匹狼の漢の人情的な一面も表現されていて感動しました。

 

沖田総司 / 永久輝せあ


かっこよさではひとこちゃんも負けてません←この後の隊士たちも以下同文でm(__)m

沖田総司はハマりすぎでしょう。
土方や斎藤の様に写真は残っていないけれど、何となくのイメージ像がある人ですね。

その想像の中の世界から浅葱色の羽織を着て颯爽と現れたかのようなひとこ沖田総司
分かってもらえますか?

ともかく原作を読んで改めて再認識したのは、新撰組は壬生浪と言われて恐れられている集団であること。

その一番隊組長が沖田総司。
若く明るく心優しいイケメンでも、剣を握れば容赦なし。

年下の斎藤一を「はじめくん」と爽やかに呼ぶ口が、
目障りな仲間の谷を「斬っちゃいましょうか。」とさらっと言う。

このギャップには怖さを感じます。
沖田は優しい人という固定観念がありますが、そればっかりじゃないですよというところ。

原作で感じた沖田のリアルな面を、舞台でひょうひょうと演じるひとこちゃんの演技、
センスがあると言うのでしょうか、上手いと思いました。

やはり出来る人、持ってる人です。
そう思わずにはいられません。

それでふと思いましたが、いつか永久輝せあの「星影の人」観たいなと。
個人的に思い入れのある作品なのです。

 

近藤勇 / 真那春人


近藤勇と言えば、顔も性格もゴツゴツしたイメージがありまして、優しい顔立ちのまなはるくんとイメージがつきませんでした。
が、そこは芝居巧みなまなはるくん、
宝塚の近藤勇を堪能することができました。

やはり新撰組の要となるのはこの人、近藤勇。

吉村の縁談についても身内の様に取り計らおうとする。
この舞台では、恐さや厳しさより大らかで父親の様な(年齢的には兄かも)まなはるくんの局長だったと思います。

 

谷三十郎 / 奏乃はると  


にわさん、当たり役ですね、さすがです!

七番隊組長谷三十郎
微動だにしなければ、なかなかの大物風だが。
少し動けば小物の佇まい.…おまけに女好きっぽい。

一見強そうに見えないことはないのだが。
剣を抜いたらへっぴり腰…逃げ足も早い。


愛すべきキャラクターと言いたいところですが、仲間内ではかなりの嫌われ者。
最後は斎藤らに暗殺されてしまうけど、死ぬ瞬間に「え、何で?」と問いかけているかの様な顔のまま倒れていくのが哀れでもあり滑稽でもあり。

この芝居の中でユーモラスな役割を担うおっさん谷三十郎の絶妙なにわさんの演技、存在はかなり光ってました。

 

池波六三郎 / 縣千


原作(池田七三郎)と名前が微妙に違うのが気になってましたが、新撰組時代はほぼ原作どおり、
生き残って証言者となるのも同じ。

変わっているのは、明治の世で斎藤と警官として行動を共にしているところでしょうか。

縣くん、今回本役でこんなに活躍するなんて。
印象に残ったのは、吉村のお見合いのシーン。
皆んなの話を聞いている時の表情と、吉村を慕うあまり思わず飛び出していく行動とが、一途な若者らしさが出ていてとても良かったのです。

ビジュアルよしセリフも明瞭な縣くん、新公は土方歳三役ですね。
翔くんから目でモノを言う男役の魅せ方を学んでほしいです。

望海さんのトップ就任後、新公主演もしましたが、まだ一度も望海さんの役を演じてません。
ひとこちゃん→轟さん→咲ちゃん→そして翔ちゃん。
次回…でしょうか。

縣くんはどんなタイプのスターに成長するのかなと時々考えます。
男の哀愁を感じさせるような、ドラマティックな役柄が似合うスターになって欲しいというのが私の希望です。

3期上の綾凰華さん、1期下の彩海せらさんなど、雪組には伸び盛りの生徒さんがたくさんいるので、刺激しあって自分の目指す男役像に近づいていってほしいですね。
楽しみにしています!

 

その他色とりどりの新撰組隊士たち

 

伊東甲子太郎 / 煌羽レオ

かりちゃん、別箱になりますがPRxPRince でのクールなお役がかなり印象深く残っていてはまり役だったんですね。

つまり、ハマると凄い存在感を残せる人だと思うのです。

伊東は新撰組の中でも位置付けが少し異色なタイプで、
結局は仲間に油小路で暗殺されますが、キレのいい殺陣はかりちゃんの持ち味が生かされてました。

独特の魅力があるのでこれからもっと活躍の場を広げてほしい人です。


小川信太朗 / 久城あす

切腹だけでも悲劇なのに、とんでもない企ての犠牲になりますT^T

このシーンで介錯を務める谷と吉村の剣の腕の差が歴然とし、小川はとばっちりを受けて大変な目に会うのですが、役柄的にはそれが目立つ見せ場となります。

ざんばら髪となり、抗おうとして最後のひと暴れ、なかなか見応えありましたよ。

 

近藤周平 / 眞ノ宮るい

優しい顔立ちのはいちゃんですが、新撰組隊士としてキリッとしていて素敵でしたし
とても綺麗ですね。

兄(谷)を暗殺されたことを知って叫ぶところを連れ出されるところは印象的でしたが、はいちゃんの演技はまだまだよく知りません。
これから注目していきたいと思います。

 

♡━━━━♡

 

一口に新撰組隊士といっても最後まで同じ志を持つことは難しいようです。

明日の保証もない日々を懸命に生きる若い輩たち。

壬生義士伝では舞台の上で美しく咲く新撰組隊士たちを堪能することができます。

 

続きます!

 

雪・うさぎ 

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雪組『壬生義士伝』感想① 名もなき侍を息づかせ輝かせる人

雪組公演「壬生義士伝」観劇レポです。

 

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だいきほ初の夫婦役、絡みは少なくてもしっくりくる、呼吸が合う。
ふたりがこの2年近くで積み上げてきた絆が結実した思いです。


~原作 浅田次郎「壬生義士伝」(文春文庫刊)~
脚本・演出/石田 昌也


今日は全体についてのざっくりした感想です。


幕末とは主に1853年から1869年までの時代。
今から150年ほど前のことです。

そんなに遠い昔でもないような気もしますが、
全く別世界の様な気もします。

なので、私は登場人物の誰にも感情移入はしませんでした。
同じ心を持つ日本人ですが、現代とはものの見方、価値観、ましてや吉村貫一郎の置かれた状況を理解するのが難しいと思ったのです。

ただ貫一郎の気持ちに寄り添うことはできました。
その時代に生きる人の必死さ、切なさが舞台から伝わってきたからです。


私は吉村貫一郎の名前を、この公演で初めて知って小説を読みましたが、
原作の世界観をそのまま舞台に移すのはかなり難しいと思いました。

華やいだシーンも少なく、主役の吉村貫一郎も決して表舞台に出る人ではない。
石田先生が主題とするのは原作どおりの「義」
それを宝塚の舞台でどの様に美しく彩り魅せられるのか。


もちろん望海さんが演じる吉村貫一郎役に関しては不安要素は何一つなく、期待しかありませんでした。

宝塚の煌めきも華やかさもない名もなき田舎侍に、息を吹込み輝かせることの出来る人だとわかっていたからです。
みすぼらしい身なりで腰の低い男を輝かせるには、それ相当の技量が必要でしょう。

結果、望海さんの貫一郎は原作とピタッと一つに重なり、期待どおりの素晴らしさ。
幕が降りた後も暫く余韻に浸りました。

この時点で壬生義士伝がなぜ雪組公演に選ばれたのかわかるような気がしました。

 

♡━━━━♡


また、原作のままだと娘役さんの役がほぼない・・というところもあっての鹿鳴館チームの誕生かなと思うのですが、このシーンの是非が問われています。

こちらのチームを仕切るのはかちゃさん演じる松本良順先生。
ストーリーテラーとしての役割を担っています。

幕末時代の話に気持ちが入り込んでいるところに、このシーンが度々出てきて話をさえぎられてしまう、
という意見と、
このシーンがあるからストーリーが分かりやすくなる
という意見があるようです。

実際に原作を読んでいない妹は違和感も感じず、むしろこのシーンがあるのでストーリーがよく分かったようです。
なるほど。


実を言うと、私は1度めの観劇の時はこの場面が少し多いように感じました。
つまり幕末のストーリーをさえぎられる感じです。

観劇後、妹の話を聞きながら考えてみました。

原作の進め方も、明治に生き残った人々の吉村に関する証言(思い出話)で、ストーリーが構成されています。

なので、さえぎられるという発想は少し違うかもしれないな、と。

2度めの観劇では、鹿鳴館時代をベースにして、回想として幕末期の場面を捉えるとこで、私の中でより幕末期がクローズアップされてきて集中することができました。
伝わりにくいかもしれませんが^^;

そう考えると宝塚の壬生義士伝は見方によって、また原作や映画などの映像を見たかどうかでも、ずいぶん印象や感想が変わる作品なのかなと思います。

 

 ♡━━━━♡

 

これから観劇される方は是非楽しみにしてください。
そしてもし誰か感想を分かち合える人がいれば、お互いの感想を伝えあうことで何か発見があって面白いと思います。

私は次回は、中学生の時から一緒に宝塚へ行っていた宙組ファンの友達と一緒に観劇しますが、彼女の感想もまた楽しみの一つです。


演出について感じたことは他にもいろいろありますが、またゆるゆると書いていきたいと思います。


今日はここで終わりにしようかと思いましたが、望海さんのことだけ少し書いたので、他の方についても一言だけ感想を。


♡━━━━♡

 

真彩ちゃん(しづ・みよ)  二役でした。
しづ役は抑えた演技でイメージどおり、歌が泣ける・・

咲ちゃん、難しい役ですね。
渋い役ですが決してキラキラ新撰組メンバーにのまれない存在感。
ショーではすっごいカッコいい!

翔くん(土方歳三)、美しい…
惚れてしまいそうな男っぷりの土方。
ずっとオペラグラス追ってました!

あーさ(斎藤一)、美味しい役ですね、
あーさのちょっと悪そうなクールな役、待ってました!

ひとこちゃん(沖田総司)、爽やかな明るさの中に潜んでいる壬生浪感がかなりツボです。

かちゃさん(松本良順)、ストーリーテラーとしての役割ですが、ほんっとにお医者様に見えました。
しかも名医ぽいところが凄い^^;

また、上級生、下級生の方にも見せどころが多く、
特に今回、縣千くんの抜擢、躍進は目を見張るものがありました。


あと、ショーはとても素敵です

この公演のお芝居とショーの組み合わせはベストだと思います。

また少しずつ書いていきたいと思います。

 

♡━━━━♡

 

余談ですが、今日は望海さんファンのフォロワーMさんとお会いできました。
幕間に連絡を取り合って、終了後にお話できてとても良かったです。
Mさんに駅前の素敵なカフェを教えてもらい、雪組をイメージしたブレンドコーヒーをいただきました。

ほっこり、美味しかったです


雪・うさぎ
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月組『クルンテープ』感想〜天使の都で束の間の夢をみる

美しすぎた幻

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美弥るりかさんの退団公演となり、新トップコンビのお披露目となる公演のショー
『クルンテープ』は、笑いあり、涙あり、ため息あり。
まるで束の間の夢を見ているようでした。


遅まきながら大劇場公演で観劇したショー『クルンテープ』の観劇レポです。


タイの首都バンコクの正式名称がクルンテープマハナコーン、
略してクルンテープ
響きが可愛いですね。

人も気候もあたたかいけれど、エキゾチックな顔も持つ異国の地、タイ。

藤井大介先生の好きな国だそう。
好きだとアイデアは尽きないでしょう。
タイへの愛、月組への愛が感じられる55分でした。


印象に残っているシーンをまとめてみます。

 

カンタンニャン(結婚)

 

衣装、タイ舞踊、音楽、どれもが新トップコンビにマッチしていてお披露目にふさわしいショーだと思いました。
2人のシーンで印象的だったのは「カンタンニャン」と呼ばれる結婚式の場面です。 

ゆったりとした曲の中、銀橋で2人の結婚式
素敵なシーンです。

珠城さんの優しさと包容力が半端なく、可愛い花嫁さくらちゃんは恥じらいながら珠城さんに導かれて寄り添います。
これから始まる2人を祝福しましょうと、
観客が笑顔になれるシーンです。

 

ムエタイ

 

ムエタイはタイの格闘技ですね。

れいこちゃん(月城かなと) VS ありちゃん(暁千星)

出てきたところから、
ありちゃんの方が強そう・・

それぞれの彼女が見守る中、闘いがスタート!

で、楽しいメロディに合わせて闘うのですが、腰が引けてるれいこちゃん、ノックアウト!
やっぱりね。

と思いきや、どういうわけか最後は逆転してれいこちゃん勝利!

明るくコミカルなシーンです。
れいこちゃんはコミカルな演技も板についてきましたね。

頭がカチンコチンの私は、今だに雪組時代のれいこちゃんのイメージが強くて、時々月組の中で歌い踊るれいこちゃんを不思議な感覚で観ています。


ありちゃんとれいこちゃん
これから月組の中心スターとして活躍していくんですね。

2人が美弥さんから学んだことはたくさんあるはず。
これからちなつさんに学ぶこともたくさんあるでしょう。

美弥さんの残したものを大切にして、大きく羽ばたいて欲しいです。

 

蓮の花の中のたまるりーブーア

 

珠城さんと美弥さんの神秘的なデュエットダンスです。
一蓮托生がテーマということですが、
改めて珠城さんがトップに就任されてからの2人の歴史を思います。

形だけを見れば2人の立ち位置は変則的なのかもしれません。
けれど2人は全てを受け入れて心を合わせて手を取りあって月組を導いてきた。
だから、このシーンはこんなに美しいのではないでしょうか。

最後は蓮の花の中で溶け合うなんてロマンチックなシーンで、今の2人にとってベストなデュエットダンスだと思いました。


このシーンで綺麗な歌声は・・・
美しいコーラスの中にきよら羽龍ちゃん発見!
やはり注目の人です。

 

4人の男女ーライキンドクーン(傷)

 

恋人同士の男(月城かなと)と女(美園さくら)
仲良く歌いながらの銀橋
れいこちゃんはスーツが似合う。
大人の色気もあってかっこよく決まってます。

妹2は、れいこちゃんを観ていると、ゆりちゃん(天海祐希)を思い出すそう。
夢現無双の時にも言ってましたが、特にこのシーン。

そうかな?  うーん、私にはわからない。
人によって見方はいろいろですね。
どちらも美形には違いないけれど。


2人が行き着くクラブ
ポールや椅子を使ったホストたちのダンスが素敵です。
ナンバーワンホストは珠城りょう。

一目で惹かれ合う珠城と美園
嫉妬する月城

いつもの三角関係かと思いきや、もう1人の美女、暁千星
ありちゃんショートパンツからスラリとした筋肉美!凄い存在感!
何してもオーラありますね。
そして、ここでもれいこちゃんをキック!^^;
また、サマになるんですね〜ありちゃん。

最後は銃。
この4角関係迫力あります。

次回公演からはここにちなつさんが入ってくるのですね…

 

去りゆく人がいて、あとを任される人がいて、力強く戻ってくる人がいる。
脈々と受け継がれる宝塚の歴史を感じます。

 

他に印象に残ったところ

 

・プロローグはお坊さん光月るうさんと修行僧らが登場しての幕開き。
心の中でそっと拝ませていただきました。←嘘です
上の画像のような坊主頭ではなくターバンを巻いて。
タイ独特の宗教感を楽しむことができます。

・ニューハーフレビューの女王・まゆぽん(輝月ゆうま)は迫力満点で歌も上手で素晴らしいです。

・水上マーケットで船に乗った花売りの青年風間柚乃くんが歌いながら登場。
ここでも聴かせてくれます。

・フィナーレで珠城さんが大階段に座っていて、両手を広げてさくらちゃんを呼ぶところは、男らしさが溢れています。
走り寄るさくらちゃんは可愛くて、とても爽やかな2人。

一転、たまさくコンビのデュエットダンスはダイナミック!
ここでも力強い珠城さんのリフトが光り、何度も言いますが素敵なコンビの誕生です

 

美弥るりかー瑠璃色伝説


・プロローグで歌う美弥るりか

♪ 美しすぎた 幻のような
  数多の夢  瑠璃色の伝説となり
           この地に眠る
       夢は永久に 愛は永久に 

夢と 愛、ここはは永遠ではなくて永久なんですね。

・マカプジャ(万仏祭) の始まり。
花道からせり上がり黒燕尾で歌う美弥るりか
華やかさと美しさをまとい、舞台で最上の色気とオーラを放つ人。
泣ける、、、。

別れの歌手が歌い終わり退場した後、再び皆と同じようにターバンを頭に巻いて登場して合流です。

男役郡舞は黒燕尾を腕まくり、ターバンを巻いて。
素敵な振り付けは安寿ミラさん(ANJU)


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このショーはタイを舞台にユニークで楽しく、随所に藤井大介先生の愛ある演出を感じました。

そして美弥るりかさん。
17年という宝塚人生の中で男役の美学を追求し確立され、私たちを魅了してくれました。
ありがとうございました。
最後の日までキラキラと輝いてください。

美弥るりかの瑠璃色の伝説はずっと語り継がれることでしょう。


月うさぎ

『夢現無双』感想↓
www.wind-waltz912.com