風のワルツ

宝塚歌劇、楽しくブログで綴ります。

星組『鎌足』感想〜美しトップコンビの完成形

歴史の勝者とは

 

星組『鎌足』5/11の観劇レポです。

シアター・ドラマシティ公演
作・演出 生田大和


f:id:wind-waltz912:20190603193119j:image


まずこの舞台の1幕で主役の鎌足並みの活躍だったのは蘇我入鹿役の華形ひかるさん。
見せ場が多くて、かなりおいしい役でした。

では中大兄皇子役の瀬央ゆりあさんにも見せ場は多かったかというと、
残念ながら入鹿ほどの見せ場はありませんでした。

この舞台はストーリーの進め方など分かりやすく、各キャストもそれぞれ際立つ演出で、全体的にはとても良かったです。
それだけに中大兄は2番手のせおっちが演じる役として、もう少しインパクトのある演出がほしいと思いました。

 

主役になった鎌足


主役は中臣鎌足という意外な人物にスポットが当たりました。

鎌足は「大化の改新」の功労者としてあまりにも有名な人物ですが、表舞台に立つのはいつも中大兄皇子。
小学生の時に歴史に登場した中大兄皇子はヒーローのようでした。
鎌足は支え役のおじさんというイメージ。

宝塚でも『あかねさす紫の花』や『飛鳥夕映え』など、主役に寄り添う役どころです。

そんな地味で渋い印象の鎌足を、少年時代から演じるのはエネルギーに満ち溢れた紅ゆずるさん
鎌足のイメージと違う?

・・・と思っていたら、私が知らなかっただけで鎌足は静かでクールなエリートではなく、波乱万丈の苦労人。

舞台を観て、鎌足と紅ゆづるの組み合わせは大成功だと思いました。

 

紅ゆずると綺咲愛里


中臣鎌足 紅ゆずる
与志古  綺咲愛里 (あーちゃん)


紅さんが15歳の鎌足、あーちゃんが10歳の与志古(よしこ)、2人は幼なじみという設定です。

鎌足は本来明るくて聡明な少年です。
足枷となっている家(家業)への反発、学問への情熱、よしこへの淡い恋、入鹿との友情など、紅さんは奇をてらわずストレートに表現。

所々でふと、男役・紅ゆづるの時間がそんなに長くないことを寂しく思います。

紅さんの歌はとても良かったですよ。
もともと声量はあるし音域の幅もあります。
今回はいつもより細かい心情を表現されているように感じました。


あーちやんはいつものあーちゃんです ( 褒めてます!)
華があって、あの笑顔に鎌足もメロメロ。
鎌足がよしこの望む強い男になろうと努力するのも説得力があります。
これは、よしこを演じるあーちゃんの成せる業ですね。

鎌足とよしこは結婚してハッピーなのですが、厳しい試練が待っています。
愛する妻よしこを中大兄皇子への忠義の印に差し出すという。

もう鎌足の悲しみようは半端ではなく。

鎌足の弱さとよしこの潔い判断力と強さと。
この時代の道具としての女性の扱いには胸が痛みますが、それを乗り越えていく2人の愛に感動しました。

 

紅ゆずると華形ひかると有沙瞳


蘇我入鹿 華形ひかる (みつるさん)
皇極帝  有沙瞳 (くらっち)


鎌足と入鹿の関係は一言では表せません。
冒頭でも伝えたとおり、入鹿役のみつるさんの比重の重さに驚きました。

学塾で学ぶみつるさんは若くて、若手の学童に混じっていても違和感ありません。
正義感に溢れて、理想に向かって真っ直ぐに進む入鹿は鎌足の憧れとなって、2人は友情を育みます。
少年少女時代の3人いいですね〜
鎌足らのリーダー的存在をしっかり演じてくれました。


大人になった入鹿の前に現れるのがくらっち演じる皇極帝
まさかの中大兄皇子の母親役です。

くらっちは役ごとに顔が変わりますね。
近年ではジバゴでは可愛らしく、エルベでは聡明に、そして今回は妖艶で冷たく美しく。

演技力、歌唱力にも定評があり期待を裏切らない人ですが、今回まさかのみつるさんとのデュエット舞
官能的で美しいシーンだと思ったら、日本舞踊家であり歌舞伎の振付けもされている藤間勘十郎さんの振付け。
うっとりするような振付と、踊りきった2人は素晴らしかったです。

入鹿を惑わせ、息子皇子を操る様子は魔性の帝。
くらっちの帝は冷酷で強さがあり貫禄もありました。

そして若き日のまっすぐな少年から変貌を遂げた入鹿。
大臣として、思い描いたようにはいかず徐々に心ない権力者へと変貌して行き、鎌足の声も届きません。

2人の友情が壊れて行く様は丁寧に描かれていたと思います。
みつるさん、やっぱり凄い。
『アルジェの男』の愛ちゃん(愛月ひかる) といい、この様な形での専科の方の参加はとても素晴らしいですね。
入鹿は1幕で亡くなりますが、全編終わった後にも印象に残る役でした。

入鹿が討たれるシーンのくらっちの演技は感動です。

 

紅ゆずると瀬央ゆりあ

 

中大兄皇子 瀬央ゆりあ (せおっち)


せおっちには、もっとたくさん見せ場を欲しかったですが、もちろん素敵なシーンもありました。

登場シーンで鎌足との出会いの蹴鞠(けまり)のシーンです。
ここの振付も藤間勘十郎さん。
本当に爽やかで可愛いくてせおっち素敵なんです。

この作品の中大兄皇子の若い頃は、母親に操られて、鎌足を頼りきっているまだ自信のなさそうな皇子。

母の帝の命を受けて、よしこの件では鎌足にとってかなり手厳しい要求をすることになりますが、この時代よくあることなのでしょう。
それぞれの立場での正義とは何か考えさせられますね。

生き残るために( 勝者になる為 )、そして歴史から名前が消えないように人を殺す。
鎌足にとってそれは望む生き方ではなくて、ただ引き返せない道なのです。
紅さんとせおっち、主従関係の微妙な関係性を上手く演じます。

それでもよしこを取り戻し、やっと平安を得たような鎌足。

中大兄が最後に病身の鎌足を訪ねるシーン、
鎌足とよしこの秘密を悟った中大兄の演技に注目です。

せおっちの中大兄は勝者ゆえの孤独や不安も見え隠れし、彼なりの鎌足への信頼と愛を感じさせる皇子でした。

 

一樹千尋と天寿光希


僧旻(そうみん)  一樹千尋
船史恵尺      天寿光希 みっきぃ


この舞台で2人の存在も光りました。
お芝居に登場しながら、不思議な空間でストーリーテラーとしての役割も担います。

みん役の一樹さんはこの作品の土台ですね。
1996年エリザベートのマックス役を最後に専科へ異動されましたが、一樹さんの優しさに溢れたマックス好きだったんです。
あれからもう20年以上経ちましたが、ずっと活躍されていて嬉しいですね。
今回も力強いセリフで作品に厚みを加えていてさすがでした。

 

そして、みっきぃの怪演、と言ってもいいですよね。
大先輩の一樹さんと堂々とコンビ結成!
独特の雰囲気のこの役、絶対みっきぃしかできないです。
絶妙な2人のやりとりが、大いに舞台を盛り上げました。

 

最後に


「歴史は勝者によって作られるもの」みっきぃ演じる恵尺 (えさか) の言葉です。
勝者とは何を基準に決まるのでしょう。

また「志」という言葉が幾度も出てきますが、日本人に根付いている志を大切にする心はこれからもずっと受け継がれるのでしょうね。
私たちの歴史であり後の時代に繋がっていくものとして、全く別次元の話ではないのだと思いました。


この作品の最後のシーンとてもいいです。
激動の時代を生き抜いた鎌足とよしこが2人で柔らかい夕日の中で微笑んでいる。
本当に幸せそう。

2人の美しい姿が紅ゆずる綺咲愛里に重なります。

このトップコンビの美学は完成されたと思います。
だからこそ卒業されるのだと。

 星・うさぎ

 

www.wind-waltz912.com

 

『アルジェの男』感想↓
www.wind-waltz912.com

 

星組全ツ『アルジェの男』感想~礼真琴、青年の成功と墜落を熱演

 

ジュリアンの光と影

星組全国ツアー『アルジェの男』5/5観劇レポです。

f:id:wind-waltz912:20190603195526j:image

 

礼真琴 ジュリアン


琴ちゃんが演じるジュリアンは、自分の野望の為に女性たちを利用しつつ上流階級へと登りつめていく。
栄光を目前にして本当の愛に気づきその愛に生きようとするが、同時に破滅へ向かうという、かなり切ない人生を生きる男です。

この作品が礼真琴の持ち味を100%生かせる作品なのかどうか疑問に感じていましたが、懸念は不要。
琴ちやんはどんな役でも高水準の結果を出せることがわかりました。

登場シーンの街並みでのキレッキレのダンスに目は釘づけ、スラム街出身の孤児のジュリアンが抱くギラギラとした野望。
その為には手段を選ばない生き方。

礼真琴、ジュリアンの人生の光と影を情感たっぷりと魅せてくれました。


過去には鳳蘭さん、峰さを理さん、霧矢大夢さんが主演されています。
実力者ぞろいですね。

『アルジェの男』はきりやんの映像視聴のみで舞台は全くの未観劇。
上の3人に関しては、別作品での舞台を観たことはありますが、琴ちゃんのジュリアンは峰さんに1番近いのでは?と何となく想像しています。

今回その峰さんが振付を担当されているのも感慨深いですね。


琴ちゃんの豊かな声量と深みのある声が好きです。
時々目にするのは、次期星組トップの礼真琴ー舞空瞳は、現雪トップの望海風斗ー真彩希帆の路線に続く実力派コンビになるだろうと。

確かに私もそれは感じますし期待もしていますが、
同じ実力派、歌うまでもタイプは異なるトップコンビになるでしょうから、それぞれの良さを楽しめればと思っています。


琴ちゃんには既存のスターにはないオリジナリティを感じるので、そこを大切にしてほしいです

 

愛月ひかる ジャック


この公演での愛ちゃんの好演も大きいと思います。
救いようのない敵役のジャックを、今愛ちゃんほど上手く演じられる人いるでしょうか。
というくらいぴったりで、存在感がありました。

愛ちゃんが宙組を出たことに寂しさを感じていましたが、専科異動後の博多座でのプガチョフ役や、今回の公演、またパリ祭など活躍の場が多いですね。

WSSの時は真風涼帆、今度は礼真琴と、
全く色の違う主演相手の敵役を、どちらの主演とも違和感なしに演じられる。
これは愛ちゃんの強みかもしれません。
これからも活躍を期待できそうですね!

 

*☆**゚゚゚゚**☆*

さて、このストーリーには主役に絡む女性が3人登場しますが、3人それぞれに感情移入できるという、私にとって珍しい作品です。

 

音波みのり サビーヌ


琴ちゃんより上級生であることを全く感じさせない素敵なヒロインでした。
サビーヌは包容力溢れる女性なので、その辺も良かったのかもしれません。

サビーヌのジュリアンへのひたむきな愛には心打たれ、はるこちゃんの演技やダンスのスキルの高さを感じます。
少々弱さを感じる歌でさえ、心で歌える人なので好感を持ちました。

 

今回は娘役さんがトップになる時期について考えさせられました。
若いと初々しいというメリットはあるでしょう。

若いトップが悪いというわけではありません。
ですが、研15のはるこさんの深みのある演技をみていると、若い学年にこだわらなくても良いのではと思ってしまいます。

習熟度や雰囲気、また男役トップとの相性など総合的に考慮して、娘役トップの学年の幅をもっと広げても良いように感じました。
もちろん星組の話ではなくて宝塚全般としての話です。

 

躍進する若手と安定のベテラン


ジュリアンに翻弄されるお嬢様エリザベート役の桜庭舞さん、ジュリアンへの自分の気持ちに気づいてしまった時の演技は見事でした。

清らかな盲目の娘アナ・ベル役の小桜ほのかさんの切ない演技と美しい歌声には泣かされました。
お2人とも声が綺麗で歌もとても良かったです。


ジュリアンの良き理解者であり友のミッシェル役の紫藤りゅうさん。
爽やかなイケメンでこれまた役柄にぴったり。
アンドレ役の極美慎さん、印象に残る美味しい役です。
この人も切ない人ですが、若手の慎くんの抑えた演技が光りました。
こういう役に弱いんです。


朝水りょうさんのどこか飄々としていながら貫禄ある総督役の渋い演技、その夫人役の白妙なつさんの可愛らしい妻の演技は、光りに満ちたボランジュ家の様子をよく表しています。

内相役の大輝真琴さん、シャルドンヌ夫人役の万理柚美さんなどさすがの存在感で舞台を支えます。

 

最後に


ストーリーも主役の名前も良く似ていると思っていたら、やはりスタンダールの『赤と黒』のジュリアン・ソレルをイメージして現代へ置き換えたストーリーなのですね。

エンディングの是非がよく問われていますが、衝撃的な幕切れがジュリアンの人生そのものを表しているようで、私はありかなと思っています。

この舞台は琴ちゃんを中心に、それぞれのキャストが適役でチームワーク良く、クオリティの高さを感じました。


*☆**゚゚゚゚**☆*


ショー『ESTRELLAS』は琴ちゃんを中心にした新しいヴァージョンで、紅さんのパートは琴ちゃんを中心に、愛ちゃんも歌ったり。
琴ちゃんのパートは愛ちゃんや若手メンバーが歌ったり踊ったりで、チャンスを与えられれば出来る人が多いように思いました。

また全ツオリジナルの場面もあったりで楽しめました。
そして今回も琴ちゃんのBack! を観れて幸せ!

たまたまですが、先日宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読む機会があったので、星サギの夜のシーンは思わず見入ってしまいました。


私が観劇した日はちょうど同じ建物のドラマシティで『鎌足』の開幕日。
琴ちゃんもカーテンコールでそのことはとても心強いと言われてました。


*☆**゚゚゚゚**☆*


かけ足での感想となりました。
この公演のチケットは梅芸の会員先行で運良く取ることができました。
諸事情で行くことが危ぶまれてましたが、何とか観劇することができて良かったです(涙)

一緒に観たのは星組ファンになりたてのKちゃん。
来週は『鎌足』にも一緒に観劇予定です(行けますように!)


琴ちゃんは次にまた観劇したいと思わせてくれる素敵なスター☆です。
更に進化していくだろう琴ちゃん、大きく羽ばたいてください。
楽しみにしています!


星・うさぎ 

www.wind-waltz912.com

『鎌足』感想↓
www.wind-waltz912.com

 

宙組『オーシャンズ11』初日感想〜ラスベガスが似合う宙組

 

眠らない街ベガスで華麗に

 

宙組『オーシャンズ11』初日を観劇しました。

楽しかった‼︎ 前評判にたがわずスタイリッシュでかっこよく、観客を唸らせる宙組メンバーのパフォーマンスに、最初から最後まで息付く間もなく楽しむことが出来ました。


f:id:wind-waltz912:20190603134128j:image


2011年の星組新人公演で、ダニーを演じた真風さん(本役ライナス)と、
ラスティーを演じた芹香さん(本役ボブ)

2人が宙組でタッグを組んで新公と同役を演じる。

8年という月日の中で完成されてきた2人の男役像、
当時の舞台を記憶されている方にとっては感慨深いことでしょう。

更にキキちゃん(芹香斗亜)に関しては、その間2013年に、花組でライナス役(新公ダニー)を演じて、今回は3度目の出演になるんですね。

*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.。

キャスト感想です。

 

真風涼帆  ダニー・オーシャン

 

まず主役の豪快な詐欺師ダニー・オーシャンの真風さん、はまり役です。

真風さんの魅力は丁寧な役作りと、何と言っても長身で圧倒的な存在感、スターオーラ、男っぽさ、色気。
ダニーの持つ魅力と似ているところがあり、これほどラスベガススーツちょいワルが似合うとは!

私は過去の宝塚オーシャンズ11は映像での視聴で、映画のイメージが色濃く残ってましたが、今日からは一新、
ダニー = 真風涼帆

銀橋でキキちゃんのラスティーと歌うシーン、新曲♪オーシャンズ10、素敵です。

真風さんの男っぽい硬質な色気とキキちゃんの軟質な色気と、
2人の異質の色気が響き合い、はじけ合う感じにワクワクしました。

 

芹香斗亜  ラスティー・ライアン

 

さて、そのキキちゃん、
絶妙なお芝居にグイグイ惹きつけられました。
ここのところ、同期の咲ちゃん(彩風咲奈)と共に存在感が増してきて、男役として完成されてきて眩いばかりです。

ラスティーはダニーの右腕としてデキる男でイケメン担当。
人当たりも良く笑いも取れる明るいラスティーは今のキキちゃんの魅力を最大限に発揮できる役でしょう。
トップと2番手がはまり役のこの舞台が成功しないわけがありません。

先述したようにキキちゃんには真風さんとは異なる色気があるので、お互いの良さを生かし合える相性バツグンのコンビだと思いました。

 

和希そら ライナス ・コールドウェル

 

そら君はやはり歌もダンスも抜群です。
ただ、いつも思いますがライナスはあの衣装でなければダメなんでしょうか。
若くてメンバーのマスコット的な役どころなので可愛さが強調されているのでしょうが、男っぽいそら君にはもっとスタイリッシュな方が似合うのになぁと思いました。

実力派のそら君、これから宙組の中でどの様な役割を担うことになるのか気になります。

 

 澄輝さやと & 蒼羽りく

 

オーシャンズはそれぞれのキャラに見せ場があっていいですね。
この公演で卒業されるお二人も個性が際立つ素晴らしい役作りでした。

あっきーの役はカジノのディーラーのフランク役で頼り甲斐のあるクールな男。
黒塗りのあっきー、カードを持つ手もほんとにかっこよくて素敵です。

りく君はマジシャンのバシャー役として大活躍。
美しいダンサーの印象があったので今回ショーがないのは残念でしたが、プロローグ(あっきーも)と11メンバーとしてのかっこいいりく君を目に焼き付けることができました。

お二人ともエリザベートの役替わりでルドルフを演じられたのが昨日のよう。
最後の日まで輝かれますように。

 

桜木みなと テリー・ベネディクト

 

今回私が1番注目していたのがずんちゃんです。
ベネディクト役は望海さんが演じたということもあって、♪夢を売る男は今でもよく聞いています。

爽やかでノーブルな王子様のずんちゃん、ベネディクトのアクの強さをどのように出してくるのかなと思ってましたが、

とっても良かった!!
誰と比べるとかではなく、ずんちゃんのベネディクトが良かったのです。

夢を売る男を聞いた後、涙が出そうになりました。←何ででしょうね。

悪どいホテル王のベネディクト(おっちゃん)にしては、若くて見た目の線の細さは否めません。
顔立ちも優しくフェアリーっぽいですから、イメージとは真逆の役だと思うのですが。

WSSの時も感じましたが、ずんちゃんは個性の強い役の方が思いっきりがよくて私は好きです。

ベネディクトは歌もとても良かったし、まだ伸びしろがありそうなずんちゃんには頑張ってほしいです。

 

星風まどか テス・オーシャン

 

まどかちゃんも、持ち味とは真逆の大人の女性テス役ですね。
実力もあるしとても綺麗な方ですが、どうしても幼く見えてしまう為に大人の役を演じるにあたって無理をしているという評価になってしまうのが残念です。

かく言う私も前回の公演では妖艶さを出すためにそのようにも感じました。

今回はまどかちゃん自身から可愛いお色気も感じられ今までより自然な大人感が出ていて、テス役は健闘されていると思いました。

そして真風さんとのデュエットダンスはとても綺麗でした♡

 

純矢ちとせ クィーン・ダイアナ 

 

せーこさん最高です!!!
最後の舞台でこんなに凄いものを残してくださるなんて
本当に役の振り幅が広くて素敵な方だなぁと思いますね。
インパクト最強の素晴らしいダイアナでした。

 

最後に

 

実は私は初日の観劇は初体験でしたが、やはり特別感がありますね。
今回はご厚意に預かり念願の初日を観ることができたこと感謝しています。

そして初舞台となる105期生の皆さんおめでとうございます!
未来に向かって大きく羽ばたかれますように。
初日の初舞台生の口上は、音彩唯さん、夏希真斗さん、詩ちづるさんでした。
皆さん堂々としていて元気が良くて、若さに溢れていました。

*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.。

 

『オーシャンズ11』はもともとは1960年制作の映画『オーシャンと十一人の仲間』を2001年にリメイクしたもの。
かなり古い作品ですね。

新しいシリーズも出ていますが、11はやはり面白くて好きです。

宙組さんはラスベガスがよく似合います。

トップや組カラーにぴったりの作品がくると、こんなに素晴らしい舞台になるのですね。

最後は真風さんカテコで、千秋楽までJUMP!

爽快感のあるストーリーの素敵な舞台で、何度も観たいと思いました。→チケットはありません!


 宙うさぎ

月組『夢現無双』感想〜剣豪ふたり〜武蔵と小次郎

  f:id:wind-waltz912:20190603130939j:image

「おじさん 言うな」
おじさんのように強くなりたいと城太郎が言った後に武蔵が返す言葉。
何でもないセリフですが、武蔵(珠城りょう)が言うと妙に耳に残ります。

人生を剣にこだわり勝ちにこだわった男が洩らした、たわいない言葉が微笑ましく、心に留まったのかもしれません。

 

 
『夢現無双』観劇の感想です。
吉川英治原作の『宮本武蔵』より、脚本・演出は齋藤吉正氏。


この公演、初回観劇してから少し日にちが経っていて、今日2度目の観劇でした。
実は感想に少し手こずっていました。
内容が盛りだくさんで頭の中が整理できなかったのです。

今回は印象に残った場面からの感想を書きたいと思います。
内容を知りたくない方はお気をつけください。

特に印象に残ったシーンは、次の3場面です。

千年杉の戒め
吉岡一門との戦い
巌流島の決闘

 

千年杉の戒め

 

お尋ね者として故郷に帰って来た武蔵が、人生の師となる沢庵宗彭(光月るう)に諭され、七宝寺の千年杉に吊るされる場面です。(モデルになった木は大聖寺の大銀杏)

このようなお仕置き、今は見ることのない光景ですが、たまに時代劇などに出てきますね。

大概は男の子に対する父親の躾けのようですが、
武蔵の歌の歌詞にもあるように、男たるもの、と願う親心でしょうか。

舞台では、俺は強いと自負する武蔵を、おまえは誰よりも弱いと諭す沢庵和尚。

この頃の武蔵は傲慢で、誰よりも強くなる事にしか価値を見出せない男。
この場面は演出の齋藤先生が原作を読んで描きたかったシーンだそうですが、年若い武蔵の暴走を戒める為の愛の形として印象に残りました。

このシーンで珠城さんが木に吊るされて歌うのですが、心に響くいい歌でした。

宮本武蔵は五輪書(兵法書)でも知られるように剣豪としてだけではなく、兵法家でもあり芸術家でもありました。

知略にも長けた剣豪として、珠城さんには映画やドラマとは一線を画した、宝塚ならではの強さと美しさを持つ武蔵を演じて欲しいと思ってましたが、ほぼイメージどおり。

また、今回の衣装は終始着物の色も柄も地味でしたが、武蔵の無骨さや男っぽさが際立っていてとても良かったと思います。 

 

f:id:wind-waltz912:20190412144218j:plain
武蔵が吊るされた千年杉のモデル

f:id:wind-waltz912:20190412144222j:plain
武蔵とお通の銅像   

 引用:https://www.e-tsuyama.com/report/2014/09/post-741.html

 

吉岡一門との戦い

 

京都の吉岡一門と言えば剣法の一派の名門です。
当主の清十郎 (暁千星)との勝負に勝った武蔵、
雪辱を果たすべく吉岡一門は武蔵に果たし状を送ります。

吉岡一門総勢70名余りと、武蔵ひとりの戦い。

有名な一条寺下り松での戦いです。

武蔵は容赦なくまだ幼さが残る大将を1番に斬りつけます。
勝利至上主義、無敵の武蔵の姿です。

このシーンでの珠城さんの殺陣は迫力ありました。

先に敗れた吉岡当主役のありちゃん。
今回はハッとするような大人の役です。

見た目は甘い王子様タイプだけど、時折見せるワイルドな一面。
大柄で華があるので、このような艶やかな大人の役も似合います。

ただ中盤でのこの場面は、もう少し派手な演出にして盛り上げても良かったのではないかと思いました。

 

巌流島の決闘

 

この公演がサヨナラとなる美弥るりかさん。

勝ちにこだわる武蔵は、天才剣士・佐々木小次郎(美弥るりか)に勝つことを大きな目標にして生きてきたところもあります。

この小次郎との巌流島での戦いのシーンは、終盤の最大の見せ場です。

約束の時間に待つ小次郎、遅れてきた武蔵。

燕返しと二刀流の闘いは思うよりあっけないもの。
命をかけた勝負とは案外そんなものかもしれません。

*余談ですが、この巌流島 (下関) には、かつて坂本龍馬とお龍がやって来て花火をして遊んだそうです。

さて美弥るりかさん、全編を通してやはり美しい。
美剣士・佐々木小次郎を宝塚的に再現するとこうなりますよという完璧なヴィジュアル。

紫の衣装もよく似合い、殺陣など力強い珠城さんとは好対照の剣士ぶりで、視覚的にも楽しめました。

美弥さんの圧倒的な存在感は言わずもがな、声の響きが良くてセリフの一つ一つが胸に沁みます。

海乃美月の吉野太夫との艶やかな語らいのシーン
月城かなとの又八との出会いの笑えるシーン
珠城りょうとの白熱した対決のシーン
そして散り際の美しさよ。

どこを切り取っても美弥さんの佐々木小次郎が溢れています。
改めて素敵なスターだと感動を覚えました。

美弥るりかの佐々木小次郎、忘れることはありません。

 

武蔵とお通

 

大劇場お披露目となる美園さくらさん。

今回さくらちゃんが珠城さんの相手役に選ばれた理由がわかりました。
声もビジュアルも雰囲気もとても合っていて、素敵なコンビ誕生です!

珠城さんは声に温かみがありますが、2人の相性の良さでそれが生かされているように思いました。
さくらちゃんは歌も上手で独特の雰囲気(魅力)を持っているので、この先味わい深くなっていくのではないか楽しみです。

 

武蔵とお通の恋はすれ違いで結局は成就することはないのですが、そのもどかしさが切なくて良かったです。

剣の道を極める宮本武蔵に、家庭を持ち落ち着いて堅実に生きようという人生の選択はないのでしょう。

選ばれし男を好きになったお通の一途さや寂しさがひしひしと伝わってきました。

 

外見は凛々しい又八、月城かなと

 

れいこちゃん(月城かなと)はちょっと情け無い武蔵の幼友達の又八役です。

最初キャスト発表された時は、正直え?またそういう役?と思いました。
別箱ではともかく、大劇場公演では持ち味とは真逆の役が多いように感じるのです。
それはそれで良いのですけどね。

 

ところでこの又八、いい働きをしています。
いい働きといってもお芝居の中では真面目に働きません。

楽して生きることに命をかけているという。
いつの時代にもこのようなタイプの人間はいるわけで、皆が皆、己に厳しい人間ではないのです。
むしろ出来るなら楽して生きたいと願う人は少なくないと思います。←あ、私も。

それをきっちり形にしているのが又八。
人生お気楽主義の又八ですが、彼も武蔵と共に成長していきます。

そんな又八をれいこちゃんは肩の力を抜いて演じてました。
力を入れるのは容易いけれど力をを抜くのは案外難しいものです。

真面目なイメージのれいこちゃんですが、おちゃらけた役もこなれてきたのか随分と堂に入ってきました〜(嬉し泣き)

だ・け・ど  
そろそろ大劇場公演でもれいこちゃんらしい中身もパリッとした役をください!(*≧∀≦*)

 

印象に残った役

 

・又八の母親お杉役の夏月都さん。

なつこさん、息子を溺愛するかなり個性の強い役です。
息子を持つ身としては全く理解できないこともないですけどね。

親とは理不尽なもので。
我が子のことになると、逆恨みだとか、人に責任をなすりつけるとか、常識を超えて鬼と化す可能性を秘めているのかもしれません。

お杉さんはちょっとやり過ぎですけど、舞台ではこれくらいインパクトがある方が面白いでしょう。
なつこさんの演技とても良かったです。

 

吉野太夫海乃美月さん。

知的で教養があって色気ある太夫
琵琶を持つ姿が綺麗でした。
こういう役はやっぱり海ちゃんでしょう。
美弥さんとの並びが好きなのですが、やはり美しく舞台に彩りを添えてくれてました。

 

辻風黄平の風間柚乃くん。

1度目の観劇に一緒に行った妹2は、この前のアンナ・カレーニナが十数年ぶりの宝塚で、この大劇場公演はやはり十数年ぶり。

その妹2が、おだちんをしっかりキャッチして、面構えが良くて凄く楽しみな生徒さんだと。
タカラジェンヌの美しい顔を面構えと表現するのも面白いけれど、この舞台では確かに確かに。
今回は不良の一団のヒール役、決まってました。

夏の別箱公演はれいこちゃんと一緒にチェ・ゲバラ出演ですね。
おだちんのことは私も期待しています。

 

感想、少し書きあぐねていましたが、書き出すとまだまだ足りません。

他にも武蔵の成長において大きな影響を与える人物など数名気になった方たちがいるのですが、もう3500文字近くになってきました。

あともう少しだけ。

 

武蔵の夢と現(うつつ)

 

お通への恋は心の奥にしまい込み、剣に生きる道を選んだ武蔵。
宿敵小次郎との決闘に勝ち、無双という夢が現(うつつ)になった時、彼は何を思ったのか。
もう一つの別の人生を思ったのでしょうか。
観た後に、結構じわりじわりとくるタイプの作品です。

 

 月うさぎ 

『クルンテープ』感想↓
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com

 

雪組『PR×PRince』4/4 感想〜永久輝せあ主演〜Bow Happy Romance

プリンス永久輝せあ

 

町田菜花先生(演出・脚本)のデビュー作品『PR×PRince』今日千秋楽を迎えました。
無事にこの日を迎えられて本当におめでとうございます
少し日にちがたちましたが、4/4観劇レポです。

f:id:wind-waltz912:20190606173157j:image


満を持しての永久輝せあバウホール単独主演公演

ひとこちゃんの魅力が最大限に引き出されて、
宝塚の原点であるときめきを感じさせてくれる作品でした。

時代設定は現代で、全体的に遊び心が満載、
イケメン王子3人を中心に、個性的な登場人物を配して、ストーリーはテンポ良く進みます。

町田先生が貧乏なペキエノ王国の象徴として描きたかったのは心の豊かさだそうですが、
心の豊かさの根本にあるのは、やはりでした

1人の女性を大切に思う愛
王国への愛
忘れられない愛
見守る愛

様々な愛の形が散りばめられていて、わくわく感もあり、ホロリとするところもあり、見終わったあとは、すさんだ私の心でさえ(T T) 愛で満たされておりました

 

。o♡o。+。o♡o。

 

今回は宝塚ブログ界の愛の巡礼(うさぎ独断命名)、すみれの国日記ルルさんと、観劇をご一緒させていただきました。
ルルさんの視点は新鮮で、発想が豊かなのでお話していて色々な発見がありました。

観劇前のランチ、観劇後に駅での謎の立ち話 約2時間弱^^;
濃密な楽しい時間となりました。

 

永久輝せあ  第一王子ヴィクトル

 

このストーリー、笑いがたくさんあります。

例えば、ひとこプリンスがメガネをつけた時と外した時の人格が変わるところは最大の見どころ。

メガネをかけた可愛く内気なプリンスと、メガネを外した時に現れる自信に満ちたかっこいいプリンスと。

セリフや歌声、表情、体つきまで変わります。
そうです、ヴィクトルの中にもう1人別の王子がいるのです。

笑いを誘う面白い場面なのですが、かなり研究されたのでしょう。
自然なコミカルさ(←これが難しい) で、とてもいい演技でした。

 

メガネをかけた時のちょっと気弱なプリンスは、実は王国の環境問題に取り込む熱い志を持った研究員でもあります。

ヒロインのエル(潤花)は、誠実で優しいメガネをかけている王子様に恋するのです。
メガネを外した時のキザで積極的なヴィクトルに戸惑うエル。→最後には愛の力で人格が一つになります。
そんな2人の初々しいロマンスがとても素敵に描かれていました。

 

宝塚の王道とも言えるプリンス役、
もしビジュアルだけを武器に演じるなら印象の薄いプリンスになってしまうでしょう。
ですが、私たちの目の前のプリンスはそうではなかった。

ひとこプリンスは2つの人格を使い分け、どちらの王子も生き生きと舞台の上で息づかせ私たちを魅了してくれました。

 

もう一つ注目したいのは男役としての色気。
ひとこちゃんは爽やかなイメージの方が強いですが、時折見せる憂いを含んだ表情がとても美しい。

2~3年もすれば、大人の色気も加わり、役柄の幅も更にグンと広がるでしょう。←言い切ってます。


今の雪組は上級生も下級生も層が厚くてスター揃い
真ん中に立つと俄然輝く永久輝せあ

ひとこちゃんの今後の活躍の場はどのようになっていくのか。
目が離せません。

 

綾凰華 & 彩海せら

 

2人の弟プリンス役。
仲のいい兄弟です。
権力争いだとか恋人争奪戦だとかメラメラしたものは全くありません。
ひたすら美容や体力づくり、兄の恋が成就するように協力したり、見守ったり。

 

第ニ王子 綾凰華   ヴァレンティン

過去のほろ苦い恋の経験から美しさを保つのに余念がない、ナルシストなエステ王子。
あやなちゃんのコメディ役は初めて。
優しい面差しでスタイルも良く、どんな役柄も演じられるイメージがあって、お芝居が上手いのでいつも惹きつけられます。
今回もテンポの良い台詞回し。

雪組では望海さんの実弟オーギュスタン役や、弟分の沖田総司役、
新公では望海さんの役を演じることが多かったですね。

望海さんの影響を受けつつ綾凰華の個性を伸ばして、独自の男役スターとして花開こうとしている状態でしょうか。

 

第三王子 彩海せら  ヴァルテリ

あみちゃんには驚きました〜できる人ですね〜若さ溢れる体育会系王子を好演 !
エリックの子供時代の記憶が新しいですが、華もありますねー。

堂々としていて舞台映えする美しさに加えて歌も演技も上手です。
第三王子は若さゆえにちょっと失敗してしまうのですが、その辺のお芝居も良かったですよ。

 。o♡o。+。o♡o。

綾凰華、彩海せら、20世紀組の縣千など、
雪組の若い芽がぐんぐんと伸びてきています!

 

可愛い娘役たち

 

潤 花  エル

このストーリーのヒロインですが、かのちゃんは笑顔が素敵ですね。
笑った時のお口が可愛いくて印象的。
華やかな容姿はファントムの舞台でもパッと目に飛び込んできました。

課題は歌だとよく言われますが。
そうですね、特に高音部分が気になりますか。

エルは王子のラボの研究員の理系女子、可愛いけれどしっかり者です。
そして腕っぷしも強い。
そんな元気なエルの特徴がよく出ていました。

かのちゃんは良い意味で大らかなイメージがあるので、その持ち味を大切にしながら成長してほしいです。

 

星南のぞみ  ダイアナ 

あやな王子の初恋の人なのかどうなのか、ちょっとミステリアスな役。
どちらかと言うと美人系のりさちゃん。
さほど出番が多いと言う感じはなかったけれど、かのちゃんやみちるちゃんの可愛いさとは対照的に、クールで大人っぽい雰囲気で存在感を出してました。

 

彩 みちる  マリー

あみ王子と (今どきと言われてましたが)お手紙のやり取りをしている虫さんラブの変わり者のお姫様。
とっても可愛いんです〜♡ 全てが‼︎
このキャラクターの設定とってもいい^^ 結構ハマりました。
あみちゃんとの並びも夢のように可愛い2人、これからもみちるちゃんには頑張ってほしいなぁ。

 

光るベテランの存在感

 

ビジュアル良し、性格良しの申し分のない王子たち。
どのように育てればこうなるのでしょう。
親の顔が見てみたい!

と思ったら、
はい、このお二人でした。

ペキエノ王国の王と王妃

奏乃はると  アンセルム王
舞咲りん      ベアトリス王妃

にわさんは組長になられての初めての舞台、さすが貫禄です、温厚で優しそうな王様。
ヒメさんはカルロッタから一転、ミーハーでお気楽な可愛い王妃様。
2人ともラブラブなご夫婦で、なるほどー、このお2人のご子息なら愛情深い子に育つわねと納得しました。

早花まこ ひとこ王子の乳母アリーチェですが頼りになりそうな感じ、さすが演技派ですね!

 。o♡o。+。o♡o。

隣国の敵役の3人組

愛すみれ  王女リリー→迫力ある!
笙乃茅桜  秘書ローズ→仕事出来そう
煌羽レオ  見守り役ギャレット→

この舞台ですっごく目立ったのは、カリちゃん、煌羽レオさん。
驚きのセリフ無し!
動きと表情だけで全てを表現します。

何しろ動作がいちいち決まって、かっこいい。
若いイケメンたちの中で大人の色気ムンムンのおいしい役でした。

フィナーレでは、あいみさんが歌い、カリちゃんとひーこさんのダンスがあって眼福でした!

。o♡o。+。o♡o。

ユニークな大臣3人組

叶ゆうり→渋さが光るカスパル
ゆめ真音→歌うま大臣ダミアン
一禾あお→軽めの大臣エリアス

それぞれとってもユニーク、この3人の設定も面白い存在でした。

 

 

最後に

 

フィナーレはプリンスとプリンセスのデュエットダンスがとても美しくて夢の世界
ひとこちゃんは凛々しい衣装に金髪の王子様が本当によく似合います

私はどちらかと言うと白いキラキラの王子さま系より渋い大人のいぶし銀系が好きなのですが、王子様もいいですね(笑)
ひとこちゃんの顔が好みなのかもしれませんが。(←そこ)

作品はとても良かったと思います。 

環境汚染という現代にも通じる問題を現代の小さなペキエノ王国を舞台に、新しいアプローチで取り上げたところや、
遊びも取り入れながら、それぞれのキャラクターの見せ場があったことも◎

ベースとなるプリンスたちのラブロマンスも上手く描かれていて、ワクワクしながら観ることができました。

永久輝せあさんと町田菜花先生、二つの新しい力がこのバウホールで結集して実を結んだ感じでしょうか。
素敵なミュージカルでした

 

雪・うさぎ 

www.wind-waltz912.com

 

雪組『20世紀号に乗って』感想➂ 夢と現実〜朝美・真那・ 縣〜

 適材適所のキャスト

 

f:id:wind-waltz912:20190603140216j:image

 

この舞台の観劇前に映画版を見た時、宝塚でオリバー役とオーエン役は誰だろうと考えました。

オリバー役は咲ちゃんだと思っていたので、彩彩コンビかな…と予測していたのですが、真那ー朝美コンビ。大きく外れました。


言い訳として
まさか咲ちゃんが、ああ来るとは思わなかったので。

↓感想⓵です

www.wind-waltz912.com

↓感想⓶
www.wind-waltz912.com 

 

 感想の続きです。

 

朝美絢  オーエン

 

オスカーの宣伝担当。
登場シーンが多めのお得な役どころです。
やっぱりイケメンですね。
アル中気味ですけど。

見た目はシャンドン伯爵を彷彿とさせ、中身はショレっぽい人が顔を出します。
あーさは役付きが良くて、毎回着実に結果を出している感じがします。
この公演でも大活躍で、コミカルで可愛いあーさを堪能できました。

今後は、自分の魅せ方を更に磨いて、理想とする男役像の完成形に向けて突き進んでほしいですね。

希望ですが、あーさにはナルシストで思いっきりキザってる役が見たいです。
ジゴロなんかもいいかな。

 

真那春人  オリバー

 

オスカーのマネージャー
独特のいい味を出してコメディ感を高めてくれます。
うまいなぁ

三銃士の中ではフェアリー系のお顔立ち、オスカーに怒鳴られてばかりでお気の毒…でもちょっとくせ者…だけど胃潰瘍持ちで気が弱そう >_<

とにかく役の振り幅が大きいので雪組にとって無くてはならない貴重な人ですね。

別箱公演では大きな役がつくので、キャストが発表された時にはなるほど~! と思いましたが、期待通りの活躍で笑わせてくれました。

   ε=ε=⋤⋥⋤⋥⋤⋧。

落ちぶれたプロデューサーと、胃潰瘍のマネージャーと飲んだくれの宣伝担当
わちゃわちゃ感がたまりませんでした。

かくして三銃士(望海・真那・朝美)のキャストは大成功!

咲ちゃんと翔ちゃんが、それぞれの自分のポジションでしっかり役を作り素晴らしい活躍をしてくれたことで三銃士も生きてきましたね。

 

京三紗  レティシア

 

乗客たちを巻き込んで引っ掻き回すとんでもない老婦人役です。

雪組の組長から専科へ移られたのが23年前、汝鳥 伶さんと同期ということで、宝塚で過ごされている歳月の長さには感慨深いものがあります。

記憶に新しいのは月組カンパニーの敷島瑞穂先生役。
強く凛とした役でしたが、今回は真逆の役です。

ひょうひょうとしたおとぼけの演技が役にぴったりで、ソロもあって大活躍、こんなに大きな役の京さんを始めて観たので嬉しかったです。

甥役の真地佑果くんと彼の妻役の朝月希和ちゃんは今回は脇を固める感じになりました。

 

縣千  マックス

 

ブロードウェイのヒットプロデューサー役

縣くんは華があって貫録さえ感じて若手男役スターの中で私が最も注目している人です。

コメディは難しいと思いますが、健闘されてましたねー。
髪型も役柄に合っていて良かったです。

フィナーレではセンターで娘役4人とステッキ片手に得意のダンス!
まだまだ伸び代があるし、これから上級生にたくさん学んでほしいですね。

 

愛すべきキャラクター

 

その他にもユニークな登場人物が盛りだくさんでした。

久城あす 
ドクター役ですが、最後の場面が大笑い、表情での表現力が秀逸でした!
あすくんは歌がとても上手なのでショーの時でも一度たっぷりと聞かせてほしいなぁと思います。

 ポーターさんたち
彩凪翔さんと一緒のタップダンスは素晴らしかったです。
パッと目をひくのは眞ノ宮るいくん。
全ツのSUPER VOYAGERの時の妖艶な美女が忘れられません。
そして諏訪さきくんは何をしても上手いですね。
踊って良し歌って良し。
こらからの活躍を期待したい人です。

舞台女優イメルダ役の沙月愛奈さん、リリーの付き人アグネス役の千風カレンさん、議員グローバー役の透真かずきさん(←爆笑)、など皆さん適役、好演でした。

 

最後に

 

一般的に笑いのツボはアメリカと日本は少し違うようです。

私の知人のアメリカ人夫妻(日本語ペラペラ) は、柔軟な方たちで、来日後すぐに日本文化には慣れたけど、どうも日本人の笑いがわからなかったと。
自国で受けたジョークもあまり日本では受けないんだと言われてました。→半分くらいは面白かったけど。

12年たって、今では立派な親父ギャグを言い→別の意味で面白くないのですが^^;
ボケツッコミまで芸人並みになられましたが、日本とアメリカの笑いの文化の違いを感じました。

 

そんな中でこの作品は、日本人にもわかりやすい笑いと楽しさが詰まった作品だと思いました。

今まさに充実期を迎えた望海風斗と真彩希帆のトップコンビと雪組メンバー、京三紗さん、適材適所のキャストで素晴らしい舞台であったと思います。

 

  ε=ε=⋤⋥⋤⋥⋤⋧。

 

このミュージカルは残念ながら版権の関係でライビュもなし、映像にも残らないようですが、舞台の完成度を考えると上演されたことには大きな意味があったと思います。

私は一度の乗車でしたが、この一度の乗車がどれほど大きなものだったかとひしひしと感じます。

東京で雪組公演を観劇するのも初めての経験で新鮮、舞台を満喫して東京の友達にも会えて良い思い出になりました。

 

帰ってきたら待っているのは現実の日々。
現実があるから夢を見ることができる。

とびきり楽しい夢を見ることができました。

 

  ε=ε=⋤⋥⋤⋥⋤⋧。

 

明日は雪組バウホール公演の『PR×PRince』を観劇予定です。
この数日間、普段の私の行動からすると夢を見過ぎているかもしれません。(月組公演もこっそり観ました。)
現実があってこその夢だよ、と自分に言い聞かせつつ、

明日は楽しみたいと思います。

雪うさぎ

 

雪組『20世紀号に乗って』感想➁3つの彩〜真彩・彩風・彩凪〜

素晴らしい彩・彩・彩


今日は新元号の発表がありましたね。

「令和」

典拠は万葉集ということですが、私にはあまり聞きなれない言葉です。

徐々に慣れていくのでしょうが、平成もあとわずかになり昭和がどんどん遠くなって行き、少し感傷的になったり、新しい希望を抱いたり、いろいろな思いが胸中に広がります。

f:id:wind-waltz912:20190606173516j:image

さて、『20世紀号に乗って』今回の感想は真彩希帆さん、彩風咲奈さん、彩凪翔さんについて感じたことを。

 感想⓵です↓
www.wind-waltz912.com

 

真彩希帆  リリー・ガーランド


感想➀でも語りましたが、この作品は真彩希帆スペシャル感があります。

賑やかにスピーディに展開するストーリーを、出ずっぱりの望海風斗さんがしっかりと流れるように作り上げていくので、
真彩ちゃんは自由に大胆にリリー役を表現することができます。

宝塚娘役は寄り添うタイプが王道であると思ってましたが、
望海さんには真彩ちゃんのような相手役が必要だったのでしょう。
真彩ちゃんも然り。

改めて2人のコンビネーションの良さを感じる舞台になりました。

今回は真彩ちゃんの魅力を最大限に引き出せるミュージカルであったことは間違いないし、今後2人がトップの間に、もう一作品海外ミュージカルがくるのではないかと思うのですがどうでしょう。

 

彩風咲奈  ブルース・グラニット


2番手時代というのは美味しい役が多いですね。
咲ちゃんの場合、望海さんとは友人役、父親役、そして今回はライバル役とバラエティに富んでいて、どれも美味しい役どころです。
凱旋門では俳優役でしたね。

咲ちゃんは若手時代はずっと雪の王子様的な美しいイメージがありましたが、キャリエールという渋い役の好演で殻を破り、
今回またブルースという、とんでもなく面白い役で殻を3つくらい破って(笑)、どんどん研ぎ澄まされていくような印象です。

次々と開かれるドアで頭を打つという古典的なギャグもスタイル抜群の美しい咲ちゃんがすると、もう笑うしかない。
とにかく可愛い役で目立つ役、
歌もめきめきと上達して素晴らしいです。

今年か来年、別箱で咲ちゃんの主演があるのなら、ちょっと悪そうな役なんかも見てみたいなぁと思います。

 

彩凪翔  フラナガン


翔ちゃんの役は車掌さんですが、今回はポーター4人を従えてのダンサー彩凪翔を満喫できます。タップはもう最高です!

車掌さんだから、個性の強い乗客たちとはちょっと離れたところに位置付けされていて唯一まともっぽい感じです。
その意味では皆んなに比べておとなしめの役かもしれません。
が、
そこは凪様!
出てくるだけで、華やかでかっこいいのです。

ポーターさんたちの真ん中に立ち、こんなに見事に踊れるのは翔ちゃんしかいないと思いました。

フィナーレの翔ちゃんを観ていると大人っぽさも感じてどきどきします。
お芝居も、役のジャンルを問わず手堅く演じられるので安心感がありますね。

次の雪組公演は和物ですが、和物姿が抜群に美しい翔ちゃんのお芝居が楽しみです。

 

彩り豊かな3人のこれから、ますます楽しみです♬

感想続きます。


雪うさぎ 

www.wind-waltz912.com

 

雪組『20世紀号に乗って』感想〜揺ぎない愛を注ぐ望海風斗と自由に羽ばたく真彩希帆

コメディエンヌ望海&真彩

 

お披露目公演からファントムまで、
一作ごとに完成度が高まっていく雪組トップコンビ
望海風斗と真彩希帆


それ故に、
2人に求められるハードルは上がり、
どれほど難作・難役・難曲が来ようとも乗り越えるだろうという熱いファンの期待感と信頼感。

もはやこのコンビにプレッシャーという文字があるのかないのか、ないのかあるのか


そんな2人が率いる雪組の初のコメディ
『20世紀に乗って』観劇感想です。

f:id:wind-waltz912:20190605212117j:image


結構から言うと、
ヒロインのリリー・ガーランド役は真彩希帆の大当たり役となり、
真彩ちゃんの個性を抑えこまずに、むしろ自由に羽ばたかせて存在感のあるオスカー役を余裕で演じた望海風斗は、想像以上のコメディエンヌでした。

他のキャストもピタッとはまり、

結果として、大変面白くて楽しい舞台に仕上がっていました。

 

舞台の成功の要因


ストーリーは、あれこれ詰め込み過ぎず単純なことや、
それぞれ登場人物の個性が際立ち、はっきりしていることで分かりやすい内容になってました。

また、京三紗さん、真那春人さんが主演級の大きな役で実力発揮されたことは、とても良かったと思います。

そして楽曲の素晴らしさ!
元々のミュージカルはリリーが主役ということもあって、リリーの歌が一際目立ちました。
難曲を次々と歌いこなす真彩ちゃんは、圧巻の歌姫でした。

望海さんの深く響く声がコメディでどのように生かされるのか注目ポイントでしたが、どんなジャンルの歌も自由自在ですね。

2人のポテンシャルの高さを感じずにはいられませんでした。

今回は生演奏というのも素晴らしい♬
カーテンの向こう側なので見ることはできないのですが、それでもその素晴らしさは十分に堪能できました。

 

衝撃的な2つの登場シーン


望海さんの登場シーンには遊び心がありました。
ストーリーはシカゴ駅から始まります。

シカゴと言えばアル・カポネが捕まったところ。

そしてアル・カポネと言えば、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、そして望海風斗ですよね、一般的に。(*^^*)

ということで、最初のシーンでは、アル・カポネに扮した望海さんが捕まえられて舞台を横切ります。
もちろん顔に傷あり、当時の舞台のアル・カポネ再現!

ここで観客を軽く笑わせて退場!

そしていよいよオスカー望海風斗の登場です。

エリックの時もロベスピエールの時も颯爽と現れましたよね。
登場シーンだけで感動したものです。

今回は走る電車の外側から、窓にへばりついての登場!

結果、大爆笑!

衝撃の登場シーンでした。

 

望海風斗のコメディセンス


そこから始まるドタバタストーリー。
そう、それなりにドタバタなんですよ、展開も早いし。

だけど、望海さんは上手いです、観せ方が。
しっかりと場面を押さえながらテンポよく進めて行く。
なので、とっちらかってわけがわからない〜なんてことはありません。

また、間の取り方が絶妙なのと、ストーリーの展開上かなり早口でも全て聞き取れるので、不自然さが全く感じられません。
不自然さがないというのは、見過ごしがちですがストーリーに集中できてとても心地よいです。

憶測ですが望海さんは、計算されているように見えず役になりきるタイプなのかなと。

オスカー自身、計算して面白いことを言ったり考えたりしてるわけではなくて、彼自身の存在そのものがとってもユニークなので、
真面目な望海さんが、真面目にオスカーになりきるところが面白くて良かったです。

ほんとに素晴らしいコメディエンヌぶりで、望海さんの新しい魅力が開かれたことも、今回の公演の素晴らしいところでした。

ざっくり書いてきましたが、他のキャストについてはまた次回に!

  ε=ε=⋤⋥⋤⋥⋤⋧。

ところで今更ですが、この公演のポスター素敵ですね。

イケオジ全開のオスカーとキュートなリリーが、まるで「笑わせてやるぜ!」と言わんばかりに挑発してくる。

この時から2人はもう20世紀号で乗客を待っていたのかもしれません。

簡単に挑発(誘惑)に乗り、乗車しましたが、大いに笑わせていただきました。

 

雪うさぎ
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com

 

花組『CASANOVA』感想②ー濃く妖しく麗しく〜柚香光&鳳月杏〜コンデュルメル夫妻

妖しい花・可憐な花


3月10日マチネ、感想の続きです。

 

↓ トップコンビ中心の感想はこちらから
www.wind-waltz912.com

f:id:wind-waltz912:20190607212818j:image

 

コンデュルメル夫人  鳳月杏 


過去記事に、カサノヴァでちなつさんの女役は残念〜と書きましたが、撤回します。

妖しく煌めくワケありの魅惑の美女。
登場場面から、妖艶な美しさに釘付けになりました。

妹1はちなちゃんの表情が可愛いと言います。
そう、自然なのか計算なのか、可愛らしさをも醸し出す。
外見は妖しい花だけど、内面は愛を求める可憐な花なのです。

歌の表現力がまた素晴らしくて、ちなつさんが歌い終わると割れんばかりの拍手でした。
声の質、深さ、表現力、私の好きなタイプです。


これは、、
メサイアで悪役・松倉勝家を演じた方ですか
ポーの一族でイケメン・クリフォードを演じた方ですか
と、目を疑うほどの振り幅の広さ。

鳳月杏・・只者ではありませんね^^;

歌、ダンス、芝居、このハイレベルなオールラウンダーが花組からいなくなるのは、花組からすれば残念なことです・・


この夫人の僕の猫ちゃんたちが、とっても可愛い。
猫ちゃんの1人ベネラ役の音くり寿ちゃん、今回のエトワールです。
素晴らしい美声でした。


ちなつさんはフィナーレでは男役に!
これが先程まで妖艶な美女を演じていた方ですか
またまた混乱。


‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦

 

鳳月杏さんは月組異動のため、今後の予定が変わります。


3月17-18日   仙名彩世ミュージック・サロン『Sen-se』出演予定

(4月29日付  月組へ異動)

5月   鳳月杏ディナーショー『NEXT ONE』

6月   花組『恋スルARENA』特別出演

7月27日-8月12日
 月組『ON THE TOWN』出演  オジー役

 

忙しいですね^^;

ちなつさんと言えば92期生ですが、
鳳月杏、真風涼帆、彩凪翔、OGの蘭乃はな・・
89期生や95期生だけではありません。
92期生も凄いのです☆

 

柚香光 コンデュルメル


目薬を持ち歩いて嘘泣きするところが可愛い悪役に、れいちゃん。

2番手として出番も多くて歌もたくさんあります。

コンデュルメル夫妻は今日のタイトルどおり、濃く妖しく麗しい。
みりゆきとは対照的な2人で面白い設定でしたね。

気になったのは、れいちゃんは天性のスターオーラの持ち主であるにも関わらず、今回は夫人役の鳳月杏さんに存在感があり過ぎて、ちょっとキャラクターが薄まってしまった感じがしました。
ちなつさんインパクト最強ですからね〜

 

れいちゃんの課題と言われる歌や滑舌に関しては、真面目なれいちゃんのこと、日々努力されているでしょう。

それを前提とするならば、もっと自信を持ってれいちゃんにしか出せない類い稀な魅力をグイグイ前に出して、弱点をねじ伏せるくらいの思い切りを見せて欲しいような気がします^ - ^

ちょっと強引ですか?

かつて妹1が、95期生の文化祭に行った時、一際目立っていたのが今の柚香光☆
しっかりと顔を覚えて帰ったようです^ ^
私は映像で見て妹の言葉に納得、これはスターとして恵まれし特権ですね。

今回のフィナーレでセンターで踊るれいちゃんのダンスの素敵なこと!
やはりセンターが似合う人です。

いろいろ書きましたが、れいちゃんの今後を楽しみにしています

 

コンスタンティーノ  瀬戸かずや


コンスタンティーノは大富豪の商人です。
お、大物の野心家の黒い男なのか・・と思いきや、
軽い人。

ゾルチ夫人(じゅりあさん)と、突如激しい恋に落ちるところもコミカルで笑えました。

あきらさんも役の振り幅が広いですね。
渋いおじ様も素敵ですが、コミカルもなかなかの芸達者ぶりです。

ちなつさんが異動するので、ますますあきらさんの支えが必要になりますね。


‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦


花組公演のカサノヴァ、束の間、夢を見ることができました

最後に。
今回はカード会社の貸切公演で抽選会がありました。

当たれば誰かの写真付きサインが貰えます。
(全員当たるの?わからない^^;)


で、当たりました!

f:id:wind-waltz912:20190311172511j:image

 家宝にします♡


花うさぎ

花組『CASANOVA』感想①ー甘く チャラく 美しく〜明日海りお&仙名彩世〜永遠の時

 

世界の恋人

 

一説によると、プレイボーイは大きくは2種類に分かれるそうです。

口説いたり口説かれたり、
同時に複数の女性と恋愛を楽しむことができるカサノヴァ型と、

ただ1人の理想の女性を求めて、
次から次へと遍歴を重ねていくドン・ファン型と。
→フランス語では…ドン・ジュアン

 

f:id:wind-waltz912:20190309234330j:image


昨年、カサノヴァが生まれた街ベネツィアを訪ねました。

水に愛された美しい都
別世界のような迷路の街
非日常的な不思議な街

カサノヴァの香りがする街!

…と、余韻冷めやらぬ中、今回の舞台はヴェネツィアということで、舞台セットなども楽しみでした。

花組公演『CASANOVA』観劇感想です。

 

楽しい作品


まずこの3点から。

・ストーリーとキャラクター
・楽曲
・ステージ美術

 

一言で言うと、とても楽しい作品でした。
特に奥行きの深い作品というわけではないですが、コメディにそれほど大きな感動は求めません。

キャラクターはバラエティに富んでいます。
主役のカサノヴァを中心にユニークな人物がたくさん。
ベテランから若手までそれぞれに活躍の場もあって、芸達者な花組の舞台を堪能しました。

 

楽曲の評価はまちまちなんですね^^;
曲は場面ごとにたくさんありましたが、聞きやすくて良い曲が多かったです。

アチア氏の言われるとおり、トップコンビとちなつさんの歌は特に素晴らしく(羽立さんも)、耳福です。

 

あと、注目のステージ美術。
舞台セットは豪華。

ヴェネツィアの迷路のような街並みを、ミニチュアの建物を可動させて表したり、様々な工夫がありました。
脱獄の時に天井を突き破って出てくるところ、個人的に好き。

衣装は、特に娘役さんの衣装が綺麗で素敵で眼福です。

総じて、宝塚らしい華やかな舞台で楽しい作品でした。

 

明日海りお カサノヴァ 

 

冒頭のとおり、カサノヴァはとにかく恋多き男。
そしてモテる。

同期生の美弥さんや望海さんが濃厚な色気を発する、危険なドン・ジュアンタイプだとすると、
みりおさんの演じるカサノヴァは、爽やかな色気を放ちます。

この爽やかさはなかなかの罪作り、
このタイプもまた違った意味で危険な香りがしますね。
プレイボーイの看板に偽りなしです。


そんなカサノヴァを軽快に演じる明日海りお。
やはり凄いと思いました。

カサノヴァはみりおさんの代表作の1つになるのでは。
私はみりおさんは大海人皇子のような役が好きですが、カサノヴァも素敵

今さらですが、新しい発見です。

楽曲が良いと感じたのは、みりおさんが曲を自由自在に歌いこなしていることが大きいと思います。

拍手、拍手、拍手

  

 仙名彩世 ベアトリーチェ


ベアトリーチェ役の仙名彩世さん、

ゆきさん、ホントに脂がのってます。
もちろんトップ娘役として素晴らしく!
初日のみりおさんと同じ意味で言ってます。

私の中でいつも舞台のゆきさんは、清楚な白百合のイメージです。

だけど今回は少し違いました。
カサノヴァのみりおさんが真っ赤な薔薇なら、
ベアトリーチェゆきさん は、咲き誇る白薔薇のよう。
2人は艶やかな美しい薔薇のようでした。

ベアトリーチェは修道院で育った大人しい娘かと思いきや、自由に憧れるパワフルで真っ直ぐな女性。

そんな魅力溢れるベアトリーチェをゆきさんは伸び伸びと演じます。


ゆきさんは歌もダンスも表現力が素晴らしいですが、、昨年末のタカスペでのかっこいいダンスは記憶に新しいですね。

今回はお芝居でそんなかっこよさも見ることが出来ました。

今、気づきましたが、今回のトップコンビ、とっても新鮮で素敵なんです
私はこのような2人の作品をもっと見たかったのかもしれません。

今日は改めて、今までのゆきさんのトップとしての役付きに疑問を持ちました。
もちろん、ゆきさんはどの役も全てきっちりと演じられていましたし、どの役のゆきさんも好きでした。

ただ、、ヒロイン感のある役が少なかった。
勿体ない思いでいっぱいです。

 

最後となる今回のベアトリーチェは本当に可愛くて良かったです。
歌もダンスもお芝居も全てクオリティの高さを感じました。

みりおさんとのゴンドラのシーン、デュエットダンス、綺麗でしたよ

ゆきさん、本当にありがとうございます。

最後の日まで美しく咲き誇ってください。

 

拍手 、拍手、拍手

 

 水美舞斗 バルビ


軽いノリの神父さまバルビ。
女好き♡笑
カサノヴァと行動を共にするので、出番の多いマイティ。
美味しい役ですよ、
ボサボサの髪でも綺麗なお顔で素敵なんです。

マイティはクセがなくてどんな色にも染まることのできる貴重なタイプですね。
みりおさんとのコンビもとても良かったです。

お芝居ではコミカルなバルビですが、フィナーレではかっこいいマイティ登場!
ダンスも素敵でした。

これからの花組を支えていく1人として、存在感を光らせてました。

 

舞台を彩る美しい花々

 

花野じゅりあ
サヨナラ公演となります。
カサノヴァの元愛人、ゾルチ夫人役ですが、本当に美しい方ですね。
存在感があるので、目を引きます。

じゅりあさんも最後になるなんて (涙)
アクの強い役から優しい役までどんな役もこなせる方で大好きでした。

 

桜咲彩花
ベアトリーチェの侍女、ダニエラ役です。
しっとりとした優しさのなかに、凛とした芯のある演技のできる素敵な方だなぁと。

歌声も好きでした。
ゆきさんと一緒に卒業されるのですね (涙)


大人の女性をしっかりと演じられるお2人が卒業されるのは残念なことです。
今回のゾルチ夫人もダニエラも印象的な素晴らしい演技、忘れられない役となりそうです。


‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦


舞台の感想、今日はここまでにします。
明日は柚香光さんと鳳月杏さんを中心に書きたいと思います。
この2人がまた濃くて素敵なんですよ〜


‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦


昨年訪問したベネツィアの写真です。
左はゴンドラに乗って。
右はH.ダニエリからの朝焼けに光る海。


全てが夢のような素敵な街ですが、ベネツィアに宝塚歌劇はない・・
やはり日本が1番です


f:id:wind-waltz912:20190309234532j:image f:id:wind-waltz912:20190309234404j:image

花うさぎ

 

2人のプレイボーイについての過去記事↓
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com

 

『ベルサイユのばら45』2.21 感想ー後編

 

平成中期からのベルばら

 

スペシャルイベント『ベルサイユのばら45』ー2月21日ーの 感想(後編) です。

f:id:wind-waltz912:20190222171107j:image

 

『ベルサイユのばら45』の 感想(前編) はこちらに書いています。↓

www.wind-waltz912.com

 

平成中期のベルばら〜湖月わたるさん

 

私が会いたかった3人目の方は湖月わたるさん!わたるくんです

 ここから、3組のコンビが扮装して登場します。
全員で『ばらベルサイユ』を歌った後、
それぞれのソロがあって、コンビごとで劇中の1シーンを演じるのですが、ここは当時を思い出して胸が熱くなります。

 

オスカル
朝海ひかる『我が名はオスカル』

アンドレ
貴城けい    『白ばらのひと』

〜荒ぶれた衛兵隊と心を通わすシーン

 

オスカル
彩輝なお   『人は幸せに』

アンドレ
麻路さき   『心の人オスカル』

〜バスティーユの場面、愛あればこそ

 

フェルゼン  
湖月わたる『愛の面影』

アントワネット
白羽ゆり    『愛の怯え』

〜牢獄、断頭台、ペガサスの如く

 

アラン            緒月遠麻
ベルナール  華形ひかる
メルシー伯爵      汝鳥伶

 

2000年代、私が観たベルばらは、
朝海ひかるオスカルと、凰稀かなめオスカルでした。
朝海オスカル、好きだったんですよ。
なので今回は声を聞いただけで懐かしさが蘇り、気持ちはあの頃へタイムスリップしました。

かなめさんの舞台は最前列だったこともあって、かなり印象に残っています。
足の長さに圧倒されっぱなしでした。
この日は出演されてなくて、残念。

今回のオスカル2人とアンドレ2人は、さすが皆さんお綺麗でした。

特に貴城けいさんは年々若返られているような・・OG公演CHICAGOの時も思いましたが、その頃より更に若がえり?
秘訣はなんでしょう、気になります^ - ^

 

★∻∹⋰⋰   ☆∻∹⋰⋰


さて、お目当てのわたるくん、変わってませんね〜
わたるくんも、このまま現役の男役行けそうです→行けます!
そして今回はとなみさん(白羽)とのコンビ復活(涙)
となみさんも相変わらずお綺麗で、この2人のフェルゼンとアントワネットはため息ものの美しさでした☆

……と語ってますが、わたるくんの星組トップ時代は諸事情でほぼ観劇出来なかった時期です。(涙)
フェルゼン役も映像のみの視聴です

5年前の100周年のセレブレーションの時に出演していたわたるくんのダイナミックなダンスと存在感には魅了されました。

3年前のガラコンサートの『エリザベート』のルキーニ役も素晴らしくて、現役時代(宙組ルキーニ役は舞台で観ています)より歌も演技も深みを増していて、余裕すら感じられて素敵でした☆

わたるくんに至っては、今後も男役で活躍してほしい・・という願望は胸にしまっていつまでもかっこいい女優さんとしての活躍を期待したいと思います。

 

最後に*:..。o♬*゚

 

最後は全員の『愛あればこそ』で、幕が降りました。

この公演、監修の植田紳爾氏の「浮かれたお祭りにしたくない」いう意図を汲みとって制作されただけあって、コテコテ感のないスッキリとした印象の素敵な舞台でした。 

そして、昭和ベルばらOGの方のご出演は本当に貴重でした。
5年後の50年、ぜひまた元気なお顔を見せていただきたいと願います

 

★∻∹⋰⋰   ☆∻∹⋰⋰


さて、新春インタビューで宝塚の小川理事長の「今年後半に一本物の大作を準備している」という発言がありました。

更に今年は「宝塚105周年」「ベルばら45周年」ということもあり、ファンが「大作とはベルばらではないか」とざわつくのは当然のこと。
私もそのように受け取りました。

どこの組で、ということになれば、
後半、雪組は公演がありません。
花組と星組は別作品の発表がありました。
宙組は前半で一本物を上演します。
なので、月組でしょうか。

♪ ばらベルサイユ
  ばらベルサイユ
      美しく咲けいつまでも

今年上演されてもされなくても、宝塚の舞台でこれからも美しく咲き続けることでしょう。


うさぎ 

www.wind-waltz912.com

 

 

『ベルサイユのばら45』2.21 感想ー前編

ベルばら~昭和から平成にかけて


スペシャルイベント『ベルサイユのばら45』ー2月21日ーを、観に行きました。
楽しく懐かしく、時に涙ぐみ舞台を堪能することができました。

話は少し脱線しながらになりますが、感想を書きたいと思います。


f:id:wind-waltz912:20190222005522j:image

ベルサイユのばら、宝塚初演から45年・・・
宝塚の歴史の半分近くはベルばらと共にあったということになりますね。

この公演、現役の方は専科から汝鳥伶さんと華形ひかるさんが出演。
汝鳥さんは歴代ベルばら最多出演者らしく、このイベントのMCをされてます。
みつるさんは歌にダンスに芝居に大活躍でした。


私の観劇日は2月21日。
ベストは全員が集結する大千秋楽24日でしたが、チケットが取れませんでした。

それで、私が特に会いたかったOGの方3名の出演日と、自分の都合を擦り合わせてこの日を選びましたが大満足でした。

 

昭和のベルばら〜汀夏子さん

 

最初に初演からの各組の映像が流れて、その後、初風諄さんから順々に主題歌を歌われます。


初風諄   「青きドナウの岸辺」
安奈淳   「愛の巡礼」
汀夏子   「ばらベルサイユ」
榛名由梨「心のひとオスカル」


初風さんと安奈さんの歌声は当時のままに本当に素晴らしくて感動しました
歌の後の4名のトークが面白く、舞台でのエピソードなどお話されました。
当時は全国ツアーが4ヶ月ほどあったようで^^;;・・その頃からハードだったんですね〜

皆さんのベルばら公演へのプレッシャーや、ベルばらに向き合う情熱など、貴重なお話を聞くことができました。


★∻∹⋰⋰   ☆∻∹⋰⋰  


さて、この『ベルサイユのばら45』で会いたかった1人目の方は汀夏子さんです。
と言っても、雪組トップだった汀さんのベルばら(オスカル)を観たわけではありません。

話は『べるばら』から少し離れます。

調べてみると、汀さんが雪組トップだったのは、2年 (wトップ時代) + 8年 (単独トップ)の計10年
他のトップの方もですが、昔は任期が今とは比べものにならないくらい長かったんですね。


ベルばらのあとの公演になりますがーー

子供心に、汀さんの舞台を観た記憶が今も鮮やかに残っています
中でも『ムッシュ・パピヨン』というショー!
とにかく楽しかったという思い出があります。

汀さんは凄く熱いタイプの方でしたが、今も華やかで熱くオーラ全開で、やっぱり素敵な方でした☆

私は常々、ちぎさん(早霧せいな)や、のぞ様(望海風斗)には、汀さんと共通するものを感じるのです。
どこかと言われれば、、、外見が似てるわけでもなく、むしろそれぞれ全く違うのですが・・

熱量、熱さ、男くさい男役なところ?
ホントにタイプは皆違うんですけど、雪組魂なのか・・・好きです。

パピヨンはちぎさん主演で再演して欲しかったなぁと、今更ながら思います。

汀さんは今となっては全てが朧げで、私の中で幻の人となっていたので今回の出演はとても嬉しかったです。

なので私の宝塚ときめきの原点汀夏子さんです


★∻∹⋰⋰   ☆∻∹⋰⋰


ベルばらに関係ない話をもう一つだけ。

私の母は鳳蘭さんのファンです。
今回は出演されていないので誘いませんでしたが、母は昔から何故か鳳さんのことだけ、フルネームで呼びます。
「ハァ〜、鳳蘭は良かったわぁ←呼び捨て^^;

それはまぁ、お許しいただくとして。
問題は発音です。
必ず「おおりらん」と濁ります。→正しくは「おおりらん」

おそらく、オーリーヘップバーンとごっちゃになってるのだろうと私たち姉妹は推測していますが、指摘するとムッとするので、今では誰も注意しません・・

この公演、母娘らしき方も多かったので、出演されていたら一緒に行けたかもとちょっと残念でした。

50周年にはぜひ出演してください、おおりらん様。


★∻∹⋰⋰   ☆∻∹⋰⋰


さて、昭和のベルばらから、平成のベルばらへの再演まで13年の月日があります。
期間が空いたのは、この作品を大切にしたいからだとか。

 

平成初期のベルばら~杜けやきさん

 

平成ベルばらトップを飾るのは、日向薫さんと杜けあきさん。

杜けあき  「心のひとオスカル」
日向薫      「ばらのスーべニール」

 

日向さん、背が高くてスタイル良くてお綺麗でちっとも変わってません。
実は当時、日向さんのベルばらを観たかどうか、どうしても思い出せないのです^^;

「炎のボレロ」「戦争と平和」などは覚えているので、観ていないかもしれません。
今日は映像で当時の様子が流れて観ることが出来ました。


そして、私が会いたかった2人目は杜けあきさんです!

この日の杜さんは黒の衣装が素敵で、登場した途端に何とも優しい空気が流れました。
懐かしい雰囲気と変わらぬ歌声。
私は杜さんの持つ独特の空気感や、会場を包み込むような深みのある歌声が大好きです。

当時、私が観劇した月組公演。
月トップの涼風真世さんがオスカルを演じ、役替わりで雪トップだった杜さんがアンドレ役で特出された日です。
月組のアンドレ役だった天海祐希さんは、その日はジェローデル役でした。

劇画から抜け出たような涼風オスカルと、静かで包容力溢れる杜アンドレ
歌うまコンビの夢のような舞台でした。


今まで観た歴代アンドレの中で、1番好きなのは杜さんなのでホントに今日は嬉しかったです。

そうそう、杜さんの中にも望海さんを感じるんです。
私の心を響かせる歌声を持つお2人という共通点はありますが。


★∻∹⋰⋰   ☆∻∹⋰⋰

 

前半は主題歌とトークが中心で楽しく、あっという間にここまで進んできました。
半ば自分語りになっていますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

ここから、平成中盤以降のOGたちの衣装を着てのシーンとなります。

前編はここまでとして、今日は一気に後編もアップします。 

後編 ↓ 
www.wind-waltz912.com

うさぎ

 

 

雪組『ファントム』大千秋楽 LV感想 〜エリックはファントムー怪人ー

 

宝塚史に刻まれるファントム

 

今日観たファントム、望海風斗さんのエリックには、やはりW.ブレイクの詩の世界を感じずにいられませんでした。

まるでブレイクの詩の中の穏やかな風景の中に潜む魔物のように、
エリックの心の純粋さと美しさの中に潜む狂気を、望海さんは迫真の演技で演じてくれました。

望海エリックは、豪華絢爛なオペラ座の地下深くに住むミステリアスな王子様ではなく、姿なき幻影になぞらえてファントムと呼ばれている悲しき怪人でした。

 

f:id:wind-waltz912:20190209143609j:plain


今日の大千秋楽公演、ライビュでの観劇になりましたが、
ムラで数回観た時にも増して、望海エリックは一人の人間として、孤独や醜さをストレートに表現されているように感じました。

 

新しいファントムと望海風斗


初演はどちらかというと、エリックの生まれ持った悲劇性を美しく表現した宝塚的な演出でした。
初めてファントムの世界を観た私たちにとっては衝撃的な舞台でした。


私は当時宝塚を離れていたので映像のみの視聴でしたが、妹1は感動のあまり何度かリピートしたとか。
最初に観たものはそれほど印象付けられるものです。
→その妹1も今回のファントムには感動しきり。


再演を重ねる毎に少しずつ演出が変わり、今回は最もイェストン氏のファントムに近づいた演出となり、エリックが生身の人間として描かれていました。

それは望海風斗というスターを最も輝かせる演出であったと確信しています。

だいきほの歌の素晴らしさに関しては今更語るまでもなく。
今日はスクリーン越しですが、最後に2人の歌を聴くことができて感無量でした。


演出については好みですし、演者の好みもあります。
今回の舞台を観ることで、過去の方が好きだったわ、と懐かしい舞台に思いを馳せる方もいらっしゃるでしょう。
忘れられない舞台はあるものです
それは素晴らしいことですね。

過去のどの組のファントムも今の雪組と同じように、その時のその組にしかできない最高の舞台を作ってこられたのですから。

私もこの舞台がそうなることでしょう。

舞台でトップさんや組カラー、時代に応じて演出が変わるのは普通のことですが、いろいろな違いなども楽しめるのは観客冥利に尽きると思っています。


さて、今回の演出は、私が望海さん真彩さんファンであること、雪組ファンであることはさて置いて、個人的にはとても共感できるものとなりました。


無防備で感情的で幼い心を持ったまま育ってしまったエリック。
音楽を愛し、詩を愛し、自然を愛し、クリスティーヌを愛した。
その意味では純粋で美しい心を持った青年です。

一方、特異な世界で育ち、希薄な人間関係、孤独で大人になりきれないもう一人のエリック。
カルロッタを手にかけることへの躊躇の無さ、
クリスティーヌへの愛さえもキャリエールは危険だと考えている。

エリックが併せ持つ二つの内面はぶつかり合い溶け合い、エリックの人格を作っていきます。

心の中の光と影
望海さんは、エリックの心の闇を歌にのせて見事に表現してくれました。
結果として、序章から終章まで、私たちは目の前のエリックの残酷な運命に涙せずにはいられませんでした。

美しい心と醜い心
これはエリックだけではなくて私たちの心の中にも潜んでいるものです。
生きていて嫉妬や憎しみを感じない人はいないでしょう。

理性で抑えられるものと抑えられぬもの
もし、私がエリックならば、やはり最期の瞬間「お父さん!」と叫んだでしょう。
なぜなら、恐ろしさに怯える一人の愚かな人間(子供)だからです。

もし私がキャリエールなら、全てを受け入れて罪を償いたいと思います。
哀れな息子を追い込んでしまった父親だから。
この後の現実を考える余地はありません。

 

このように、今までより登場人物の心情をリアルに感じることができたので、感情移入しやすかったです。
長くなりましたが、これらが今回の演出が好きだと思った理由です。

 

最後に〜閉幕〜

 

今回は望海さんだけにスポットを当てた感じになりましたが、本当に雪組の皆さんの一人一人素晴らしくて。

不思議ですが、キャリエールにも、クリスティーヌにも、シャンドンにも、名も無き従者の心にさえ寄り添うことの出来る舞台でした。

 

余談ですが (そうでもないかな) 、キャリエール役に関しては、歴代キャリエール役の方は全て素晴らしかった。

今回の彩風咲奈さんもそこに名を連ねるべく素晴らしいキャリエールだったと思います。


いくつかキャスト別の感想をブログ記事に書きましたし、ブレイクの詩についても書いています。
それでも、感動を書き尽くせるものではありません。

今日でこの舞台は閉幕しますが、『ファントム』の世界観は消えることはなくらいつまでも私の心の中に生き続ける宝物です。

 

カーテンコール、望海さん。

今日で雪組『ファントム』は、

「閉幕!」

「ありがとう〜」

素晴らしい舞台をありがとうございました。

雪うさぎ

 

↓ 過去感想 ↓  こんなに書いてる〜 笑

 www.wind-waltz912.com

 

www.wind-waltz912.com


www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com

月組『アンナ・カレーニナ』感想③はライビュで!〜愛の巡礼

 

『アンナ・カレーニナ』 千秋楽

 

『Anna Karenina』千秋楽の幕がおりました。
おめでとうございます。

f:id:wind-waltz912:20190619170137j:image


この公演、舞台を一度、そして今日のライブビューイングと2度観劇する機会がありました。


ライブビューイングならではの良さがありますね。
ポイントでのクローズアップはもちろん、バウホールなどのような小劇場で人数も限られている場合は、全体的に観ることもできて満足度は高いです。

 

トリデンテの魅力


改めて、美弥るりかというスターはやはり独特の空気感を持つ人だなぁと。
登場するとふっと場の空気が変わります。
それは舞台だけではなくて、映像からも感じられるほどです。

美弥さんは色気ある男役の代名詞になってますが看板に偽り無し、他に類のない妖しい美しさが最大の魅力でしょう。

大きな瞳は静かに、それでいて熱く輝いて、恋に狂うヴィロンスキーを情熱的に演じる美弥さんがとても美しく、完全に魅入られました。


そして、ノーブルな顔立ちと静かな雰囲気からどこまでも正統派の月城かなと・・
と言いたいところですが、意外と謎めいたところもある人。

メジャーな作品で例えるなら、エリザベートやベルサイユのばら、どの主要人物を演じても大きくイメージを外してこないと思う。
私の場合、役の振り幅が大きい人を謎めいた人と言う。

個性派スターがひしめく月組の中で、それもまた一つの大きな個性となり武器にしてほしいと思うのですが。

今日のれいこカレーニンはかなり素晴らしい!
前回舞台で観た時より更に役に近づいてきているのか、カレーニンの切なさが強く感じられました。


海乃美月さんはやはり美弥さんととても相性良く感じます。
お芝居の呼吸、デュエット、ビジュアル、全て綺麗に合ってました。

去年ラスパでゼルダを演じたことは、このアンナ役に大きく生きているような気がします。

ゼルダもアンナも難しい役ですが、このように重い役を任せられるのは、やっぱり海ちゃんなのかなと。

とにかくこの月組トリデンテは素晴らしい。 


これは前回の舞台での観劇感想です。↓↓
www.wind-waltz912.com
www.wind-waltz912.com

 

さて、その他の登場人物の中で、特に印象に残った方を書き留めておきます。


夢奈瑠音 / コスチャ
きよら羽龍 /  キティ

コスチャ(レーヴィン)は私がこの物語の中で1番好きな人物です。
生きる力をがみなぎり、愛する人を大きく包み込んむ優しい人で、小説ではアンナと並ぶくらいの大きなウエイトを占める人物です。

舞台でのコスチャとキティは、ヴィロンスキーとアンナと対照的な生き方をする2人として登場しますが、コスチャを夢奈さんは大らかに演じていて朴訥な感じがよく出てました。

 

そのコスチャが愛するキティ役の、きよら羽龍さん。
まだ研一なんですね。
落ち着いていて歌える人だなぁと。
娘役さんの名前としてはインパクトもありすっかり覚えました^ ^
かなり楽しみな人ですね。


光月るう /  スティーバ

アンナの兄で、とてもユニークで憎めない人。
欠点は女好き。
けど、男であるがゆえにアンナと違ってさは社会的制裁にあうこともなく、嫁さんと揉めながらも自由に生きてる人。
るうさんはひょうひょうとした演技で、私のイメージするスティーバにぴったりでした。
 
英かおと /  セルブホフスコイ

ヴィロンスキーの友人で、青年将校。
申し分のない婚約者がいて、言わば人生の王道を歩んでいる人。
そのエリート将校を爽やかな演技で表現。


ヴィロンスキー、カレーニン、コスチャ、セルブホフコイと、生き方も考え方もバラバラの男たち。
ロシア文学は登場人物が多い分、誰かに感情移入しやすく、思うより親しみやすいと思います。
 

また、専科からヴィロンスキーの母親役として五峰亜季さん、
アンナたちの友人役として美穂圭子さん、さすがの演技でした。

 

宝塚の「愛の巡礼」


カーテンコール
組長るうさんがご挨拶の最後に「では、お待たせしました。宝塚の愛の巡礼、美弥るりかでございます」と、美弥さんを紹介。

美弥さんにそういう呼び名があったの?
知らなかった。

美弥さん、るうさんのことは「セクシー組長」と言われてましたが。


映画館も笑いが起こってましたが、アンナとヴィロンスキーも、ある意味「愛の巡礼」であったのかと。

 

この作品のテーマでもある「愛」

愛の巡礼こと美弥るりかさんにぴったりの愛に満ちた舞台でした。

美弥るりかという素晴らしいスターの今後が気になってしょうがない、今夜。


月うさぎ